ITエンジニアの九十九折(新)

これまで経験したことや考えを思いつくままに綴って行こうと開設しました。マラソンをするように長く続けて行くつもりです。

66.修学旅行を観劇して(860字)

2007-04-16 | Culture
新年度が始まり、学校でもそろそろ春の修学旅行シーズンを迎えようとしていますが、この週末、『修学旅行』という新作の演劇を鑑賞して来ました。

モチーフは、「日本の高校生と現代の戦争」です。

以下に、あらすじと感想を簡単に紹介します。

青森県のある高校が沖縄へ修学旅行へ行き、3日目に宿泊した旅館のゴーヤの間で繰り広げられる女子高生たちの会話と出来事(ドタバタ劇)を通して、現代の戦争と戦争観を考えて行きます。

この演劇では、沖縄を題材に、現代も終わることがない戦争を、身近な、関係あるものとして捉えています。

固い内容ではありますが、俳優たちが非常にリアルに女子高生を演じており、会場には最初から最後まで笑い声が聞かれました(会話やアクションは面白いです)。

現在、沖縄には日本に設置されている米軍基地の75%が島内に存在しています。そして、その中には公道をはさんで、輸送機や戦闘機が民家の上空低く、「キーン」という甲高い金属音を立てて、離着陸を繰り返しているケースがあるそうです。
基地の詳細はこちらより。
http://www.town.kadena.okinawa.jp/mati2/base.html

また、先の大戦における「ひめゆり部隊」の惨状も講話として聞き、彼女たちの怖がる様が演じられました。さらに、3年前に起こったイラク戦争への出撃の際にも、沖縄が発信基地となったことも会話の中で紹介されていました。

過去数年にわたる沖縄ブームの陰で、自分がいずれも興味や関心を持たないと知らずに済んでしまい兼ねない悲しい事柄・事実から目を反らしていなかったかと考えると少し心が痛みます。

自分も含めて、戦争を知らないおとなたちばかりとなった現代において、こどもに戦争を伝えることは、自身の体験や臨場感をもって伝えることが大変難しくなっています。

日本の戦後の平和とは、日米安保条約と憲法9条に守られた束の間のものとなってはならないと思います。

最後に、観劇パンフレットよりアメリカの詩人の言葉を引用します。

「平和とは、どこかで進行している戦争を知らずにいられる、束の間の優雅な無知だ。」(1940年、E.S.ミラー)

公演は、今週末まで。
http://www.seinengekijo.co.jp/frame.html
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2 コメント

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Unknown (pepe)
2007-04-18 10:13:08
最後の詩人の言葉 胸に痛く響きます。
そう言った現実を気づかないふりをしている自分がいます。 戦争なんて無い方が良いし、軍事費を福祉や自業自得とは言え、自殺まで考えて苦しんでいる人達に分け与える事が出来ればなんて考えたり。
しかし、北朝鮮のような狂気の国(数十年間までの日本)が現実にあることを考えると、そんなトーンも低くなってしまいますが・・・・・
昨日起こった市長襲撃事件、詳しい背景は判らないけど、全ては、自分さえよければの自己中心的な考え方が全てを生み出しているのではと、日々思うこの頃です。
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争いがなくなりません (ウォームハート)
2007-04-19 17:56:12
pepeさん、こんにちは。

誰しも一人だけでは無力なのだと思います。だから、良心や正義感を持っていても、それを正当に表現できずに胸の奥底にしまって生活しているのではないでしょうか。

一昨日の長崎市長襲撃・殺害事件は、衝撃的でしたね。

まだ全容はわかりませんが、思想的なものではなく、利権を主張するための自己中心的な犯行という見方がなされているようです。そういう意味で、色んな人・モノが変化して来ているように思われます。
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