《 空想から科学へ 》 奧菜主義革命~ 革命的奥菜主義者同盟非公然ブログ

奥菜恵さんは、精神と肉体の両方から無駄なものをすべて削ぎ落とし、必死に舞台に立っていた

キネマ旬報9月上旬号(1515号)に於ける奧菜恵同志の発言骨子(おまけ:落合正幸監督の発言)

2008年08月20日 23時35分37秒 | Weblog
『女優としての転機となったハリウッド映画デビュー』

大きくよく動く、聡明な瞳。なずな役から15年、奥菜恵は『シャッター』でハリウッド映画デビューを飾った。

 彼女が演じたメグミは、物語のキーとなる重要な役柄である。はじめての恋に高揚する少女のような可憐さと、その相手から裏切られた深い悲しみという対極にある感情表現が要求された。

「本当に難しい役でした。そこにいるだけでも、メグミの感情が怒りなのか、恨みなのか、悲しみなのか(を表現しなければならない)。どういう気持ちでいればいいのか、悩んだし、撮影中もずっと考え続けました。わたしの解釈では、生まれてはじめて真剣に恋愛して、その関係性を裏切られた悲しみだったと思うんです。怒りや恨みよりも、悲しさが大きかったのでしょうね」

 本作でも圧倒的に印象に残るのは、メグミの眼である。なにもかもを知り尽くした様々な感情のざわめきを訴えてくる彼女の瞳の恐ろしさと美しさ。そこに引き込まれながら、ドラマは展開していく。

「脚本にある台詞でも、生身の人間としての台詞をぶつけそうになる気がする箇所では、監督と話し合いました。台詞のない部分の感情の作り方にも苦労しましたね。私は撮影中、オフでも役柄を引きずってしまいがちなので、テンションの維持に気を遣いました」

 舞台活動にも意欲的な彼女だが、このハリウッド・デビュー作は今後のキャリアにどのような影響を与えるのだろうか。

「特に意識はしていません。いつも、マイペースなので。私は演じることが純粋に好きなので、映画でも、舞台でも、ずっと演じ続けていくことだけが目標ですね」


落合正幸監督の言

 メグミ役の奥菜恵は、オーディションで決定した。

「求めていたのは、アメリカ人から見た日本女性のイメージ。奥菜さんは小柄だし、その雰囲気はありますよね。もうひとつ、一瀬さんがこだわっていたのは舌が長いこと。あのシーン、当初はCGを使う予定ではなかったんです。」

「僕は以前、時代物のドラマに出られていたときの奥菜さんの印象が残っていて、髪型はそのときのものにしてもらいました。」

「スタジオ側からも、すでに貞子のようなスタイルは定着しているので、それとは違った女性像にして欲しいという要望がありました。これまでのJ ホラーとは異なったヒロインにして欲しいと」