
我が家の軒下にアシナガバチが巣を作り始めた。家人は駆除する方向で意見の一致をみたが、「人が手を出さなければ、アシナガバチは刺さない」という私の理不尽な主張で、巣を見守ることになった。秋の風が吹き始めた頃、巣は最大の大きさになり、巣立ったハチが庭木に飛び回っていたある日、ふいに飛ぶ姿を見かけなくなった。よくよく巣を眺めてみると、スズメバチが1匹巣の回りを飛び回っては様子を伺っている。アシナガバチたちは集団で巣にとりつき、スズメバチが近づく場所に身を寄せ合って、侵入を防いでいる。総出でブロックするから、巣はアシナガバチで埋め尽くされている。耐えきれなくなって巣を離れるとスズメバチがすかさず絡んでくる。虫好きの次女いわく「3匹スズメバチが偵察しているらしい」という。地面をみると、何匹かのアシナガバチの屍が落ちていた。
昼過ぎ、暑さのせいかスズメバチが水たまりのある鉢のフチで休んでいるのを見とがめた。妻が危ないというのも気にせず、火ばさみで、ひょいっとつまみ上げ、水につけて窒息死させた。すると、頃合いを見計らったかのように一斉にアシナガバチが巣を離れ、ヒッチコック監督の「鳥」のごとく乱舞しはじめたので、一目散に家へ駆け込んだ。
1時間後、少しは落ち着いただろうと外を眺めると、乱舞こそしていないが、落ち着きなく、ホバーリングでブンブンしては壁に所在なく留まっているアシナガバチの様子が変だ。恐る恐る巣を見上げてみると、なんとそこにスズメバチが1匹、幼虫を引きずり出しては次から次へと写真のようにムシャムシャやっている。次女のいっていたとおり、ワルは3人組だったのだ。きっと1匹目のヤツは鉄砲玉のチンピラで、ケンカの仕方もわからないまま、巣を撹乱させる役回りだったんだろう。それを私が仕留め、アシナガバチが緊張を解いて乱舞し、巣がガラ空きになったところを、2匹目の兄貴分がやってきて捕食し放題となった訳だ。なんとか巣を守ろうとアシナガバチは必死に近づこうとするが、例のごとく、スズメバチがガチガチガチガチいわせて威嚇し、密集隊形になれない。戦国武将よろしく一度陣形が崩れれば敗走しかないのだ。弱肉強食は自然のルール。よかれと思ってしたことが、思わぬ状況に展開してしまうこともある。人間が、自然を変えてしまう。瞬時に結果が出ることもあれば、何十年、何百年経たなければわからないこともある。人間は尊大な生き物である。
昼過ぎ、暑さのせいかスズメバチが水たまりのある鉢のフチで休んでいるのを見とがめた。妻が危ないというのも気にせず、火ばさみで、ひょいっとつまみ上げ、水につけて窒息死させた。すると、頃合いを見計らったかのように一斉にアシナガバチが巣を離れ、ヒッチコック監督の「鳥」のごとく乱舞しはじめたので、一目散に家へ駆け込んだ。
1時間後、少しは落ち着いただろうと外を眺めると、乱舞こそしていないが、落ち着きなく、ホバーリングでブンブンしては壁に所在なく留まっているアシナガバチの様子が変だ。恐る恐る巣を見上げてみると、なんとそこにスズメバチが1匹、幼虫を引きずり出しては次から次へと写真のようにムシャムシャやっている。次女のいっていたとおり、ワルは3人組だったのだ。きっと1匹目のヤツは鉄砲玉のチンピラで、ケンカの仕方もわからないまま、巣を撹乱させる役回りだったんだろう。それを私が仕留め、アシナガバチが緊張を解いて乱舞し、巣がガラ空きになったところを、2匹目の兄貴分がやってきて捕食し放題となった訳だ。なんとか巣を守ろうとアシナガバチは必死に近づこうとするが、例のごとく、スズメバチがガチガチガチガチいわせて威嚇し、密集隊形になれない。戦国武将よろしく一度陣形が崩れれば敗走しかないのだ。弱肉強食は自然のルール。よかれと思ってしたことが、思わぬ状況に展開してしまうこともある。人間が、自然を変えてしまう。瞬時に結果が出ることもあれば、何十年、何百年経たなければわからないこともある。人間は尊大な生き物である。
危険を顧みず、よく撮影できましたね。
して、このあとの結末は?
今朝も出かけるまで見ていましたが、ブ~ンと大きな羽音をたてて、例の兄貴スズメバチがやってきたかと思うと、まずガチガチガチガチと噛み音で脅かします。アシナガバチたちは飛ぶ気力も萎えて、巣の裏側か端っこの方へ直立不動状態で微動だにしません。兄貴は片っ端から巣のフタをバリバリっと引きはがし、大きく太った幼虫を見定めるとひと噛み、半分まで引き出して毒針で刺し、動きが止まりそうなところをムシャムシャと咀嚼しはじめます。食べ終わりには頭の部分をガムを吐き捨てるように地面に落とし、羽音もけたたましく、自分の巣に向かって飛んでいくのでした。
アシナガバチは元気ないし、スズメバチは餌取に夢中なので、踏み台に乗って、腕を伸ばせるところまで伸ばして撮影しました。動画も撮りましたがグロいです。