美麻珈琲 ブログ

長野県大町市美麻にある美麻珈琲のブログ
自然豊かな中山高原からお届けする
日々の様子から、お店からのご案内など

ボランティアの合い間に

2007-04-01 12:48:52 | インポート

3月30日  Dsc_0068_1 Dsc_0069_1 Dsc_0067_1 Dsc_0070_1

財団法人育てる会の「低学年スキー」のボランティアで子供達とここ数日を過ごす。合い間を縫って現場にでかけた。

ベタ基礎の上に高い目の立ち基礎。その部分が地階となり、車庫と倉庫に使う内部はその基礎のパネルをそのまま剥がさずに使用する。丁寧で美しいパネルを大工の衛さんが苦戦しながらはめ込んでいた。

申し訳程度に手伝い、子供達のいる宿舎に戻る。ちょうど夕食が始まったところだった。

大阪の亀さんがプロ用のテレビビデオカメラを届けに来てくれた。建築の記録用にと預かるがメカ音痴なので使えるのか不安である。白馬に15年前まで通い続けたという彼。今時のカービングスキーにしたらもっと滑れたことでしょう。数本のリフトでブランクを感じ諦めたとか・・・。

前後して、神奈川から知床の友ふたりが現場に向かっているとの連絡。子供たちと一緒なので身動きがとれずどうしようもないので電話のみのやり取り。しかも日没時間もすぎるであろうのにやって来るのである。

やがて初めての場を「月明かりで見てきた」と電話の向こうで叫んでいる。5月の中頃に出直して、建築作業に来てくれるらしい。バレンタインに送った大量の友チョコが効きすぎたようである。

この1週間は三田に戻り、店の庭の手入れ、こんな時に取れてしまった歯の治療などを片付けて、次回は1ヵ月のメイン作業です。

日本ストローベイルハウス協会主催、5月連休の「ワークショップ」も順調にメンバーが20名集まり締め切ったようである。

その前後の素人の方をただいま、シフト調整中です。

山村留学とは
山村留学とは、都会の子どもたちが、長期、親元を離れて農山村や漁村のまちへ転入し、その地域の学校に通うことです。山村留学は、昭和51年、長野県八坂村で財団法人「育てる会によって始められました。現在は、さまざまなかたちの山村留学が全国にひろがっています。

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   「おじさんリーダー」売木・夏体験              

三人の子供たちのそれぞれが小学校高学年の二年間、美麻学園で山村留学を終えて三年が過ぎようとしています。その間は幾度となく長野に足を運ぶのが習慣になっていました。修園をしても秋の収穫祭には「屋台・ケーキ店」を続けてはいたものの、それでもポッコリと何かが空いて落ち着かないでいました。それは山留を去りがたくて、多くのOB父母たちが経験をしていることだろう『山留を終りたくない・シンドローム』かな。そんなこともあり、昨年から売木の「夏の活動リーダー」を引き受けています。

初回は緊張しまくりの一週間でした。センターの指導者以外のリーダーは大学生が中心であり、子供の頃から自らも活動を経験してきたWALKメンバーです。その中に不慣れなおじさんが入るのですからどの程度、務まるのか?疑問でした。でも昨夏とこの夏のⅠ期と長期班を終えてみて感じることは、これまでの社会経験で、自分なりのスタンスで、子供に接すればそんなに悩むことはないのだという事でした。

我が子が育てる会にお世話になったので、せめてもの御礼の気持ちで始めてみたのですがそれには考えていた以上の収穫がありました。これまでは子供を送り出す側の視点しかなかったので、それは新鮮な体験になりました。

その現場に入っての印象は・・・

指導員が真剣に子どもに向き合い、「今、最も優先すべきことは何なのか?」を判断していて、状況に合わせをして改善していく連続には感心しました。決して、淡々とこなしてはいないという事です。

幾分は年単位の山村留学で指導員の方が子供に接している姿で理解をしているつもりしたが、ミーティング等で最善を探ろうとする若い力を眩しくも感じました。継続生のような先輩のいない中で、且つ短期間でありながらも「この場面は子供にはどのように判断をされるのか?」など「与えないで、考えさせる育てる会流」が行事にも定着しているように感じました。

リーダーをやってみての感想と成果は・・・

①子供に何よりも癒される。時には労わってくれる。 

②大人社会と同じで、相手を認め・褒めて・任せる事は子供にも必要であり、そのやり方に間違いがなかったという確証を得ることができたこと。

③現実社会・世相が縮図となり子供の言動・行動に現れているということが良く理解できた。

④当然ですが子供達の性格は形づくられており、期間中に接していて「これからどんな大人になるのだろうか」という期待感を抱かしてくれる。

例えば、頑固な子は意志が強い人に、強情な子は根性がある人に、理屈っぽい子は筋を通す人に、ワンマンな子は指導力がある人に、でしゃばりの子は外交的な人に、図々しい子は物怖じしない人に、不平不満が多い子は批判力に富む人に、根暗な子は物静かな人に、やる気のない子は大器晩成型の人に、それぞれなっていくのだろうな?

⑤これはオマケだが、成長した我が子には見放されてもさらに幼い子ども達が遊んでくれる。そして、下界では暑い夏も涼しい売木で規則正しく過ごすことで日頃の体調不良も日増しに改善されたこと。

子供から大人になろうとするゼイ変の時期、『このように生きるのだ!』と覚悟して、人生の脚本を書き、その第一歩を進みだすのは中学生前半と聞きます。その覚悟をしていくまでの過程に興味があります。その人を育んだ両親や周りの大人、環境(風土)など生い立ちの中での影響が絡み合います。その性格が形成されて人生をこのように生きようとする決断の過程。自分を含めて、今なぜココに住み、その職業を選択し、何を思い生きているのかという風に、歴史上であれ、現代を生きている人であれ、その人の一生に覚悟をいだかせたものに興味を惹かれます。 

子供達の多くがその決断の時期において、非日常生活の『活動』が何らかの形で少しでもプラスに働くことを願いつつ、来年も若者の間に空きがあれば、是非やってみようかなとおもう夏の終りです。そして、先のシンドロームのあなたもいかがですか? 

 「育てる」誌 2005年8月 原稿

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