わが家の食育…「お家で作ろう! 食べよう!」

家族の健康づくりは、わが家で作る食事から…。信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」「週刊いいだ」特集掲載をまとめます。

未来を拓く地元産地の健康野菜 ブロッコリー&カリフラワー   

2010-11-28 | 農と食をつなぐ…産地の歴史と未来

農と食をつなぐ…産地の歴史と未来 第2弾  

                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2010. 7/15号掲載>  

地元産地ではブロッコリーやカリフラワーの出荷が最盛期です。
国産の流通が増え、地産地消が推進されても、意外と知られていない生産現場の姿。
消費者が国産の作物を食べることは、生産を支え、農業の進むべき方向を変える大きな力となります。
農業の未来を考える賢い消費者になるために、まず生産の現場を知ることから始めてみました。 

 

ブロッコリー  浅間高原●御代田町(小沼)               
 

小沼といえば、ブロッコリーのブランド産地です。
農業の未来を見据えて、ブロッコリーの産地には必須の製氷機を一早く導入し、品質第一に農業の発展を追及した産地。ここには「生産の誇り」という作物への思いを、人から人へと脈々とつなぐ歴史があります。

梅雨の合間の早朝、ブロッコリー栽培のベテラン内堀泰昌さん(55歳)を訪ねると、ちょうど出荷の真っ最中。ブロッコリーは前日の雨露を残し、新鮮な緑に輝いています。

花蕾(からい)の大きさを見て適期の株を選び、次々に収穫されるブロッコリー。
今年の天候不順は花蕾の出来映えに影響し、さまざまな異常花蕾の症状が出ています。
消費の現場では外観が重視されるので、収穫時の品質の見極めは一番神経を使う場面。           こんもり形良く、均等に花蕾が生育したLサイズが理想とされます。

品種は栽培の鍵
収穫中の畑では、この時期のJA推奨品種が栽培されていました。
天候の影響は余儀ないものですが、栽培時期や土地柄に合う品種選びは栽培の重要なポイント。                                                        内堀さんは、その他の品種も部分的に栽培し、来年同時期に選ぶ品種を生育試験で確かめています。
「品種の選択」も産地ブランドと安定生産を支える大きな決め手です。


収穫は、茎を手早く切り落すのが高能率の決め手。                          専用の細い包丁が作業性を高めます。

安全・安心の栽培
準高冷地に位置する内堀さんの畑は、標高差が120メートル以上。                標高1000メートルを越す畑を夏の栽培地にすることで、他の野菜より病害虫の被害が比較的少ないブロッコリーをさらに低農薬で栽培することができます。
収穫後、残った茎などは畑の土にすき込みます。                            茎に含まれる養分(窒素)を考慮して、肥料の窒素を減らし、環境にやさしい栽培をしています。


カリフラワー  八ヶ岳高原●南佐久郡川上村


栽培に手間が掛かる野菜として知られるカリフラワー。                        川上村に長野県一の出荷量を誇る方がいることを知り訪ねました。                 JA川上物産組合員の油井保成さん(44歳)。                              カリフラワー専業で、約600アール(2毛6町歩)の栽培面積。しかも、5年前にレタス・白菜等から全面切り替えたというスケールの大きさです。                                                                  初年度の栽培記録には「挑戦!」という文字が残され、その大きな決意を伝えています。
                                                            広大な畑には、栽培時期によって品種を変え、栽培段階の違うカリフラワーが並びます。                  一角の育苗ハウスには、これから定植される苗も育ちます。                     真っ白い花蕾にするため、葉を折り込んで遮光するのが、大きな作業。                                      デリケートな花蕾に周囲の葉を付けた商品づくりをし、箱詰めも細心の配慮で丁寧に行われます。  

                                             「信州の環境にやさしい農産物」認証のシール。品質保証の責任マークが出荷箱に張られる。

販売努力も生産のひとつ
油井さんは、自ら市場に出向いて生産の状況を伝え、流通情報も得るという生産販売を続けています。                                                     生産者としての品質への責任は厳しく、妥協を許さない出荷基準で高品質を維持する努力。        試行錯誤で始まった新しい品目の栽培は、消費者の望むカリフラワーの生産と商品づくりの取り組みへの真摯(しんし)な姿勢で揺ぎない市場の評価を得ています。
                                                

農業生産から販売まで
「需要と供給」は、安定生産と適正価格が守られて成り立つ関係。                    「生産力」と「消費者力」は、それぞれにゆがみやひずみがないことで、無理のない生産と消費構造の継続につながります。

ブロッコリーは氷詰めで…
JA佐久浅間小沼支所の前身は、小沼農協野菜園芸部会です。                   組織の徹底強化を図り、表彰による奨励施策によって生産者の意欲と責任、組合員同士の信頼関係を確認。                                                 結束力と品質向上によるブランド産地への歩みを揺るぎないものにしました。
                                                            呼吸数が多いブロッコリーは、鮮度が落ちやすい野菜。                        輸送、流通過程での変色・腐敗等の問題解消のために、1970年(昭和45年)に強制通風予冷庫による予冷で鮮度を保持した流通を始めました。                                                                 さらに他の産地に先立ち、84年(昭和59年)に発砲スチロールボックス、92年(平成4年)には氷詰め出荷の開始へと改善しました。                                  2008年(平成20年)には最新鋭のレークマシンによる製氷システムを導入し、現在に至っています。


全量検品による撰果の後、氷詰めされる。産地の品質を底上げする厳しい出荷体制が、産地ブランドの信頼を呼ぶ。

 
平らに削った氷がブロッコリーの隙間を埋め、下に融けた冷水が茎の切り株から吸い上げられて鮮度がリフレッシュする。

顔の見える流通で…
今年、創立60周年を迎えたJA川上物産(川上物産農業協同組合)通称、山信農協。                       現在、広域合併JAが増える中、100人程の組合員数で小規模ならではの農協の力を発揮しています。
1戸当たりの栽培面積が広く、組合員個々の影響力も大きい組織。                                               市場への流通も小規模JAのメリットが生かされ、顔の見える流通で産地の持ち味を伝えています。

たくあんや白菜漬けの加工工場から始まった川上物産加工農業協同組合。                                                          発足当時の荷札には「花かんらん(カリフラワー)」も。

JAは協同組合
農業協同組合は、同じ願いを持った人が助け合い、力を合わせる組織。                                                                生産力を高め、所得の向上を図り、地域の農業を発展させるために様々な取り組みをしています。
組織は規模の大小でそれぞれメリットデメリットがあります。しかし、生産者とJAが互いに支えあい、産地の目指す独自の方向への英知を結集することは、どの地域でも継続の力として求められています。


「消費者力」を育てる
消費者が必要として買う商品が生き残ります。                              消費者基本法にあるように、消費者には「安全を求める」「知らされる」「選択できる」「意見を反映される」「教育を受ける」「救済される」権利があります。
これらによって消費者が商品を選ぶ力をつけることが、消費社会の流れを変える力になります。
生命維持の源となる「食」。そして、食の源は「農業」です。                       農業と人の健康を守り、理想の未来に近づけるために、安さや外観ばかりの選択肢でなく、                     まず、国産の農産物の消費を増やし、安全で健康的な食生活を手に入れましょう。

国産野菜で冷凍食品
新鮮な旬のブロッコリーとカリフラワーの保存は、加熱して冷凍にするのが賢い消費者。                     入手したらすぐに子房に分け、硬めに火を通して凍らせます。                                                     茹でるより蒸す方が抗酸化物質やビタミンC、葉酸の損失が少なくなります。                             急ぐときは、ラップで包んで電子レンジで。茎も炒め物などに利用できます。

健康をつくる仲間たち
ブロッコリーもカリフラワーもアブラナ科の野菜でキャベツの仲間。                  茎や葉が一定の大きさになったものが、ある期間連続して低温に合うことで、花芽が分化して子孫を残す成(生)長に移り、花蕾を形成します。                                                                 ブロッコリーは開花する直前の蕾(つぼみ)の集合体、カリフラワーは花芽発育初期に発育が止まった花蕾です。


ブロッコリー
和名は「緑花椰菜(ミドリハナヤサイ)」といい、病害虫に強く外葉で包まれているため、農薬の安全性が高い野菜です。                                           ルーツをたどるとケール。                                           栄養価が高く、総合効果が生活習慣病予防の味方。
 
                                    カリフラワー
和名は「花椰菜」。                                                農業を愛した宮沢賢治の短編小説の題名にもなっています。                    明治以降に渡来した後は観賞用で、昭和30年代に「洋菜の三白」として、セルリー、アスパラガスと共に普及しました。

                                  カリブロ
オランダ原産の注目の品種。                                        「カリフラワー・ロマネスコ」「カリッコリー」「サンゴショウカリフラワー」ともいわれ、しっかりした味と食感です。                                                  栽培拡大、人気上昇中。

■生活習慣病予防
どちらもカリウム、カルシウム、食物繊維が豊富で、ブロッコリーのビタミンEは血管の老化を防ぎ、高血圧の予防に役立ちます。                                       また、クロムがインスリンの分泌を促して糖尿病予防にも効果を発揮します。

栄養素をより効果的に吸収するために、ブロッコリーは油やたんぱく質と一緒にとるメニューを。                                                         紫色のカリフラワーは、高血圧や糖尿病予防効果のアントシアニンが豊富。 白の外観重視は栄養価の損失です。

■アレルギー対策
数年前、ブロッコリースプラウトの「スルフォラファン」がガン予防効果だけでなく、気道の抗酸化酵素を増やし、喘息やアレルギー性鼻炎を防ぐ効果も話題になりました。                                        花蕾になると含有量は少なくなりますが、食べる頻度と量を増やせば、吸収量は多くなります。

■ガン予防
十文字野菜ともいわれるアブラナ科の野菜は、抗酸化・抗ガン効果などの機能性が報告されています。                                                                                                                        発ガン物質の抑制には辛味成分のイソチオシアネート、肝臓の解毒作用を高めるグリコシオネート、そしてルテイン、フェノール、インドールなどの成分、カロテンとビタミンCの相乗効果がガンに予防に有効です。

■老化防止
カリフラワーは半分で一日の必要量になるビタミンC量(茹でても失われない)です。                                           ビタミンCはコラーゲンの吸収を助け、抗酸化効果でも老化防止に有効です。          

ブロッコリーは、最近話題のコエンザイムQ10が多い野菜。食品から少量しかとれませんが、ビタミンEの吸収を助け、老化防止に効果的です。
天ぷら・フリッター、カレーマリネ、シチューで。

                                         「カレーマリネ」ゆでてマリネ液(酢、水、白ワイン、砂糖、カレー粉)に漬ける。            レーズンを加えても。

 

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かんたんクッキングEX         地産地消と特産品を訪ねて    

ブログ}春夏秋冬いつもそよ風


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日本酒を醸(かも)す「酒米」を知ろう

2010-11-28 | 農と食をつなぐ…産地の歴史と未来


農と食をつなぐ…産地の歴史と未来 Part4 
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2010.8/19号掲載>


米どころ信州は昔からおいしい日本酒造りで知られています。
現在、蔵元の数は全国3位の89蔵。南北に山脈が貫き、標高差は約千メートル。
清らかな水と四季折々の豊かな自然が酒造りを育み、各地で実に多彩な日本酒を生み出しています。
歴史ある蔵元の伝統の銘醸酒は、信州の宝物。
酒米の今と昔を知り、日本酒の新たな楽しみ方をしてみませんか。           


10月は日本酒の月-――――
「醸」「酔」「酌」など、酒に関わる字の多い“酉”は象形文字で、十二支の10番目から10月を指します。
新穀が実り、酒造りを始める月であるため、「日本酒の日」とされています。
この日は伊勢神宮の御酒殿の御酒殿祭。「神嘗(なめ)祭」にお供する酒がうるわしく醸造できるように御酒殿の神様に願うとともに、全国酒造業の繁栄も祈ります。
また、神無月に神が集まるため「神在月」という出雲では、佐香(さか)神社で10月13日から3日間の祭りが行われます。
佐香神社は松尾神社ともいい、酒造りの神を祀(まつ)っています。


■おいしい日本酒と米
米と水は酒の命です。
大地に根を張り、気候・風土によって育つ米と、豊かな水の特質を知り、微生物の力で醸し出す酒は、米・水・技術の集大成。
カルシウムやマグネシウム含量のバランスが良く、味を損なう鉄分やマンガンを含まない天然水が、酒米のでんぷん質を潤し、輝きを与えます。
日本酒の「並列複合発酵」は、ワインの単行発酵やビールの単行複合発酵を超えるもっとも高度な醸造技術。
糖化と発酵を同じタンクで行い、麹(こうじ)ででんぷん質を糖化しながら、つくられた糖を酵母がアルコールにするものです。


「酒米を買うなら、土地を買え」
酒米を知る
米には、「うるち米(飯米・酒造好適米)」と「もち米」があります。
清酒のアミノ酸含量が高くなると、雑味や変色の元となるため、酒を造る原料として求められるのは、たんぱく質の少ない米。
雑味になる米の回りのぬかを取り除き、精米を効率よくするためには、大粒な米で、デンプン質が多くやわらかな「心白(しんぱく)」が中央にある酒造好適米が望まれます。   
  
コシヒカリ玄米(左)・美山錦(右)


酒造好適米
“酒米の王様”といわれる兵庫県の「山田錦」は、粘土質土壌と、山間地や盆地の寒暖の差が、心白の発現を良くし、麹菌のはぜ込み(菌糸の伸び)を活発にしています。
絶大な人気の品種で、産地品種銘柄として28県で指定されています。
蒸したときに、外側が硬く内側に水分を含んで軟らかい蒸し米になる「外高内軟」が、理想の酒造好適米。
「五百万石」や、“酒米の女王”といわれる復刻米の「雄町」も人気の品種です。

長野県の酒米
長野県は冷涼で、降雨量も少なく病害虫の発生も抑えられているため、高品質・低農薬の栽培が可能です。
今年の長野県奨励品種は、「金紋錦」「美山錦」「しらかば錦」「ひとごこち」。
美山錦は特に優れた品種で、他県の育種の親株にもされています。
佐久地域の蔵元でも、それぞれの清流(浅間山、八ヶ岳、蓼科山、千曲川の伏流水)と、地元生産の奨励品種で、今年も仕込みが始まります。


精米で味を磨く
酒米は精米が決め手。
蔵言葉で「目ん玉」といわれる芯にある心白は、磨く(精米する)ほど高級酒になります。
そのため、のど越しが端麗で香りが高く、貯蔵酒にしても味の深みがでる酒にするために、精米歩合を下げる傾向があります。
精米するほど、割れやすくなり、その年の米の出来具合が影響しますので、気象条件や肥培管理とデータで米の特性を知ることも大切です。
   

日本酒の種類
精米歩合による日本酒の分類。精米歩合が小さくなるほど、風味が華やかで繊細な日本酒になる。  
 


日本酒の新たな歩み―― 
米の栽培の歴史をたどると、「米づくり日本一」が競われた昭和30年代以降、減反政策までは“量”を求める多収重視の時代でした。
食用米の4~7割の単収(10a当りの収量)しかない酒米は、栽培されなくなったり、“質”で求める傾向が失せ、量を求めて質を落す傾向にありました。
絶滅種が増え、質の低下が日本酒低迷の一因ともなったため、近年は原料の米を重視し、米の栽培から酒造りに取り組むようになっています。
伝統と近代技術の融合を求められる酒造り。多彩な酒造りに挑む向上心が、新たな歴史を刻んでいます。

原産地呼称管理委員会認定酒
長野県の地酒としての基準を決め、長野県ブランドとして認定したもの。
原料、製法に自信と責任を持ってにアピールすることで、消費者の信頼を仰ぎ、酒造りの活性化を図っている。

■自然を醸す酒…酒米「金紋錦」
蔵元が護る高級酒米
金紋錦は、杜氏(とうじ)が一度は使ってみたいと思う酒米。
父を「山田錦」、母を「たかね錦」とする長野県の登録品種です。
大粒で心白が大きく割れにくい優良な酒米で、山田錦の血を感じるうま味を醸し出します。
木島平村だけで栽培され、幻の品種になろうとする直前に石川県の蔵元に護られた、という秘話をもつ希少品種です。
アルプス搗精工場で精米された金紋錦は、“木島平産特別栽培米「金紋錦」”の酒として地元の「水尾」「緑喜」とともに、県内では6酒造メーカーの銘醸酒で販売されています。
飲み比べてみると、いずれも金紋錦という酒米のもつ共通の個性と、蔵元独自の風土と伝統の技が融合した味の逸品です。


佐久地域唯一の金紋錦の吟醸酒は、大澤酒造株式会社(佐久市)の純米吟醸酒「大吉野」。
木島平村の金紋錦100%を精米歩合55%に磨き、蓼科山系の軟水で仕込んだ長期熟成タイプの酒です。長野県原産地呼称管理委員会認定酒。

産地銘柄品種のないのは東京都、鹿児島県、沖縄のみで、全国で地域品種の酒米を求めて、品種改良が進んでいます。酒米は、蔵元に選ばれることで栽培が継続し、また、消費されることで酒が製造されます。消費によって製造を促すことは、優良品種の絶滅を避ける大きな力になります。


■人が醸す酒―――日本酒の原点回帰
「地酒」の原点は、地域の人々が楽しむことにあり。
地元で栽培された米を地元の蔵元が地元の水を使って醸造する、風土に根ざした地域連携の酒造り。
千曲川最上流の蔵元「黒澤酒造株式会社」(佐久穂町)では、地域の要望に応え、「飯米」を使った個性ある酒造りにも挑戦しています。
地の水と風土気候によって、地元の人が丹精こめて栽培した米は、蔵元伝統の製法と杜氏の技量で独自の旨酒に醸されています。

ふなの郷 
佐久市跡部地区のフナ養魚米コシヒカリ100%の純米酒。小鮒が育つ清らかな水で、環境にやさしい栽培をした米を65%に精米し、手間と時間をかけた生酛(きもと)造りの酒。(スーパーマーケットツルヤ限定販売)

百姓物語 
地元佐久穂町佐口産あきたこまち100%。精米歩合65%。さっぱりとしてコクのある純米酒。自らの米でつくった酒を愉しむ生産者ならではの贅沢を叶えた酒です。

太古の響 
古代米「紫黒米」(もち米)を醸造した酸味と渋みを愉しめる酒。ワイン感覚で食中酒に。

生造りは、酒蔵に棲む天然の乳酸菌を生かした伝統的な製法。酵母の発酵過程で自然発酵を大切にすることで、酵母の力が強く、熟成まで腰のある酒になる。


信州の蔵元が力を合わせて… 
アルプス搗精(とうせい)工場
長野県内の蔵元で構成する長野県酒造協同組合では、大町市で酒米専用の近代化精米工場を運営しています。コンピュータ制御と自動化によって、酒造用自動精米機30機が品種、精米歩合ごとに違う多様で高品質な精米を可能にしています。
    



日本酒を愉しんでもらうために… 
熱燗がおいしい季節になりました。米どころ佐久は、酒郷。
より多くの人に地酒のおいしさを知ってもらうために、蔵元ではさまざまなイベントを企画しています。

長野の酒メッセ
毎年10月恒例の長野酒メッセが、10月14日に長野市で開催されました。今年は第16回となり、蔵元自慢の銘醸酒600点が一堂に揃い、ワンストップ酒蔵巡りで信州の美酒、地酒を味わう祭典に約2,300人が来場しました。


 
えきなか居酒屋「およりなんし」
佐久地域13蔵元の地酒を5種類選び、おつまみと一緒に愉しんでみませんか。
開催日:10月11月の土・日・祝日 時間:午後3時から7時まで開催。
場所:プラザ佐久1階(長野新幹線佐久平駅隣接)
料金:1000円(お猪口、おつまみ付)
 

佐久の酒を知ろう…酒蔵めぐり
佐久酒蔵スタンプラリー
佐久は酒の郷。歴史ある13の蔵元を訪ねて、代々護り続けた酒蔵と個性ある地酒に触れてみましょう。1000円以上のお買物をするとスタンプを捺印。ゴールの蔵元で、もれなく素敵な記念品をゲットできます。(有効期限は2年)


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信州の伝統野菜「ひしの南蛮」が旬! 

2010-09-11 | 農と食をつなぐ…産地の歴史と未来

農と食をつなぐ…産地の歴史と未来 Part3 
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2010.8/19号掲載>

                                   

明治時代に農業振興が進み、野菜の栽培品種は第二次世界大戦後にF1品種が登場してから、全国どこでも栽培できる品種へと改良し続けられてきました。一方、京野菜や江戸野菜に代表される日本各地で受け継がれてきた地方品種には、特有の個性があり、希少価値があります。
長野県では県内各地で伝承されてきた種を守るために、「伝統野菜」として認定し保護と普及に力をいれています。
夏真っ盛り…、東信地域で旬を迎えている伝統野菜「ひしの南蛮」を紹介します。

ひしの南蛮   小諸市(菱平地区)
ひしの南蛮は、ピーマンを小さくした形状のナス科トウガラシ属の野菜。昨年、信州の伝統野菜伝承地栽培に認定されました。

栽培地は、浅間ビューライン沿いにある眺望一番ひしの直売所を拠点とする地域。
この地は、浅間連峰・八ヶ岳連峰・北アルプス、そして富士山までも見渡せる標高800~1000mの高原地帯で、その名の通り抜群の見晴らしです。
小諸市景観100選に載る「不動滝」があり、豊富な湧き水が地域の畑を潤し、作物は自然の恩恵を受けて実ります。朝夕の霧と、昼夜の寒暖の差がトウモロコシやブルーベリーを甘くしています。

ひしの南蛮は、1943(昭和18)年頃、朝鮮から持ち帰った種が地域の育種によって今に伝わります。
早めに収穫し、軟らかい種が入ったまま、ヘタも丸ごと食べるのが地域で伝えられてきた食べ方。辛みは少なく、風味と食感を楽しむ南蛮です。

生産組合では、この食べ方を地域に伝えたいと、今年は栽培面積を30aに広げ、32名の生産者による栽培をしています。 
伝承地のこの思いを受け止め、「ふるさとのスーパー」として地元に本社をおく「ツルヤ」が販売協力。農工商連携の取り組みが始まっています。

緑色のほおずきを思わせる可愛い実です。菱平地域では、水を使わず丸ごと甘辛く煮含めますが、焼き物、天ぷら、カレーにも。この夏、この味は“必見”です。

【ひしの南蛮の佃煮】  ヘタ付きで丸ごと鍋に入れ、酒・しょうゆ・みりんだけで煮る。南蛮の水分が出るので、フタをして薄味で煮含める。
(ひしの南蛮の販売は、眺望一番ひしの直売所、スーパーマーケットツルヤ小諸店・小諸東店・みかげ店・軽井沢店)
                    
                           
   菱平地区農産物出荷施設利用組合のひしの南蛮生産者さんたち
   眺望一番ひしの直売所  TEL0267(22)1451

                                 
信州の伝統野菜
作物の品種の育成で求められるのは、品種特性の保持と整一性です。
そして、現在の品種改良は、“そろう”という「均一性」や「多収性」、「障害抵抗性」「耐病・耐虫性」などを目的に急激に進められています。

気づいてみれば、現在食卓に上がっている野菜のほとんどは外来種になり、日本原産はセリ、ミツバ、フキ、ウドなど極わずか。
1950(昭和25)年には全国で150種のナスが栽培され、1958年にはダイコンが120種栽培されていたそうですが、これらは1965年にかけて次々に無くなり、現在に至っています。

画一化したものは同じダメージでの被害が大きくなり、人工的な管理を必要とする栽培は予期せぬ事態に弱いという危険性をはらんでいます。
地域の気候や風土に適応して種をつないできた地方品種は、食糧の危機管理の面からも護(まも)り伝えたい品種です。  
長野県の「信州伝統野菜認定制度」は、伝統野菜の継承と地域振興を図るだけでなく、様々な側面を持つ取り組みです。


         

信州の伝統野菜認定制度
・信州の伝統野菜   
昭和30年代以前から栽培されている品種で、品種特性が明確で、地域の行事食・郷土食として伝承されているものを選定。

・伝承地栽培      
選定された伝統野菜のうち、伝承地で継続的に栽培されている伝統野菜、および生産基準(種子・栽培方法・生産体制)を満たした生産グループを認定。

東信地域の伝統野菜
東信地域の伝統野菜は少なく、ひしの南蛮のほかに「山口大根」と「御牧いちご」が選定されています。
山口大根は、上田市山口で栽培されていた漬物、おろし用の大根で、昭和10年代を最盛期として種が伝承され、一時は栽培者がたった一人になったことも。近年は有志によって栽培が広がっています。


一方、御牧いちごは明治30年代にアメリカから種が導入され、ジャム用の品種として品種改良されました。
昭和10年代にはジャム加工工場ができるほどでしたが、昭和30年代から工場の閉鎖により衰退。現在も「いちご平」の地名は残っていますが、希少な品種になっています。



山口大根は辛さも絶品、甘さも絶品。おろすと辛く、火を通すと甘い大根です。てんぷらなどで揚げると格別のおいしさ。

地域で食べ継がれた食文化を未来へ
先人にとって作物は生命維持の源であり、種の伝承は次世代の食の確保への思いが込められたもので
ありました。
受け継がれてきた地方品種には、その地に生きた人々の歴史に脈々とつながれた「命への心」と「食文化の伝承」があります。
   
新たに現在の食べ方を加えるのも、また食文化の伝承。そこには、時代に生きた人々の暮らしが、反映しています。


農工商連携で地域の個性を生かす

農作物の画一化は、食文化も画一化にしてしまいます。
「食は材にあり」の言葉のように、地方にある個性豊かな食材を流通することで、地域には独特の食文化が生まれます。
農業生産は一次産業、商品加工は第二次産業、販売は第三次産業。この三者を連携で行うのが、第六次産業化で「農商工連携」を意味します。
地方の食材は新しい産業を生み、地域の活性化につながりますが、その継続も発展も、すべては消費にかかっています。


六次産業化で地域の個性を生かす
千曲市に本社のある宮城商店。信州の新鮮な食材を漬物や佃煮で販売したいという思いから、木の花屋ブランドを立ち上げ、「信州の伝統野菜シリーズ」を製造販売しています。
輸入原料によるコストダウンが当たり前だった漬物等の加工品に、ようやく国産原料が増え始めた昨今。
小ロットで季節も限られ、流通に乗りにくい伝統野菜の加工に着手し、製造メーカーが店舗の直売店を持つことで、今までの流通に欠けていた「生産の情報提供」と「消費者の声のフィードバック」を叶えています。



「戸隠大根味噌漬」(左)は、パリッとした歯ざわりが持ち味。
「ぼたごしょうの佃煮」(右)は、晩夏が最盛期。どちらも季節限定販売です。
  

「ひしの南蛮の佃煮」は、ひしの南蛮を丸ごと佃煮にした味の逸品。甘南蛮の風味と種付きの食感は必見。
        宮城商店(木の花屋) TEL026(274)3001

互いに共生する地元の生産と消費を
「信州を食べよう」キャンペーン
県民公募で選ばれた名称「旬ちゃん」を地産地消キャラクターにし、地域で生産したものを積極的にその地で消費することを推進する、「顔が見える」「話ができる」消費活動です。

■作り手と売り手が力を携えて…
地産地消が旬ちゃんの印がのぼり旗。
農業生産、商品加工、そして販売…、信州産の食材を地域で加工し、地域で消費することは、地産地消としても理想の流れです。
作る人も、売る人も、買う人も、お互いが必要な関係にあり、誰もが必要とされる存在です。
信州の自然が育む豊かな恵みを求めて、旬ちゃんののぼり旗のあるお店に行ってみましょう。


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「エゴマ」を日常の食材にしよう

2010-04-20 | 農と食をつなぐ…産地の歴史と未来
農と食をつなぐ…地産地消のすすめ
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2010.4/15号掲載>


エゴマをご存知ですか。
昔懐かしい食材でもあり、現代に必要とされる食材でもあり、“古くて新しい作物”として注目したい食材です。
家庭菜園や地元産地からの地産地消で普段当たり前にいただくものにすることで、農地を守り、農業の振興と健康づくりに役立てましょう。

日本の農耕の歴史
エゴマはインド周辺の高地原産で、中国、韓国から日本に伝わったといわれています。
栽培の歴史は古く、各地の縄文時代の遺跡で出土していることから、日本最古の栽培作物とみられています。
県内では諏訪市にある荒神山遺跡からエゴマの種子の塊が出土し、諏訪市博物館で保存されています。
同市は藤森栄一氏(1911~73年)を輩出し、諏訪地域には考古学の歴史を塗り替える研究の舞台となった遺跡が数多く残ります。
藤森氏は、かつて弥生農耕説だった日本の農耕の歴史を覆し、自らの発掘調査により人工遺物の存在からいち早く「縄文農耕説」を説いた民間考古学者です。
近年、クリやドングリ、雑穀などの栽培や稲の遺物の出土が相次ぎ、縄文農耕説が評価されています。

エゴマの品種と栽培
エゴマは一年生のシソ科植物です。
エゴマの品種は各地で伝承されてきた在来種で、福島在来・長野在来・名倉在来・韓国在来などが研究されています。

また、それぞれ「白種」「黒種」に分かれ、粒の大きさも大小さまざま。油脂植物としては黒種の方が比較的油が多く取れるようです。
交配しやすいのでさまざまな品種が混ざり、伝統作物のように地域の種の保存や系統調査はされていません。
「日照りゴマ、雨アブラ(エゴマ)」といわれ、エゴマ栽培は山間地や湿気の多い場所など、環境や土壌を選びません。
また、鹿などの食害が少ない傾向から、中山間地の荒廃地・遊休農地利用に向く作物として期待されています。


今、なぜエゴマなのでしょうか…?
「えぐさ・いくさ」(長野)、「じゅうねん」(東北)、「あぶらえ」(岐阜)などとも呼ばれるエゴマは、昔は日常的に利用され、大切な脂肪の供給源でした。
必須脂肪酸の中でも、コーン油やベニバナ油にはほとんど含まれていないα(アルファ)リノレン酸が多く、60%以上も含まれています。
生活習慣病の予防として求められるのは、脂肪とミネラルの上手な取り方。昔も今も、エゴマは人の命を支える原点の作物のようです。
                    

■エゴマの種実の栄養と機能性
αリノレン酸を多く含むエゴマは、理想的な油をとる油脂作物として栽培を望まれています。
トランス脂肪酸を含む食品(マーガリン、ショートニング等)が健康障害への懸念をもたれ、警鐘を鳴らされたのは記憶に新しいところ。
このような油の酸化を防ぐための硬化油や、リノール酸の過剰摂取は現代の食生活の問題点になっています。


理想的な脂肪の摂取
健康や予防医療を考えたとき、今、見直したいのはミネラルと脂肪の摂取。特に油は摂り方のバランスが大切で、リノール酸とαリノレン酸の摂取比率は4対1から2対1が理想とされています。
エゴ油にすると一日10gですが、油をドレッシングやいためものに使うだけでなく、実を利用し、幅広いメニューで吸収しましょう。

エゴマの機能性
エゴマの種実には、アレルギーに効果のあるルテオリンも含まれています。カルシウム、マグネシウム、ビタミンEなども豊富で、油の抗酸化効果とともに高い機能性があります。

エゴマの葉と種実の抗酸化活性値
   (2003年、愛知農業総合試験場研究資料)

不飽和脂肪酸の分類
植物性脂肪に多い不飽和脂肪酸は、その化学式によって三系統の油に分けられます。
  オメガ3(αリノレン酸)…シソ油(エゴマ油)、亜麻仁油(フラックスオイル)
  オメガ6(リノール酸)…大豆油、綿実油、コーン油、ひまわり油、紅花油等
   オメガ9(オレイン酸)…オリーブ油等
オメガ6は体内でアラキドン酸という物質になり、ホルモンバランスを崩し免疫力や高血圧などに悪影響を与えたり、アレルギー疾患に関連することが疑われています。


■エゴマの葉の栄養と機能性
エゴマの葉は、オオバ(シソの葉)と同様の使い方ができます。
葉の成分としては、カルシウム、鉄分などのミネラルが多く、β(ベータ)カロテン、ビタミンC・Dも多く含まれます。
エゴマの葉で注目したいのはビタミンk1の含量で、骨粗しょう症の予防効果が期待できます。



昔から食べ伝えられていたエゴマ
東北を中心とした日本各地、そして長野県各地域で栽培され、日常の食卓で食べられていたエゴマ。
搾油して揚げ物やいため物に使うことより、ゴマ同様に極普通の料理に使うことで、必須栄養素としての脂肪の供給源とされていました。

エゴマの搾油をするようになったのは平安時代初期で、食用の他に燃料(灯ろう、ちょうちん)、塗装(傘、雨がっぱ、建築家具)に使われていました。菜種油が広がる江戸時代後期までの約800年間はエゴマ油の全盛期だったようです。
安いエゴマが輸入されるようになる明治時代以降は栽培者が減り、自家用での栽培が各地に細々と残る程度になりました。
エゴマの主要産地福島県では、エゴマを餌にして育てた豚「エゴマ豚」を特産品として販売し
ています。リノール酸とαリノレン酸をバランスよく含む脂肪の豚肉としてPRしています。


エゴマの食べ方
エゴマの食べ方は大きく分けると、プチプチした粒の食感を残す調理と、いってすりつぶしたものを使う方法があります。

直売所などで販売されているエゴマは、あえものやお餅、クッキー等々に勧められています。
しかし、各地で自家用に栽培されていたエゴマは、それ以外にも各家で独自の食べ方が伝えられ、何気ない日常のメニューに残されています。
木曽郡木曽町には、エゴマに五平餅のたれのような味をつけてご飯に混ぜた「え飯」が伝わっています。また、種実だけでなく、若い葉は塩漬けにして保存し、キュウリなどの野菜を芯に巻き漬物にするそうです。
一方、諏訪郡原村出身者の中には、すりつぶしたエゴマを出がらしのお茶で練り、とろとろになったものをしょうゆと砂糖で味付けし、もち米とうるち問い米を炊いて、半殺し(半つぶし)にしたものにかけた記憶がある人も。昔、おばあさんが作ってくれた懐かしい味の思い出の一つなのです。




エゴマあえ 
エゴマをフライパンでいり、すり鉢でする。そのまま、お浸しや冷やっこにかけたり、砂糖、しょうゆ、塩を混ぜてあえ衣に。



エゴマの米粉クッキー 
小麦粉を米粉に換えてクッキーを作り、天板に丸く絞り出して平らにし、エゴマを乗せて焼く。

韓国とエゴマ 
韓国にはエゴマを食べる食文化があります。
エゴマの搾油機が普及し、搾りたての新鮮な油を使う食習慣は地産地消の理想的な姿です。
また、野菜を食べる料理といわれる韓国料理には、ケンニプ(エゴマ葉のしょうゆ漬け)や葉のキムチがあります。
オオバやモロヘイヤに次いで豊富なポリフェノールを、焼肉を巻いたり、ご飯にのせていただきます。



即席ケンニプ   
めんつゆにゴマ油、おろしショウガ、おろしニンニク、白ゴマ、刻みネギを入れて、エゴマの葉(またはオオバ)を漬け込む。
  

地域の活性化と健康づくりのために…
佐久市(望月)
望月協和には、明治のころから代々エゴマの種が受け継がれ、自家栽培で日常食べることで健康的な栄養源にしていた地区があります。

旧中仙道の望月宿という歴史あるこの地域では、昨年、地域の特産品として「さとう餅(もち)」を開発しました。
さとう餅は江戸時代の文献に残された望月宿の名物。当時の特産だった平たい雁喰(がんくい)豆が今も栽培され、細々と栽培されてきたエゴマと併せて現代風にアレンジしたおもちです。
雁喰豆のきなこと、すったエゴマを小さな甘い丸餅にそれぞれまぶした  

協和地区に住む清水次子さんは、おしゅうとめさんが栽培していたエゴマの種を受け継ぎ、13年前から毎年エゴマ栽培を続けています。
鹿の食害の多いこの地域では、比較的鹿が好まないエゴマの栽培が期待されています。
また協和では、小ロットながら上松町へ独自に搾油を委託し、エゴマ油を販売している方もあります。
     販売はJAしらかば店直売所(望月)

小諸市 
小諸駅前の停車場ガーデンのガーデンカフェでは、エゴマを使った「いくさしるこ」が名物として提供されています。

4月18日に一周年を迎える停車場ガーデン(小諸市)は、小諸市民有志でつくるNPO法人「こもろの杜(もり)」で運営されている市民の憩いの場。
ガーデンカフェでは、安心・安全な地元の自然食材をできるだけ使った“おいしくて体にいい”メニューが並びます。いくさの実、いくさみそ、いくさのスイーツなどのエゴマ商品のほか、地元の特産「白いもアイス」も好評です。

郷土の食材で小諸の名物を作ろうと、ガーデンの食のグループが何年も研究して作り上げたエゴマの「いくさしるこ」

  

県内各地のエゴマ栽培
荒廃地や遊休農地を増やさないための取り組みとして、助成金などを受けながら、エゴマの栽培と特産品作りが振興しています。
エゴマの食感と香ばしさを生かし、様々な味の逸品が生み出されています。
                     
えごまクッキー
鬼無里村特産。2005年長野県推奨土産品優秀グランプリ受賞。
エゴマのプチプチ感が生かされた軽い口当たりのクッキーです。
TEL0264-27-1011
                                         

五平餅
南信中心の郷土食五平もちのたれに使用。甘塩っぱさと香ばしさがベストマッチ。
ふるさと体験館きそふくしま(木曽町)では、平たい丸餅にたれをつけた五平もちが楽しめます。
TEL026-256-2428
                     

えごまっ娘   
村内の米粉とエゴマで作った平たい団子に、砂糖と醤油で味付けしました。道の駅「信越さかえ」の栄村物産館またたび(栄村)で販売。
TEL0260-87-3180
                         


エゴマを「エゴマ油」で地産地消
木曽郡上松町特産品開発センターでは、エゴマ5kgから搾油の受託をいたします。
風除けなども兼ねてエゴマを栽培し、地域でまとめて油に搾るのも、環境と健康を守るひとつのアクションです。
【問い合わせ先】
上松町特産品開発センター TEL 0264-52-1505



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「菜の花」でつくる循環の輪

2010-03-21 | 農と食をつなぐ…地産地消のすすめ
農と食をつなぐ…地産地消のすすめ
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2009.4/30号掲載>


春らんまん。花々が咲き乱れ、青空の下での行楽、農作業が心地いい季節ですね。
こんなに自然は豊かでも、自然は緩やかに変化しています。
絶滅危惧(きぐ)種が増え、ミツバチが姿を消し始めた地球…。
環境を守るために、地球を守るために、私たちができることは、なに? 
地域で拡がり始めている「菜の花循環システム」知り、まずは今できるエコ活動に参加してみませんか。
                                     

環境と健康のために
■環境と人にやさしく…
地球が壊れ始めています。
地球温暖化、生態系の悪化、資源の枯渇…。危機感を持って健全な地球に戻す努力が望まれています。
低炭素社会を目指すエコ活動には、地域に適した目標とシステム作りが欠かせません。
エコのためのCO2消費を避け、効率を考えたCO2の削減方法やフードマイレージを意識した地産地消をできるだけ増やしたいものです。
菜の花は、景観の美しさと共に、“食べる”“エネルギーを生む”など多岐にわたる利用があります。
広大な菜の花畑とミツバチやチョウが飛び交う環境は、自然回帰の象徴です。

■油脂の大切さ
菜種油には悪玉コレステロール濃度を下げるオレイン酸が含まれます。
酸化しにくいので、てんぷら油に適しています。                                
必須栄養素として最近新しい研究が進んでいる脂肪。その摂取は “鮮度” と “選び方”が大切です。
特に注意したいのはリノール酸とトランス脂肪酸を含む油の取り過ぎです。

必須脂肪酸は「ω(オメガ)3」と「ω6」に分かれ、1対4のバランスで摂るのが理想です。
油によって、その内容と含有量のバランスが変わります。
ω6系の摂りすぎが生活習慣病の要因といわれ、ω3系の摂取の方を増やすことが必要です。
同じ食材への偏りが生活習慣病の呼び水…。エゴマやクルミ、ゴマ油がおすすめです。

  ********************************             

ω3系…α―リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)

ω6系…リノール酸、λ―リノレン酸、アラキドン酸など

  ********************************     

■菜の花の栽培
食用として油を取る品種は「キザキノナタネ」です。
キャノラー種と同様に、多量摂取すると心臓障害の要因になるという“エルシン酸”をほとんど含まない品種です。
種まきはバラまきにすると、収量、作業ともに効率が悪いので、すじまきにします。
多湿にならないように高うねにし、窒素の多肥を避けます。
アブラナ科ですから、連作障害に注意した栽培を。



菜の花で未来予想図を描こう
ふるさとの原風景に自然回帰を求めて
地域でできることからはじめる循環。
賛同者の輪を拡げ、楽しく参加できるシステム作りをするためには、それぞれのポジションの役割分担と連携を考えることが必要です。

栽培
景観・遊休地・農業
遊休地の利用は、自然環境や農地の保全のために大切です。
栽培技術の向上により、効率のよい栽培で収益性を高めたいものです。

加工   
菜種油・バイオマス燃料・蜂蜜・せっけん
地産地消によって地域の活性化を図り、生産から消費までの安全と安心を構築しましょう。

観光・体験 
環境学習・オーナー制度
参加者の輪を広げ、加工品の消費拡大を図り、安定した生産の流れに結びつけましょう。


菜の花はちみつ
レンゲや菜の花にミツバチが飛び交う野原は、ふるさとの原風景。
菜の花が咲く頃は、春の養蜂のはじまりで、桜、リンゴ、アカシア…と、はちみつの採取が続きます。
菜の花はちみつは、さっぱりとしてうま味があります。今では希少になり、隠れたファンが季節限定の味を楽しんでいます。
黄色はミツバチが好む色。はちみつを採取する環境に戻しましょう。


菜種かす(油かす)
菜種の油を採油した搾りかすは「有機質肥料」や「飼料」として使えます。
農業への利用は魚かすに並び最も古いものです。
分解が速いため、多量施用は避け、生で使わず堆肥(たいひ)との混合などで追熟させ、アンモニアや亜硝酸ガス害を起こさないようにします。
農業畜産への利用は、輸入による大豆かすより安全性の高く、循環型システムの完結になります。
                                               
せっけん
せっけんへの利用は、ピュアオイルでも廃油でも使えます。しかし、純度が高く安全な菜種油は、まず、食用にしたいもの。
てんぷらなどの廃油利用の一環として、無公害せっけんにするのが本来の流れでしょう。
佐久市の社会福祉事業所「ねば塾」では、学校給食や食堂、廃油回収業者などの廃油でせっけんを作り、廃油の処理によって循環の輪に加わっています。
   
  
菜種は天候や栽培法によって、実のつき方が変わります。


「菜の花プロジェクト」って?
菜の花プロジェクトは、琵琶湖の富栄養化問題で水質悪化に歯止めをかける運動として滋賀県で始まりました。
「せっけん運動」と「廃食油回収」によるリサイクルがもとでしたが、無リン合成洗剤の普及でせっけん利用が減り、「廃食油回収」は菜の花栽培による資源循環型のシステムへと移行しました。
ドイツをモデルケースにした菜の花プロジェクトを理想の循環として、地域で継続可能なスタイルに構築することを求められています。

大町市
菜の花プロジェクト
全国組織の菜の花プロジェクトに加わり、活動を続けているのは、NPO法人「地域づくり工房」(大町市)です。
休耕田やスキー場の跡地を菜の花畑にし、旅館、ホテル・飲食業者や一般会員を募り、現在150名の組織で運営しています。
バイオ軽油のプラント、長野県の支援による搾油設備の導入、菜の花オーナー制度など様々な工夫で循環システムの継続の努力をしています。
エコツアー「菜の花コース」は菜の花畑・搾油所・バイオ軽油精製所などが見学できます。
      エコツアー問合せ先
      TEL0261-22-7601

菜種かす配合の餌で育った「信州黄金シャモ」は、居酒屋「伊右衛門」(佐久平駅南)に登場します。(不定期)


上田市
廃油でバイオディーゼル
バイオマス事業として廃油をバイオディーゼル燃料(BDF)に加工し、環境問題に取り組んでいる組織があります。NPO法人「上田広域市民事業ネットワーク」。上田市との共働で廃油の回収や給食車へのBDF利用を行い、信州上田フィルムコミッションのロケ地へのフードサ-ビス車(ロケ食提供)をBDF利用でサポートをしています。
BDFには、冬の凝固、税法上BDF100%(軽油混合は課税)、品質の安定、利便性などの課題があります。



菜の花を食品に加工する生産団体がある市町村


地産地消でできること―
菜の花循環システムで一番取り組みやすい加工品は「菜種油」です。
消毒の心配もなく、遺伝子組み換えの種子やエルシン酸を含まない品種を使い、無添加で搾油できるためビタミンEが豊富な菜種油。地元産の油には長所がたくさんありますね。
 
菜の花循環システムの順調な循環のためには、消費によって加工品を買い支えることが大切です。
行政のパートナーシップによる学校給食、福祉施設、病院での利用も、人にやさしい環境づくりとして求められています。


「菜の花油」 
小諸大橋農産物直売所で販売

小諸市
菜の花まつり御牧原畑作振興組合(小諸市)によりはじまった菜の花の栽培は、今年で5年目。千曲ビューライン沿いの県営担い手畑地帯総合整備事業の畑で繰り広げられています。
景観作物としての菜の花の美しさは、季節の風物となり、今年も5月10日に菜の花まつりが開催されます。当日は、菜種油で揚げたてんぷらや地元の味覚が振舞われます。
 

佐久市
体験学習と学校給食
佐久市瀬戸の荻原徳雄さんの菜の花畑も、景観づくりに貢献しながら食用油の採取に取り組んでいます。
菜の花の循環に地域の人の輪がつながり、城山小学校の体験学習で収穫したジャガイモを菜種油で揚げるコロッケ作りは、地元のフレンチレストラン「ブランカン」の笹崎シェフの指導で行われています。






































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家族で囲むお祝いの食卓

2010-02-22 | 行事食
春のはじまり――-「おめでとう」の季節です
お祝いで家族の心はひとつ


                信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2005.3/3号掲載>


ひなまつり、合格、入学、卒業、進級、そして就職祝いや退職、栄転。
春3月は、お祝い事がたくさんあります。
幸せな出来事には、家族みんなで喜び、褒めたたえて、新しいスタートを励ましてあげたいです。
そこで、お祝いの食卓を考えてみました。
外食もいいですが、いつもの部屋でコタツを囲むお祝いが、家族を大切に思う気持ちを再確認する時間にもなることでしょう。




ひなまつりの料理
女の子がすこやかに美しく育つことを願う桃の節句。
中国では、桃は魔よけの力があるとされ、この日、桃の花を飾って厄災を追い払う習慣がありました。
ひな人形は人形に厄災を被せて川へ流す流し雛(ひな)が始まり。
神様に供えた供物を下げて食べると生命力が強くなるとされ、桃の花びらを浮かべた桃花酒を飲み、ひしもちや草もち、白酒を飲む習慣は今に伝わります。


【わが家流ちらしずし 】
おめでたい色の“青黄赤白黒”で飾る彩りと、食材の味のハーモニーが楽しみです。
市販のちらしずしの素を使えば、味のベースは簡単。
野沢菜やたくわんの細切りを少し塩抜きして絞って混ぜると、隠し味になります。
白ゴマ、オオバのせん切り、刻みのりは欠かせません。
いろいろなお刺身を小さく切って、きれいに盛り合わせましょう。

大皿に盛って、切り分けて――-
シャモジで押して形づくり、ピザ感覚で切り分けられる盛り付けにします。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

時間をかけた心づくしもいいけれど…
市販品を上手に使った料理
いつもと違う食卓づくりが原点。
切り方や盛り付け方の目先を変えるだけでグ~ンとお祝い風に変わります。
料理に時間をかけられない時は、便利な市販品にひと手間加えるだけで充分です。

【半調理品を使って】
ご飯に混ぜるだけの「炊き込みご飯」や「混ぜご飯」の具、棒々鶏(バンバンジー)や青椒牛肉絲(チンジャオロースー)などの調味料ベースで調理のスピードアップ。
香りや彩りを添える材料を加えるだけで、手づくり感もアップします。

【卓上調理で一家団らん】
下ごしらえをしておいて、みんなで調理しましょう。
調理時間の負担を無くし、“つくる楽しみ”と“できたてを食べる楽しみ”をそろえて。
卓上調理といえば、鍋物や焼肉。お祝いの時は、いつもより材料を奮発して豪華さを演出してみては。
チーズフォンデュ、串カツなどの串揚げなども。

【電子レンジを使って】
お祝いの鯛(タイ)料理は、蒸し物が手軽です。
塩を振り、香味野菜をのせてラップをして加熱すれば出来上がり。
塩と卵白を混ぜて魚を固めた塩釜焼きも簡単で美味です。


定番の「赤飯」って、こんなに簡単!
お祝いにお赤飯は欠かせません。
赤は魔よけの色。太陽の陽の強さによって邪気を焼き尽くすとされ、祝い事に使われます。面倒なようでも意外と簡単なお赤飯。
心温まる縁起物ですから、ここ一番の手づくりで。
ふっくら炊いて、親戚やご近所へお祝いのおすそ分けもしませんか。
  
「赤飯用あずき」を使って―――-
ゆでたあずきを缶詰にしたものを使うと、炊飯器で簡単に炊きおこわが作れます。
一般のゆであずき缶のように甘く味付けしてありません。

蒸し器でおいしく――
魔法瓶に小豆(1/2カップ)と熱湯を入れて一晩置き、鍋に移してやわらかく煮ます。
小豆を取り出した煮汁に米(3カップ)を3時間ほど浸してふやかし、小豆と混ぜて蒸し器で蒸します。
小豆の煮汁を2回ぐらい打ち水に使って30分位蒸します。



自然食ブームから雑穀の入った五穀米や十穀米のご飯を食べる人が増えています。アワやキビ、ヒエをお赤飯にも少し加えてみると、市販品とは違う手づくりの味に。





オードブルは調理品を上手に使い、切り方の工夫やおしゃれな 盛り付けでハレの日に。

【花サーモン】
スモークサーモンを巻いて花に見立てて、芯に錦糸卵や細切りダイコンを添える。

【ミディトマト】 
トマトをカップにして、マッシュポテトやカッテージチーズをのせる。
 
【ローストビーフ巻き】
6cmぐらいに切ったミズナを巻く

【中華クラゲ】  
味付けのクラゲと蒸し鶏をキュウリ、トマトと盛り合わせて。
  
【寒天寄せ】   
粉寒天を入れた薄味のだし汁に、岩のりと溶き卵を流し入れ、冷やして固める。



パンでも、ご飯でも、おすしでも。具を盛り合わせて、サンチュで巻いて食べる。

【サラダ巻き】
牛肉とピーマンの細切りをいためて塩こしょうし、5~6cm角に切ったパンにのせて、上にチーズをのせてオーブンで焼く。 
ご飯はスティック状のおにぎりに。
ステーキ一口大に切って焼く。
お刺身、アボカド、やきとり、サラダ等々。



ひなまつりのデザートとしてはおなじみの杏仁豆腐を紹介します。
本格派はアンズの種子でつくりますが、市販品に旬のフルーツやねりきりでつくった花の飾りを添えるだけでもいいですね。

【杏仁豆腐】 
牛乳(2カップ)、杏仁霜(大さじ2)、粉寒天(2g)、砂糖(大さじ1)を混ぜて火にかけ、器に流して冷やし固める。
切って、好みのフルーツ、シロップと合わせる。

【ねりきり】
白玉粉(40g)に水(40cc)を半量ずつ加えてよく練る。
沸騰した湯に流し入れて2分位ゆでてザルに上げ、弱火のなべでさらに練る。
砂糖(80g)、水(40cc)でシロップをつくり加えて練り、片栗粉の上に乗せて冷ます。
白あん(250g)と混ぜて練り、着色して花飾りや様々な細工に。





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国産大豆を食べよう、増やそう

2010-01-25 | 農と食をつなぐ…地産地消のすすめ
農と食をつなぐ…地産地消のすすめ 
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2009.11/12号掲載>

煮豆、豆腐、みそ、しょうゆ…、「大豆」は日本の食文化を支える食品です。
ところが国産大豆の食料自給率はわずか5%。
こんなに大量の大豆生産を外国に頼っていることに、怖ささえ感じてきます。
品質がよく、遺伝子組み換え等の心配のない国産大豆は、おいしくて安全。
毎日食べるものは地元で生産することを目標に、昔は当たり前だった大豆の栽培を拡大していきませんか。

食料自給率を増やすためには――――
●大豆の生産量を増やす
大豆は環境条件による収量の変動が大きく、安定生産が望まれます。
多収品種、病害虫への抵抗性品種、耕種的な湿害回避技術等が求められ、先ごろ長野県野菜花き試験場では機能性に優れる新品種「ななほまれ」(β―コングリニシンを従来の1.8倍含有)も開発されました。

●国産大豆使用の食品を食べる
家庭では国産大豆を選んで大豆を使うメニューを増やし、地元産大豆は地元加工メーカーの協力を仰いだ加工品で安定供給したいものです。

大豆の品種と栽培
国産大豆は品質に優れています。北海道、宮城、秋田の作付面積が大きいですが、収穫量では北海道、佐賀、福岡各県が多くなっています。
長野県の作付面積は全国第20位(平成20年)。その約61%が「ナカセンナリ」で、「タチナガハ」「ギンレイ」「つぶほまれ」「すずろまん」と続きます。 


(左)こうじいらず
 東信地方の在来種。
 淡い黄緑色で甘みがある。別名うぐいす大豆。 

(右)ナカセンナリ
 豆腐、味噌にも向き、やわらか。
県内の作付け面積第一位の品種。

 
遺伝子組み換え大豆や大豆アレルギー
大豆の遺伝子組み換えには、「特定の除草剤で枯れないもの」「特定成分(オレイン酸)を含むもの」があります。
大豆の中に新しくできたタンパク質の検出と、組み込まれた遺伝子を直接検出する方法の検査により、大豆の安全性は一応確認されています。

大豆の栄養と機能性
生きるために必要な3つの必須栄養素の内、たんぱく質40%、脂肪20%が含まれています。
畑の肉といわれるように、豆腐1/3丁で卵1個分のたんぱく質を含有し、必須アミノ酸がバランスよく含まれます。脂肪のリノール酸、大豆イソフラボン、ポリフェノール、食物繊維も豊富です。

育てて食べる……次世代への取り組み
大豆100粒運動 
大豆100粒運動は、SBC放送と辰巳芳子先生との健康をテーマとする出会いから生まれた運動で、今年5周年を迎えました。
大豆は子供でも高齢でも栽培できることから、この運動は小学生を中心に全国に拡がり、今年は県内○○校が参加しています。
大豆を種から栽培し、収穫、給食による消費までの実体験の食育が、食料自給率向上の意識づけにもつながります。


東信地方の今年の参加校は、岸野、田口、中込、佐久東、望月、浅科、水明、千曲、軽井沢東部、軽井沢中部各小学校です。


大豆トラスト 
トラストには「信頼」「信託」という意味があり、“顔の見える安
長野県では飯田、松本などを中心に栽培体験も加えた大豆畑オーナー制の展開もあります。

クボタeプロジェクト 
農機具販売メーカーのクボタ農機株式会社では、農業機械作業によって荒廃地・遊休農地を大豆やそば畑にする活動や、学校の食育などを支援しています。
スローガンは「元氣農業」。企業としての地球環境保全や農業活性化支援で農業の発展を応援しています。


味噌   
「手前みそ」といわれるように、我が家のみそはおいしいもの。食品添加物なしの安全な手作りみそを食べましょう。

味工房小諸すみれ(小諸市)は、地元で採れた農産物をおいしい加工品にして届けたい、という農村女性の思いが形になった加工施設です。
みそ、惣菜、漬物を扱い、市内の直売所やイベントなどで販売しています。

甘くて粘りのある在来種「こうじいらず」を自ら栽培し、こうじの割合を多くして仕込んだみそは、小売パックや樽入り、お歳暮などの贈答用があり、好評です。
〔問い合せ先〕味工房小諸すみれ 電話0267-22-1706

味噌の委託加工
原材料(米、大豆)持ち込みや材料購入で加工もできます。
   


納豆   
地元の大豆を地元で製造した納豆があります。
国産納豆を食べる消費行動によって、生産と消費をバランスよく増やし大豆畑も増やしましょう。

納豆は大豆の栄養を吸収しやすくし、発酵によってさらに高い栄養効果を付加した食品です。
地方で納豆製造業者が減り続ける中で、浅間納豆本舗(御代田町)は、昔ながらの伝統の味を守りながら、県内(上田)産大豆を原料にした納豆も製造しています。 


外食・中食、加工業者の原料ブランドは、消費者が選ぶものを優先し、他のコストダウンを図ります。

納豆も同様に、消費者が国産を求めれば、国産大豆使用の生産は増えていきます。
健康効果の高い納豆こそ、安さばかりを追わずに、国内産のおいしさと安全性で食べたいものです。

昔は、炭で室温を上げて納豆を発酵させたという歴史ある浅間納豆本舗。
地元の大豆生産を増やし、地元加工業者による納豆製造で地産地消の輪が拡がれば理想的。
地元産大豆の消費拡大、食料自給率向上の取り組みを小さなところから始めてみませんか。

(右)赤いラベルと製法を守る定番商品。初代はバイオの先駆者、納豆博士半澤洵氏から技術指導を受けて納豆の開発をしたという。 
(左)上田産ナカセンナリ100%



豆腐   
日常に欠かせない豆腐だから、安全なものを安心して食べたいもの。
そして、作り手が見える手づくりだから、互いの心を通い合わせて食べられます。

直売所で目にするおむすび作業所(小諸市)製造の豆腐。
物言わぬ食品ですが、小規模製造の努力と温かさが自然に伝わってきます。
おむすび作業所は、就労継続支援B型事業所として大豆製品の加工販売や企業からの受注作業をしています。
豆腐などの製造は気遣いが必要な作業のため、利用者1名とともに支援員3名が早朝から力を合わせて取組みます。
豆腐は国産大豆と伊豆大島産のにがりを使ったもめん豆腐。油揚げ、厚揚げ、がんもどきも併せて製造しています。


※販売は、滝原の駅直売所・三岡直売所(小諸市)、(農)佐久産直センター直売所みよた店。

就労継続支援B型事業所とは
障害をもつ方たちが共同作業や交流を通して、社会参加や一般の就労を目指して訓練を計る場所です。
県の認定を受けた施設としての認定基準があり、入所者に合わせた支援員の確保や、発注元企業の開拓と理解、最低賃金の保障などで運営の円滑化が求められます。



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「米粉」を使って米の消費拡大を <Part2>

2009-03-23 | 農と食をつなぐ…地産地消のすすめ
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2009.3/19号掲載>


農作業をはじめる季節になりました。
農業従事者の高齢化や農業を取り巻く様々な問題の中で、栽培のスタートには“何を栽培するか”という悩みも多いものです。
農家は米をつくりたい…、農地で作物を育てたい…。地産地消で地元消費の仕組みをつくり、農業生産を消費行動によって支えることで、地域の環境と自然を守る大きな流れにつなげたいですね。
地域住民が一丸となって今年も地元の米の消費拡大を目指しましょう。


米の消費拡大は農業の活路に
■地域で何を栽培するか  
地域によって気象条件、土壌などの環境が違います。自然の物質は個体差があるもの。
適地適作といわれるように、その地にあった作物を栽培するのが、安全で品質の良い作物が収穫できる理想的な条件です。

■減反政策と新規需要米
本来、作物の栽培には、無視できない地域性があります。
佐久の平地は、米の里、。米づくりに適した地ですから、小麦や大豆への転作は本来もったいない土地柄です。
米づくりをする農業への意欲は貴重なもの。米粉の需要拡大によって米の生産を守り、農地の活性・地域の活性、ともに高めましょう。
  
   
■「集約化の安定」と「地域ブランド」
理想的な農業経営には「大量生産の安定とコストダウン」と「高品質、こだわり栽培による差別化」の二極があります。
温暖化による胴割米や未熟米が増え、米を品質で厳しく評価することによる「ブランド米の維持向上」「くず米等の利用」が大切になります。

■ブームでは終らせない…
地産地消による地元原料の加工は、いろいろな米の個体差が“加工しづらい”という問題点になります。
しかし、学校給食や病院、家庭での消費が安定拡大すれば、農地の集約化による品質の安定も叶うに違いありません。



小麦粉から米粉へ……料理の意識を変える
■米粉を知って、使う料理を増やす
米粉と一口にいっても、粒の細かさによって適した用途があります。
粗粒は団子などの和菓子やピザ、中粒はパンやクッキー、微粒は麺類・ケーキ・天ぷら、かなり細かいものがホワイトソースに向いています。
フライやから揚げ、お好み焼き、下処理などで粉を何気なく使うときにも、米粉を身近に用意して使う意識を持ちましょう。

■R10(アールテン)プロジェクト
新潟県では、小麦粉を使う食品の10%を米粉に置き換えて使う取り組みをしています。
パン、ラーメン、お好み焼き、ケーキ…小麦粉の消費量は多く、その10%だけでも食料自給率の向上に好影響を与えます。 

■小麦粉アレルギー
小麦粉アレルギーに対応する食品はまだ少なく、米粉パンも小麦グルテン添加が多いようです。
グルテンフリ-(無添加)の開発がはじまったばかりです。

米粉の作り方
家庭で米から米粉をつくりたいときは、ミキサーを使い、細かい振るい機を通して粗いものをまたミキサーにかけ、好みの細かさにします。少量ずつ3回くらい。
ヌカが酸化しますから、保存するときは洗って乾いた米で。あまり熱が出ないようにミキサーにかけます。


炊飯器で作る「クイックブレッド」
   ◇炊飯器では小麦粉を使わないので、小麦粉アレルギーにも安心です。

①米粉(200g)、ベーキングパウダー(小さじ2)、砂糖(大さじ2)を混ぜておく。
②炊飯器を保温にしてバタ-(20g)を溶かし、釜を取り出し①を混ぜ、牛乳(または豆乳150㏄)を加えてさっくりと混ぜ、粒コーン(80g)と青のり、ゴマを混ぜる。
③丸く形成し、炊飯で焼き上げる。(スイッチが切れるまで30分以上かかる)

   ※焼きたてを。ナッツや小豆などでもアイデア次第。


米粉製粉機で地元の米粉を
JA佐久浅間、中佐都ライスセンター(佐久市)に米粉製粉機が設置され、先ごろ関係者による起動式が行われました。
JA女性会や市内の商工業者などによる米粉食品利用の試作研究が本格的に始まります。 

佐久市米粉利活用推進研究会(佐久市、佐久商工会議所、JA佐久浅間、ほか)の設立により、新規需要米の施策や食料自給率向上を目的とする地元産の米粉の需要拡大の取り組みが進んでいます。
地元での米粉製粉設備はその大きな第一歩となります。 
高品質な微粉になることで小麦粉に代わる多様な用途に使え、地産地消の加工食品への幅広い挑戦が可能になります
旋回気流式微粉砕機
高速の気流が渦巻いた粉砕機の槽内に米を入れると、微小な粒子の米粉にできます。


米粉パンの輪を学校から家庭へ
学校給食用パンの老舗、金桝屋製パン(小諸市)では、もう5、6年前から米粉パンを製造しています。
金桝屋製パンが学校給食のパン製造を始めたのが昭和36年。現在では小諸市の小中学校・保育園を中心に、御代田町、東御市にもパンを提供しています。
約50年近くになる給食用パン製造の歴史で、一番大切にしてきたことは「安全と安定」。育ち盛りの子供たちに安全でおいしいパンを、大量であっても安定した品質で届けること。特にみんなが平等であるために、一定の形状にもこだわります。
国産の米を使ったパンを食べて育つ子供たちはみんな、日本の未来を支える期待の星。
「日本で米を栽培し、その米を食べて命を育み、環境や農業を守り、そして人を守る」という“命の循環”の大切さを子どもから家庭に伝えています。


金桝屋製パンが新たに始めたWebショップ「粉幸」では、米粉パンや他のバラエティ豊かなパンを販売しています。


 

米粉パンの種類はプレーン、チーズ、くるみレーズン、レ-ズン、カレー2種、メロン、切干大根、あんの10種。
**********************************

「米粉食パン、テーブルロールパン」 
         (カフェ&ベーカリ-デリ・デリ)

「焼きたてのパンを限りなく安全・安心に…」はデリデリの願いです。
明太子や梅のりを挟んだロールパン、食パンは特製ランチBOXのサンドイッチにできます。岩村田商店街八十二銀行南約30m、平日営業

**********************************

「五郎兵衛クッキー」 
        (和泉屋菓子店)


浅科五郎兵衛新田米の米粉クッキーです。「抹茶味」「野沢菜漬」の2種。

**********************************

「おやきパン」 
        (モンドウル田村屋)
 
米粉の混合割合を変えた2種のロールパンと、おやき風米粉パン(野沢菜、切干大根、わさびふりかけ)
米粉パンには和食の具がマッチ!
**********************************

■小麦パンにご飯を練りこんで… 
 「ごはんパン」 
      (高原のパン屋さん)



天然酵母パン種に、ふっくら炊いた浅科五郎兵衛新田米(こしひかり)を練りこんで焼きました。
人気の「おから」、「野沢菜漬け」「辛口カレー味」、生地にヨモギを練りこんだあんパン「よもぎあん」があります。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   もくじ

かんたんクッキングEX

かんたんクッキング 

ブログ}春夏秋冬いつもそよ風









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簡単・手づくり料理術<電子レンジ編> 

2009-02-28 | 「料理を楽しむ」シリーズ
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2007.1/25号掲載>


トントントン…かつての日本では、台所から聞こえる包丁とまな板の音で朝目覚め、おいしそうな匂いに包まれる夕げの支度の風景が、温かい家庭の象徴でした。
家庭での料理を楽にする道具や調理法が急速に進歩したものの、食生活で失われたものも多い現在。
暮らしの中の食文化を守りながら、道具の理想的な活用法を考えるシリーズ第一弾です。    

進歩した食文明の中で
暮らしの欧米化により、いつの間にか台所がダイニングキッチンになり、文明の利器というべき調理器具が家事を助けています。
しかし、簡便性を追い続けた弊害は、環境で育つ食文化を置き去りにして、人の健康や心にもアンバランスなひずみやゆがみを生んでいます。

「楽」になったものの「楽しさ」は? 家族の健康を願って食べる心は「安全」第一のもの。
料理を楽しみ、道具を上手に活用するとから、継続可能な新しい食文化をつくっていきましょう。

電子レンジのメリット・デメリット
電子レンジの便利さは、なんと言っても短時間調理。型崩れのない温め機能は、外食・中食・家庭でも大活躍です。
電子レンジのマイクロ波は、ガラス、陶磁器、プラスチック器、紙は浸透し、金属には反射される高周波。水や食品は吸収するため、電磁波を当てて食材の水分子を震わせ、摩擦熱で加熱します。
細胞を壊したり、変化させることで、味へのダメージや安全性に懸念が持たれています。
電子レンジの扉のガラスにはマイクロ波を反射する網が入っていますから安心ですが、加熱中はできれば離れた方が良さそうです。

料理をつくる匂いもおいしさのひとつ。できるだけ本来の調理を優先し、危険性はないと完全に言い切れないものは、メリットを活かす必要最小限の活用で料理の助っ人にしましょう。


食品の安全意識
安全基準値という数値で語られることの多い食品の安全性。調査対象にされたものだけが基準値で判断され、また基準値そのものも安全と言い切れないものです。
大きく捉えると“自然に近いものが安全に近い”と考えたくなります。

疑わしきは食べない、使わない。どうしても食べざるを得ない時や使いたい時は、できるだけ量も回数も少なくする。蓄積や変化が怖いことなので、取り入れる絶対量を少なくする努力で健康を守りたいものです。

 
省力化
時間と手間を省くために 
火の通りの悪い野菜を電子レンジでやわらかくしてから鍋に移して煮ると、煮物が短時間、省エネに仕上がります。
また、少量の温めにも手軽。忙しい毎日ですが省ける時間は省いて、料理を作る音や香りや味付けでわが家の手づくりを守りましょう。

■下ごしらえに便利
野菜をやわらかく
野菜はラップをして加熱。ダイコンの輪切りは皿に並べて加熱し、煮物に。
ジャガイモ(中サイズ)は約3分加熱。ニンジンは好みに切って塩を軽く振り加熱し、料理の仕上げに加えて鮮やかな彩りに。

手早く加熱
もやしは水っぽくならないように電子レンジで加熱してそのまま急冷し、サラダ・ナムルに。
トマトは、皮に切れ目をいれて加熱(中サイズ30~60秒)し、冷水にとって皮むきを。

水切り
豆腐を専用網にのせて1丁約2分加熱。ペーパーフキン(ガーゼなど)で水気をとります。

酒蒸し
鶏肉に酒と塩を振ってラップで包み加熱し、(200gで4~5分が目安)冷めたらほぐします。冷凍保存も可。

漬物
キャベツ、キュウリ、ニンジン等などを切って塩を振り、軽くもんで器に入れ、ラップをして30秒程度加熱し、冷蔵庫で冷やします。漬け時間が短縮。
 
解凍  
冷凍の刺身や肉は、割り箸や網で浮かせて解凍。刺身は旨みと栄養を残す半解凍でドリップを出さないように。食パンはペーパータオルに包んで、一枚約10秒加熱。

冷凍用 
洗ったホウレンソウをビニールに平らに並べて加熱し、冷水に放って絞り冷凍庫へ。


■温めて簡単に      
ラップして
しっとりふっくら仕上げたい冷やご飯、煮物、シューマイ、肉まんなどは、ゆったりとラップします。
電子レンジ用のフタをしたり、専用容器に入れても可。蒸し物には水分を軽く振って。
  
ラップ無しで
室温のご飯は一杯1分。みそ汁、酒の燗、飲み物は、途中でかき回すと温度が均一に。
揚げ物はレンジ用の網かペーパータオルにのせてカラッと加熱。水分を失う特徴を生かして。
 
朝食づくりのスピードアップ
忙しい朝ですが朝食はしっかり食べましょう。
家族の食べる時間が違う時は、それぞれの分を温めるだけにしておくと、おいしくいただけます。
朝は食欲が大事。早めに起きるのが理想ですが、寝起きでも温かく食べたいものは温めることで、食べる意欲が高まります。
 
(和風) 
鮭・タラコ
鮭1切を約2分、タラコはラップで包んでから竹串で所々穴をあけ、1腹約2分加熱します。
それぞれを具にして、俵型など小さめのおにぎりにも。

スクランブルエッグ
耐熱容器に卵を割りほぐし、塩コショウ、牛乳少々を混ぜ、そのまま約30秒加熱し、一度かき混ぜ、約30秒加熱。

 
(洋風)
一人ずつの大皿プレートにおかずを盛り合わせておき、加熱。ゆでたブロッコリー、オムレツ、ポテトサラダなどを前夜用意し、冷えたまま食べたいものは、アルミホイルで覆って電波が通らないようにします。


エコロジー
生ゴミを減らすために
生ゴミの処理が社会的な問題ですが、経費のかかる循環利用より、まず根本は生ゴミを出さないこと。
家庭でできる環境対策は、食材を食べきることです。そこで電子レンジが役立つ利用法を。

■乾燥で再利用
湿気を持ったり、食べにくくなると安易に捨ててしまいがち。ちょっと一手間で、使えるようにしましょう。

のり
皿にのせて、そのまま2枚約30秒加熱します、

乾物
干椎茸は5枚約10秒加熱。ひじき、昆布も軽く加熱で安心乾燥。


自然塩は特に固まりやすいので、皿に広げてそのまま約10秒加熱。

せんべい
ペーパータオルに並べてそのまま10~15秒加熱。均等に並べてムラなく焦がさないように。
あられ、クラッカーにも。

パン粉
かたくなったパンをちぎってペーパータオルにのせて加熱し、おろし金ですりおろす。食パン1枚分で約2分検討の過熱。
 
骨せんべい
アジやサンマ、イワシなどの骨をよく洗いそのままカリカリに加熱する。アジ1尾分約3分。
  
香味・薬味・青味
セロリの葉は刻んで皿に広げて加熱し、パリパリにして密閉保存してスープ、シチュー、洋風煮込みなどに香りを。ユズもワタを取って細切りにし、ラップをかけずに加熱して冷ますとパリッと乾燥します。
吸い物、鍋物、うどんなどに。カブやダイコンの葉は刻んで同様に乾燥させてみそ汁の実に。


パセリやバジルなどのハーブ類は葉をつまんでペーパータオルに均等に並べて、加熱します。(3~4茎2分程度)乾燥したらもみほぐして密閉保存。

フルーツにも
イチゴジャム
イチゴ(100g)に砂糖(大さじ3)、レモン汁(小さじ2)を耐熱容器に入れて5分位なじませ、そのまま1分加熱して混ぜ、アクをとる。

煮リンゴ
食べやすい切り方にしてラップをかけて1/2玉約1分加熱。すりおろしも過熱すると、食べ
やすい介護食になります。
   



■暮らしで活用
おしぼり・温湿布
タオルをぬらしてしぼり、ビニール袋に入れて加熱します。1枚で約1分。来客にもホカホカの蒸しタオルを手早く出せます。

ドライフラワー
急速に花の水分が水蒸気になって乾燥するため、色よく仕上がります。そのまま皿にのせて加熱するだけで簡単にできます。



一般の電子レンジの出力500Wで5分の加熱時間は、600Wの時は4分、700Wの時は3分位に調整します。量と時間は大体比例しますので、1個で1分、2個なら2分の見当で。
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「米粉」を使って米の消費拡大を <Part1>

2009-02-13 | 農と食をつなぐ…地産地消のすすめ
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2009.2/12号掲載>


豊かな自然で育まれる豊かな実り。農業は豊かな食生活の源です。今年は、農業生産と健康的な食を考え、農業の振興に向けてどんな消費活動ができるかを特集します。
まずは、ブームとなっている米粉。米粉パンは直売所やパン屋さんに、米粉ドーナツやスイーツは専門店に登場しています。米粉を知って、家庭でできる米粉の消費を考えてみましょう。
(Part2は、米の製粉や米粉パン、洋菓子などの手づくり提案です。 3月掲載予定)

命を育てる…農業から食を考える
2005年に食育基本法が制定され、明治時代に石塚左玄が提唱した「体育智育才育は即ち食育なり」の言葉がよみがえりました。
健全な食生活が人を育てることの大切さを再認、推奨されています。
命を育てる糧となる農業生産を健全にすることは、環境も人の体と心も健全に育つことにつながります。

環境保全のために、農業を守る
後継者不足や農業所得の低迷などで遊休地が増えています。耕さなければ田畑で無くなります。
農地の大切さは、①洪水の予防②土砂の流失防止③地下水の涵養 ④気温の上昇緩和⑤自然環境の保全⑥景観形成⑦文化の継承などの多面的機能に現れ、信州の自然環境の保全に不可欠です。

農業はモノづくりの原点…
世界中が大恐慌といわれ、日本本来の“ものづくり技術”の強化が求められています。
農業生産は消費することで守られます。地産地消が産地の活気になります。まず、日本の農業技術の原点である「米」をつくり、生産の意欲と生産力を支えることから日本の農業を守りましょう。
  
■今、なぜ米粉ブーム…?  
食料自給率の向上と米の消費拡大によって、未来の食を支える農地の保全が望まれる中、小麦粉の値上がりもあいまって、米粉の利用が注目を集めています。
米は日本の農業と食生活の中枢であり、その品質も価格として評価される作物です。
米づくりの経営を健全にするために、くず米(粒の大きさが規格外)で米粉をつくり、収益性を高め、米の生産と生産者を増やすことが理想的。
米粉の消費拡大は、小麦アレルギーの問題も含め、国産の作物の未来に光りを当てるものです。

■米の消費拡大のために  
農地と農家の継続のために必要とされる米粉の消費。
では、具体的にどうすれば消費につながるでしょうか。
まず、米粉を使っている既存の食品…「団子」などの和菓子をもっと食べること。
次に、小麦粉を使う食品を米粉に替えること。パンやケーキ、家庭の料理でも小麦粉を使うものは意外と多いものです。
米粉の特徴を知って、少しずつ切り替えてみましょう。



米粉の種類 
米粉パンに代表される米粉ブームですが、米粉は従来使われているものです。
「上新粉」 …うるち米の粉で、団子、すあまなどに。「米粉」として市販されている粉も同様に使えますが、上新粉の方がなめらかで上質。これらの粉を料理に使います。
「白玉粉」 …もち米の粉で、桜もちやぎゅうひでつくる和菓子に。
その他「道明寺粉」「もち粉」「みじん粉」など。

米粉の特徴
・調理法で食感が変わる……もっちり、しっとり、カリカリ、さっくり…、揚げたり蒸したり、火の通し方で変わります。
・失敗しない…グルテンがないので混ぜ過ぎも安心。水を早く吸い、ダマができずにしっとり仕上がります。
・余分な油を吸わない……米粉の粒子が小さいため、食材に薄く付くので揚げ物もヘルシー。
・発酵が早く進む
・小麦粉アレルギーにも安心


米粉でいろいろな食感を楽しもう
米粉と小麦粉も大きな違いはグルテンの存在。
小麦粉はパンなどをつくるときに、タンパク質と水によるグルテンが、発酵で生まれる炭酸ガスを保持し、ふっくらと膨らみます。
米粉はグルテンを含まないため、添加するもので補う必要があります。


豆腐入りで堅くなりにくい団子です。

豆腐と白玉粉でつくる「三色団子」 
  雪と若菜と桃の花をあらわす早春の彩りのお団子です。
 
①白玉粉(200g)に絹ごし豆腐(200g)を混ぜて三等分する。
②①のひとつはこねて耳たぶ位のかたさになるように水を少しずつ足す。
③もうひとつは、イチゴのしぼり汁(レモン汁少々いれて)とスキムミルクを入れて同様にこね、色が薄い時は食紅を少し足す。
④もうひとつは、抹茶を入れて同様に水を加えてこねる。
⑤それぞれを丸めて団子状にし、熱湯でゆでてあずきを添える。


約15個分。ポリ袋で少量ずつが作りやすい。

軽く焼き上がる「米粉のマーブルクッキー」
  米粉は混ぜやすく、しっとりしてサクッと焼けます。

①米粉(60g)にベーキングパウダー(小さじ1/2)を混ぜておく。
②ポリ袋にバター(30g)を入れて、手の熱で軟らかくし、砂糖(25g)、粉、溶き卵(1/2個)を順に混ぜる。
③一部にココアを混ぜて色をつけ、全体にマーブル状に模様が入るように練り込む。
④直径1.5cmに丸めてオーブンシートに並べ、ラップをかけてまな板をのせてつぶし、平らにのばす。
⑤オーブンシートのまま鉄板に載せ、180度に温めたオーブンで15~20分焼く。

   

「から揚げ」はカラッと揚がってヘルシー
   冷めても歯切れがよく、カラッとしています。
米粉が早く水分を吸い、軽く揚がるので、川魚には昔から使われていました。

鶏のから揚げ  
しょうゆ、ショウガ汁、酒で鶏肉に下味をつけておき、米粉をまぶし
つけて揚げる。卵を絡ませてたり、みじん粉をまぶすとボリュームが増す。
 
ハヤのから揚げ  
ハヤやワカサギなどの水気をとって塩コショウし、米粉をまぶして揚げる。



「ホワイトソース」や「とろみ」が簡単に…  
牛乳(250㏄)に米粉(大さじ2)の割合で混ぜて加熱する。直ぐ均一に溶けるので簡単。
洋風の本格ソースとは違う感覚で、簡単ヘルシーに使ってみましょう。
グラタン、スープにも。

クリームパスタ 
バターで玉ネギをいため、さらにキノコ、ゆでたブロッコリー等をいため、予め牛乳に米粉を溶いておき、加えてとろみをつけ、塩コショウする。パスタをやや固めのアルデンテにゆで、クリームソースをかける。
(一人分は牛乳1カップくらい。グラタンも同様のソースでつくれる)



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