これは母の手作り雛人形

私たちの年齢になると、親はそれなりの歳になり、他界されたご両親の話をも聞くようになった。
どんなに、うるさくても、
何度も同じ話をしても、
健康でいてくれるのはありがたいのかもしれない。

内陸線との連絡が悪いから、ここで少し待ってバスに乗る。今日も誰もいない。私だけの鷹ノ巣駅、待合室。

雨から雪に変わった。

私だけ乗せて、バスは走る。

こんなご時世だから、施設にいらっしゃる場合には何ヶ月も何年も会えない事もあり、それは辛い。

2月は母の誕生日がある。毎日針を持ち、新しい作品に意欲的な90歳。もう大きな作品は無理。と何年も前から私は聞いているが、作品は増え続けている。

この作品たちを紹介するための展示会、開催準備である。

母が70歳の時、展示会を開催した。
「もう80歳は無理だから、これで最後の展示会」
と言った。

80歳の時
「もう90歳までは生きないと思うから、最後ね」
と言った。
最後のはずの展示会も順調に10年ごとに回を重ねて、母は、90歳。

今年は、その展示会を開催の年。
毎回、大きな作品を飾るのは、秋田市駅前にある“アトリオン ”が会場。
会期は7月16.17.18日の3日間に予約済み。いよいよ準備が始まる。

この雛人形は、20年くらい前の母の作品。

「顔を良く見て…」

と言うから、アップで、どうぞ。