小学館文庫
2017年10月 初版第1刷発行
2018年 1月 第3刷発行
解説・又吉直樹
上巻 330頁
中巻 317頁
下巻 287頁
主人公は圷歩(あくつあゆむ)という一人の青年
彼の37年の人生を書いた自叙伝の形をとっています
父親の海外赴任先であるイランの病院で産まれた歩
イラン革命の後、両親と問題児の姉・貴子と共に帰国
大阪での新生活を始めます
後、再び父の海外赴任でエジプトへ
エジプトで出会った少年との友情
両親の離婚
帰国
阪神大震災
大学進学で上京
父親の出家
母親の再婚
ライターとしての生活
挫折と復活、そして再び産まれた場所、イランへ
下巻途中までは主人公は強烈な個性の持ち主の貴子ではないかと思っていたのですが、いやいや、そんなことはありませんでした
終盤は何度涙を流したことか
物語の本筋とは関係ありませんが、歩が、母親の妹・夏子叔母さんと歩の高校時代の親友・須玖が、音楽、映画、読書に傾倒するのは、それでどうこうしようというのではなくそれを自分の拠所にしているからだろう、と考える件に甚く共感を覚えました
3巻、合計934頁は長かった!
しかし、頁を捲る手が止められませんでした
これこそが『小説』
直木賞受賞に納得の作でした
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