ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

コスラエよ「さようなら」(コスラエ州SV、坂根 篤)

2014-03-14 15:45:42 | コスラエ州

配属先のみんなが歌ってくれた「お別れの歌」

コスラエのマングローブ

一緒にダイビング
さらばコスラエよ、また来るまでは、しばし別れの涙がにじむ。恋いし懐かしあの空見れば、ヤシの木陰に十字星・・・2年間はあっという間に過ぎ去り、明日コスラエを離れる。やはり寂しい、やり残したことが一杯あり、後髪を引かれる思いである。

生活面では大変なことが沢山あり随伴家族(妻)には本当に苦労をかけた。毎日妻の愚痴を聞くのも日課となり「ここはコスラエだから」で終わる。物価が他州に比べ高い上に、品揃えが悪く、また直ぐに品物が無くなってしまい、なかなか次の船便が来ない。機械が壊れると部品が無いのでなかなか直らない、新しい製品を買おうにもどこにも売っていないので取り寄せになる。扇風機、洗濯機、冷蔵庫、レンジ等が使えない日数が異常に多い。温水シャワーも壊れ、今は水シャワー。この年齢で水シャワーはきついね~。雨が降れば水道水は真茶色、水量もなぜかチョロチョロに・・・、しかも雨の日の多いこと!娯楽設備は全く無し。
しかし、人々は穏やかで、出会うたびに笑顔であいさつ、時間もゆっくりと流れ、すべてがのんびりしている。自然が一杯で、青い空、緑のマングローブ・ジャングル、エメラルドグリーンの海が広がっている。生活するのではなく、観光でのんびりするには最高かもしれない。特に、晴天時のダイビングは最高!雨の日はドタキャンもOK。テニストーナメント参加(妻のみ、男性軍はそのパワーが凄過ぎ私はギブアップ)、ローカル家族との交流、ローカルフェスティバル、クリスマスマーチ等々、楽しい思い出が一杯・・・そんなコスラエも今は第二の故郷となってしまう。

ボランティア活動の面では、思った以上にプロジェクトが具体化・実現できとても面白かった。計画立案、具体化、詳細設計、援助金探し、申請書の作成、資料収集、中間・最終報告書の作成、その資料・証明書の取り寄せ・・・離任前日までてんてこ舞いさせられたけれど、今となっては良い思い出だ。トラックスケール、浸出液水草育成、埋立場排気筒基礎改造、モーターグレーダー、ガラス瓶粉砕機、浸出液循環システム、医療廃棄物焼却炉、・・・。これら具体化したプロジェクト以外でもいろいろ環境教育等の活動機会を設けて頂き有り難かった。具体化しなかったプロジェクトは残念だったけれど、夢を追ったり、計画の絵を描いたりすることも面白かった。楽しい思い出を有り難う、コスラエ。

残念なのは、埋立場搬入ごみを計量する「トラックスケール」を2013年12月脱輪した収集車がケーブルを引っかけ壊してしまったことである。修理の費用を捻出する、または新しいトラックスケールを購入するところまで活動ができなかった。もう一つは、ガラス瓶粉砕機で牡蠣殻を粉砕し肥料・土壌改良剤として使用する計画が、委託運転会社が難色を示し実現でなかった。そこで、別の牡蠣殻用簡易型クラッシャーを導入したかったが、時間切れ。最後の一つは、廃油焼却炉の導入が計画書の作成までで、実現できなかったことである。あ!そうそう、あともう一つ、資源管理局長から下水・し尿汚泥の処理を相談されたのが2014年3月4日、熊本県立大学の石橋教授(専門の一つが各種コンポガスシステム)にお会いしたのが3月8日、もう少し早く相談してもらえれば、「汚泥コンポガス+発電+液肥+水耕栽培」等面白い計画がいろいろ立てられたのに・・・残念!

これで私の活動報告は終わり。それでは皆様さようなら。さ~ら~ばコスラエよ、また来るまでは~・・・

2014年3月吉日 H23-4 坂根篤


コスラエのレクチャー

2014-03-10 17:49:35 | コスラエ州

1時限目はアカデミックな講義
医療廃棄物管理

2時限目は焼却炉設置現場で
焼却炉の運転方法
本日(2014年3月10日)病院関係者約20名が参加した、熊本県立大学教授「石橋康弘」博士のレクチャーが、病院会議室及び焼却炉設置現場で開催された。
一時限目は、医療廃棄物焼却処理の必要性、焼却炉のダイオキシン・一酸化炭素等有害排出物対策、医療廃棄物管理方法・処理方法・分類方法、有害廃棄物の生態系に与える影響、等々アカデミックな講義で、講義後の質疑応答も活発に行われた。資源管理局長ロバートも参加し、石橋教授の専門分野の一つである汚泥コンポガスシステムに関し非常に興味を示し、講義後熱心に説明を受けていた。資源管理局は、下水汚泥・し尿汚泥問題に困っており、まさに今から対策を講じようとしているところであった。任期がもう少しあれば、私ならこのような計画を立てるのに・・・と心残りな話題であった。
二時限目は、焼却炉を実際に動かして、特徴を説明。ここで病院側運転員の「ベンジー」が大活躍。土曜日半日のトレーニングを受けただけなのに、しっかり運転方法を理解しており、病院関係者に饒舌に運転方法を説明していた。見ていて非常に頼もしく感じた。It is his world!

病院関係者みんながとっても喜んでおり感謝していることを、ひしひしと感じることができた。このプロジェクトを遂行して良かったと心から思った。私の離任前に何とか完成しようと、先発手配までして努力頂いた日本の焼却炉メーカー「ステラ」、現場工事準備・遂行を何とか間に合わせて頂いた病院関係者・公共事業局、契約・手続きその他に尽力頂いた在ミクロネシア日本大使館等、本プロジェクト関係者の方々に心からお礼を申し上げる。2013年8月初めの「草の根・人間の安全保障無償資金協力」契約発効から完成まで約7か月。これほどのプロジェクトが僅か7ヶ月で完成したことは、本当に奇跡に近い。皆様ありがとうございました!
H23-4 坂根篤

コスラエの引渡式(医療廃棄物焼却炉)

2014-03-08 08:23:08 | コスラエ州

医療廃棄物焼却炉引渡式
関係者記念写真

医療廃棄物焼却炉引渡式
在ミクロネシア日本国大使館佐藤氏・コスラエ州保健衛生局リビンソン局長

焼却炉全景
屋根上のソーラーパネルに注目
2014年3月7日(金)午後1時、コスラエ州立病院会議室で、在ミクロネシア日本国大使館とコスラエ州保健衛生局の間で、医療廃棄物焼却炉の引渡式が行われた。私がコスラエを離れる1週間前ではあるが、本セレモニーに参加でき本当に嬉しく思う。2年前の2012年4月、着任挨拶時に医院長から頼まれた「ダイオキシンフリー機械式焼却炉」を、離任直前に納入できた。まさしく2年がかりのプロジェクト。初めは財源確保の為、沖縄県補助金等を考えたが、結果的に「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を大使館にお願いした。海外でのプロジェクト実現の為には、とても頼りになる存在である。
これからはあの匂いと煙ともお別れ。しかし、この焼却炉に合わせた感染性廃棄物収集システムを、これから構築していかなければならない。申し訳ありませんが、小屋SV宜しくお願いします。
H23-4坂根篤

コスラエのウトウェ・ワラン間道路強化計画

2014-03-06 17:41:01 | コスラエ州

ウトエ村」から4輪駆動車で改修中の道路を行ける所まで・・・
泥沼状態の道路で車を残し徒歩で行ける所まで・・・
とうとう目の前は一面の草、もう進めません・・・
ここで引き返すと思いきや・・・
ここから陸の孤島「ワラン村」を目指し道なき道を徒歩で・・・

草の中を歩くこと約1時間ようやく「ワラン村」に到着
私の「活動報告6」で説明したウトウェ・ワラン間道路強化計画の現状視察に、昨日(2014年3月5日)、在ミクロネシア日本国大使館「佐藤庸昭」氏、カウンターパート「ハイロム」、私、の3名で行った。ウトウェ村からワラン村を目指して、行ける所まで行くことにする。
2013年8月「草の根・人間の安全保障無償資金協力」調印後、全行程9.5マイル(15.2km)の強化計画進捗状況は;
(1)2013年12月末では3マイル(4.8km)開墾工事済、残り6.5マイル(10.4km)
(2)2014年3月初め(今回調査)には8.5マイル(13.6km)開墾工事済、残りは1マイル(1.6km)
ワラン村まで開墾工事した後、今度はワラン村からウトウェ村に向けて側溝・暗渠の整備、モーターグレーダー・表土を使っての道路整備工事を始める。それでようやく道路強化工事の完成。

今まだ残っている1マイルの未開道・草の中を3人で歩いてワラン村まで・・・草はぬれているし、道は泥だらけ、かんかん照りの中、上がり下がりの続く山道を、てくてくと・・・日頃の運動不足を一気に解消?
昼前にようやくワラン村に着くと、配属先のエンジニア3名が測量に来ていた。早朝に満潮を待ってボートで来たとの事。帰りの満潮(午後3時頃)を待って帰るとの事なので、あの道を再度歩いて帰る自信の無い私は、ボートで帰ることにした。みんなと昼食を取り、ボートが来るまでお昼寝。疲れた・・・
しっかり休養しボートで一路「オキャット港」へ。ラッキー。

一方、佐藤氏・ハイロム・エンジニア1名(私の代わり「ザキアス」)は昼食後直ちに元の道を歩いて戻る・・・ザキアスに翌日感想を聞くと「絶対ボートで帰るべきだった。あなたは賢い。心臓は踊るし、目は廻るし、足を滑らせて谷側に落ちそうになるし、死ぬかと思った。」との事。
H23-4坂根篤

コスラエの浸出液循環システム

2014-03-04 17:28:33 | コスラエ州

水中ポンプを駆動するエンジン(手前)
噴出する浸出液(真ん中・左側)
私の「報告書8」で述べた浸出液循環システムの試運転が本日(2014年3月4日)完了した。結果は上々で、浸出液がパイプから噴出する様はなかなか壮観だった。今までであれば浸出液の水質検査結果が悪くても改善対策がなかったが、これからは浸出液を埋立場に循環散布することにより水質を改善できる。
2013年7月のニュージーランド援助金申請後8ヶ月弱でのプロジェクト完成となった。システムが簡単なこともあるが、今までにない程プロジェクトがスムーズに進むようになったのは非常に喜ばしい。3月15日コスラエ出発の私にとって、10日を残しての完成だ。残るプロジェクトは「報告書5」で述べた医療廃棄物焼却炉のみである。予定では3月7日完成だが・・・
H23-4 坂根篤