キャバ嬢に宇宙を語る

ホーキング博士の「ホーキング、宇宙を語る」を読んだのは10年くらい前かな？
さっぱり、理解できなかった。
特異点定理？
ブラックホールが蒸発？
ホーキング放射？
虚時間で特異点がなくなる？
その後、これは物理の基本から勉強しなくてはと思い、高校の物理の教科書を読み直し、アインシュタインの相対性理論に関する本を読み、量子力学の本を読み、自分なりに学習した。が、一般相対性理論で高度な数式が出てきて挫折。量子論については、波動関数がよくわからなかったが不確定性原理についてはなんとなく理解できた。
要は数式が出てくると解らなくなるが、文字情報だけを読んで、全体を理解したような気になっているのだと思う。
最近、「ホーキング、宇宙を語る」の解説本を買って、今日も東京出張帰りの新幹線で読んでいた。
いやあ、実はホーキングすげえ。そんなこと考えちゃうんだと、感動した。
この感動を誰かに伝えたい。
自分がどこまで理解しているかわからないが、誰かに教えることによって、自分の理解度を確認できると考えた。
できれば全然わかってない人がいい。名古屋駅に着いて、そうだ、とりあえず、話を聞いてくれるキャバ嬢だと思い、キャバクラに向かっていた。
いきなり「宇宙を語る」のは変だ。
まずあたりさわりのない話題から。
出身地どこ？岐阜なの。ぼく静岡。海と山があってよかったよ。いろんな遊びしたよ。中学生の頃こっくりさんって流行ったんだよ。え、岐阜では「分身さん」。でもぼくは科学的に根拠がないやつは信じなくなったよ。いろいろ勉強してね。
で、ようやく、宇宙を語るのである。ここまでで30分以上経過。
「宇宙って、膨張してるの知ってる？」
「ええっ！そうなの」とキャバ嬢。
そこから宇宙を語るのである。
そもそも膨張しているのを発見したのはハッブルさんって人が望遠鏡で…
膨張しているからには始まりがあるよね。ガモフって人がビッグバン…
なぜビッグバンっていうとアインシュタインの相対性理論ってのがあって…
でも宇宙の始まりでは相対性理論が破綻しちゃうんだ、で量子論ってのが…
ブラックホールって知ってる？
で、ホーキングって人が…
てな感じで延々一時間くらい語った。ちなみに30分延長。
キャバ嬢はやや年齢高め。お触りＯＫのセクシーキャバだったが、延々と宇宙を語った。キャバ嬢の反応は良かった。
「ええー、それで、それで？」
「そうなの。すごいね」
「もっと聞きたい？延長いい？」
で、延長30分。
お触りも、ナメナメもＯＫなのに、延々と宇宙を語る客。
何か適当に相槌を打って、興味がある振りをしていればいいので、キャバ嬢にとっては楽だったのかな？
でも、とりあえずすっきりした。
こういう利用の仕方もあるのか？まあいいか。