★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『おとなのけんか』

2012年04月16日 | 徒然なる日常
最近見た、映画レビューが溜まっていたので、今日は、映画レビューをば(^^)b


■『おとなのけんか』予告編



世界的に大ヒットした舞台劇の映画化。
日本でも、大竹しのぶさん達が出演した舞台が上演されました。

元々が舞台作品・・・ということもあり、登場人物もたった4人。
二組の夫婦のみ。
そして、舞台もマンションの一室から一切変わらない・・・という密室劇です。


ニューヨークのブルックリンの公園で遊んでいた少年たちの間で喧嘩が勃発。
そして、ザッカリーに棒で叩かれたイーサンが前歯を2本折るケガをしてしまいました。
ザッカリーの両親である弁護士のアランと投資ブローカーのナンシー夫妻はイーサンの家を訪問し、イーサンの両親であるマイケルとペネロペ夫妻に謝罪をするのでした。

「まあ、子供同士のことですし・・・」
と、最初は和やかに寛大に進んでいた和解の話し合いだったのですが。

些細な言葉の端々から、互いに不快感を表すようになり。
やがて、4人の話は噛み合わなくなって行きます。

それでも、互いに、良識有る社会人を演じようと必死に、冷静なフリをして話しているのですが・・・ついに、双方とも大爆発!!

元々は、子供同士の喧嘩だったハズなのに、いつの間にか、大人同士の醜いバトルに変わっているのでした・・・。





元々が舞台というだけあって、いわゆる「密室劇」・・・舞台はずっとマンションの一室です。

子供の喧嘩により、片方が大きな怪我をしてしまいます。
その為、加害者側の両親が、被害者側の両親宅に謝罪に行くわけですね。
という訳で、この家が、映画の舞台で、場面はここから一切変わることがありません。


で。
お互いに、「思うところ」はあるものの、表面上は普通に、冷静に取り繕い、一度は丸く収まりかけるのですよ。
それなのに、それぞれがそれぞれの言葉のちょっとしたニュアンスなんかに反応して、なかなか丸く収まらない。

それでも、本人達は、至って冷静で「良識ある大人」の対応をしているつもりだから、ハタから見ていると滑稽極まりないんです!


そして。

互いに張った見栄。

特に、
被害者側の家は、加害者側の家族を招く・・・ということで、相当見栄を張っていたのではないでしょうか?

「ウチは、子供を怪我させられたけど、感情的にはならず、冷静な対応が出来ている親です」

って感じで無理して。

普段は買わないような、高い値段の花を買って飾ったり、子供に芸術を学ばせていると言ってみたり、自分たちの文化的レベル・教養レベルの高さをアピールしてるっぽい感じがしました。

加害者側の両親が、弁護士や投資関係・・・ということで、対抗していたのかしら・・・ね?


ていうか。

わたし的には、ちょっと苦手だったんだけど・・・妙にリアルで盛大な嘔吐シーンがあります(^^;;

いやはや、ケイト・ウィンスレット、アッパレです・・・というくらいにアレな嘔吐シーン・・・。

で。

被害者側のリビングテーブルに置いてあった、貴重な画集がゲロまみれ(汚い表現で失礼><)になっちゃう訳ですが。

う~ん。

これも、奥さんが、ワザと相手の目に付くようにテーブルに出していたのでは?と深読みしちゃいました。

いや、私だったら、お客が来ると分かっているときに、そんな大切な画集をテーブルの上に出しっぱなしとか、絶対にしないからさA^^;;

自分たちの教養レベルをアピールするために、出してて・・・その結果、大切な画集がとんでもないことになったから、余計に腹が立ってきた・・・っていうか。


一方、加害者側は、低姿勢を取りながらも呼び出されたことを厄介に思っているし、自分の子だけが一方的に悪いわけではない・・・と思っている訳で。

だからこそ、相手のチクチクとした嫌味に段々と我慢の限界を感じていくわけですね。

ここら辺りの、互いのイライラ感が段々と高まっていく過程は、面白いです。


そして。
段々、それぞれが、取り繕っていたメッキが剥がれ落ちていくわけです。


ここからが、もう、大爆笑ですA^^;;

皆、キレまくりで、誰が何に対して怒っているのか、訳分からん状態。

きっかけは、子供の喧嘩だったはず。

それなのに、なぜか、夫婦げんかになったり。
はたまた、女vs男の言い争いになったり。

それぞれが普段の鬱憤を爆発させて、もう何が何だか・・・(@A@;

結局、皆、子供のことではなくて、自分勝手な考えや都合で、この話し合いの場を持ったのでは?と思えと仕方なかったなぁ。

「大人って(--;」

と思えてくる・・・というか。

なかなかにシニカルです。

そして。

何よりおかしいのが、そんな醜く言い争って、ボロボロになっている大人達を余所に。

問題の喧嘩があった公園では、子供達同士が既に仲直りして、仲良くやっているということ。


喧嘩の原因は、言葉の暴力だったり、実際に暴力だったりで。

やっぱり、何があっても、相手に怪我をさせるような事は、絶対にしちゃイケナイと私は思うのですよね。

なので、この子供達の喧嘩。

やっぱり、加害者側が悪いと思いました。相手は縫うような大怪我をしている訳ですから。

なので、両親達も、面倒がらずに、最初から誠実に「申し訳なかった」という気持ちを表していたら、こんなにヤヤコシイことにはならなかったのだろうし。

はたまた、被害者側の方も、変に遠回しに嫌味を言ったりせず、ストレートに言いたいことを主張していれば、良かったのかもしれない。

大人同士の、見栄や身勝手さを見せつけてくれる作品でしたね。

面白かったです。

映画自体は、特にストーリーがあるという訳ではなく。
タイトル通り、終始、大人の喧嘩シーンのみです。
なので、俳優さんの演技で見せてくれる・・・というか、まさに、「演技合戦」という感じで。

それはそれは圧巻ですよ!


そういえば、日本でも、日本の俳優さん達で舞台が上演されたらしいですね。
面白かっただろうなぁ~。
見たかったなぁ~。