つぶやき①

みなさん、
2年間応援をありがとうございました。

きんさん、ぎんさんを偲んで

2005年08月01日 | つぶやき日記



みなさん、おはようございます。
今日は8月1日、月曜日です。


8月1日といえば、今は亡き「「きんさん・ぎんさん」
誕生日でした。懐かしい笑顔を思い浮かべながら、
おふたりの100年を振り返ってみたいと思います。


「きんさん・ぎんさんが見た日本の百年」
(2000.7.23 放送 「知ってるつもり?」より転載)


明治・大正・昭和・平成…。4つの時代を生き、日本の100年を
見つめた一人の女性が、静かにこの世を旅立った。
成田きんさん。107歳。日本中が悲しんだその死…。
しかし、もっとも悲しんだのは、双子の妹、蟹江ぎんさんだったに
違いない。 

それまで市井の人として生きてきた双子の姉妹が突然のように
スポットライトを浴びたのは100歳を過ぎてのこと。
「きんも百歳」「ぎんも百歳」…。あのあまりにも有名なCMが
きっかけだ。ギネスブックにも記録され、長寿国日本を代表する、
元気なお年寄りとして世界で最も有名な双子の姉妹となった。
屈託のない、純粋な笑顔が何よりの魅力だった二人。
しかし、その笑顔の裏に刻まれていたのは、女として、
母として生き抜いた100年の年輪だった。
時に涙し、時に笑った100年の日々とはいったいどのような
ものだったのか?

1892年、矢野熊吉、シマ夫婦の家に二つの産声が聞こえた…
きん・ぎんの誕生であった。
しかし、当時は双子が忌み嫌われる時代。
父は二人に御祓いを施し、全く同じように育てていく決心をする。
リュウマチの母に代わり、物心ついた頃から畑仕事や子守りに
明け暮れる毎日だった。
学校で双子である事をいじめられていたある日、二人は両親に
申し出をする「違う格好をさせてちょーだいやぁ。」
しつけに厳しい両親が認めてくれるはずもなく、
二人は一日おきに学校へ行くこととなる。
授業を受けたほうが夜になって休んだほうに教える傍ら、
家の手伝いをこなしていく。
お互いの存在が、自分の分身のように感じられた。

明治43年にきんさんが、3年後にぎんさんが結婚し、
家を離れそれぞれの道を歩み始める事になる。
しかし、それは苦難の始まりだった。
きんさんもぎんさんも、子供は産まれるもののみんな女の子ばかり、
姑から跡継ぎを産めと責め立てられる。

「そりゃあ悲しかったよ。自分のお腹を痛めた子が
死んじまうんだもん。でもオイオイと泣いていられなんだ。
泣いとる暇があったら、畑に出て働けと言われた。」 
きんさんは、やっとの事で跡継ぎが誕生するが、今度は長女、三女、
六女が次々と命を落とすという苦しみに遭うことになる。

「悲しかったよ。腹が立った。もっと医学が発達しておったら、
娘を死なせんでよかったと思ってな。だから早うそんな世の中が
来て欲しいと思うた。」
そして不思議なことにぎんさんにも、同じ運命が降りかかっていく。
厳しい姑の元、産まれた5人はすべて女の子。そして次女が三歳に
なった頃、突然の高熱で倒れる。急いで五里先にある医者の元へ
連れて行ったが、手の施しようが無く、帰り道に幼い娘は命を落とす。

「戦争はもういやです。あんなトロイこと、お金を使ってやるなんて。」
昭和16年、太平洋戦争開戦…きんさんの息子に召集令状が
舞い込む一方で、男の子に恵まれなかったぎんさんは、
子供を兵隊にとられなかったため、非国民と罵られる。
きんさんぎんさんの住む名古屋にも爆撃が繰り返された。

昭和20年、終戦をむかえたのもつかの間、再び二人に試練が襲い
かかることになる。昭和24年、きんさんの夫、良吉の死。
そしてぎんさんの孫、曾孫の命を奪った昭和34年の伊勢湾台風…。
いつの間にか家にこもりきりになり、疎遠になっていく二人。

そして100歳を迎えようとしていた矢先、二人はスポットライトを
浴びることになる。突然のCM出演をきっかけに、ドラマ出演、
CDデビューと一躍スターの仲間入り。
自分たちが元気な姿を見せることで、周りの人々が力づけられる。
それが100歳にして、きんさん・ぎんさんが手に入れた生きがい
だった。

「自然に感謝の気持ちが湧いてくるがね。こうやって生きていること、
それがありがたいことやと身にしみるがな、それが大切と違うやろか…。」
「人間、大事なのは気力ですよ。自分から何かをする意欲を持つこと
だがにゃあ。」
私たちにきんさんぎんさんが教えてくれる生きる意味とは?
そして生き抜く強さとはどのようなモノなのだろう?


天使になった「きんさん・ぎんさん」人形
きんさん 2000年1月23日ご逝去 享年107歳
ぎんさん 2001年2月28日ご逝去 享年108歳


「きんさん・ぎんさん」を偲んでくださって、きっとおふたりも
喜んで、私たちの幸せを祈っていてくださると思います。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。


「つぶやき日記」が長くなりましたので、この記事のみと
させていただきます。明日を楽しみにしていてください。


では、今日も楽しい一日でありますように。