★ベルの徒然なるままに★

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映画『エスケイプ・フロム・トゥモロー』

2014年08月22日 | 映画鑑賞記
帰省前に色々と見ていた映画の感想、時間のある限り、どんどん書いていきたいと思ってます(*^^*)

という訳で。

今日は、帰省の直前に見ました映画『エスケイプ・フロム・トゥモロー』。

映画館で予告を見た時から、めっちゃ、気になっていた作品。
っていうか、私、最初は、ディズニーかと思ったのですが、ディズニーとは全然関係ない・・・というか、ディズニーに無許可なまま、フロリダやらカリフォルニアやらのパークでロケをした作品だそうですねA^^;;

なにやら、それが話題になっている作品だそうで。

因みに、ホラーです。


■『エスケイプ・フロム・トゥモロー』予告編



家族でディズニーランドに遊びに来ている最中、会社に突然クビを言い渡された中年男のジム。

決して、家族には言えない秘密を抱え、重い気持ちでパークを訪れるものの、妻は相変わらず口うるさいし、子供たちはワガママ放題。

そんな彼の身に、妄想と現実が入り交じった奇妙な出来事が次々と起こり、やがて、彼は破滅していく・・・。

というようなストーリー。




全体を通して、気持ちの悪~~~い作品でした。

・・・っていうか、ホラーだから当たり前かA^^;;

なんというか、しっかりとしたストーリーがある訳でも、オチがある訳でもなくて、ただただ、不気味な雰囲気が漂っているというか。

一言で言うと、主人公が、楽しいはずの夢と魔法の国で、次々と不気味な体験をし、段々と狂気に陥っていく・・・という悲劇。



主人公のジムは、妻と二人の子供と共に、フロリダのディズニーワールドで休暇を過ごしているのですよね。

っていうか、彼らが泊まっていたホテルって、フロリダのコンテンポラリー・リゾートじゃないかなぁ?って思っちゃった(*^^*)

私も、フロリダのディズニーワールドには行ったことありますが、コンテンポラリー・リゾートのようなリッチなトコには泊まれなかったので(笑)、お手頃価格のオールスター・リゾートに滞在した思い出。

あ、でも、お食事だけはしましたよ~、コンテンポラリー・リゾートで(//▽//)


話が逸れましたが。

まあ、つまり、主人公達は、良いホテルに泊まって、結構リッチに休暇を楽しんでいた訳ですね(^^)b

で。

本来なら、家族と楽しい思い出を作って終わるはずだった、その休暇の最終日の早朝。


ジムは、会社からの電話で、自分がリストラされたことを知らされます。

楽しい楽しい休暇の最中。

勿論、そんなことは、妻子には言えない・・・。

そうした悶々とした想いを抱えたまま、彼は、妻と子供達とパークへ行くわけですが。


リストラされた精神的不安定からか、段々と、彼自身の精神がおかしくなっていくのですよね。


お色気溢れるフランス人の女の子二人組に目が釘づけになったり、はたまた、アトラクション内に居る可愛いキャラクターが不気味に見えたり。
また、息子の顔が変に見えたり・・・。

でもでも、傍から見れば、ジムの方が、どこか様子が変な人。

「アナタ、なんか変よ?」

と妻にも訝しがられ、どんどん孤独になっていくジム。

そして、行く先々でやたらと目につく、フランス人の女の子二人組の色気に憑りつかれるようになっていって・・・。
遂には、妻も子供も放ったらかしで、若い娘たちのお尻を追っかけるような行動に出てしまう。



全編通して白黒で描かれている所為か、本当に、全体的に不気味な雰囲気です。

本当なら、楽しいはずのパークが、なんだか怖い所のよう・・・。


ジムの視点から見ると、きっと、パークはそう見えていたのでしょう。

それもそのはず。
というか、それは少し分かる気がしますね。

私もディズニーランドは大好きで。
ひと度、パークのゲートをくぐったなら、現実を忘れて、年甲斐もなくミッキーの耳なんかを頭につけて、全力で楽しむタイプです。
そして、それは私だけに限らず、そういう大人の人って、いっぱいいると思う。

それこそが、あの、夢と魔法の国の魅力なんだろうけど、でも、冷静に考え見たら・・・。大人自身も、我を忘れて、童心に帰るあの独特な雰囲気って、一種、異様な光景かもしれませんよね。

確かに、あの独特な雰囲気が苦手という人もいらっしゃる・・・と聞きます。

のめり込んで楽しめる人には、凄く楽しい場所だけど、その雰囲気に馴染めない人はドン引きしてしまう・・・とも。


で。

現実の生活において、リストラと言う、とんでもないダメージを受けたジム。

そんな彼からしてみると、パーク全体の華やいだ雰囲気、我を忘れて楽しむ大人や子供の姿も、何か、自分とは別世界の、異様な光景に見えたのではないでしょうか?

自分だけが、皆が居る世界に入っていけないという疎外感。世界から乖離された自分。

彼の精神的ダメージと、パーク内のハッピー全開な雰囲気。

その激しいギャップにより、彼の精神は崩壊して行ったのかな・・・と。


でもでも、でもでも。

崩壊していたのは、果たして、彼の精神だけなのか・・・・・?



シアワセや楽しいことに満ち溢れているハズのパーク。

なのに、ジムの周囲には、病気や不潔な事、はたまた、エロ・・・など、パークには不似合いな物が溢れているのです。


まあ、人間、生きていれば、病気だってあるし、不潔な部分もある、エロだってある。

言葉に語弊はあるけど、そういう人間の「負」や「穢れ」の部分を、まるで無かったかのように、明るく楽しい演出をして、現実を忘れさせてくれる施設が、こういうテーマパークですよね。

だけど、実際には、現実は色々と汚いんだよ~って、皮肉っているようにも感じました。


確かに、考えてみれば。

遊園地で遊んでいる時って、夢中になっててあまり気にしませんが、大勢の人がたくさん集まったり、並んだりしてて、そこで咳をする人とかが居れば、病気の飛沫感染だってあるだろうし。
見ず知らずの人と握手やハグ、ハイタッチをすることだってある。
屋外で物を食べれば、細菌だっているかも知れない。

遊んでいる時は、全然、そんなこと考えませんがね。

だから、そういうのを、なんだか、強調しているような映像だったと思います。


この映画の中で描かれていた、「猫インフルエンザ」という病気の蔓延。

これも、某キャラのネズミに対して、「猫」ということで、色々と皮肉っているんだろうなぁって。



そんなこんなで。

家族とは仲違いするし、色々な物は不気味だし、怪我はするし、病気になるし・・・で。

不幸の連続に見舞われる主人公・ジム。


その彼が行きついた悲劇的な結末・・・というのが、もう、にんともかんとも。

つーか、あの、トイレのシーン。

・・・こんなこと言っちゃイケナイと思うのですが、マジで汚かったです(>_<)
ちょっとトラウマになりそうなくらい・・・。


猫インフルエンザ、感染ですね、ジム。


でも、何が怖いかって。

ジムがめちゃめちゃに汚した、汚い汚い便器を、何事もなかったかのように、ピカピカにお掃除して。

厳重に包まれて運び出されて行くジムの死体と入れ違うように、パークには、また大勢のお客さんが来場する。


勿論、この作品はフィクションであり、某D社とは、一切関係がないのは分かった上で見ていますが。でも、やっぱり、なんとなく、怖いですよねA^^;;

幸せいっぱい夢と魔法の楽しい世界は、もしかしたら、狂気と紙一重なのかもしれないなぁと。


そしてそして、ラストのラスト。

死んだはずのジムが、妻とは違う女性を伴って、ホテルへ泊まりに来る。。。。


ここら辺りは、もう、意味不明なんですが。

まあ、全体を通して、よく分からない展開なので、こういうラストも、まあ、有りでしょう。


きっと、深い意味を求めてはいけないのだと思うんだ。

幸せだったはずの男の、狂気への転落・・・というか。

私はそんな風に感じました。

勿論、パークに拘らず、幸せの崩壊、狂気の世界は、いつでもどこでも、身近にあるんだ~ということかもしれません。


そして。

この映画のタイトル。

『エスケイプ・フロム・トゥモロー』。

直訳すると、「明日からの逃亡」。(で、良いのかな?)


翌日になれば・・・つまり、この休暇が終わって、現実に戻れば、ジムには妻子を抱えたままリストラされてしまったという現実が待っています。

夢と魔法の国で、現実を忘れて楽しむ人たちを、かなり冷めた目で見ていたジムですが。実は、誰よりも現実から逃亡したかったのは、ジム自身だったのかもしれないなぁと。

だからこそ、狂気の世界に誘われ、怪しげな病気に感染してしまった。

彼は死んでしまった訳ですから、現実からの逃亡は叶った訳で・・・。もしかしたら、これも、彼の願いを叶えてくれた魔法・・とか?と思うと、かなり、ゾッとします。


と。

あまりよく意味の分からないホラーではありましたが、ホラーは好きなので、なんだかんだで楽しんだです(*^^*)

そして、フロリダのディズニーワールドに行ったことがある私としては、エプコットなど、出て来る風景、風景に懐かしさを感じたりして。別の楽しみ方もしちゃったのでした。

嗚呼、また行きたいです、フロリダ!


私は「この作品はフィクションだ!」と割り切って鑑賞したので、普通に楽しめましたが・・・ディズニー好きさんの中には、気分の悪くなられる方もいるかもしれないなぁとは思いました。

なので、鑑賞は要注意かもですよ(>_<)


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