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奥田英朗「ヴァラエティ」

2020年09月25日 | あ行の作家




講談社文庫
2019年9月 第1刷発行
337頁

各社担当編集者に頼まれて書いた短編を7編+対談を2編
連作でもシリーズものでもなくテーマもバラバラ、各社から刊行された短編を集めたものなので「ヴァラエティ」というタイトルがついているのですね

「おれは社長だ!」「毎度おおきに」
大企業を退職し独立した男性が社長となって学ぶあれこれ
理解できるという男性が多いのではないかしら
シリーズ化の予定が2編で終了になったそうです

対談 奥田英朗xイッセー尾形
「笑いの達人」楽屋ばなし
イッセー尾形さんは少し苦手なので読み飛ばしました<m(__)m>

「ドライブ・イン・サマー」
夏休みに妻の運転する車で高速道路を一路西へ
大渋滞の中、次々と他人が車に同乗してきて大騒動
何がどうなってこんな結末になるのか…夫は包丁を振り回したとして警察に逮捕されてしまいます

ショートショート「クロアチアvs日本」
サッカー・ワールドカップドイツ大会で日本対クロアチアの試合をクロアチア人の目でみたらどうなるか、を書いたもの
懐かしいワールドカップ、記憶にあるのはドイツのゴールキーパー、カーン選手です
世界にはこんな選手もいるのだと驚きました

「住み込み可」
長く逃亡していたオウム真理教の指名手配犯が逮捕されたニュースを見て、それをモチーフにしたもの
舞台は熱海の温泉旅館街です
身元を隠して暮らしている人、確かにいそうです

対談 奥田英朗x山田太一
総ての人が人生の主役になれるわけではない
キラリ光る言葉がたくさんありました
日本のテレビドラマ業界の将来は…大丈夫かなぁ

「セブンティーン」
17歳の娘が、クリスマスイヴの夜に友達の家に泊まると言います
バレバレ、一緒に夜を過ごすのは交際相手で、友達と口裏を合わせているようです
娘が心配だけれど、誰もが通る道だし、自分の17歳の頃も思い出しながら、あれやこれやと思い悩む母親なのでした

「夏のアルバム」
奥田さんが7歳の時に伯母さんが亡くなった実話をモチーフにしたもの
幼くして母親を失くした従姉妹が気丈に振舞うも堪えきれず涙が流れるところにホロリときます
切ない物語でした


他の作家さんもこのような短編集を出版してもらえたら嬉しいです


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