ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

活動報告 (コスラエ州シニアボランティ、坂根篤)

2013-07-25 18:49:09 | コスラエ州
コスラエ州福岡式埋立場全景

Hello everybody, my name is Atsushi Noba Sakane. “Noba” is my Kosraean Name.

2012年4月ミクロネシア連邦コスラエ州公共事業局に廃棄物対策で赴任して1年4か月が過ぎた。試行錯誤しながらこれまで活動してきたが、任期が後8か月となり今までの成果と今後の課題が見えてきた。これまでの活動内容とこれからの課題を順次報告して行きたい。

コスラエ州公共事業局で毎週月曜日の朝に開かれるスーパーバイザー会議は、局長、管理部長、技術部長、土木建築技術者と4人のスーパーバイザーが出席し、先週の実績・問題点、今週の予定・問題点を各自が報告し、情報を共有する。2012年4月赴任後初めての会議で、配属先が私に何をしてもらいたいかではなく「私がコスラエで何をするつもりか」をいきなり聞かれ戸惑ったが、1週間後の会議で報告する旨伝え、その間に資料を読みあさり、現地を見て廻り、カウンターパートと検討し、自分なりの方針を決め、2回目のスーパーバイザー会議で発表した:
1. 福岡式埋立場の改善提案を行う
2. 廃棄物処理の具体的対策(プロジェクト)を提案する
2-1. ごみ埋立場に搬入されるごみ重量を計量する「トラックスケール」を設置する
2-2. グリーンウエスト(樹木草花)を処理する「破砕機」を設置する(コンポスト、コンポガス)
2-3. 州立病院からの感染性廃棄物、注射器・針等を焼却処理する「医療廃棄物焼却炉」を設置する
会議後先ずはプロジェクト実現の為、現地調査、技術調査、財源調査、から開始した。

これまでの環境教育・廃棄物対策のベースが、キャパシティビルディング、啓蒙教育活動に偏っていると思っていたので、あえて廃棄物対策処理「設備導入」に注力した。同期の環境隊員が同じコスラエ州で活動しているので安心してそちらの方面(環境教育)を任せられたのも理由の一つ、配属先が分かり易い・目に見える成果を求めていると感じたのも理由の一つ、カウンターパートに設備導入のノウハウを伝えたかったのも理由の一つである。

設備導入に注力したもう一つの理由は、廃棄物処理問題の本質が見失われ効率的な設備導入や立法を含めたシステム構築よりも市民運動としてのリサイクリング運動が膨大な費用と時間と労力をかけ実施されあたかもリサイクリングの中心課題であるように考えられていること、および、有害廃棄物・処理困難廃棄物の処理・防止対策よりもごみ散乱防止運動に大きく比重をかけて実施されていることに疑問を感じたからである。リサイクリングのみでは、ごみの減量・減容化の限界がある程度見えてきてしまう。リサイクリングの立法を含めたシステム作り、効率的にリサイクリングする設備の導入、リサイクルした資源の活用・処理方法を図るとともに、他のソフト・ハードの処理方法との組み合わせにより、より効果的・効率的な具体的な廃棄物処理方法の提案をしたいと感じた。また、ごみの散乱は道徳・しつけの問題であり、健康被害等防止対策を考えると、廃棄物対策の本質的な解決には別の道もあると思ったからである。

誤解の無いように説明すると、私はリサイクリング運動やごみ散乱防止運動を否定しているわけでは無く、あまりにも活動の中心(人、金、物)がその運動に偏り過ぎていると感じていること、および、まだまだ効果的な立法化や適正設備の導入が不足していると感じていることを伝えたかったのである。要は、バランスである。私が「システムが大事」「設備が大事」と極論を吐くのも、そのバランスを少しでも取りたいと思うからである。

適切な設備を導入することで処理対象の情報を正確に把握し、衛生的・効率的に処理し、再利用できる。配属先その他の設備使用者も、据付・運転管理を通して廃棄物を処理する技術・バリエーション・方法・対策を学んでもらえると思う。例えば、腐敗性有機物・病原性細菌・有害有機化学物質・処理困難物を無害化・無機化し、地球温暖化に大きな影響を与えるメタンガス(同量のCO2の21~72倍の温室効果をもたらす)発生を大幅に抑制し、その容量を1/10程度に削減できる焼却設備導入に慎重な意見があると聞いているが、島嶼国での医療廃棄物、処理困難廃棄物等は焼却処理が最適だと私は思っている。このように、まだまだ廃棄物処理に必要な設備は足りていないとの私個人の認識でこの1年4か月頑張ってきた。しかし、2年間の任期では設備導入の限界(適正設備導入がまだまだ不足)が見えてきたことは非常に残念だ。

例えれば、草を刈るのに人力では限界がある。いくら効率的な草の刈り方を教えても、精神論で頑張らせても、人力のみではいくらも除草できない。しかし、鎌やナイフがあれば、大幅に草刈面積は増える。芝刈り機があれば飛躍的にその効率はアップする、芝刈り自動車はグランドレベルの芝刈りも可能である。芝刈り機は高いからとか、ガソリンが要るからとか、運転メンテが難しいからとかの理由で支給しないのであれば、いつまでたっても小さな箱庭程度の除草しかできない。この「鎌」「ナイフ」「芝刈り機」「芝刈り自動車」の導入を図るのが私の計画である。

とはいうものの、着任当初の目標はなんとかようやく達成に近づいてきたので、新目標を4項目計画した。
3. 廃棄物対策新プロジェクト
3-1. 「モーターグレーダー」導入
3-2. 一般廃棄物・プラスチック・廃油・タイヤ等の「焼却プラント」設置
3-3. 立法化~輸出まで「廃車リサイクルシステム」の構築、「プレスマシン」設置
3-4. 福岡式埋立場排気筒基礎改造工事

各々のプロジェクトの内容・進捗状況を順次報告したい。

Summer Camp

2013-07-18 13:11:20 | コスラエ州
Len Wo!こんにちは、コスラエ州KIRMAの菊池です。
雨が多いコスラエも最近は天気が良い日が続いており、日本の夏に
負けず劣らず暑いです。
先日まで総会のため、ポンペイへ出張していました。やはり首都のポンペイ
は都会で、久しぶりに大量の車(コスラエに比べて)を見てなかなか道路を渡る
タイミングが掴めませんでした。。。
総会中は他職種の方、他州の方とお話しする機会が多く新しい発見もあり
とても有意義な時間を過ごせたと思います。

さて、コスラエの学校は現在夏休み真っ最中ですが、
レラの海洋公園では地元のガールスカウトがキャンプ中だということで
お邪魔してきました。
キャンプ地では、40人ほどの小学生から中学生くらいまでの女の子たちが
ちょうどお昼ご飯を食べていました。
この日のメニューは、なんとごはんにインスタントラーメンをかけたもの。
キャンプというとカレーなどを思い描いていた私には衝撃のごはんでした。


昼食後は環境教育の時間です。
まずカウンターパートがゴミについてのプレゼンをしました。
ゴミの分類やコスラエのゴミに関する法律の紹介などなど。
そして重要な4Rについて。知識はもちろんのこと、行動としても
早く定着することを願います。
その後は、ゴミの年数ゲーム。以前に小学校で行ったゲームです。
ゴミが分解される年数を2つの選択肢から答える、というもの。
数名の子に答えてもらって正解者にはちょっとした学用品をプレゼントしました。

環境教育だけのイベントを1から開くとなると予算と労力とが必要になり
とても大変ですが、既存のイベントに併せて行うと大事なことをコンパクトに
まとめて伝えられ、参加者も飽きず、良い活動ができると実感しました!

 コスラエ州 菊池 あゆみ
 

←KIRMAスタッフが作成したスライド
←1週間キャンプ生活をするそうです
←クイズに正解して景品ゲット!

2013年7月度ボランティア総会

2013-07-14 13:38:37 | 隊員活動紹介
7月11日、12日と二日間に渡り、ポンペイ島コロニアにおいてボランティア総会が開催された。


通常、総会は1月と7月の年二回開催される。島国国家であるミクロネシア連邦は隊員がそれぞれ数百キロ離れた4つの島に派遣されいるため、総会に参加するためにポンペイ州以外の隊員は、飛行機で移動し集まってくる。飛行機はユナイテッド社のみが就航している。毎日のように便があるわけではない。そのためアクセスは非常に悪く、総会参加のために5日から1週間の滞在が必要だ。
ちょうど、昨日ヤップ隊が帰州したのだが、13時発の便が8時間遅れというトラブルに見舞われ、本来なら昨日のうちに着くはずが、フライトの関係でグァムでの3泊の滞在を余儀なくされたとのこと。実際、こういったことはミクロネシアでは良くあることでもある。

さて、総会。ミクロネシア隊員の宿命として別の島にいる隊員は普段顔を合わせることはめったにない。そのため、ボランティアにとって年二回の総会は、お互いに密に情報共有、交流を深めることができる貴重な時間である。期間中、活動中間報告、活動最終報告、職種別分科会などが開かれ、隊員の活動状況の報告、意見交換などが行われた。


今回、自分は中間報告と参加した研修(ダンプサイト改善研修:本ブログ前号参照)について報告した。



赴任して9か月が過ぎたわけだが、単に活動したことを報告するだけでは職場、環境が大きく異なる各ボランティアにとってあまり有益ではないと考え、報告の仕方を悩んだ。いろいろと悩んだ結果、「自分の活動は配属先にとってどういったものであるか?」という視点で自分の活動を整理した。

ボランティアとのニーズを横軸にとり、配属先のニーズを縦軸にとる。

このマトリックスにおいて、右上のエリアが最もボランティア、配属先それぞれにおいて効果的な活動だと考えられる。最も目指すべき領域だ。おそらく多くのボランティアにとって活動の序盤戦は右下のエリアから始まると思われる。配属先のニーズがはっきりしない中で、自分なりに活動を始めたという段階だ。このエリアは活動の成果によっては右上のエリアに移っていく可能性がある。
一方で、いつまでもここに留まっているということは独りよがりな活動になっている可能性が考えられる。
左上のエリアはボランティア自身のモチベーションは上がらないかもしれないが、配属先との信頼関係を築くという意味では取り組む価値があるかもしれない。
左下のエリアはお互いに不幸な領域で、生産性は低いと思われる。例えば、教育省の方針はこうだが、学校としては賛同できないかつボランティアも賛同できないといったケースが考えられるかもしれない。もしこの領域に活動が入った場合、しょうがないと割り切って進める、とことん配属先と話合いを重ねて新たな方向性を探るなどの対策が考えられる。

このような観点で自分の活動を振り返ってみた。序盤戦の活動は右下の領域に集中していた。半年過ぎたころからの活動はやや右上にあた。一つ意外だったのが、「職場環境改善活動」である。これは要は「職場の電気代を節約しよう!エコなオフィスを!」といった日本の会社では総務課が担当しそうな仕事である。活動当初、この極めて日本人か得意そうな仕事は同僚には馴染まない、すなわち右下のエリアにあると考えていた。しかし、実際初めて見ると局長がエアコンを率先して切り始める、スタッフが電気代を気にし始めるなど変化が現れた。
職場が活動予算がないことが日頃のスタッフの行動からはあまり感じられなかった。そのため、自分は勝手にスタッフは予算不足のことを深刻な問題とは捉えていないと考えていた。しかし、実際はみな気にしているが活動するためのきっかけがなかっただけであったのである。今では明らかに右上のエリアの活動である。

今回、一歩引いた目線で自分の活動を振り返えれたことは、今後の活動に有益になると感じている。


夜は交流会。各州アピールタイム、宴会芸が披露された。ポンペイ州は三線、ウクレレ、タンバリン、鈴を使って歌の合唱、ダンスを披露した。

チームヤップ州。ヤップ語での唄と踊りを披露。シニアボランティアの東さんを中心にノリノリの図。


各州を代表して幹事を務めてくれたボランティア。よっしー、陽ちゃん、梢ちゃん、みっつ。ほんとにご苦労様でした。
次回は自分が幹事をすることになった。今隊次からSV16名、JOCV13名とシニアの方が優勢となったミクロネシア連邦。みなが充実するような総会目指していきたい。

24年度2次隊 浜川喬弘