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ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

コスラエの海岸浸食 (コスラエ州SV、坂根篤)

2013-12-10 15:41:32 | コスラエ州

建築廃材で簡単な防波堤を造ったがその上を超えて波が押し寄せ
珊瑚・土砂を道路上に残して行くのでコスラエの1本道の片側一車線は不通
ひどいときには二車線とも不通となる

コスラエの舗装道路は、信号の全く無い1本道でほとんどが海岸近くを通る。全島の3/4が開通している。1/4はワラン村に通じる道路で現在開通工事が行われている。海岸近くを走るので、素晴らしくきれいな海を見ながらのドライブは非常に気持ちが良い。しかし、この道路の数カ所が海岸からの波を受け不通になることがある。特に冬場(コスラエに冬はないが11月~2月)は貿易風が強くなる関係からか満潮時はひどい状況だ。地球温暖化による海面上昇の影響といわれている。先進国が大量に排出する二酸化炭素(CO2)で、CO2をほとんど排出しない大洋州の島国が被害をこうむる理不尽な問題でもある。道路が不通になったり、今まで住んでいた土地に住めなくなったり、領土面積がだんだん減っていったりするので、国民にとっても国家にとっても大問題だ。
JICAは専門家や短期シニアボランティアをコスラエに派遣し、海岸浸食対策援助を実施している。彼らの活動は、防波堤を築く・バイパス道路を造る等対処療法の施工方法提案のみならず、より根本的な解決計画をも提案しているようだ。コスラエ州は各国の援助を得て調査し、海岸浸食対策・改善計画を述べた「Kosrae Coastal Management Plan 2013」を発行する予定。


コスラエの環境教育 (コスラエ州SV、坂根篤)

2013-12-05 20:16:26 | コスラエ州

2013年12月4日
レラ小学校6年生
恒例の配属先(公共事業局)訪問


つい先日導入されたトラックスケールに興味深々

レラ小学校では6年生になると環境教育の一環として、学校での勉強だけではなく、公共事業局を訪問してごみの話・埋立場の話・環境の話を聞き、埋立場を見学する。レラ小学校では独自の環境教育をローカルティーチャーが行っている。今回は配属先局長代行等関係者が環境問題・ごみ問題・下水処理問題・汚泥処理問題を説明していたが、内容が高度で生徒たちが理解しているのか心配しながら聞いていた。私も準好気性埋立場の原理の説明・地球温暖化の話をできるだけ分かり易くした(つもり)。しかし、生徒たちは説明後の質疑応答で「生分解性廃棄物・非生分解性廃棄物」「3R」「ごみ分別」等に関して質問し、我々の質問にしっかりと答えていた。思ったよりもはるかに環境教育が進んでいると感じた。室内説明会の最後に生徒たちが「環境の歌」を歌ってくれた。そのあと埋立場見学に出発。歌はコスラエ語なので理解できなかったが、歌詞の中の「Reduce」「Reuse」「Recycle」が聞き取れた。ハーモニーも美しくなかなか面白かった。この様に、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」で造られた福岡式埋立場を利用して、コスラエのレラ小学校は環境教育を実施している。


コスラエのトラックスケール (コスラエ州SV、坂根篤)

2013-11-30 10:17:10 | コスラエ州

ようやく完成したトラックスケール上屋


車の重量を測定中、試運転は無事完了

私の2013年9月15日付「活動報告3」でトラックスケールが2013年6月に到着したことを報告したが、そのトラックスケール用の上屋がこのたびようやく完成し、11月29日トラックスケールの試運転完了。12月から埋立場に搬入されるごみ量が記録されることになった。
2013年8月末日完成の埋立場基礎改善工事に続き、これで私の2件目のプロジェクト完成となる。
2012年6月15日に本プロジェクトをニュージーランド補助金に申請してから試運転完了まで、実に1年5か月を要したことになる。我々ボランティアの任期が2年なので、手掛けられるプロジェクトは限られてしまう。他のプロジェクトもアクセルを踏まなければ・・・(汗)。
「ガラス瓶粉砕機」は2013年12月中旬、「浸出液循環用水中ポンプ」は2013年12月下旬、「ウトエ・ワラン間道路改修用モータ-グレーダー」は2014年1月上旬、「医療廃棄物焼却炉」は2014年1月下旬にコスラエ到着予定・・・私の任期は2014年3月中旬・・・どうなることやら。トラックスケールのように製品が到着してからの現地工事・建屋に異常に時間がかかるのがコスラエ流。各プロジェクトの中間・完成報告書を各補助金交付先に報告しなければ・・・事務手続き、報告書作成も時間がかかる・・・(汗)。



コスラエのリエフラワー (コスラエ州SV、坂根篤)

2013-11-15 14:49:13 | コスラエ州

コスラエ州トフォール埋立場のフェンスとその横の樹木花(リエフラワー)

埋立場点検項目の一つに「門扉・囲い」がある。コスラエ埋立場のフェンスは、道路からの人間・動物の侵入を防ぐため、道路沿いに設けられている。2008年完成以降5年経過しているが、今でも修理の必要が無い程しっかり作られている。フェンス横にはJICA先輩隊員により樹木花が植えられており、美しい緑と色鮮やかな花で、埋立場に来る人たち、横を通る人たち、みんなを楽しませている。ローカルの人達は、親しみを込めてこの花を「リエフラワー」と呼んでいる。芝生を刈ったり、フェンスの蔦を取り除いたり、配属先(コスラエ州公共事業局)により、フェンスも樹木花もしっかり維持管理されている。


埋立場入口ゲート横にある看板(1)
Tofol Centralized Landfill
Operation hours
Open Monday to Saturday
8:00 am to 3:00 pm
Close all day Sunday


埋立場搬入ストッパー横にある看板(2)
You have to know when you throw your trash to this landfill.
Separate your waste;
Non-Biodegradable
Green Waste

埋立場点検項目の一つに「表示の保全・書き替え」がある。埋立場内外に4つの看板があり、約5年経過しているが、屋根が設けられ多雨・熱帯地方での維持管理を考慮した設計となっている為か、今でも問題なく文字が読める。これらの看板もJICA先輩隊員の経済的・技術的援助と指導で完成したと聞いている。
配属先では変な日本語(放送禁止用語)が使われていて、最初聞いたときは誰が教えたのだろうと思ったが、それもJICA先輩隊員の残した日本文化だった。
この様にコスラエ州トフォール埋立場・配属先では、JICA先輩隊員の足跡を、今でも随所に見ることができる。

コスラエのオオトカゲ (コスラエ州SV、坂根篤)

2013-11-10 16:06:20 | コスラエ州

我家の裏庭に居るオオトカゲ
長さ約1.5m


庭にある野生ニワトリの卵

我家の裏庭にオオトカゲが住んでいる。めったに姿を見せないし、見せたとしても非常に素早い動きで逃げてしまう。あの体の大きさからは想像ができないほど早く走る。写真を撮るのは至難の業だが、幸運にも1枚だけ撮れた。家の周りに住んでいる野生のニワトリの卵を狙って出没する。ニワトリが家の横に巣をつくっていて、その卵がかえるのを楽しみにしていると、ある日親鳥が大騒ぎしていた。びっくりして出てみると、オオトカゲが卵を加えて一目散に走っている。あっという間に逃げ去られてしまった。しばらくすると、また親鳥が大騒ぎしている。味をしめたオオトカゲが、再度卵を狙ったもの。今度は早く飛び出して捕まえようとしたが、卵を口からポロッと落としてそのまま逃げ去った。なかなかユーモラスな格好だったが、卵は割れてしまっていた。結局、卵は何個か残ったはずなのに、それから数日で全部無くなってしまった。オオトカゲに食べられたのか?近所のフィリピン人に持って行かれたのか?コスラエの子供たちが持って行ったのか?卵がかえるのを楽しみにしていたのに・・・残念。


我家の裏庭にある大家さんの豚小屋
満潮時には川の水が豚小屋の上に溢れる水洗住居

オオトカゲガ住めるのは、裏庭に川が流れていて、水に不自由しないのも理由の一つかと思う。大家さんの豚小屋もその川の横にあり、豚の世話をしに毎日やって来る。餌をやり、糞尿を水で川に洗い流している。わずか1年半ほどしか住んでいないが、コスラエの河川・海がとても汚れて来ているように感じている。原因の一つが、人間・家畜の糞尿未処理放流、台所・風呂場の排水ではないだろうか?簡易浄化槽を設置しているところもあるらしいし、トフォール地区(コスラエの官庁街)では一部集合処理(沈殿処理)をしていると聞いている。現状調査・水質調査をしたいと思ったが、配属先の要望内容とも、自分の専門とも違うし、気付くのが遅く、今からスタートしても間に合わないので、断念。もっとも2年の任期で最初から気づくのは難しいと思うが(汚れて来ていると感じるのに、ある程度年月が必要)。