徒然なるままに

日常を取り留めなく書きます

レストランにて

2009-02-15 22:38:09 | 空想
そのイタリアンレストランは50名くらい収容できるキャパシティがあったが、お客は我々を含めて、2,3組くらいだろうか。まだ時間が早いためか、空いていた。
私とサンタは入り口のテーブル席に座り、ビールと適当につまむものを頼んだ。
サンタがメニューを見ながら、あれこれとウエイターに注文していた。
デパートの地下には、食材を売る売り場があって、我々のテーブルの窓越しに、その景色が見えた。ちょっと洒落た感じの売り場を歩き回っている人がわずかに見えた。
私がぼんやりとそんな風景を見ていると、ウエイターがビールを運んできた。
グラスに注がれたビールはわずかばかり泡立っていた。
「本当はジョッキがいいんだけどね」
サンタはそう言って、サングラスを外し、グラスを私の方に向けた。
サングラスを外したサンタの顔は欧米人のように彫が深く、瞳はやや薄い茶色だった。
誰かに似ているな―。
私は一瞬そう思った。が、それが誰なのかはわからなかった。
私はビールのグラスを手にとって、サンタのグラスに合わせた。
カチリと硬質な音がした。
サンタは喉を鳴らしながら、半分ほど飲んだ。
私もそれに続いて、グラスに口をつけた。
私はサンタとヨウコさんの話をする前に聞いておこうと思っていた。
サンタがグラスをテーブルに置くと、まず私から話し出した。
「サンタ君、君はいったい何者なんだ?」
そう、ついさっき、サンタと出会ってから、ずっと感じていた疑問、それを率直にぶつけた。
サンタは茶色の瞳で、私のほうを見て言った。
「先生の親戚―」
私はすかさずに言う。
「いや、だから―、そうじゃなくて、君は、学生なのか?」
「学生じゃないよ。学校には行っていない」
「それじゃサラリーマンか?」
「サラリーマンじゃないな。会社には行っていない」
サンタはニヤニヤしながら答える。
「じゃあ、君は普段何をやって生活しているんだ」
サンタは相変わらずニヤニヤしている。
「ミツヤさん、人間は学生とサラリーマンだけではないよ。俺は俺なんだ。もうそんな話どうでもいいじゃん」
サンタがめんどくさそうに言った。
「いや、僕は今日、先生が人を叱るのをはじめて見た。先生は自分の研究室の学生にもあんな接し方はしないんだ。君は―」
私ははっとしていた。
そうだ、サンタは先生に似ているんだ。
先生を若くしたら、サンタのような顔になる。サンタがさっきまでサングラスをしていて、私はまったくそれに気づかなかった。
「先生の親戚って、まさか、君は先生の子供か?」
私の真剣な問いかけにサンタは笑いながら言った。
「違うよ、ミツヤさん。先生は独身で子供はいないよ」
そうか―、そうだな。
しかし、サンタは先生によく似ている。
「よく似てるって言われるけど、息子じゃないよ。孫でもない。俺は俺なんだ」
サンタは繰り返して言った。
「俺は俺で、何もやっていない。家が大金持ちなんだ。だから何もやらないでも困らない。以前、先生の論文を読んで、ちょっと興味を持って、いろいろとメールで質問してみたら、いつの間にか先生と仲良くなっていた。そんな関係だよ。自己紹介はこれでいい?」
サンタは私の方を見ながらニコニコしていた。
「もうひとつ、聞いておきたい。君は今何歳だ?」
私は最後の質問をサンタにした。
「そうだな、そういえば先月15歳になった」
サンタはポツリと言った。
15歳だと―。
私はあきれて、しばらく口を開けたまま、サンタを見つめていた。

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本日の収支:-25k
2009年度収支:-95k
コメント:勝てないよ

風邪

2009-02-15 11:54:43 | Weblog
水曜日あたりから調子が悪い。
頭痛。鼻水、咳、口内炎。
体はだるいが熱はないので、インフルエンザではないらしい。
金曜日は会社休日で3連休となったが、ほとんど寝ていた。
今日になって、口内炎は若干よくなったが、その他は変わらず、薬で緩和している。
久しぶりに爆睡して、いろんな夢を見た。
どちらが夢なのか現実なのか、一瞬、よく分からなくなった。
どっちでもいいや。