膵臓がん闘病記 ・・・いつか電池が切れるまで・・・

2008年夏、膵臓がんの手術をしました。その時のこと、その後の生活などを書いています。  
 

語られない言葉~私がすい臓がんであること

2013-04-06 07:58:23 | 癌になって・・・
手術を終え、退院して落ち着いた頃、
血縁以外で、自分の病気のことを伝えなければと思った友人は3人。
当時、それ以外の人に伝えたいとは思わなかった。

そんな気持ちとは裏腹に、PTA役員などの関係で、伝えることが業務上必要と思われた方もいた。


・・・自分の病状、今後の再発の可能性、再発後の要望・・・


口にするのに勇気が必要だった。


何を恐れて・・・よくわからないけれど、再発したら
「もうすぐ死んじゃうかも?」ってレッテルを貼られるのに抵抗があったように思う。

人間て勝手なもんだ。
いたわって欲しい。心配して欲しい。と思うのに、同情は嫌?


「すい臓がん」じゃない人に「すい臓がん」の人間の気持ちなんてわからない!
って言っちゃ、おしまいだろうと思うけど・・・でも、そんな感じ。

同情って、ある意味、フィフティフィフティの人間関係を危うくする。
それが嫌だったんだと思う。
別に、病気だからって卑下する必要はないのだけど、今だからそう思える。

どこかに、私と周りの人達の間に線が引かれてしまうような。
それが嫌だった。

あの頃、やっぱり死ぬことは特別な意味があった。多分・・・


今は・・・好んで死に急ぐつもりはないけど、受け入れている。なんとなく。
それを覚悟ができたとでも言うのかな?


生きることを大事にできるようになると覚悟ができるみたい。


でもな~願わくば、病気にならなくてもこういう生き方ができる自分でありたかった・・・


「生きる」という意味を知るのは結構大変なんだね。



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雑務

2009-12-15 21:07:51 | 癌になって・・・
一時帰宅し、7月18日(2008年)の手術のための再入院を待つ日々の事。


長男(当時、高2)の高校には、出身中学ごとにPTA支部がある。 私は、そこの役員をしていた。 夏休みに「PTA球技大会」という行事がある。 種目は「ソフトボール」と「バレーボール」私の担当は、後者。 その取りまとめ役。


・・・だからって、

      「させんなよ~」 

一時帰宅のこの時期に、人が集まらないので、出場辞退の電話連絡・・・でも、集められなかったのは、私の責任・・・


PTAの仕事はいやではない。 皆さんやりたがらないので、頼む方も困っていたりするし、学校の様子もわかるし、「私でも役に立つのなら」という姿勢で取り組んでいるけど・・・スポーツが絡むと、だめなんだよな~



何年か前に、左手人差し指を切断してしまった。なので、スポーツができない。 義指を着けているので、パッと見にはわからないが、今だに痛みがあり、握力もない。なにしろ、じゃんけんの「グー」ができない。 というわけで、「球技大会」は・・苦痛でしかない。 人が集まらないので、「立っているだけでいいから・・
」なんて言おうものなら、自分も選手にならねばならない・・かも? なんて思うと辛い。 役員もそんな理由で、いやじゃないけど、運動系が絡んでくると、気が重い。 理由が言えないから、結局、断れない。って悪循環。
 
案外、この辺からのストレスが「癌」の原因なのかもしれないとも思っている。

 

  「私、指無いの~」

って、言ってしまえばよかったんだろうけど・・・私にはできなかった。



そして、また、言えない事が増えてしまったかもしれない。


     「私、癌なの~~」
              って、

・・・やっぱ、言えそうにない。 深く考えすぎると、病気が病気を呼びそう。 (再発したら、きっとこのせいだ。)

 

別に、「透明人間」になる必要なんかない。 それは、わかっている。 人生、生きてりゃ、隠しごとの一つや二つ、あって当たり前だ。 でも、それが何かの理由なら・・伝えないといけない・・と思うからだろうか。 手のことの場合、いちばん簡単なのは、何も言わずに、手を見せるだけでいい。 けど・・それができない。



バレーボールにエントリーしている父兄に電話をかける・・・・入院のことを知っている人は知っていた。 世の中狭い。 入院した病院の看護師さんが、子供の友達の親だったり、その親の仲良しさんが高校のPTAで一緒だったり、看護師さんは、守秘義務があるだろうから、私が「癌」だということまでは伝わってないと思うのだけど・・・


  「なにかあったら言ってね。」

やさしい、ありがたい言葉、うれしかったりする。 でも・・・少し、複雑・・・
心配してくれる人に、私はまた、ホントのことが言えない・・・



  「私、癌なの~~」ついでに「指無いの~」
  「バレーボールできないの~」ついでに「死ぬかもしれないの~」



・・ 王様の耳はロバの耳だった。 王様は裸だった。 狼は来なかった・・・
真実は尊いか? 尊いんだろ、多分。 



・・・でも今は・・・うそつきでも、許してもらおう。


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癌になって

2009-09-03 14:48:31 | 癌になって・・・
人生は、
選択→前進
選択→前進  とずっと思ってました。

でも、違うんですね。 癌になってから、私の前には、選択権の無い2本の道が
続いてる・・・これが、癌という病気の残酷なところかもしれません。

昨年、手術をして、原病巣はとったけれど、すい臓癌は再発率が高く、
5年生存率も思いのほか低く・・・少し古い書籍になると2%とかね・・・
担当の先生も平気な顔で「皆さん、半年から1年ぐらいでパタパタと逝ってる・・・」
 とかなんとか・・・

検索しても、ちっとも良いこと書いてないですし・・・
           (病気にいいも悪いもないけど・・)


病気になる前からおぼろげに、‘死’については考えてました。(当時、47歳)
‘人生折り返し、私がその時を迎える時には、ニコニコ笑っていい人生だったと
呟ける様にしよう’
‘目に見えない、あるいは、持てない物・・・大事な思い出や、情景を
抱えきれないくらい抱きしめて、逝こう’
    なんて・・・(笑)


でも、それが、具体的に目の前にきちゃうと、 

グラつきました。 告知された時とかすい臓癌の実態を知った時。
自分の立っている地面が揺れているような・・・
   見る物、触れるもの、すべてが今までと違うものになって・・・


・・自分の存在がこんなな頼りないものなんだなんて。

だって、冷静に考えたら、‘死’は必ず訪れる、誰にでも・・・
50年先、私と同い年くらいの方は、みんな生きてない・・・
早いか遅いかの差しかない。それが、辛いっていうんだから、
 
      ・・・人間って、弱いですよね。


でも、生きなきゃいけない・・・それが、5年でも、30年でも・・・

どんな風に?   課題です。


・・・プログに携わることで、自分の内面が整理されればと・・・


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