レディスデーなので行って来ました、銀座満員。
原作も読んだことがないし、あまりいろいろ知らないほうがいいと思って、映画紹介記事程度の知識だけで観ました。
けっこうよかったと思います。もっとベタかと思ったけど。
ひとことで言うと、ブーラーイーオーニーーーーーおまえそれでいいのかよ!
ってな話です。
自分の住む屋敷のミニチュア、ノアの箱舟に乗り込むようなたくさんの模型の動物たちを愛する、小さな作家気取りのブライオニー。これが彼女の世界の全て。
自分がコントロール出来うる小さな世界の中でのみ生きている。
現実は彼女が及びもつかない生々しさで動いているのに。そんな頭でっかちで想像力豊かな彼女が、ささやかな嫉妬と思い込みでついた嘘が姉とその恋人を引き裂いてしまう。
姉セシーリアにキーラ・ナイトレイ。身分違いの使用人の息子を想っているが愛なのか恋なのか自分でもその気持ちを持て余している。傲慢さの見え隠れする美貌と大胆さがいい味わいで、物語が進むにつれ成長し大人の女性へと変化していく。
背中の大きく開いた緑色のドレス姿が麗しく、ほっそりしたスタイルがなまめかしく見えて印象的。 つんと取り澄ました顔と愛する人を想う表情の落差が上手い。
その恋人ロビーには躍進めざましいジェームズ・マカヴォイ。小柄で地味ながらも聡明で遺志の強さを持った好漢を繊細に演じる。
セシーリアもロビーも、お互いを愛しているのかどうかわからないもどかしさが映画の前半でうまく表現され、愛を知った後の悲劇的な展開と、セシーリアの元に返ろうと運命を切り開こうとする姿が切ない。
物語の狂言回しと裏の主役となるのがセシーリアの妹ブライオニーで、少女時代をシアーシャ・ローナン、娘になってからを「エンジェル」のロモラ・ガライ、作家として大成しつつも人生の終わりを迎えつつある老年をヴァネッサ・レッドグレイヴがそれぞれ熱演。
透き通る青い瞳に横わけのおかっぱヘアが生涯変わらないのが特徴。
特に少女時代が、子供ならではの残酷さを垣間見せ恐ろしい。
自分のついた嘘で姉と恋人を引き裂いた事を悔いてはいるものの、果たして彼女の選んだ道は正しかったのか? それでいいのか?
それで罪は贖えたのか?まさしくタイトルにある「贖罪」とは何かを突きつけてくる。 何故もっと早く真実を言わなかったのかが大変疑問ではあるが、当時の状況全てがロビーに不利だったことも確か。厳然と残る身分制度に押しつぶされてしまった。
時間が行き来し、想像と現実が入れ子になっている構造に判りにくさがあるが、これは狙ってのことだと思う。
映像の美しさ、効果音と音楽が交じり合う上手さ、抑制の効いた演技が良い効果を上げている。
原作も読んだことがないし、あまりいろいろ知らないほうがいいと思って、映画紹介記事程度の知識だけで観ました。
けっこうよかったと思います。もっとベタかと思ったけど。
ひとことで言うと、ブーラーイーオーニーーーーーおまえそれでいいのかよ!
ってな話です。
自分の住む屋敷のミニチュア、ノアの箱舟に乗り込むようなたくさんの模型の動物たちを愛する、小さな作家気取りのブライオニー。これが彼女の世界の全て。
自分がコントロール出来うる小さな世界の中でのみ生きている。
現実は彼女が及びもつかない生々しさで動いているのに。そんな頭でっかちで想像力豊かな彼女が、ささやかな嫉妬と思い込みでついた嘘が姉とその恋人を引き裂いてしまう。
姉セシーリアにキーラ・ナイトレイ。身分違いの使用人の息子を想っているが愛なのか恋なのか自分でもその気持ちを持て余している。傲慢さの見え隠れする美貌と大胆さがいい味わいで、物語が進むにつれ成長し大人の女性へと変化していく。
背中の大きく開いた緑色のドレス姿が麗しく、ほっそりしたスタイルがなまめかしく見えて印象的。 つんと取り澄ました顔と愛する人を想う表情の落差が上手い。
その恋人ロビーには躍進めざましいジェームズ・マカヴォイ。小柄で地味ながらも聡明で遺志の強さを持った好漢を繊細に演じる。
セシーリアもロビーも、お互いを愛しているのかどうかわからないもどかしさが映画の前半でうまく表現され、愛を知った後の悲劇的な展開と、セシーリアの元に返ろうと運命を切り開こうとする姿が切ない。
物語の狂言回しと裏の主役となるのがセシーリアの妹ブライオニーで、少女時代をシアーシャ・ローナン、娘になってからを「エンジェル」のロモラ・ガライ、作家として大成しつつも人生の終わりを迎えつつある老年をヴァネッサ・レッドグレイヴがそれぞれ熱演。
透き通る青い瞳に横わけのおかっぱヘアが生涯変わらないのが特徴。
特に少女時代が、子供ならではの残酷さを垣間見せ恐ろしい。
自分のついた嘘で姉と恋人を引き裂いた事を悔いてはいるものの、果たして彼女の選んだ道は正しかったのか? それでいいのか?
それで罪は贖えたのか?まさしくタイトルにある「贖罪」とは何かを突きつけてくる。 何故もっと早く真実を言わなかったのかが大変疑問ではあるが、当時の状況全てがロビーに不利だったことも確か。厳然と残る身分制度に押しつぶされてしまった。
時間が行き来し、想像と現実が入れ子になっている構造に判りにくさがあるが、これは狙ってのことだと思う。
映像の美しさ、効果音と音楽が交じり合う上手さ、抑制の効いた演技が良い効果を上げている。