講談社児童文学新人賞に再挑戦するための小説がやっと完成した。元があるというものの、新作に近い大幅な書き直しで、相当時間がかかってしまった。枚数は217枚。去年は規定ぎりぎりの299枚だったが、今年は7割ぐらいの枚数で勝負することになる。そのぶん、去年最終の選評で指摘された、「テーマがぼやけている」「話の核心がぼんやりしている」ということはなくなっていると思う。選評を意識して書いていたわけではないが、今年の作品は、少なくとも選評でいわれたことはクリアしていると思う。舞台は現代日本なので、世界観があいまいということもない。ストーリーやテーマも、ストレートに、枝分かれすることなく表現している。心理描写もかなり書きこんだし、主人公が生死をさまようような山場もある。最終に残りさえすれば、去年と同じようなことを選考委員の先生にいわれることはないはずだ。
ただ、そこに至るまでの編集部選考はどうかというと、正直自信はない。最終の選評にあっている代わりに、去年の作品が持っていたいい点は減ってしまっていると思う。これは仕方がない。架空の西洋風の街を舞台にするのか、現代日本を舞台にするのかだけでも、その作品の持つ雰囲気は大きく違ってしまう。小説に、現実を求めるのか、現実を離れた独自の世界を求めるのか、そういった個人の小説観でも作品の評価は大きく変わるだろう。最終選考委員とは違う評価基準で、編集部が最終に残してくれたのだとすると、今年の作品ではきついだろう。
まあ結局は、だして結果を待つしかないわけだが、この賞は途中経過が発表されないだけに、釈然としないものになりそうな気がする。去年と同じく、あまり期待せずに結果を待つこととしよう。
この春はほかに、メディアワークスの電撃小説大賞にも応募してみようと考えている。もちろんライトノベルでは最難関の賞だが、去年の受賞作を見ると、他の男子向けライトノベルレーベルよりは、自分の作風にあっているように思える。
あとはZIGZAG ONLINEで公開中の作品だが、けっこう順位は上のほうで推移しているので、いくらか期待しながら見ている。ここから書籍化された作品は14冊ほどあるようなので、デビューということに関しては普通の新人賞よりも垣根は低いのかもしれない。まあでも、かなりいいイラストをつけてもらえたので、ライトノベルだけに順位はそのせいもあるかもしれない。下のURLのほうでは、全身のイラストが見られるので、興味のある方はぜひ(そちらでは別の形式で小説を読め、また投票もできる)。
・ムラウチドットコムの、ZIGZAGのコーナー
http://www.ebookbank.jp/murauchi/ep/static/topics/zigzag.htm