【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会副会長 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

火神主宰 俳句大学学長 Haïku Column代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜季語で一句 23 〜

2021年10月07日 14時22分23秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」

俳句大学投句欄よりお知らせ!

〜季語で一句 23 〜

◆『くまがわ春秋』10月号が発行されました。

◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。

◆お求めは下記までご連絡下さい。

 (info@hitoyoshi.co.jp ☎0966-23-3759)

 

「くまがわ春秋」

【季語で一句】(R3・10月号)

永田満徳:選評・野島正則:季語説明

 

秋寒(あきさむ)     「秋-時候」

茂木寿夫

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うそ寒や玻璃戸に映る我が背筋

【永田満徳評】

「うそ寒」という季語は老いとの取り合せでいい句が多い。掲句はたまたま「玻璃戸」に映った少し猫背になった「我が背筋」を見て、うそ寒さを感じたもの。老いをしみじみと感じたところが共感できる。

【季語の説明】

俳句の世界独特の使い分けがあるような寒さを表す言葉。「やや寒」の「やや」は「いくらか」「少しばかり」などの副詞で、次第に募りくる寒さをいう。「うそ寒」はすこしばかりの寒さである。「そぞろ寒」はなんとなく寒い程度であろうか。秋の半ばすぎから晩秋にかけて次第に募る寒さを思わせる季語である。

 

霧(きり)         「秋-天文」

桧鼻幹雄

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新しきボトルに名前霧の夜 

【永田満徳評】

「霧」はドラマを感じさせる。掲句は、出会いの継続のために「新しきボトル」をキープしている場面。夜霧が二人を包み込んだ場面の逢瀬として、ロマンチックなドラマがあるように感じられて、心惹かれる。

【季語の説明】

「霧」とは、水蒸気を含んだ大気の温度が露点温度に達し、小さな水粒となって空中に浮かび、視界を悪くする現象。俳句の季語としては、古くは春秋ともに霞といったが、平安時代以降、春の方を霞、秋の方を霧と呼び分けている。人吉盆地は濃霧の発生率が1、2を争い、幻想的な風景を楽しむことが出来る。


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