大月市と甲州市の境にある笹子峠にある老杉で、「矢立のスギ」と呼ばれている。樹高約28m、根廻り14.8m、幹は地上約22mで折損し中は上まで空洞となっている。戦国武将が必勝を祈願し矢を射ったことから、こう名づけられたという。
JR笹子駅から笹子峠への旧甲州街道を歩きながら、峠道のてっぺん付近で見つけた。周りのスギは痩せているのが多いので、矢立のスギはひときわ目立つ。さらに登ると峠の真下を抜ける笹子隧道に出る。
国道20号の新笹子トンネルが無料開放されたのをきっかけに、この峠道は国道から県道に移管された。クルマでも楽に通れるので、いま紅葉、黄葉を楽しむことができる。天気の良い日は、20号線のわき道を通るような感覚で、笹子隧道を抜ける絶好のドライブルートとなる。一車線だけど、230メートルのまっすぐなトンネルなので、対面するクルマの有無を確認してから通れる。いま、この峠道を通るクルマはほとんどない。