魔女の気まぐれ

修行中の魔女と、愛犬メル、ピノのほんわかハッピーライフ!

バウムクーヘン (眠り2)

2006-02-28 08:42:10 | Weblog
 
同居していた祖父母の部屋の天井板を思い出した。
ときどき、そこで寝起きしたのは、小さなころ。

古いその部屋の天井板は、木目が露だった。
機嫌のよい夜は、色が濃く深い木目はチョコレートのようで、マーブルケーキに見えた。
薄い色はバウムクーヘン。
私はバウムクーヘンの方が好きで、枚数や、筋を数えながら寝た。

かなり幼いころから姉と2人で寝ていたが、小学校低学年のころに父が単身赴任になってから、私の寝場所は留守の父のベッドになった。
父の留守も、子供部屋を追い出されたのも淋しかったが、母の横に寝るのは嬉しかった。

問題は隔週末、父が帰ってくるとき。
寝場所を失った私は、祖父母の部屋にお泊りになる。
こうやって、ときどきバウムクーヘンを数えていたのだ。

ある風の強い夜、めったに目を向けないマーブルケーキを見た。
薄暗い部屋では、茶色の木目は真っ黒だ。
外からくるバタバタした音に招かれるように、中心の丸く濃い木目に吸い込まれそうな気がして、その日はあわててうつ伏せになって眠った。怖い夢を見た。

次に父が帰ってきた夜、和室に入ろうとすると、いつもより天井が低く感じた。
その日だけは、そこで寝てはいけないような気がして、拒絶した。
家族には、その理由がわかるわけがない。
私も説明のしようがなく、ただ泣いて抵抗した。

記憶はそこまでで、たぶん和室で寝たのだとは思う。
大人たちは、どう思ったのだろうか。
私はお父さん子だった。
きっと、いつも会えない「ストレス」と受け取っただろう。
私は、ただ、突然できた天井のブラックホールが怖かったのだ。

2 コメント

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天上 (あや)
2006-02-28 11:30:24
私も天上を見ながら想像を膨らませてました。

食いしん坊のmajoさん(コラ)と違って

怖い顔に見えたり、可愛い動物に見えたり、景色に見えたり・・。

今思えばその時の心で見え方が違っていたんですね。



子供の気持ちを理解するのって難しいです。

昔のビデオで幼かった我が子を見た時後悔の気持ちがあふれてきました。

もっと広い心で包んであげればよかったな~って。

だから今銀次に甘い私です(笑)
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そういえば (majo)
2006-02-28 11:43:59
木目の中心がコアラの鼻に思えたこともあったような・・・



私は、もっと夫に甘くなってあげたいけれど・・

放っておくと、本当に過労で倒れそう。

上手く伝えられず、文句になってしまいます。大人も難しい。

私はどうすればいいのでしょうか・・・



あ、また私ったら話をそらせましたね。

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