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ITエンジニアの九十九折(新)

これまで経験したことや考えを思いつくままに綴って行こうと開設しました。マラソンをするように長く続けて行くつもりです。

122.さぶちゃん、マッキーと紅白歌合戦(899字)

2008-01-14 | Culture
昨年末の紅白歌合戦は、白組の4連勝で幕を閉じました。

ここ4年ほどは、素人の私が見ても男性陣の充実ぶりがわかり、女性陣の頑張りも及ばないように感じます。

ではここで、今回の番組で目についた2つのことを考えてみたいと思います。

一つは、44回目の出場となった北島三郎さんについてです。

58回を数える紅白のうち、実に8割も出演しており、今や日本歌謡界の大御所的な存在と言えるでしょう。

一見、代わり映えのしない曲をまあ、飽きもせず毎年歌っているよなと思えなくもありませんが、果たしてそうでしょうか?

さぶちゃんは、下積みの時代に流しで歌唱力を鍛え、後年、たくさんのヒット曲に恵まれ、そして中盤からは後進の演歌歌手を育て、更には作曲まで手がけるようになっています。

にぎやかな「祭り」は作詞なかにし礼、作曲原譲二です。
原譲二は本人の別名で、自ら作曲して歌っています。

また今回、北山たけしさんが初出場となりましたが、この人もさぶちゃんの弟子の一人と聞いています。

一人の歌手としてだけでなく、キャリアを生かして、有形無形で歌謡界に貢献していることがわかります。

それにしても、「帰ろうかな」って名曲の一つですよね。

さて、もう一つは、お久しぶり2回目出場のマッキーこと、槇原敬之さんです。

マッキーは、「どんなときも」でデビューし、「もう恋なんてしない」などせつない心境をラブソングとして自作し歌って来ました。

そして絶頂期に入ったと思った頃、覚醒剤所持容疑で逮捕され、ファンをがっかりさせた時期もありました。

ところが、それからしばらくの間、潜伏期間を経て、復活を印象づけたのは、人気グループSMAPに提供した「世界に一つだけの花」でした。

もはやこの曲を改めて紹介するまでもありません。

長年、紅白の最後に歌われてきた「蛍の光」に代わって、二年続けて歌われる平成の名曲へとなったのです。

マッキーの音楽性は、覚えやすいメロディラインときれいな日本語を使うことにあるように思います。

この二人を見ても、実力派揃いで、女性陣が対抗するには容易ではありませんね。

女性歌手の皆さん、今度こそリベンジ!!
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120.フランスワインの危機(1,110字)

2007-12-20 | Culture
この秋も毎年、出来具合が話題に上るフランスのボジョレー・ヌーボーが店頭に並びましたが、その舞台裏では思わぬ苦戦をしていることを最近知りました。

苦戦の理由は二つあります。
1)後継者不足
2)新興産地の台頭

一つ目の後継者不足はワイン造りに限らず、農林水産業全般にわたって言えることでもあります。

ワインの原料となるぶどうの栽培は緩斜面に棚を作り、気候や害虫を気にしながら、収穫を待ちます。その間、房毎に袋をかぶせたりと労力も並大抵ではありません。

その割に産地で豊作ともなれば出荷価格は下落し、労多くして実入り少なしとなり、若手にとっては以前ほど魅力溢れる職業とは言えなくなってきているようです。

このことはフランスだけでなく、日本の甲州ワインの産地である山梨県でも同じことが言われ、今後、産出量の低下が懸念されています。

ワイン造りも出来上がるまでの工程が多く、また自然との闘いでもあり、決して楽な仕事とは言えません。

ただ、ボジョレー・ヌーボーは「新酒」ですので、収穫したものをすぐに発酵させ、出来上がるまでの工程をかなり短縮して出荷していると思われます。

次の新興産地の台頭は、先の問題と併せてより深刻化する結果を招いています。

昨今、米カリフォルニアやオーストラリア、南アフリカ、チリといったワインに馴染みの薄かった産地のものが店頭に並んだり、外食産業で出回るようになりました。

私もしばらくは敬遠し飲まずに過ごして来ました。しかし、知らないうちに、飲んでいることに気づき、やがて味を認め、許容するようになって来ました。

さすがに自宅ではまだフランスやイタリア産を買うことが多いのですが、外で飲むときは価格差もあり、こうした新興国産ワインのお世話になる機会が益々増えそうです。

そうです、一番の原因は価格差にあるようです。ブランドが浸透・確立しているフランスワインはその分、プレミアがつき、価格も高めに設定されています。

しかし、今は両方を飲み比べても天と地ほどの差がある訳ではなく、普通の人はそれほど、こだわりを持っていないため、安いワインを選んで飲んでしまいますね。

フランスワインは消費の面からも競争力が落ちてしまっているのです。

それを救う手立てはすぐには見つかりませんが、縮小均衡し、希少価値が生まれれば、それで市場が成り立つ可能性を秘めています。

そのヒントは日本酒造りにあると思います。国内では大手メーカと地方の中小メーカが並存し、顧客は嗜好に合わせて選び、それで市場が成り立っていると考えられるからです。

近い将来、フランスワインのシェアは小さくなり、特別なときに選んで飲まれるお酒になるかもしれません。
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113.日中の架け橋となった善意の日本人(778字)

2007-10-31 | Culture
先週末、舞台俳優の友人の勧めもあって、新宿の紀伊国屋ホールへ演劇鑑賞に出かけました。

演題は、『孫文と梅屋庄吉』といいます。

中国革命の父と呼ばれる孫文と日本人梅屋庄吉との実話に基づく交流を描いた芝居でした。

この芝居は、観劇する前と後とでは、正反対の感想を持つに至りました。

それは、おそらく歴史の無知から来るものだと思われます。

孫文や辛亥(しんがい)革命のことは、高校の世界史の1コマの授業の中で習ったことがあると思いますが、もうすっかり忘れてしまいました。

そして当日、パンフレットを2,3度読み直しても、あらすじが頭に入らず、何となく、「わからない、面白くないかも」という思いが、頭をよぎりました。

しかし、幕が開いてしばらく経つと、どんどん引き込まれている自分に気がつきました。

梅屋は、写真家として写真屋を営み、また一方で日活の創業者として巨万の富を築いた人ですが、明治人らしく、自らの偉功については、家族へ他言無用と遺言したため、これまで歴史の表舞台に現れることがなかったようです。

梅屋の功績は、清王朝を倒すために立ち上がった孫文を、財政面や物資面から支援し、また精神面でも「死友」と呼び合うほど深い友情で支え、それを一切外部に吹聴しなかったことです。

それでも孫文の革命は簡単に成就せず、途中、形勢不利となり、時の中央政府に睨まれ、一時、留置場へ拘束されたことも上演されました。

こうした無私の思想は現代の日本では希薄になりました。そういう意味で一人でも多くの人に観て貰いたい芝居だと思います。
タレントの太川陽介さんが梅屋庄吉役で好演しています。また初日には、中国の大学で教えている歌手の谷村新司さんも観劇されたと聞きました。

孫文と梅屋庄吉の略歴紹介はこちら
http://liffey2.ld.infoseek.co.jp/rekishi/umeya/

孫文の「大アジア主義」を紹介したサイト
http://www.yorozubp.com/asiaism/asiasunwen.htm

今後の公演日程はこちら
http://www.tokyo-gingado.com/details/sonbun.html
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108.宮崎ブーム(1,130字)

2007-09-28 | Culture
今春、元タレントのそのまんま東(本名:東国原英夫)氏が県知事に当選して以来、同知事へのマスコミ同調もあって、世間ではちょっとした宮崎ブームが起こっているようです。

私がこの夏休みに帰省した折、地元宮崎では、観光や特産品などを振興させた結果、活況を呈し、非常に県内のムードが明るくなっていました。

その一例を紹介します。
まず、宮崎県庁では、庁舎内の知事室入口までの廊下に観光用ルートを設け、そこに1日当たり約5千人が訪れていると報道されていました。

次に、「東国原まんじゅう」という同知事のイラスト入り饅頭が大人気で売上を伸ばしていると聞きました。(イラスト入りの土産品は饅頭以外にも発売されています。)

また、宮崎空港も、利用客が増え、私が帰京した日は、各航空会社から臨時便が出るほど、利用があったようです。

一方、東京でも、ブームが幾つか沸き起こっているのに遭遇しました。

先日、立寄った新宿にある宮崎のアンテナショップ(KONNE;来んね、来てくださいの意)は、今まで以上に人出で溢れ、買い物するのを諦めたほどでした。

また、某居酒屋チェーン店でも、オーナーが同知事と意気投合したことがきっかけとなり、8月に宮崎フェアを開催していました。

他にも、友人と出かけた渋谷の宮崎料理屋も二次会の時間帯を過ぎても、いつまでも混み合っていました。

何がそれほどのブームなのか、地元出身者の一人として、宮崎の魅力の一部を紹介したいと思います。

第一に、素材(食材)が新鮮であることが挙げられます。
魚、肉、野菜のいずれも産地となっています。

かつおの水揚げ高は、現在、高知県を抜いて日本一になっているとか。肉も、鶏肉、牛肉とも高い評価を受けています。鶏肉なら、チキン南蛮で食べるとおいしさを享受できます。宮崎牛は、他の○○牛として有名なブランドの仲買人が肉牛を購入して行くくらいですので、その品質は保証できます。

野菜で言えば、ピーマン、かぼちゃ、しいたけが産地としては有名でしょうか。

第二に忘れてならないのが、焼酎です。
銘柄も多いのですが、使う材料によって、大きく、芋、麦、米、蕎麦とに分かれます。

銘柄の中で、「百年の孤独」や「野うさぎの走り」を知っている人は結構な通ですね。「中々」という焼酎も、なかなかにうまいですよ。^^

また、最近、皇太子様が飲まれて人気が出た「黒霧島」ですが、これは現代風にアレンジして、芋焼酎独特の臭味を消して、とても飲み易くしてあります。本当に癖になるくらいのうまさがあります。一度ご賞味してみてはいかがでしょうか。

ブームはいつか過ぎ去って行くと思いますが、ゆかりの土地が紹介されるのは、とても気持ちが良いことです。今日はブームに乗って紹介しました。
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87.きらめきの昭和歌謡曲(793字)

2007-06-29 | Culture
私が好んで読んでいる『日本経済新聞』の「私の履歴書」には色んな分野の方が登場し、1ヶ月に一人ずつ連載を書いています。

その中で、今年、音楽界から作曲家の遠藤実さんが連載されました。また、記憶しているものでも、過去に阿久悠さんとなかにし礼さんが登場しました。

今日は、昭和期(特に戦後以降)になぜ歌謡曲が全盛だったのかを振返ってみたいと思います。

タイトルに「きらめきの」と冠を付けたのは、昭和の時代に、歌謡曲が黄金時代を迎えて、煌めいていたからです。

その背景となる要素を三つ挙げてみました。

1)経済成長軌道に乗っていた
  日本全体が、高度経済成長軌道に乗り、明日への夢を描くことができていた。
  未来が開けていた。。。

2)お茶の間に団欒があった
  以前は、家庭に1台しかテレビがなく、それを家族皆で囲んで、同じ番組を
  見ていた。

3)作詞と作曲の分業制
  昭和の歌謡曲は、作詞と作曲のプロがそれぞれ分担しながら、制作しており、
  「歌手に合わせて作る」、あるいは「この曲ならこの歌手に歌ってもらう」
  というヴァリエーションを持つことができた。
  決して、シンガー・ソング・ライターを否定する訳ではありません。(-_-;)

これらの要素が上手くマッチングしていたのでしょう。
もちろん、これ以外にも、歌手の皆さんが懸命にその期待に応え続けたことも見逃せない事実に思えます。

ところで、昭和歌謡を礼賛している人は他にもいますので、以下に二つ紹介します。

まず、NHKです。主にBSで取り上げているようです。
詳細はこちら
http://www.nhk.or.jp/bsfc-blog/2006/08/766.html

もう一つは、以前紹介した「社会に出て歌い続ける集団CF(コールファーマー)」があります。
最近の公演では、昭和の歌謡曲を少しずつ取り入れて、次代に歌いつなごうというメッセージが伝わってきます。「CFと歌うあの日あの歌」というアルバムもリリースしています(残念ですがジャケットしか見えません)。
詳細はこちら
http://www.chor-farmer.com/Soft%20Page/CF%2069th/pages/page_4.html
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75.日本の歌百選(628字)

2007-05-17 | Culture
今年の1月、文化庁より、「親子で歌いつごう 日本の歌百選」の曲目が公表されました。

曲目リストを見ると、童謡、唱歌、流行歌(歌謡曲)の中から、歌詞やメロディがすぐに浮かんで来るものが多く、バラエティな構成になっていると思います。

リストを見て気づいたことは、以下の三つでした。

1)沖縄の歌

  昨今の沖縄ブームを象徴しているかのように、沖縄発の曲が二つ入りました。
  「涙そうそう」と「花」です。どちらも沖縄の雰囲気を漂わせる名曲ですね。

2)新旧「花」対決

  一つは、言わずと知れた滝廉太郎作曲の「花」と、もう一つは、上で紹介した
  沖縄の「花」です。
  別に対決の構図があるわけではありませんが、新旧同名の曲が二つ並んで
  いて目につきました。

3)流行歌の採用

  昭和の歌謡曲と平成の歌謡曲がバランス良く入っています。代表的なものを
  挙げてみます。
  昭和:「みかんの花咲く丘」、「いつでも夢を」、「見上げてごらん夜の星を」、
      「いい日旅立ち」
  平成:「川の流れのように」、「世界に一つだけの花」

  やはり、百選に入るだけあって、どの曲も普遍性が高く、いいものばかりです。

選ばれた曲の基準の一つには、「日本語としての歌詞の美しさ」があるように思われます。

また、百選が101曲になったというエピソードも、最終選考の1曲がどうしても外せなくなって、困った様子が伺え、面白みを感じます。

こうした名曲を、自分の子ども、そして孫(将来)たちと末永く口ずさんで行きたいと思います。

曲目リストはこちら
http://www.uta100sen.jp/
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73.郷土史を学ぶ(922字)

2007-05-11 | Culture
現在、私が住んでいる地域は、以前、三多摩地区と呼ばれていました。

この地域に住むようになって、早6年が過ぎましたが、最近、地元志向が強まり、この土地がどのようにして、発展して来たか、歴史に興味を持つようになりました。

きっかけは、3年前にNHKの大河ドラマで放映された「新撰組」の近藤勇、土方歳三、そして沖田総司等が、多摩(現在の府中市や三鷹市周辺)の出身だったことからです。

多摩を紹介している著名な本に国木田独歩の『武蔵野』がありますが、今回、私が読んだのは、三浦朱門が書いた『武蔵野ものがたり』という本です。

朱門は現東京都中野区に生まれましたが、幼少期に武蔵境へ引越し、中学・高校時代をこの地域で過ごしたことから、自らの生い立ちを綴るように、多摩の今昔を紹介しています。

ここでは三つのことを簡単に記します。

1)武蔵野の面影

  武蔵野は富士山の火山灰が堆積(関東ローム層)した台地にあり、非常に痩せた
  土地のため人家はまばらで、近世まで雑木林に覆われていたようです。

  現在、その武蔵野の面影を残す雑木林は、少なくとも新宿から立川に至るまでの
  区間には見られなくなりましたが、例外的に、井の頭公園にそれらしき一画が
  残っていると書かれていました。

  また、明治時代にシルクロード(文字通り絹の道)として甲武鉄道が敷かれ、
  やがて国鉄となり、中央線が西へ延伸して行くにつれ、雑木林が伐採され、住宅
  が立つようになり、また戦時下には航空機(現富士重工業)や戦車(現日野
  自動車)の工場に、飛行場も作られ、軍需地域と化したそうです。

2)新撰組

  近藤や土方を中心とした新撰組は、多摩の「天然理心流」(剣術の流儀の一つ)
  が生み出した徳川幕府側最後の武装集団と言えるものです。

  彼らの子孫の多くは、戦国時代の甲斐武田や駿河北条の遺臣や帰農者の末裔だと
  されており、どうりで武芸が達者な筈だと納得が行ったりもします。

3)多摩の銘酒

  東京でも多摩川や秋川等の源流を辿ると清流があり、日本酒の醸造を行なって
  いるところが幾つかあります。近頃、私もすっかり多摩の地酒のファンになって
  しまいました。

  多摩の三大酒造所のURLはこちら
  http://www.seishu-kasen.com/
  http://www.tamajiman.com/index.html
  http://www.sawanoi-sake.com/head/02corporate.html

郷土史に触れることで愛着心が増して来るように思います。
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66.修学旅行を観劇して(860字)

2007-04-16 | Culture
新年度が始まり、学校でもそろそろ春の修学旅行シーズンを迎えようとしていますが、この週末、『修学旅行』という新作の演劇を鑑賞して来ました。

モチーフは、「日本の高校生と現代の戦争」です。

以下に、あらすじと感想を簡単に紹介します。

青森県のある高校が沖縄へ修学旅行へ行き、3日目に宿泊した旅館のゴーヤの間で繰り広げられる女子高生たちの会話と出来事(ドタバタ劇)を通して、現代の戦争と戦争観を考えて行きます。

この演劇では、沖縄を題材に、現代も終わることがない戦争を、身近な、関係あるものとして捉えています。

固い内容ではありますが、俳優たちが非常にリアルに女子高生を演じており、会場には最初から最後まで笑い声が聞かれました(会話やアクションは面白いです)。

現在、沖縄には日本に設置されている米軍基地の75%が島内に存在しています。そして、その中には公道をはさんで、輸送機や戦闘機が民家の上空低く、「キーン」という甲高い金属音を立てて、離着陸を繰り返しているケースがあるそうです。
基地の詳細はこちらより。
http://www.town.kadena.okinawa.jp/mati2/base.html

また、先の大戦における「ひめゆり部隊」の惨状も講話として聞き、彼女たちの怖がる様が演じられました。さらに、3年前に起こったイラク戦争への出撃の際にも、沖縄が発信基地となったことも会話の中で紹介されていました。

過去数年にわたる沖縄ブームの陰で、自分がいずれも興味や関心を持たないと知らずに済んでしまい兼ねない悲しい事柄・事実から目を反らしていなかったかと考えると少し心が痛みます。

自分も含めて、戦争を知らないおとなたちばかりとなった現代において、こどもに戦争を伝えることは、自身の体験や臨場感をもって伝えることが大変難しくなっています。

日本の戦後の平和とは、日米安保条約と憲法9条に守られた束の間のものとなってはならないと思います。

最後に、観劇パンフレットよりアメリカの詩人の言葉を引用します。

「平和とは、どこかで進行している戦争を知らずにいられる、束の間の優雅な無知だ。」(1940年、E.S.ミラー)

公演は、今週末まで。
http://www.seinengekijo.co.jp/frame.html
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50.匠の技(WAZA2007)(527字)

2007-02-18 | Culture
この2月15日~20日まで東京・池袋の東武百貨店10階で催されている
「伝統的工芸品展 WAZA2007」
へ行って来ました。

行ったのは、古くからの友人が出展者の一人として上京していたためです。

開催初日の夕方、催事場へ足を運び、友だちのブースへ顔を出す前に、一巡り。

さまざまな工芸品を見ているうちに、「うーん、芸術品と同じくらいに美しい」と心の中で唸ってしまったほどです。

日本人は伝統を重んじる民族だと聞いたことがありましたが、匠の世界でも「技」が伝承されていることが改めて感じられました。

匠の技をどう感じたかと言いますと、「一つひとつに繊細で細やかさがあり、そこに何十工程に及ぶ手仕事と技が集約されている」と形容できるでしょうか。

一口に工芸品と言いましたが、食器・花器類、竹細工の小物から、仏壇・家具、石灯篭のような大物まであります。

ちなみに友人は、「国の指定工芸士」の認定を受けていることを今回知りました。

匠の世界は後継者問題が大きなテーマの一つになっているようですが、わが国には、まだ多くの匠の技が生きていることを改めて知らされました。

まだ、会期を残していますので、ご興味があれば、一度、ご覧になりませんか。
ご案内はこちら
http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/f_event/event.php?fr_no=1124
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46.社会に出て歌い続ける集団(1,140字)

2007-02-05 | Culture
この間の日曜日、御茶ノ水のカザルス・ホールへコールファーマーのコンサートを聴きに行きました。本日はその報告です。

コールファーマー(CHOR FARMER、以下CF)とは、独立自営の男性合唱団で、今回のコンサートで第68回目を迎えました。

元々は、大学のサークルとしての合唱団に過ぎませんでした。
しかし、団員が卒業後、OBとなっても定期演奏会に参加を続け、趣味が高じたのか、4年ほど前に、OBだけで独立して演奏活動をおこなうようになりました。

従って、CFの全員が有職者で社会人です。

今回のコンサートは、三部で以下のような構成でした。

第一部 シューベルト歌曲集「美しき水車小屋の娘」より
第二部 日本の歌
第三部 アラカルト(WORLD MUSIC)

短いものも含め、全部で22曲を歌い上げました。
日本語だけでなく、ドイツ語や英語も含まれています。

ここで驚くべきことは、指揮者とピアノ伴奏者を除き、合唱はすべて暗譜(暗唱)でおこなわれたことです。

彼らが凄いなと思うのは、日本語の歌でもすべてを通して暗唱することは難しいと思われ、さらに外国語の歌になると譜面を見ながらでも歌うのが至難と思うのに、難なくこなしているように見えることです。

ここまでの出来栄えを見せる裏側には、長年の蓄積もありますが、必死の努力が隠されているのだと思います。

以前、知り合いの団員に練習について伺ったことがありました。
そのとき、「練習時間の確保が最大の課題で、しかもパート別に練習するため、合同練習をしないとどんな曲かわからない」と笑いを交えながら話してくれました。
さらに最近は、「年々、暗譜するのが難しくなって来ました」というコメントも付け加わりました。

そう言えば、3,4年前にCFの取組みを取材したテレビ局があり、ドキュメンタリとして放映されたこともありました。

CFの活動は、国内に留まらず、オーストラリアとニュージーランドへ合宿と演奏旅行を兼ねて隔年で出掛けています。
自らの精神力(体力も)を鍛えることと、歌を架け橋として、現地の街や人々と交流し、草の根の国際親善活動を続けています。

私も最初は誘われるまま、コンサートに行っていましたが、今ではおそらく常連の一人です。

歌の何が良いかと言えば、「歌は世につれ、世は歌につれ」という言葉の通り、自分が生きている年代ごとに歌が折り重なって、人生を形作ってくれるからです。

私が通い始めた頃は、彼らの大学の所在地の近くの公営ホールでこじんまりと開催していましたが、最近はカザルス・ホールに本拠地を移し、また、独立後は定期公演の他、サロン・コンサート(ワイン付き)を定例化するなど精力的な活動を続けています。いつも感動をありがとう。

CFのHPはこちらより
http://www.chor-farmer.com/
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39.千の風になって ~世代を超える共通歌に(815字)

2007-01-17 | Culture
今日は歌に関する話題です。

昨今は、万人で共有できる歌が減ったと言われるようになり、ヒット曲も世代間でギャップが生まれ、20代は知っているのに、それ以降の世代には知られていないという限定的なヒット現象が起きています。

そんな中で、昨年の大晦日におこなわれたNHK紅白歌合戦で秋川雅史さんが歌った『千の風になって』がじわじわとヒットして来たと昨夜のニュースで報道されていました。

私も過去2,3度FMラジオ等を通して聴いたことがありましたが、この時ばかりは一時的に酔いも醒めて、大変感動しました。
流れるような旋律に歌詞がとても良くマッチしていると改めて思いました。

聞くところによると2001年に起きた米国の同時多発テロの追悼式典で披露された曲のようですが、作詞者は誰なのかわかっていないそうですね。

また日本では、小説家で歌手の新井満氏が訳詞をつけたとされていますが、関連のHPを読むと、先に訳したものがあり、それを新井氏がさらに洗練させたというのが事実のようです。
詳細はこちらより、
http://www.twin.ne.jp/~m_nacht/

これが一時的なヒットに留まらず、今後、歌い継がれて行くことになれば、世代を超える名曲(共通歌)の一つに数えられることでしょう。

以下に、歌詞を原文と共にご紹介します。

【作詞】不詳
【訳詞】新井満
【作曲】新井満

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません

千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹き渡っています

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません

千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹き渡っています

千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹き渡っています

あの大きな空を
吹き渡っています


A THOUSAND WINDS

Do not stand at my grave and weep,
I am not there, I do not sleep.

I am a thousand winds that blow;
I am the diamond glints on snow,
I am the sunlight on ripened grain;
I am the gentle autumn's rain.

When you awake in the morning bush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet in circled flight.
I am the soft star that shines at night.

Do not stand at my grave and cry.
I am not there; I did not die.

(歌詞は以下の「うたごえ喫茶」のHPより拝借しました。)
http://utagoekissa.web.infoseek.co.jp/sennokazeninatte.html
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