ハーレクインの結果が、今もって出ない。
編集部の事情だろう、などとこれまでかなり軽く考えていたのだが、これは本当に、様々な日本的要素を持った恋愛短編小説が、山のように投稿されてきたせいなのかもしれないと、最近出たばかりの『日本ラブストーリー大賞』の一次選考通過作品を拝見しながら、思わず「ううむ」と唸ってしまった。
今の日本、小説家になりたいって人、ものすごーく多いのね、と改めて思い知らされる感じである……。
今回、選出された作品、あらすじを読んだだけでも、どれもとても日本的で文句の言いようのない珠玉の文芸作品、という印象を受ける。
あらすじを見ながら、日本の文芸壇では、やはりこういう作品が期待されているんだな、とつくづく思った。
もちろん映像化されるわけだから、「映像効果」が期待できる作品が残るのは当然だし、当たれば映画化に賞金が500万円ということで、プロ作家も投稿していたらしく、町井登志夫氏他数人、プロ作家の作品も入っていた。プロの漫画家さん作というのまであった。
ネタ的には、こういうのが多かったようだ。
1、恋愛がらみの事件(身近なものから警察沙汰まで、事件のレベルは色々あったが)を通しての主人公成長モノ
2、ヒロインやヒーローが最後に死んでしまうような純愛モノ
3、現代社会の群像を恋愛がらみで描いたような作品
あと、個性派には、ヴァーチャルな狂気がかった世界観のもの、
オーソドックスな夫婦愛のあり方を不倫などを絡めて描いたもの、
時系列が交差するようなファンタジー要素の入った不思議感覚のラブストーリ-、主人公の死後の出来事なんていう、変り種まであった。
構成はもちろん、細部まで描写がしっかりしていて、なおかつテーマ性の高い作品が残ったようだ。<それは当然だけど
しかし……。
別に文句はないが、ロマンススキーとしてあえてヒトコト言わせてもらえると……。
残念ながらロマンス小説と見えなくもないもの、つまり『男女の恋の成就そのものに焦点を当てた作品』というのは、2作くらいしか見あたらなかったような気がする。
<ラブストーリー大賞なのに、なぜだろう?
おまけに、これはロマンス的な作品に近いかも? と思うと
「よくあるラブストーリーといえなくもないし、新しい小説だなとは感心はしなかった」
「新しさはないけれど新鮮な感じ、韓流ドラマのような時流に合ったエンターテインメント性が…」
なんていうコメントがついていたりする。
こういうコメントを読むと、やはり何より文壇では『今までにない新鮮さ』が求められてるんだな、とつくづく思う。
これでは(和製)ロマンス小説なんぞには、お呼びがかからないはずだな、としみじみ思った。
真剣に作家デビューを狙う人は、そんなものを書いてもデビューできないという理由から、書こうという気にすらならないだろう。
日本人ロマンス作家なんか、出るはずないな、こりゃ…… <育てる気が最初からないじゃん… (ーー;)
まあ、宝島社ではこれが当然の結果としても、海外ロマンス小説で売っているハーレクイン社にまで、こういう作品がどっとなだれ込んできていて、
もし、こういう力作が選考で選ばれるなら、それはもう本当に仕方ないことだ、とは思うのだけれど、
それでは、純粋なるロマンス小説ファンは、やはり海外翻訳物のロマンスを読むしかないのだろうか……。
……なんだかちょっと、結果を先走って、暗澹たる気分になってしまった。
だけど、読み手の心に、読み終えたあとも深く残るような作品……
いつか書いてみたいものだと、ちょっと思った。<無理っぽいけど(笑)
編集部の事情だろう、などとこれまでかなり軽く考えていたのだが、これは本当に、様々な日本的要素を持った恋愛短編小説が、山のように投稿されてきたせいなのかもしれないと、最近出たばかりの『日本ラブストーリー大賞』の一次選考通過作品を拝見しながら、思わず「ううむ」と唸ってしまった。
今の日本、小説家になりたいって人、ものすごーく多いのね、と改めて思い知らされる感じである……。
今回、選出された作品、あらすじを読んだだけでも、どれもとても日本的で文句の言いようのない珠玉の文芸作品、という印象を受ける。
あらすじを見ながら、日本の文芸壇では、やはりこういう作品が期待されているんだな、とつくづく思った。
もちろん映像化されるわけだから、「映像効果」が期待できる作品が残るのは当然だし、当たれば映画化に賞金が500万円ということで、プロ作家も投稿していたらしく、町井登志夫氏他数人、プロ作家の作品も入っていた。プロの漫画家さん作というのまであった。
ネタ的には、こういうのが多かったようだ。
1、恋愛がらみの事件(身近なものから警察沙汰まで、事件のレベルは色々あったが)を通しての主人公成長モノ
2、ヒロインやヒーローが最後に死んでしまうような純愛モノ
3、現代社会の群像を恋愛がらみで描いたような作品
あと、個性派には、ヴァーチャルな狂気がかった世界観のもの、
オーソドックスな夫婦愛のあり方を不倫などを絡めて描いたもの、
時系列が交差するようなファンタジー要素の入った不思議感覚のラブストーリ-、主人公の死後の出来事なんていう、変り種まであった。
構成はもちろん、細部まで描写がしっかりしていて、なおかつテーマ性の高い作品が残ったようだ。<それは当然だけど
しかし……。
別に文句はないが、ロマンススキーとしてあえてヒトコト言わせてもらえると……。
残念ながらロマンス小説と見えなくもないもの、つまり『男女の恋の成就そのものに焦点を当てた作品』というのは、2作くらいしか見あたらなかったような気がする。
<ラブストーリー大賞なのに、なぜだろう?
おまけに、これはロマンス的な作品に近いかも? と思うと
「よくあるラブストーリーといえなくもないし、新しい小説だなとは感心はしなかった」
「新しさはないけれど新鮮な感じ、韓流ドラマのような時流に合ったエンターテインメント性が…」
なんていうコメントがついていたりする。
こういうコメントを読むと、やはり何より文壇では『今までにない新鮮さ』が求められてるんだな、とつくづく思う。
これでは(和製)ロマンス小説なんぞには、お呼びがかからないはずだな、としみじみ思った。
真剣に作家デビューを狙う人は、そんなものを書いてもデビューできないという理由から、書こうという気にすらならないだろう。
日本人ロマンス作家なんか、出るはずないな、こりゃ…… <育てる気が最初からないじゃん… (ーー;)
まあ、宝島社ではこれが当然の結果としても、海外ロマンス小説で売っているハーレクイン社にまで、こういう作品がどっとなだれ込んできていて、
もし、こういう力作が選考で選ばれるなら、それはもう本当に仕方ないことだ、とは思うのだけれど、
それでは、純粋なるロマンス小説ファンは、やはり海外翻訳物のロマンスを読むしかないのだろうか……。
……なんだかちょっと、結果を先走って、暗澹たる気分になってしまった。
だけど、読み手の心に、読み終えたあとも深く残るような作品……
いつか書いてみたいものだと、ちょっと思った。<無理っぽいけど(笑)
男女の建設的なハッピーエンドって、必ずありふれているって言われるんですが、日本の出版事情に限って言えば、全然ありふれて無くないですか? 市販作品でそんな小説あったっけ? って思うんですよ。(笑)
ありふれていそうでありふれていないのが「ロマンス小説」じゃないかなぁ、逆に。韓流が受けたのも、もう日本では見られない「純愛ドラマ」だったからだって言われているくらいなのだし。
もうちょっと「ロマンス小説」を評価して欲しいなぁって思いませんか?
私はロマンス小説といわゆる通俗小説のラヴロマンスとの違いがよくわかっていないので、ちょっと違うのかもしれませんが…
純愛ドラマは年数度ほど、うんとベタなのを舞台や衛星放送で見るのですけれど、何度も再演されているものは恋愛物としてまったく良くできているんです。
私は「婦系図」なんか大変な純愛物語で、悲しい終わり方ですが、ああいうのが純愛と思います。だけど、ヒロインが芸者というだけで純愛ではないとか汚れた話だとかいう人がいるのだとしたら子供っぽくて情けない話だなとは思います。またバカみたいでナンセンスな話だというような人も哀しいと思います。過去が汚れているのも、子を捨てるのも非難されることばかりですが、ヒロインは愛ゆえに苦しい決断をします。人生の苦しみを知ってさまざまなことを許せる人間が味わいを感じて楽しめる純愛物こそ本当のラブロマンスだと思います。
ですから異空間ファンタジーとか猟奇物なんかはちょっと…確かに切り口やフレーズに才能を感じさせるものは新鮮かもしれませんが…。私はいいです。頭悪くて解りやすくないと駄目なんです(笑)
ミルキー様のおっしゃる
「これってラブストーリー???」というのは私はわかるような気がします。
トラバ&コメント、こちらこそどうもありがとうございました!
そして、そちらのコメントを拝見し思わず「そーだそーだ」と笑ってしまいました(^^)
>男女の建設的なハッピーエンドって…日本の出版事情に限って言えば、全然ありふれて無くないですか
まったく同感ですよ。そういう小説を探して、何度書店をうろついたことか。
<でもって、結局だ~めだ、こりゃ、ってんで海外コーナーへいく羽目になるんです…
たしかに日本では、ちょっと評価が低すぎる感じですよね。
<まぁ、文壇の大先生方ではさもありなんか…(ーー)
だけど、これだけ韓流や純愛モノブームの中で、もうちょっと読者のニーズも見直して欲しい気がします。ハーレくらいは、せめてって思ってしまうなぁ。
>『婦系図』
泉鏡花原作の映画ですよね? 今さっき映画のあらすじを読んでまいりました(ス、スミマセン、日本文学にはまったく造詣が深くないもので…)
まるで、『椿姫』を思い出すようなお話です。恋人か恩師かの二択を迫られ、恩師を取らざるを得ない日本人…ああ、わかるなぁ。
こういう日本の純愛悲恋系の流れは、どこらへんまで遡るんでしょうか。明治時代は海外文学でもロマンティシズムからリアリズムで、やっぱり悲恋系の方が多いと思うのですが。
>人生の苦しみを知ってさまざまなことを許せる人間が味わいを感じて楽しめる純愛物こそ本当のラブロマンス
うーん、非常に含蓄の深いお言葉です… <さすが!
現実の中で日々の暮らしを味わいながら、それをオーバーラップしてさらに味わい楽しめる恋愛小説…。
ああ本当。そういう作品こそが、時の流れの中で洗われても色褪せない、ロングセラーの名作になっていくのかもしれないですね。
まぁ、この賞は映画化が目的のようなので、やはり心に残る感動できるテーマを持ち、かつ新しいモノをもった作品が求められてるみたいですが。
<でもわたしも猟奇とかはキライです(笑)
個人的には、目新しくなくてもいいから心に残る、感動できる『ラブストーリー』らしいラブストーリーが、選ばれて欲しいなぁと思いますね。
ps;ハーレの方、発表がないので、いよいよネタに困ってきました。マジで「あの線」使わせていただこうかと思っているところです
あのネタでどうぞどうぞ(笑)
「こんな気の利いた…」
「指輪はここぞという時に…」は彼にお似合いだと思うのですが…
自分の恋人に「センスがない」と思われているのもナンですが、ほとんどの若いおにいちゃんは、現実には女の普段の好みについてわけがわからないと思っているんですよ。
では楽しみにしていますね~
ま、まぁ、しゃべる本人達がどう話すか、それはわたしにもわからないんですけどね… (笑)
>ほとんどの若いおにいちゃんは、女の普段の好みについてわけがわからないと思っている…
そりゃそうだろうなぁ、と思いますよ。<納得っ
ははは、また来週あたりから、頑張ろうと思います
今週はばたばたと、あっという間に過ぎちゃった感じです…