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ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

2013年7月度ボランティア総会

2013-07-14 13:38:37 | 隊員活動紹介
7月11日、12日と二日間に渡り、ポンペイ島コロニアにおいてボランティア総会が開催された。


通常、総会は1月と7月の年二回開催される。島国国家であるミクロネシア連邦は隊員がそれぞれ数百キロ離れた4つの島に派遣されいるため、総会に参加するためにポンペイ州以外の隊員は、飛行機で移動し集まってくる。飛行機はユナイテッド社のみが就航している。毎日のように便があるわけではない。そのためアクセスは非常に悪く、総会参加のために5日から1週間の滞在が必要だ。
ちょうど、昨日ヤップ隊が帰州したのだが、13時発の便が8時間遅れというトラブルに見舞われ、本来なら昨日のうちに着くはずが、フライトの関係でグァムでの3泊の滞在を余儀なくされたとのこと。実際、こういったことはミクロネシアでは良くあることでもある。

さて、総会。ミクロネシア隊員の宿命として別の島にいる隊員は普段顔を合わせることはめったにない。そのため、ボランティアにとって年二回の総会は、お互いに密に情報共有、交流を深めることができる貴重な時間である。期間中、活動中間報告、活動最終報告、職種別分科会などが開かれ、隊員の活動状況の報告、意見交換などが行われた。


今回、自分は中間報告と参加した研修(ダンプサイト改善研修:本ブログ前号参照)について報告した。



赴任して9か月が過ぎたわけだが、単に活動したことを報告するだけでは職場、環境が大きく異なる各ボランティアにとってあまり有益ではないと考え、報告の仕方を悩んだ。いろいろと悩んだ結果、「自分の活動は配属先にとってどういったものであるか?」という視点で自分の活動を整理した。

ボランティアとのニーズを横軸にとり、配属先のニーズを縦軸にとる。

このマトリックスにおいて、右上のエリアが最もボランティア、配属先それぞれにおいて効果的な活動だと考えられる。最も目指すべき領域だ。おそらく多くのボランティアにとって活動の序盤戦は右下のエリアから始まると思われる。配属先のニーズがはっきりしない中で、自分なりに活動を始めたという段階だ。このエリアは活動の成果によっては右上のエリアに移っていく可能性がある。
一方で、いつまでもここに留まっているということは独りよがりな活動になっている可能性が考えられる。
左上のエリアはボランティア自身のモチベーションは上がらないかもしれないが、配属先との信頼関係を築くという意味では取り組む価値があるかもしれない。
左下のエリアはお互いに不幸な領域で、生産性は低いと思われる。例えば、教育省の方針はこうだが、学校としては賛同できないかつボランティアも賛同できないといったケースが考えられるかもしれない。もしこの領域に活動が入った場合、しょうがないと割り切って進める、とことん配属先と話合いを重ねて新たな方向性を探るなどの対策が考えられる。

このような観点で自分の活動を振り返ってみた。序盤戦の活動は右下の領域に集中していた。半年過ぎたころからの活動はやや右上にあた。一つ意外だったのが、「職場環境改善活動」である。これは要は「職場の電気代を節約しよう!エコなオフィスを!」といった日本の会社では総務課が担当しそうな仕事である。活動当初、この極めて日本人か得意そうな仕事は同僚には馴染まない、すなわち右下のエリアにあると考えていた。しかし、実際初めて見ると局長がエアコンを率先して切り始める、スタッフが電気代を気にし始めるなど変化が現れた。
職場が活動予算がないことが日頃のスタッフの行動からはあまり感じられなかった。そのため、自分は勝手にスタッフは予算不足のことを深刻な問題とは捉えていないと考えていた。しかし、実際はみな気にしているが活動するためのきっかけがなかっただけであったのである。今では明らかに右上のエリアの活動である。

今回、一歩引いた目線で自分の活動を振り返えれたことは、今後の活動に有益になると感じている。


夜は交流会。各州アピールタイム、宴会芸が披露された。ポンペイ州は三線、ウクレレ、タンバリン、鈴を使って歌の合唱、ダンスを披露した。

チームヤップ州。ヤップ語での唄と踊りを披露。シニアボランティアの東さんを中心にノリノリの図。


各州を代表して幹事を務めてくれたボランティア。よっしー、陽ちゃん、梢ちゃん、みっつ。ほんとにご苦労様でした。
次回は自分が幹事をすることになった。今隊次からSV16名、JOCV13名とシニアの方が優勢となったミクロネシア連邦。みなが充実するような総会目指していきたい。

24年度2次隊 浜川喬弘

18年度3次隊 丹羽

2008-12-18 08:30:46 | 隊員活動紹介
Japan Provides Grant Assistance to 3 Pohnpei Schools for Sanitation

The Government of Japan provided $88,394 to the Pohnpei State Environmental Protection Agency (EPA) for the Project for “The Improvement and Enhancement of Sanitation at 3 Schools in Pohnpei” under the Japan’s Grant Assistance for Grass-roots Human Security.

The Project was first suggested by a Japan Overseas Cooperation Volunteer (JOCV) who works at EPA, when the Embassy had an opportunity to exchange views on environmental issues in the FSM with JOCV environmental education volunteers. Since then, the rounds of consultations and steady efforts were made by EPA including the JOCV, and they led to the success of this project formation. This shows a successful partnership and strategic economic cooperation of Japan involving JOCV, which makes synergy effect. The needs from grassroots were bridged to the Japan’s financial source, and realized as a project.

The project aims improve and enhancement the sanitary facilities at 3 schools in Pohnpei which have been under severe deteriorated conditions and identified as urgent cases among 27 schools which were inspected in Pohnpei. They are Seinwar Elementary school, Mand Elementary School, and Pohnpei Island Central High School.

It is expected at the end of the project that the number of diarrheal germ carriers will decrease; the outbreak of infectious disease such as cholera could be pretended; and the percentage of schools attendance rates will go up.

A Grant Contract signing ceremony was taken place on December 04, 2008 at the State Governor’s Office in Kolonia. Mr. Shoji Sato, Ambassador of Japan to the F.S.M. singed on behalf of the Government of Japan, and Mr. Albert Roby, Executive Officer of EPA also signed the Contract, witness by Governor Ehsa and Senator Promo.

This is the second project under the Japan’s Grant Assistance for Grass-roots Human Security in Pohnpei this year. Ambassador Sato advocated that Japan’s economic cooperation in not only the big infrastructure-related projects at the national level but also the grassroots projects with Sabiki (Kekihr), a fishing method which is to catch small fish. Ambassador said “Grass-roots project are like Sabiki which is small but sure and quick”. The Japan’s responsive economic cooperation like a grass-roots project is highly expected for the further contribution to the people of FSM.
(December 10-23, 2008号 The Kaselehlie Press p.9 から全文引用)

世界の開発途上国でも基本的通信インフラとなりつつあるインターネット環境ですが、ミクロネシア連邦の首都パリキールを置くポンペイではまだまだ不安定です。これまではそれほどネットの必要性のない生活を送ってきました、しかしJICA事務所からはメールのみの連絡、最近では事務局への報告書の提出や各種申請手続きのポータルシステム化、まさにこのブログの立ち上げ(笑)など隊員の環境にも急激に電子化が進んでいます。
自己紹介遅れました、18-3ポンペイEPAの丹羽です。

さて、以上の記事は先週12月10日のカセレリア・プレス(ミ国最大発行部数の隔週発行新聞)に掲載された外務省草の根・人間の安全保障無償資金協力に関するものです。
どうやら某国のプロパガンダにうまく利用されたようです、所詮は草の根もとい青年海外協力隊といったところでしょうか。
ただし地元住民の長年の念願であったこれらのプロジェクトがスモールグラントの利点を生かして迅速に承認されたことについて、学校へ通う子供たちも、村の人々も、先生方も、建設業者は特に(爆)、このプロジェクトを取り巻く人々は大変喜んでいます。

また、前述にあるコスラエの事案のように一過性の援助で終わってしまうのでなく、継続した協力援助によりさらに効果・効率の望める環境案件については外務省に引き続き支援をお願いしたく申し上げます。

一千万円(この時点ではUS$1=113換算)の日本国民の血税が無駄遣いになったと言われないことを心より祈っています。

にわ

19年度2次隊 満江 友紀

2008-11-30 13:57:10 | 隊員活動紹介
配属先:ヤップ州 環境保護局(EPA)

ミクロネシア連邦4州の一番西端にあるヤップ州。東西1200キロの海域に138の島があり、そのうちの22島に人々が住んでいます。ヤップ州総人口11,000人、うち約7,000人が暮らすヤップ本島は4つの島からなり、1つの島を除く3つの島は橋で繋がっています。生活様式は年々近代化が進んでいますが、石貨、集会場、石畳の小道、酋長制など、ヤップの人々は昔からの伝統的文化・習慣を代々受け継ぎ暮らしています。

さて、私の配属先ヤップ州EPAは現地スタッフ6名からなる小さなオフィスで、廃棄物管理課、危険物管理課、水質管理課、環境啓発課の4課で構成されています。私は環境啓発課長?(残念ながら現地スタッフがいないため)。おもな活動は住民への環境啓発に繋がる企画を考えて実行すること。そして他のスタッフのお手伝い。水のサンプリング、不法投棄の見回り、バッテリーの回収、ワークショップのセッティングなどなど、なんでもやります。
とにかく出来ることから少しずつ!が私の活動モットーです。

ヤップ州も他州同様、ゴミが一番の問題です。ヤップ島はほとんどか私有地のため無断で立ち入ることができません。なのでEPAとして村の中を巡回することは島のゴミの様子を知るためにはかかせません。きれい好きなヤップ人、街は一見きれいなのですが、見えないところにはやっぱりゴミが多いなーと感じます。
ゴミを減らすにはゴミの分別。これまでヤップではリサイクルのためアルミ缶の回収のみ行っていましたが、来月からプラスチック、ガラス瓶の回収も始まります。これと同時に啓発活動も!ということで今新たな企画を進めています。

いろんな壁にぶち当たっては挫けそうになるけれど、いつもまわりに助けられます。
そして遠く離れてはいるけれど、こうして一緒にFSMのために活動する他州の環境隊員の存在。
たくさんの人に支えられて感謝の気持ちでいっぱいです。
「Kammagar」‘ありがとう’が私のチカラになります。

残りの任期10か月、今まで通り出来ることから少しずつ。
大好きなヤップのためにヤップの人と!

写真はEPAで作ったアルミ缶回収BOX。

19年度2次隊 森田 理絵

2008-11-19 20:36:52 | 隊員活動紹介
配属先:コスラエ州運輸・インフラ局(DT&I)
道路の修理・管理や公共車両の整備、上下水道の保守管理といった公共サービスの提供を行う州政府機関。日本でいう県の土木課のようなところ。

私の任地はミクロネシアの4州の中で最も人口が少なく(8000人弱)、10×10kmという小さい島のコスラエ州。町には小さい商店があるだけで娯楽施設は皆無、静かでのんびりとした雰囲気で、目が合うとにっこり微笑む穏やかで優しい人々と一緒に暮らしています。
 
コスラエは観光地化されていない未開発な自然に恵まれているのですが、島は輸入に頼っているのでモノの流れが一方通行、ごみが増え続けています。定期的なごみ回収システムがなく、各自治体にごみを運び野積みするだけ(Open dumping)の不衛生なごみ捨て場が一つずつあるだけ、ごみを運ばない家庭は家の裏庭や道路の脇にごみを投棄しています。日本では当たり前な「適切にごみを出す→適切にごみを集める→適切にごみを処分する」というシステムがこの島にはありません。
 
そこで私は「適切にごみを処分する」ための衛生的な廃棄物処分場を建設する『コスラエ州廃棄物管理改善計画プロジェクト』に携わっています。衛生的な処分場というのはOpen dumpingの不衛生なごみ捨て場の一つを「準好気性埋め立て構造(福岡方式)」に改善します。この構造を簡単に説明すると、ごみで汚れた水を速やかに集め、かつ電力を使わず自然に外部空気を取り込むことでごみ山の中を好気性に保ち、分解と安定を促進する仕組みで、環境への影響を減少させることができます。日本の処分場では一般的に使われている技術ですが、ミクロネシア国で初の衛生埋立処分場となります。前任の方によって、2006年在ミクロネシア日本大使館の草の根無償資金協力として承認されたプロジェクトを引き継いでいます。
 
赴任当初は苦労しました。2007年に終わっていたはずの工事は途中で頓挫していたこと、プロジェクトの資金が尽きていたこと、配属先のボスが赴任前に変わっていて、私の派遣を理解していなかったこと、配属先は予算も人も機材も削減・縮小化されている部署であること、毎日雨が降るコスラエで、「雨が降らない日が3日続けば仕事する」と現実味のないことを言われたこと。ないないづくしの配属先で、私は何しにここへ来たのか?何ができるのか?と模索する日々が続いた時期はつらかったです。

でもいつも救われていたのは「顔はいかついけどクマのプーさんのような体型でいつも優しく声をかけてくれる同僚たち」でした。炎天下の中一緒に汗を流し、休憩時間になると冗談や下ネタを言っては大笑い。雨が降れば今日はおしまい。そんなゆっくりとしたコスラエペースでしたが、派遣されて1年経過した2008年10月末、関係者皆様のお力添えのおかげで廃棄物処分場は完成に至ることができました!


今まで怒ったり泣いたりしたことが全部吹き飛んでしまいました。
完成した処分場の決められた場所にごみが搬入されていく様子を見て、ひとり感動したものです。

残りの任期では、この処分場を持続的かつ適切に運営管理できるよう配属先のスキルアップを目指すことと、この処分場をもっと住民に知ってもらうこと、少しでもこの処分場を長く使ってもらうためにも住民へごみの分別化と減量化を広めていこうと思います。  

不衛生だったごみ捨て場(Open dumping)を

閉鎖し現在美化改善中。。


処分場で働いていると、ごみを観察しているうちにアイデアがひらめいたり、島の人から「ごみ処分場でいつもごみ拾いしているSrue(私のコスラエ名)」とか「ごみ処分場の前を通るとSrueを思い出すよ」と嬉しいような悲しいようなコメントをくれたり。そんな私は今日もごみにまみれて?活動しています。願わくは大好きなコスラエ島を後世へ美しいままで残せるようにしたいです。