★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

『悪の教典』

2010年08月23日 | 小説・漫画・書籍
土曜日のブログや日記で少し触れましたが。

現在、ピカレスクロマン(悪漢小説)なミステリを読んでます。
これです。

貴志祐介さん著の『悪の教典<上>』。
っていうか、この作家さんの作品を読むのは、これが初めてなのですが、なんか名前聞いたことあるなぁ~と思っていたら。
母が、この作家さんの作品を読んでいたのですよね。
だから、名前に見覚えがあったんだ。
あと、映画化されている作品もありますし。
それで、なんとなく名前知ってたんだなぁ~と。

実は、実家に帰省中に、新聞の広告欄に、この小説の広告がドド~ンと大きく載ってるのを目にしたのですよ。んで、面白そうだなぁと思ったのと、あとは、キャッチコピーに惹かれて(^^)b

「うちの学校には怪物がいる」
「学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた」

などなど。

私の好きそうなダークな香りがプンプン♪

という訳で。
密林さんで、とりあえず、上巻だけ注文し、金曜の深夜から読み始めてて。
現在、読破まで、あと少しと言うところまで読み進めています。

キャッチコピーに「ピカレスクロマン」とある通り、まさしく、主人公が悪人です。
いや、それも、悪人というような生易しいモンじゃなくて、ホント、「怪物」ですね。

主人公・蓮実聖司は、高校教師なのですが。
生徒から絶大な人気と信頼を持たれている好青年なのですよね。
学校で様々な問題が起こったときも、彼に任せれば、絶対に円滑に解決してしまう・・・という
感じで、教師の間でも、「頼れる先生」として一目置かれています。
人当たりも、非常に良くて、誰もが彼を、良い人、良い教師として認識しているわけですが。

がしかし。

優しく、人当たりの良い笑顔の下では、いつも、冷徹に物事を考えており。問題対処の時も、当事者達に対して、どのような態度をとれば、また、どのように対応するのが一番得策なのか、計算し尽くしているわけなのですよ。
もちろん、教師に対しても、生徒に対しても、自分がどんな言動をとれば、相手は自分を信頼するのか、好意を抱くのか、すべて、計算の上。
つまり、全てを計算し尽くした上で、完璧な人間を演じている訳なのです。

でも、怖いのはそれだけではなくて。
彼は、自分の邪魔になる人間は、生徒だろうと、保護者だろうと、同僚教師だろうと、容赦なく、パージ(削除)していきます。
もちろん、自分が直接手を下したとは、決して分からない方法で。

ある生徒は、蓮実の巧みな手口により、学校内でどんどん孤立していき、最後は暴力沙汰を起こして退学するまで追い込まれます。

しつこいモンスターペアレントは、彼の手に掛かり、死ぬことになります。

はたまた、何の罪もない同世代の同僚教師も、彼に「駒」として利用され、飲酒運転の上、ひき逃げ・・・という罪を着せられ、退職するハメに。
因みに、ひき逃げの被害にあったのは、普段から蓮実に対して、敵対心を燃やしていた中年女性教師。
彼女もまた、学校を休職することになります。

男子生徒に手を出していた同性愛の美術教師は、蓮実に弱みを握られたことにより、やはり、利用されたり。

そして、自分が気に入った、一人の女生徒を、言葉巧みに自分の手の内に取り込み、肉体関係を結んでたり。
ただ、それが、単なる性欲処理な目的なのか、それとも、女生徒と親密になることで、その生徒を利用しようという、何かの目的があるのか、はたまた、その両方なのかは、今のところ、ちょっと不明。

とにかく、とんでもなく、ダークなヤツです(^^;
でも、周りからは「いい人」と思われてるから、怖い。
何の感慨もなく、ただ淡々と、人を破滅させたり、殺したりするので、怖い、怖すぎる。

で。

物語を読み進めると、彼の、過去の話も時々出てくるのですが。

生まれつき、非常に高いIQを持っているので、子供の時から、モンスターぶりはハンパない。

幼稚園の時には、気に入らないイジメっ子を陥れたり。
小2の時は、自分を目の敵にする依怙贔屓な担任教師に大怪我を負わせたり。もちろん、自分が意図的に仕組んだということは、だれにもバレない巧妙なやり方で。

そして、小4の時には、既に、殺人もヤッちゃってますし。

中学生の時は、自分の本性を見抜いた善良な教師をヤッちゃいました。
そしてついには。
やはり、自分の本性を見抜き、「我が子が殺人者どころか、恐ろしいモンスターだ」と気付いた、自分の両親をも、強盗の仕業にみせかけて、殺害し、見事に完全犯罪しちゃうのですよね。

怖い、怖すぎる!

「オレが初めて人を殺したのは16の時だった」
の結城様も真っ青なモンスターではないですか!?



・・・と、まあ、こんな感じで。

上巻の終わりまで読んだのですが、主人公の蓮実が、淡々と、学校内で、自分の気に入らない人間を粛清していくストーリーが続いています。

でも。
少し気になるのは。

ここまでモンスターな、蓮実さん。
彼の目的は、一体なんなのでしょう・・・・ということ。

例えば、復讐したい相手が居る・・・とか。大金を手にしたい・・・とか。

何か、そういう目的の下、悪事を重ねていくのなら、分かるのですよね。
ただ、今のところ、彼の行動は、学校での自分の立場を脅かす人間を消して行ってるに過ぎないような気がして。
殺人までする動機にイマイチ事欠く。

学校という閉鎖空間で、自分の帝国を創りたいのかな?という感もあるのですが。
でも、そのメリットは???????

例えば、これが、世界的な大企業が職場だったりしたらね。
そこで、自分の帝国を築き上げて、会社を自分の物にしたい、世界を手中に収めたい~とかいうのも、わからなくはないんだけど。

普通の高校を自分の帝国にしても・・・ど~なんだろうねぇ?
だって、所詮、学校なんて、狭い世界なわけだし。
例え、そこで、帝王として君臨しても、生徒は3年ごとに、ところてん方式で入れ替わっていくわけだし、さ。
君臨しても、イイコトないんちゃう?と。

蓮実は、日本の某国立大学(←オットと同じコトだった・笑)に行った後、外国の大学に行って、卒業後は、外国のエリート銀行に就職した・・・ってとこまで、生い立ちは分かったけど。

なぜ、そこから、教職に転職したのか。

銀行に居て、そこで登り詰めた方が、一教諭をしているより、リッチなんじゃないのかなぁ~とか。

なぜ、彼が、学校という狭い社会で、悪事を重ねているのか。
目的が何なのか・・・が分からないんですよね。

なので、彼の行為に、共感できないし、ちょっと理解不能なのですが。
とはいえ、ストーリーから目が離せないのは。
やはり、私も、作中の登場人物と同様に、怪物の虜になってしまったからなのでしょうか?

いや~(^^;

私、ダークな裏の貌を持つ好青年に弱いから・・・さA^^;;

彼が淡々と行っていく悪事にドキドキしちゃうのですよね(*><*)

そうそう。
因みに。

蓮実の本性に気付きかけている生徒が2人居るのですよね。

一人は、男子生徒なんだけど。
頭が良くて、早熟タイプの子だけに、生徒達から人気があり、皆から好かれている蓮実に対して、元々反発心を持ってたのですよね。
なので、他の生徒が寄せるような好意を持たず、いつも、冷めた目で蓮実を見ているわけですが。
だからなのか、ある教師が起こした飲酒運転&ひき逃げ事件も。
その教師が起こしたのではなく、蓮実が工作したものでは?という疑問を抱き始めてるのですよね。

そして、もう一人は、大人しい女子生徒。
彼女は、何か、理由や証拠があるわけではないのだけど、直感的というか、本能的に、蓮実を「怖い」と感じているみたいなのです。
人当たりの良い笑顔の下に、何かある・・・と。

これまでも、蓮実の本性を知った人間は、消されているので。

この二人は、どうなっちゃうのか?
これまで彼の本性に気付いた人間同様に消されちゃうのか、それとも、反撃に出るのか、気になるところであります。

そして、この先、下巻になって、蓮実の悪事の真の目的が分かるような展開だったら・・・面白くなるだろうなぁ~と、下巻も楽しみです。

つか。
もう、続きが気になっているのですが。
う~ん。
近所の本屋さんにあるかな、この本の下巻。

7月下旬に発売された新刊だから・・・運が良かったら、近所の本屋にもあるかも。

でも、なかったら、密林さんだなぁ。
うう、ということは、2、3日、待たされる訳だ。
焦らされるぜ(>_<)

こんなことなら、上下巻一緒に注文しとけば良かったです~っ。

とりあえず、後で、近所の本屋さん、行ってみよう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿