みらいやの小説創作・新人賞挑戦日記

講談社児童文学新人賞にて最終選考まで行った「みらいや」の新人賞挑戦日記。「駆け出し作家の執筆日記」に変わる日は近いのか?

相次ぐ一次落ちに思う

2006-08-03 | 新人賞
 応募していたポプラ社小説大賞の詳細が発表されていて、一次選考にも通っていなかった。今年に入って一次落ちが相次いでいる。本来なら完全に自信を失っているところだ。一次落ちが実力で、たまに一次に通ったりするほうがまぐれであると。
 だがある賞から最終の連絡を受けて、見方が変わった。編集部全員で読んで、会議までひらいて選ぶ最終には、まぐれで残れるはずがない。それだけの質が客観的にも備わっているということだ。ポプラの応募作にしても、自分の中では今回最終に残ったものに勝るとも劣らない、子供から大人まで楽しめる内容と質になっていたと思う。それでも一次すら通らない。
 それは自分の作品の特徴のせいかもしれない。大量の原稿をさっと一読して当落を決める下読み選考には、自分の作品は向かない。ハッと目を引くような派手さがないし、じっくり時間をかけて、あるいは何回か繰り返し読んでもらわなくては、自分の味はわかってもらえない。また、合う人、合わない人の差もはっきり出ると思う。合わない人に当たったら、どんなものを送っても即撥ねられてしまうだろう。
 だからといって、作家志望者が大挙して応募する新人賞の現状を考えると、いまの選考制度も仕方がないと思う。自分としては、たとえ一次で落とされても落胆せず、作品に対する自信も失わず、うまい巡り合わせが来ることを祈って応募し続けるしかない。もちろん、絶対的な信頼を置くことのできない一次選考で落とされただけの作品は、それでお蔵入りさせることなく、再応募を禁止していない賞に再び送る。それで朗報を待つしか手はない。
 一度デビューしてしまえば、ある特定の人に好かれる必要はない。多くの人に見向きすらされなくても、出版社が十分に利益をあげられるだけの熱心な固定読者ができれば問題ない。やはりなんとしても、一度そういう土俵に立って審判を仰いでみたい。