ITエンジニアの九十九折(新)

これまで経験したことや考えを思いつくままに綴って行こうと開設しました。マラソンをするように長く続けて行くつもりです。

157.情報システムのぜい弱性克服(1,010字)

2008-10-17 | IT(ICT)
去る9月21日に全日空の航空券予約システムが、そして
翌週の28日にはJR東日本の新幹線でシステムトラブル
が発生し、連休や休日の最中、マスコミを賑わす結果に
なりました。

こうした報道に触れるたびに、システム業界はたるんで
いる。あるいはシステムの品質は年を追う毎に低下する
一方だと嘆く方も少なからずいらっしゃると思います。

確かに、報道を見る限りでは、システムトラブルの報告は
年々増える一方には違いなく、システム業界の一翼を
担う者として、責任を感じないわけではありません。

近年、情報システムは単なるコンピュータのシステムから、
重要インフラへ、あるいは社会を構成するシステムとして
発展して来ており、重要性は高まる一方にあります。

そうした位置づけの変化から、自ずと注目度も高くなり、
それなりに規模や投資額も大きく、社会の中でも欠かせ
ない要素の一つになっているのは間違いありません。

しかし、品質については、全体の稼働母数を考えると
トラブルに挙げられる数は、自動車全体の交通事故発生
率に似た割合にも考えられ、決して高すぎるというわけ
ではありません。

マスコミに叩かれる一番の原因は、社会への影響度の
大きさに負うところが大きいと言えます。

情報システムは、重要インフラとなっても未だに信頼性
の大半はソフトウェア委ねている部分があり、その辺り
のギャップの大きさを抱えたままとなっています。

システムトラブルの原因の大きなものは、ソフトウェア
のバグが占めることを考えると、根本解決に向けた提案
と地道な改善活動が必要だと思います。

耐故障性を高めるために、航空機で実際に求められて
いる三重の冗長性を取り入れることも一つの方法です。

航空機には安全性を確保するために極めて高い信頼性が
求められ、機体には三重からなるシステムを搭載して
いるそうです。

システムの専門用語では、ロバストネス(robustness,
しなやかな柔軟性と訳す)を持たせることだそうです。

重要インフラとなった今、情報システムはダウンタイム
を最大限小さくして、稼働させることが必須の条件と
なるのです。

そうした中で、ソフトウェアの特性を受け入れると、
システムやプログラムの多重化は言うに及ばず、多重化
の中でも単体で稼働を保証するような信頼性を確保する
ことも必要で、制御システムの概念を取り入れて、
発展させる必要があると思います。

情報システムは止められなくなっているのです。
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