美麻珈琲 ブログ

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信濃路入りの山頭火

2010-04-20 01:29:00 | インポート

信濃路入りの山頭火

信濃路入りの山頭火 井月の墓

信濃路入りの山頭火

信濃路入りの山頭火

信濃路入りの山頭火

  • 山口県防府生まれの「漂泊の俳人」山頭火は

信州にも数回、足を伸ばしている。

流転のその日暮らしは水しか飲めず、

でも水味ならばわかるから「水飲み俳人」と呼ばれた。

晩年は水音だけで味や香りまで利けたという。

  • 今日、季節外れの積雪もとけた美麻から→

三田に帰る道すがら、山頭火の足跡をたどり

長野県伊那市→伊那市洋菓子店清水さん→

長野県下伊那郡清内路村→妻籠宿→

中津川へと抜けた

  • 『飲みたい水が音をたててゐた』昭和9年4月 

伊那の乞食俳人井上井月(けいげつ)の墓参りを

果たすため南木曽から飯田へと標高1200メートルの

清内路峠を越えた。

今は車で且つトンネル開通で安易だが、

当時は歩き慣れた山頭火でさえも難所であったろう。

冷え込み、大汗をかき、

『飲みたい水が音をたててゐた』

今は食料品店になった「長田屋」にその夜の宿をとった。

清流孫六沢のせせらぎ沿いで詠む。

『おだやかに水音も暮れてヨサコイヨサコイ』

『死ぬるばかりの水は白う流れる』

『山しづかなれば笠をぬぐ』

飯田に着くなり急性肺炎で入院を余儀なくされる。

  • 『あの水この水の天竜となる水音』昭和14年

5年後、念願の井上井月

(生まれは越後?没年明治20年この地で絶えた)の

墓参を果たす。

井月は芥川龍之介が『入神と称するも妨げない』と

書を評した、

さすらいの俳人井上も無類の酒好きで、

著書を通じて山頭火が共感したのか?

伊那市みすずの墓前に手厚く花を手向け、

酒を注いだという。

今日も桜で名高い高遠の出前、わっぱらの墓には

地酒仙釀が供えてあった。

井月の墓から東へ100メートルあまり、

残雪の南アルプス仙丈ヶ岳と中央アルプス駒ヶ岳を望む

農道の大久保は杉木立には、

両人の碑が寄り添っている。


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