ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

偏向番組の是正は当然

2009年05月02日 | 偏向マスコミ
NHK「従軍慰安婦」番組改編 「自主自律危うく」 BPO検証委(産経新聞) - goo ニュース

 いわゆる「従軍慰安婦」を特集したNHKの番組が放送前、政治家の意図を忖度(そんたく)して改編された疑いが持たれた問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は28日、「番組制作の幹部が放送前に政治家らと面談し、前後して改編指示した一連の行動は、NHKの自主自律を危うくし、重大な疑念を抱かせた」との意見を発表した。
 ただ、川端委員長は会見で「自主自律をゆがめる改編を、外部圧力で行ったと認定したのではない」と説明した。
 番組は平成13年1月放送の「ETV2001 問われる戦時性暴力」で、「従軍慰安婦」問題を裁く模擬裁判を取り上げた。
 NHK広報部は「放送・制作担当者が、放送前に個別の番組内容を国会議員などに直接説明することは、無用の誤解を与える可能性が否定できず、こうしたことがないよう、一層留意したい」とコメントした。



 まず、だいたい「従軍慰安婦」なるもの自体、存在しなかったにもかかわらず、存在していないものを、どうして事実として報道できようか。存在していないものを事実存在しているものとして報道すれば、それは嘘を垂れ流したことになり、そこに「報道の自由」というものが保障されることはない。

 ここで言う「女性国際戦犯法廷」とは、「法廷」と名はついているものの、何ら公的な機関とは関係なく、もちろん法的根拠もない。ただのフェミニズム団体による告発・糾弾運動の一環としてのイベントに過ぎない。そしてこの「法廷」に参加する者は事前に、この裁判に全面的に賛成し、一切の批判を行わないという誓約書を提出させて、この「法廷」は実施された。

 このように、入場者から入場料(4000円)だけでなく誓約書を取ったことといい(しかも秦郁彦氏によれば、入場希望者はバウ・ネットによる審査も通過しなければならなかったという。)、これでは、いかなる批判に対してもそれに堂々と反論するわけではなく、最初から批判を封殺することしか考えていないと指摘されても当然であろう。

 NHKは本来ならばこの時点で、「女性国際戦犯法廷」なるものを放送することが、放送法3条の2第2項「政治的に公平であること。」ならびに同条4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」の規定に反する可能性が極めて大きいと判断しなくてはならなかったはずだ。

 このように、公共の電波を、しかも国民からの受信料によって運営されている放送局を利用して、こうしたフェミニストの、フェミニストによる、フェミニストのための茶番という自慰行為にも等しいものを放送すること自体、首をかしげざるを得ない。これが、放送免許を有する事業者が放送するべき内容に値するものなのだろうか。

 そして、この「法廷」に参加し、問題のNHKの番組にも登場した秦郁彦氏によれば、法廷には64人の自称慰安婦が来ており、一部の自称慰安婦が証言台に立ったものの、誰ひとりとして、彼女が旧日本軍によって強制連行されて慰安婦になったと証言する証人はいなかったという。

 そして「法廷」の構成(公正とも言える。)について、事前の打ち合わせのとき、日本人の検事役たちは弁護士をつけるべきだと主張したそうだが、「南北コリア」の検事団がこれを拒否し、そのまま押し切られ、あのような偏向しきった「法廷」になったのだという。しかもスタジオにはこの茶番に対する批判者はゼロ。これが問題視されないほうがおかしいだろう。



 ところで、騒動のきっかけになった朝日新聞の当時(2005年1月12日)の記事には、どう書いてあったのだろうか。ここで復習もかねて掲示しておく。


 (01年1月の)特集番組で、中川昭一・現経産相、安倍晋三・現自民党幹事長代理(当時は官房副長官)が放送前日にNHK幹部を呼んで「偏った内容だ」などと指摘していたことが分かった。NHKはその後、番組内容を変えて放送していた。
 1月29日午後、当時の松尾武・放送総局長、国会対策担当の野島直樹・担当局長らNHK幹部が、中川、安倍両氏に呼ばれ、議員会館などでそれぞれ面会した・・・(中川氏は)放送中止を求める発言もしたという。
 番組改編指示は、中川、安倍両議員の意向を受けたものだったと当時の局長から聞き、「放送内容への政治介入だ」と(チーフ・プロデューサーは)訴えている。


 というものであり、この記事を書いたのは、あの悪名高い本田雅和記者である。記事は他人から「こう聞いた」という伝聞で構成されており、本田記者の当時の「ネタ元」は、あの泣きじゃくりの会見を行った永井暁チーフ・プロデューサーが唯一であったと推測される。

 ここで問題となっている「政治家による圧力の有無」についてだが、これについて安倍晋三氏は「本田記者は取材で、私に「NHKに中止するよう圧力をかけましたね。中川さんも証言しています」と言ってるんですね。私が、いや、中川さんは私と同席していないんだから、証言できるわけがないでしょう、と言ったら彼は黙ってしまった。後で聞いたら、中川さんには「安倍晋三が証言した」と言ってるんです。ですから、彼は誘導尋問のような嘘までついて取材をしている」(「週刊新潮」05年2月10日号)と述べている。

 中川昭一氏も、「ニュースの真相」という番組内において上杉隆氏にこのことを指摘された際、「全く事実無根ですね。この記者と会ったのは番組の後です。(中略)この記者(本田)は私が公開の場で会いたいと言っても一切出てこない。逃げまくっており卑怯ですね。今からでも遅くないから出てきてください。ここで対談をやりたい」と言っており、安倍氏同様、身の潔白を主張している。

 しかも昨年、バウ・ネットがNHKらに対して起こした期待権侵害についての訴訟においても、政治家による圧力があったと証明はされていない。安倍・中川両氏が「証拠があるなら出してもらいたい」と言っているのだから、裁判において政治家の圧力があったという証拠を出してもよかったはずだ。つまり、騒動の発端となった朝日新聞が、当時のやり取りを録音した証拠となるテープを出せば事態は一気に収束に向けて動けたはずだ。



 しかしながら、これについて朝日新聞は2005年10月1日に、自らの取材不足を認め「不確実な情報が含まれていた」とする見解を発表した。これは朝日が外部識者で作った「NHK報道」委員会の審議結果をもとにしたものだが、1月の記事が「政治家の発言が圧力となってNHKの番組内容が変わった」と指摘した点については「今も変わらないと考えています」(「朝日新聞の考え方」)としている。

 だが、実はここにも小細工が仕掛けられているのである。朝日が「外部識者で作った」という「NHK報道」委員会は、どのようなものだったのか。この委員会は4名の委員で構成されていたが、少なくともその内の2人は、朝日新聞に常設されている「紙面審議会」や「報道と人権委員会」との兼任、つまり「身内同然」の人物だったことがわかっている。

 また何よりも未だに、「政治家の発言が圧力となってNHKの番組内容が変わった」と主張できるだけの証拠を、朝日新聞はいまだに提示できていない。これこそが一番の問題であり「問題の本質」であるのは間違いないことだ。これが健全なジャーナリズムのあるべき姿だろうか。



 そしてもう一つ指摘しておきたいのは、バウ・ネットを運営する池田理恵子氏が、その当時、NHKエンタープライズでこの番組を企画制作した、張本人(プロデューサー)だったということだ。つまり一方では「女性国際戦犯法廷」を開催した張本人(の一人)でありながら、その報道の担当者にもなったということだ。

 だとすれば、放送の公共性・公正中立を犯しているのは、明らかに池田自身ではないか。もしNHK側に批判されるべき点があるとすれば、このような人物に番組製作を任せたということにあるのではなかろうか。

 「政治家の介入」といっても、番組を「公平、公正に報道してほしい」と要請することに、いかなる不当性もあるわけがない。報道は公平・公正であるべきものだ。政治家という肩書きを持つことで、その当然のことを求める資格まで失うとは考えられない。 そして何度も繰り返すが、何よりも、「圧力」があったということ自体、証明されていないのだ。

 にもかかわらず、BPOの意見は、安倍・中川両氏が圧力をかけて番組を変更させたという前提に立って発表されたもののように見え、私としてはBPOこそ、その中立性に問題があるのではないかと思う。政治家が報道について意見を述べること自体が圧力になるという見方もあるだろうが、このような偏向した内容の番組に対し、公平に報道して欲しいと言うことは、たとえ発言者が政治家であったとしても圧力になるとは考えられない。

 そもそも、この「法廷」を取材していた本田記者が、当時から4年近く前に朝日の誌面で「法廷」の経緯についてレポートしているが、その中では、右翼団体による抗議活動があったことこそ記されていれど、肝心の安倍・中川両氏による圧力があったという話は全く出てきていない。にもかかわらず、突如として放送から4年経過したときに、両氏を狙い撃ちするような記事を掲載したならば、これが両氏の政治生命を絶つために朝日が仕組んだ「言論テロ」と疑われても仕方あるまい。

 なお、昭和天皇が有罪と判決されるシーンは、朝日が言うような政治家による圧力があったという以前に、とっくに上層部の独自判断で削除されている。




 朝日新聞は証拠となるものがあるなら速やかに提出し、失われた自社への信頼を取り戻すべきではないか。なお、今回の論考は、私叔する思想家である神名龍子さんのご意見を参考にさせていただきました。神名さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
馬鹿1匹発見 (naokora)
2009-05-03 12:42:49
馬鹿1匹発見。
何も判っていない。慰安婦の事実も知らなければ、ドキュメンタリーのあり方もわかっていない。
なんでこういう馬鹿がネットではびこるのでしょうね?
なんでこういう馬鹿は自分から自分は馬鹿ですよ、とわざわざ書くのでしょう?

本当に不思議です。
返信する
馬鹿1匹発見 (管理人)
2009-05-03 14:00:09
馬鹿1匹発見。
何も判っていない。慰安婦の事実も知らなければ、ドキュメンタリーのあり方もわかっていない。
なんでこういう馬鹿がネットではびこるのでしょうね?
なんでこういう馬鹿は自分から自分は馬鹿ですよ、とわざわざ書くのでしょう?

本当に不思議です。
返信する
馬鹿1匹発見。 (yasukora)
2009-05-05 12:34:51
馬鹿1匹発見。
何も判っていない。慰安婦の事実も知らなければ、ドキュメンタリーのあり方もわかっていない。
なんでこういう馬鹿がネットではびこるのでしょうね?
なんでこういう馬鹿は自分から自分は馬鹿ですよ、とわざわざ書くのでしょう?

本当に不思議です。
返信する
馬鹿1匹発見。 (管理人)
2009-05-05 12:56:33
馬鹿1匹発見。
何も判っていない。慰安婦の事実も知らなければ、ドキュメンタリーのあり方もわかっていない。
なんでこういう馬鹿がネットではびこるのでしょうね?
なんでこういう馬鹿は自分から自分は馬鹿ですよ、とわざわざ書くのでしょう?

本当に不思議です。
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