
3月21日付の新聞「ソビエツカヤ・ベラルーシ」の文化面を開いた私はあっと叫んだ。
見開き2ページを使って、
「トーダルの新しいギターで大騒ぎ」
という特集記事がどーんと載っているではないか!!!
そこには高松で買ったギターを持って、Vサインをするトーダルのカラー写真が・・・!
この記事は現在ネット配信されています。写真を見たい方はこちらをクリック。記事本文はロシア語です。
http://www.sb.by/post/strunoy_serdtsu/
他にも4人の有名ベラルーシ人ミュージシャンの写真がどどどどーんと掲載されている・・・。
これは一体何事か? あわてて記事を読んでみた。
・・・つまりは、こういうことだった。
トーダルが日本でギブソンのギターを買ったことが、ベラルーシ音楽界で大きな話題となり、新聞記者が
「お、そうだ、そういや、ベラルーシ人のミュージシャンはどんなギターを使っているのかな? 一度にたくさん載せたら、おもしろいネタになる。今までこういう記事、載ったことないもんね。」
と考えたらしく、さっそくベラルーシの有名ギタリスト4人に
「どんなギターを使っているか?」
「どのギターが一番のお気に入りか?」
「そのギターにまつわるエピソードがあれば、ぜひ。」
といった質問をしているのである。
「トーダルのことがうらやましいか?」などという質問まである・・・!
全部翻訳するのは大変なので、大事なところだけ、ご紹介します。
まず、記事の冒頭。
「日本へ公演のため滞在していたトーダルは、そこで高価なギブソンのギターを買った。噂によれば、その値段は3000ドル以上。
このギターを持ったトーダルのミュージシャンとしてのステイタスは一気に上がった。
それではトーダル以外のベラルーシ人ロックギタリストはどんなギターを持っているのか? 高価な楽器が売られていないこの国の現状をどう見ているのか?」
最初にミュージシャンのアトモラビにインタビュー。
「僕が使っているアコースティックギターはマーティンのD-15で、1100ユーロしました。この系では最も安いものです。」
「トーダルがギブソンのギターを買ったことをうらやましく思いますか?」
「ギブソンのアコースティックギターなら、僕も買いたいと思うよ。音楽にとって楽器の音は重要でしょ?
しかし、この国ではそういう大事なことに関心が払われていない。だから、トーダルの新しいギターのせいで、大騒ぎになったんですよ。
こんなギターは、今までベラルーシのステージでは使われることがなかったんです。
ベラルーシの楽器屋についてはノーコメント。15年間、ギターやそのほかの楽器を探しているけど、いい楽器はミンスクでは買えません。
モスクワに住んでいるミュージシャンなら、何とかいい楽器を手に入れることがでるだろうけど・・・。何もかも貧困が原因です。」
次にミュージシャンのセルゲイ・プクスト(トーダルの友達)にインタビュー。
「あなたのグループのメンバーからきいたんですが、あなたが使っているギターは安かったそうですね。楽器にお金をかけないんですか?」
「それは違うよ。今、僕が使っているスクワイア・ストラトカスターは、高いギターと言っていいよ。・・・会場によって、音が変るんだよね。」
次に人気グループ「J:モルス」のギタリスト、ロマン・オルロフにインタビュー。
「僕が持っているのは、フェンダーのストラトカスター・カスタムボディです。
・・・このギターはモスクワでは3500ドルすると思います。このギターを買ったのは音がいいからです。それ以上のことは言えません。
・・・ワインと同じでギターは古ければ古いほどいいものです。」
最後に(たぶんこの5人の中で一番ベラルーシ人の間で人気がある)グループN.R.M.のリーダー、リャヴォン・ヴォリスキーが登場。
「僕はギターを一つではなく、四つ持っています。
一番大切にしているのはN.R.M.結成時に、友達からもらったイバニーズ(アイバニーズ)のジャズギターで1974年製のもの。このギターには僕自身は値段はつけられません。
フェンダーの安いギターも持っています。値段は700ドルから800ドルあたりかな。
・・・アトモラビはちょっと言い過ぎてるよ。コンサートに来た観客にとっては、そんなに音の良し悪しは重要じゃないと思うよ。大事なのはミュージシャン自身が気分よく演奏することさ。そういうのが観客に伝わるからね。
いい音がする高い楽器を持っていても、ミュージシャンが自分自身を信じていなかったら、だめなんだ。
・・・でも最近、ベラルーシのギタリストが一斉に高い楽器を探し求めるようになったね。いいことだよ。成長するのをやめていないんだから。」
「あなたにも夢のギターがありますか?」
「トーダルが日本で買ったのは珍しいモデルのギターだから、少しばかりトーダルのことがうらやましいね。ギブソン、これが夢だよ。
キエフにとてもいいギターがあるって知ってね。友人のグループ『リャピス・トルベツコイ』が近いうちに、そのギターを買ってきてくれることになっているんで、楽しみに待っているんだ。」
・・・以上です。
・・・これを読んだ捨平は
「ベラルーシの新聞の文化面は、他に載せるようなニュースはないのか。」
と少々呆れ気味・・・。
ちなみにこの新聞「ソビエツカヤ・ベラルーシ」は発行部数、約40万部で、ベラルーシでは発行部数が多い新聞の一つである。
ところで、この投稿自体にくっつけた画像はトーダルの公式ブログから許可をもらって、添付したものです。(トーダル、浮かれポーズだな・・・)
これは3月8日にミンスク市内で行われたコンサートを取材したベラルーシのマスコミからの提供です。その記事はこちら。
記事はベラルーシ語ですが、画像や動画が見られますので、クリックしてみてください。
http://generation.by/news2215.html
3月8日のミンスクコンサートについては、別に投稿した記事「トーダルがミンスクのコンサートで日本の歌をはっぴを着て歌いました」をご覧ください。
・・・・・
おまけ
7月18日付の新聞「ソビエツカヤ・ベラルーシ」にまたトーダルがギターを持った写真が載っていた。(これしか編集部にトーダルの写真はないのか・・・?)
http://sb.by/post/slushay_pesnyu_vetra/
今年で3回目になったベラルーシエトノ音楽祭(エトノとは、エスノ・ミュージック、つまり民族音楽のこと。)の記事で、出演したトーダルやトロイッツァというベラルーシのエトノ音楽の草分けグループ「トロイツァ」のイワン・キルチュークの画像が載っています。
(もう一人写真で載っているのはロシア人の著名音楽評論家。しかし音楽祭1日目、ずっといねむりしてらしい。ばかもん。)
インタビューを受けたトーダルはエトノ音楽について「風の歌の聴け」とか答えていて、それがそのまま、この記事のタイトルになっているんだけど、もしかして、村上春樹の本、読んだ? (^^;)
見開き2ページを使って、
「トーダルの新しいギターで大騒ぎ」
という特集記事がどーんと載っているではないか!!!
そこには高松で買ったギターを持って、Vサインをするトーダルのカラー写真が・・・!
この記事は現在ネット配信されています。写真を見たい方はこちらをクリック。記事本文はロシア語です。
http://www.sb.by/post/strunoy_serdtsu/
他にも4人の有名ベラルーシ人ミュージシャンの写真がどどどどーんと掲載されている・・・。
これは一体何事か? あわてて記事を読んでみた。
・・・つまりは、こういうことだった。
トーダルが日本でギブソンのギターを買ったことが、ベラルーシ音楽界で大きな話題となり、新聞記者が
「お、そうだ、そういや、ベラルーシ人のミュージシャンはどんなギターを使っているのかな? 一度にたくさん載せたら、おもしろいネタになる。今までこういう記事、載ったことないもんね。」
と考えたらしく、さっそくベラルーシの有名ギタリスト4人に
「どんなギターを使っているか?」
「どのギターが一番のお気に入りか?」
「そのギターにまつわるエピソードがあれば、ぜひ。」
といった質問をしているのである。
「トーダルのことがうらやましいか?」などという質問まである・・・!
全部翻訳するのは大変なので、大事なところだけ、ご紹介します。
まず、記事の冒頭。
「日本へ公演のため滞在していたトーダルは、そこで高価なギブソンのギターを買った。噂によれば、その値段は3000ドル以上。
このギターを持ったトーダルのミュージシャンとしてのステイタスは一気に上がった。
それではトーダル以外のベラルーシ人ロックギタリストはどんなギターを持っているのか? 高価な楽器が売られていないこの国の現状をどう見ているのか?」
最初にミュージシャンのアトモラビにインタビュー。
「僕が使っているアコースティックギターはマーティンのD-15で、1100ユーロしました。この系では最も安いものです。」
「トーダルがギブソンのギターを買ったことをうらやましく思いますか?」
「ギブソンのアコースティックギターなら、僕も買いたいと思うよ。音楽にとって楽器の音は重要でしょ?
しかし、この国ではそういう大事なことに関心が払われていない。だから、トーダルの新しいギターのせいで、大騒ぎになったんですよ。
こんなギターは、今までベラルーシのステージでは使われることがなかったんです。
ベラルーシの楽器屋についてはノーコメント。15年間、ギターやそのほかの楽器を探しているけど、いい楽器はミンスクでは買えません。
モスクワに住んでいるミュージシャンなら、何とかいい楽器を手に入れることがでるだろうけど・・・。何もかも貧困が原因です。」
次にミュージシャンのセルゲイ・プクスト(トーダルの友達)にインタビュー。
「あなたのグループのメンバーからきいたんですが、あなたが使っているギターは安かったそうですね。楽器にお金をかけないんですか?」
「それは違うよ。今、僕が使っているスクワイア・ストラトカスターは、高いギターと言っていいよ。・・・会場によって、音が変るんだよね。」
次に人気グループ「J:モルス」のギタリスト、ロマン・オルロフにインタビュー。
「僕が持っているのは、フェンダーのストラトカスター・カスタムボディです。
・・・このギターはモスクワでは3500ドルすると思います。このギターを買ったのは音がいいからです。それ以上のことは言えません。
・・・ワインと同じでギターは古ければ古いほどいいものです。」
最後に(たぶんこの5人の中で一番ベラルーシ人の間で人気がある)グループN.R.M.のリーダー、リャヴォン・ヴォリスキーが登場。
「僕はギターを一つではなく、四つ持っています。
一番大切にしているのはN.R.M.結成時に、友達からもらったイバニーズ(アイバニーズ)のジャズギターで1974年製のもの。このギターには僕自身は値段はつけられません。
フェンダーの安いギターも持っています。値段は700ドルから800ドルあたりかな。
・・・アトモラビはちょっと言い過ぎてるよ。コンサートに来た観客にとっては、そんなに音の良し悪しは重要じゃないと思うよ。大事なのはミュージシャン自身が気分よく演奏することさ。そういうのが観客に伝わるからね。
いい音がする高い楽器を持っていても、ミュージシャンが自分自身を信じていなかったら、だめなんだ。
・・・でも最近、ベラルーシのギタリストが一斉に高い楽器を探し求めるようになったね。いいことだよ。成長するのをやめていないんだから。」
「あなたにも夢のギターがありますか?」
「トーダルが日本で買ったのは珍しいモデルのギターだから、少しばかりトーダルのことがうらやましいね。ギブソン、これが夢だよ。
キエフにとてもいいギターがあるって知ってね。友人のグループ『リャピス・トルベツコイ』が近いうちに、そのギターを買ってきてくれることになっているんで、楽しみに待っているんだ。」
・・・以上です。
・・・これを読んだ捨平は
「ベラルーシの新聞の文化面は、他に載せるようなニュースはないのか。」
と少々呆れ気味・・・。
ちなみにこの新聞「ソビエツカヤ・ベラルーシ」は発行部数、約40万部で、ベラルーシでは発行部数が多い新聞の一つである。
ところで、この投稿自体にくっつけた画像はトーダルの公式ブログから許可をもらって、添付したものです。(トーダル、浮かれポーズだな・・・)
これは3月8日にミンスク市内で行われたコンサートを取材したベラルーシのマスコミからの提供です。その記事はこちら。
記事はベラルーシ語ですが、画像や動画が見られますので、クリックしてみてください。
http://generation.by/news2215.html
3月8日のミンスクコンサートについては、別に投稿した記事「トーダルがミンスクのコンサートで日本の歌をはっぴを着て歌いました」をご覧ください。
・・・・・
おまけ
7月18日付の新聞「ソビエツカヤ・ベラルーシ」にまたトーダルがギターを持った写真が載っていた。(これしか編集部にトーダルの写真はないのか・・・?)
http://sb.by/post/slushay_pesnyu_vetra/
今年で3回目になったベラルーシエトノ音楽祭(エトノとは、エスノ・ミュージック、つまり民族音楽のこと。)の記事で、出演したトーダルやトロイッツァというベラルーシのエトノ音楽の草分けグループ「トロイツァ」のイワン・キルチュークの画像が載っています。
(もう一人写真で載っているのはロシア人の著名音楽評論家。しかし音楽祭1日目、ずっといねむりしてらしい。ばかもん。)
インタビューを受けたトーダルはエトノ音楽について「風の歌の聴け」とか答えていて、それがそのまま、この記事のタイトルになっているんだけど、もしかして、村上春樹の本、読んだ? (^^;)