僕の配属先のミクロネシア連邦チューク州の環境保護局には局長の下に4つの課があります。
自然資源課
水資源課
廃棄物課
テクニカルサポート課
それぞれの課に属する職員は課長の一人です。
水資源課の下には水質検査等のための実験室が置かれ、2人の職員がいます。
テクニカルサポート課については役割がけっこうあいまいなのですが、この課が主に啓発活動をすることになっていて、環境教育隊員として派遣された僕は、この課の課長がカウンターパートでした。
しかし、赴任直後、カウンターパートを廃棄物課の課長に変えられ、廃棄物処理管理のインフラ整備(処分場の修復・維持管理、新しい処分場の建設、ゴミ収集サービスの構築等)を担当することになりました。
配属先の問題点としては、この4つの課の課長同士の仲があまりよくなく、連携して仕事をするということはほとんどなく、みんなそれぞれが自分のことだけをやっていて、自分以外の課が何をやっているのか把握していない状況です。(小さいオフィスの中にいつもみんな一緒にいるのに。)そして、局長が一番どうしようもない人なので、どうしようもないのです。
僕は、一応、いつもカウンターパート(廃棄物課長)と仕事をしているのですが、中立な立場にいようと思い、他の課ともちょくちょくコミュニケーションをとっていますし、そのことに対して、カウンターパートは不快感とかも特に示さないで理解してくれます。
先日、自然資源課の課長が海の自然資源を保全しようと呼びかける啓発活動に離島へと出かけるというので、一緒に連れてってもらいました。
目的は、その課長の啓発活動の方法を見て、勝手ですが、アドバイスをすることと、廃棄物問題も海の自然保護に関わっているので、この機会を利用して、廃棄物に関して少し僕もしゃべってこようと思ったのです。
離島といっても、どんなとこか、、、 どんな人がこのブログを見ているか分からないので
まず簡単に任地から説明しますと
下の地図のオーストラリアのちょっと上に位置しているFederated States of Micronesia(ミクロネシア連邦)が任国です。
そして、ミクロネシア連邦は4つの州に分かれているのですが、下の地図の真ん中らへんに位置しているState of Chuuk(チューク州)が僕の任地です。
この州政府の機関である、環境保護局が僕の配属先です。
そして、地図の中のChuuk Lagoonって書いてある環礁を拡大したものが、
下の地図です。
Truk Lagoonと書いてありますが、昔はTrukだった名前が今はChuukに変わっただけで、同じものです。
その環礁の中のWeno島というところが、チューク州の本島で、空港や、州政府、州立病院などが置かれています。
ちなみにチューク州の人口は約6万人。
そのうち、環礁(Chuuk Lagoon)内の人口は約75%で環礁外が約25%。
環礁内の人口のうち、本島のWeno島の人口が約3分の1でそれ以外の人口が約3分の2。
ということで、環礁内の他の島の環境問題(廃棄物問題)も軽視することは出来ません。
とは言っても本島以外の島々では、人々は、あまり輸入物に頼らず自然から採れるもので生活しているので、ゴミ(生物非分解性の廃棄物)は少ないのです。
それでも、結婚式や葬式、誕生日パーティー等のイベント時には人々は本島に行き食料品等を購入し、イベント終了後多くのゴミが出ます。人々は、それを全て海に捨てるのです。海が全てのゴミを洗い流してくれると信じて。。。
離島の島々は、道路等のインフラがなく、車も存在しません。
なので、廃棄物処分場を作ることもゴミ収集システムを構築することも困難です。
なので、適切な廃棄物処理といったら、もちろん海に捨てることではなく、穴を掘って埋める、まさに小規模な嫌気性埋立処分場を各家庭ごと、地域ごと、もしくは村ごとに作って、定期的に土でカバーをしながら、処理していくことです。それが、今、小さな島の中で彼らにできる適切な処理方法であり、それを教え、海に捨てることを辞めさせるために啓発活動を行うことが必要です。
僕のメインの活動は、本島において、廃棄物処理管理のインフラ整備をすることであり、その活動だけでもやることがたくさんあるので、啓発活動まで手がまわっていませんでした。しかし、自分の仕事がそこまで忙しくないちょうどいいタイミングで、同僚が離島に啓発活動に行くというので、便乗しました。
訪れたのは、上の地図にも載っているFefen島、Parem島、Tsis島です。
どの島も、州政府の人が来るということで、村長さんが港で出迎えてくれて、村役場の職員はじめ、女性を中心とした住民も多く集まってくれました。
同僚(自然資源課長)が海の自然資源の保全について話し、僕が廃棄物の話をするときは、僕は現地語(チューク語)を話せないので、同僚に通訳を頼みました。
これがよかったのです!
一応僕の言葉で話をしましたが、現地語では同僚の言葉となって、同僚自身の口から人々に伝わったので、同僚も廃棄物問題を理解したと同時に、人々に伝えることまで経験したのです。参加者からの熱い質問も多くあがって、しっかり伝わったと認識していますし、同僚も、伝わったことに対して大きな喜びを感じていました。
次の島でも、ほぼ同じ内容を僕が話し、同じように同僚が通訳をしました。
そしてその次の島でも、同じようにやりました。
だんだんと、僕のジェスチャーまで真似して、真剣に伝えてる同僚が隣にいました。
内容を学び、さらに実践を通して啓発活動を経験した同僚。
次は一人でもできるよ!って言ってくれました。
小さい一歩ですが、協力隊員として、同僚に「技術移転」ができたことを嬉しく思いました。
そして、現地語を話せないメリットがこんなところにあったかと驚きもしました。
同僚の啓発活動の手法は、ただ、話すだけでした。
僕自身も、準備する時間もないくらい直前に決まったので、話すことしかできませんでした。
今後、教材や参加型のアクティビティーを使って啓発活動の手法を少しずつ伝えていけたらと思っています。
そして、参加者が、理解をするだけではなく、行動に移し、習慣化するというところまで目指して、徐々にですが、やっていきたいと思っています。
宮城 匡志
自然資源課
水資源課
廃棄物課
テクニカルサポート課
それぞれの課に属する職員は課長の一人です。
水資源課の下には水質検査等のための実験室が置かれ、2人の職員がいます。
テクニカルサポート課については役割がけっこうあいまいなのですが、この課が主に啓発活動をすることになっていて、環境教育隊員として派遣された僕は、この課の課長がカウンターパートでした。
しかし、赴任直後、カウンターパートを廃棄物課の課長に変えられ、廃棄物処理管理のインフラ整備(処分場の修復・維持管理、新しい処分場の建設、ゴミ収集サービスの構築等)を担当することになりました。
配属先の問題点としては、この4つの課の課長同士の仲があまりよくなく、連携して仕事をするということはほとんどなく、みんなそれぞれが自分のことだけをやっていて、自分以外の課が何をやっているのか把握していない状況です。(小さいオフィスの中にいつもみんな一緒にいるのに。)そして、局長が一番どうしようもない人なので、どうしようもないのです。
僕は、一応、いつもカウンターパート(廃棄物課長)と仕事をしているのですが、中立な立場にいようと思い、他の課ともちょくちょくコミュニケーションをとっていますし、そのことに対して、カウンターパートは不快感とかも特に示さないで理解してくれます。
先日、自然資源課の課長が海の自然資源を保全しようと呼びかける啓発活動に離島へと出かけるというので、一緒に連れてってもらいました。
目的は、その課長の啓発活動の方法を見て、勝手ですが、アドバイスをすることと、廃棄物問題も海の自然保護に関わっているので、この機会を利用して、廃棄物に関して少し僕もしゃべってこようと思ったのです。
離島といっても、どんなとこか、、、 どんな人がこのブログを見ているか分からないので
まず簡単に任地から説明しますと
下の地図のオーストラリアのちょっと上に位置しているFederated States of Micronesia(ミクロネシア連邦)が任国です。
そして、ミクロネシア連邦は4つの州に分かれているのですが、下の地図の真ん中らへんに位置しているState of Chuuk(チューク州)が僕の任地です。
この州政府の機関である、環境保護局が僕の配属先です。
そして、地図の中のChuuk Lagoonって書いてある環礁を拡大したものが、
下の地図です。
Truk Lagoonと書いてありますが、昔はTrukだった名前が今はChuukに変わっただけで、同じものです。
その環礁の中のWeno島というところが、チューク州の本島で、空港や、州政府、州立病院などが置かれています。
ちなみにチューク州の人口は約6万人。
そのうち、環礁(Chuuk Lagoon)内の人口は約75%で環礁外が約25%。
環礁内の人口のうち、本島のWeno島の人口が約3分の1でそれ以外の人口が約3分の2。
ということで、環礁内の他の島の環境問題(廃棄物問題)も軽視することは出来ません。
とは言っても本島以外の島々では、人々は、あまり輸入物に頼らず自然から採れるもので生活しているので、ゴミ(生物非分解性の廃棄物)は少ないのです。
それでも、結婚式や葬式、誕生日パーティー等のイベント時には人々は本島に行き食料品等を購入し、イベント終了後多くのゴミが出ます。人々は、それを全て海に捨てるのです。海が全てのゴミを洗い流してくれると信じて。。。
離島の島々は、道路等のインフラがなく、車も存在しません。
なので、廃棄物処分場を作ることもゴミ収集システムを構築することも困難です。
なので、適切な廃棄物処理といったら、もちろん海に捨てることではなく、穴を掘って埋める、まさに小規模な嫌気性埋立処分場を各家庭ごと、地域ごと、もしくは村ごとに作って、定期的に土でカバーをしながら、処理していくことです。それが、今、小さな島の中で彼らにできる適切な処理方法であり、それを教え、海に捨てることを辞めさせるために啓発活動を行うことが必要です。
僕のメインの活動は、本島において、廃棄物処理管理のインフラ整備をすることであり、その活動だけでもやることがたくさんあるので、啓発活動まで手がまわっていませんでした。しかし、自分の仕事がそこまで忙しくないちょうどいいタイミングで、同僚が離島に啓発活動に行くというので、便乗しました。
訪れたのは、上の地図にも載っているFefen島、Parem島、Tsis島です。
どの島も、州政府の人が来るということで、村長さんが港で出迎えてくれて、村役場の職員はじめ、女性を中心とした住民も多く集まってくれました。
同僚(自然資源課長)が海の自然資源の保全について話し、僕が廃棄物の話をするときは、僕は現地語(チューク語)を話せないので、同僚に通訳を頼みました。
これがよかったのです!
一応僕の言葉で話をしましたが、現地語では同僚の言葉となって、同僚自身の口から人々に伝わったので、同僚も廃棄物問題を理解したと同時に、人々に伝えることまで経験したのです。参加者からの熱い質問も多くあがって、しっかり伝わったと認識していますし、同僚も、伝わったことに対して大きな喜びを感じていました。
次の島でも、ほぼ同じ内容を僕が話し、同じように同僚が通訳をしました。
そしてその次の島でも、同じようにやりました。
だんだんと、僕のジェスチャーまで真似して、真剣に伝えてる同僚が隣にいました。
内容を学び、さらに実践を通して啓発活動を経験した同僚。
次は一人でもできるよ!って言ってくれました。
小さい一歩ですが、協力隊員として、同僚に「技術移転」ができたことを嬉しく思いました。
そして、現地語を話せないメリットがこんなところにあったかと驚きもしました。
同僚の啓発活動の手法は、ただ、話すだけでした。
僕自身も、準備する時間もないくらい直前に決まったので、話すことしかできませんでした。
今後、教材や参加型のアクティビティーを使って啓発活動の手法を少しずつ伝えていけたらと思っています。
そして、参加者が、理解をするだけではなく、行動に移し、習慣化するというところまで目指して、徐々にですが、やっていきたいと思っています。
宮城 匡志