メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ、N.Y.からご挨拶する

2011年12月30日 | NEWYORK

メガヒヨは現在N.Y.に居る。

輝くばかりのNick Adams君の歌とダンスも堪能出来たし 、幸せこの上ない。

お花も差し上げられたしね🎵

こんな恵まれた状況で新年を迎えられることに感謝しつつ、来年の世の中が明るくなることを微力ながら祈りたい。

皆様、どうぞ良いお年を!!

 

 


メガヒヨ、再びN.Y. に行く

2011年12月27日 | NEWYORK

現在、メガヒヨは成田空港にいる。
Nick君のダンス見たさに1ヶ月おきの訪米とは、我ながらあっぱれと思う(笑)

とにかく感じるのは幸せのみ〓

今年は様々な方にお世話になりました。
感謝の気持ちを忘れず、来年は少しでも人様のお役に立ちたいと思っています。
このブログにお立ち寄り下さいました全ての皆様にとって、来年が更に素敵な一年になりますように〓〓〓
(現地でも更新出来そうだったらやってみるね〓)


2011年・歯科治療を通して気付いたこと

2011年12月25日 | メガヒヨの日々つれづれ

丈夫に出来ている私だけど、歯は弱点である。
体質的に虫歯になりやすく、子供の頃から歯医者に通う日々が続いている。

そのおかげでかなり銀歯が目立つようになってしまっていた。
なので2年ほど前から昨年にかけて、職場近くの審美歯科でそれらを保険外治療の白いクラウンに替える治療を受けていた。
その頃の様子がコレ
今から思えば、その時の自分の頭を叩いてやりたい。

後から分かったのだが、その歯医者はとんでもないヤブで、歯にずさんな治療を行い、かぶせものをして誤魔化していた。
ぱっと見の出来栄えさえ良ければいいとする、手抜きそのものの治療方針だった。
あげくの果てに私が遭った災難はこんな感じ
かみ合わせを考慮しない前歯の差し歯は装着してたった4か月ほどで、土台の歯も巻き込み折れてしまった。
歯医者は破損したコアのみ取り換え、セラミック部分はそのまま継続してつけ直した。

浅はかな私は当時、その修復代が無料だったことで、その歯医者を「良心的」と誤解してしまった。
本来なら、セラミック部分も作りなおさなくてはいけない程の過失なのに。

一度崩壊してしまった差し歯は作り変えないと歯肉部分に大変なダメージを与える。
しかもかみ合わせも全く見直していないのだから、再び折れてしまうのは時間の問題だった。

つけ直して半年後、普通に食事をしていた際にまたその差し歯は折れてしまった。
その際も再度コアを取り換え、セラミックをそのままつけ直すという修復が行われた。
この二度目の治療代は、こちらの負担となった。

さすがに呑気だった自分も異常さに気付く。
二度あるということは、三度目も必ずある。
このままその歯医者に通っていたらとんでもないことになると、今までの治療代を捨てる覚悟で転院を決めた。
信頼している同僚に相談したら、腕のいい歯医者さんを紹介してくれた。
それが今年の8月の終わり頃の話。

新しく通うことになったその歯医者さんは、職場からは電車に乗って数駅の場所。
衛生士さん達もきびきびと動き、前の歯医者みたいにだらしなくおしゃべりしている人なんていない。
そして治療はその院長先生一人で責任をもって行われていた。
前のところは雇われ医師が何人もいたのに。

初診の際、私は前歯だけ治すつもりで行ったのだが、とんでもない告知を受けた。
とにかく今までの治療があまりにも杜撰すぎるので、全面的にやりなおすことが必要だと。
結論からいうと、私は2本の歯を抜歯し、3連ブリッジを作成、5本の差し歯を作りなおすこととなった。

特に抜歯したのうち一本は、前の歯医者で神経を取る治療を失敗したものだった。
歯根には穴が空き、あと少しで上顎洞にまで影響が達するところまで来ていた。
残念ながら、その第二臼歯は欠損となってしまった。

これらの治療のピークが9月位のこと。
歯を失う恐怖で、お酒どころか食事もろくに喉を通らなかった。

前の歯医者に対する感情をコントロールするのも大変だった。
ずさんな治療方針の院長、神経の治療を失敗した女性歯科医師、この二人に会ったら自分は何をしでかすか分からない。
なのでその歯科医院の前はなるべく通らないことにした。
その代わりひたすら心の中で祈った。
「どうかあの歯科医院の上に隕石が落ちますように!」

でもその歯医者は某ビジネスホテルの2F部分にある。
隕石なんて落ちたら、関係ない人たちまで巻き添えになる。
しかも私は自慢ではないけれど、人並み外れて念が深いところがある。
ここまで恨みが強いと小惑星まで落としかねない(笑)
それはまずい、自分の身も危なくなる。穴二つとはこのことだ!

そんなこんなで悶々としていたのだが、ある日を境にストンと吹っ切れてしまった。

私が怒りを感じていたのは、前の歯医者の稚拙さではない。
何故なら、それは私自身の人生の問題ではないから。
質問しても投げやりな態度をしてくる歯科医師、おしゃべりばかりしている衛生士、会計間違いばかりしている受付…。
これだけではない、今までにいくつものマイナス要因を目にしていたはずだった。
なのに職場に近くて通院が楽だけの理由で、こんな歯医者に通い続けていた自分。
うすうす気付いていたのに、歯という再生しない大切な組織をそんな医療機関にゆだねてしまった己の危機意識の無さに憤っていたのだ。

このことに気づいてから、気分も落ち着いてきた。
現在の私は反省も含めて、するべきことはしている。
大変な目には遭ったけど、自分はそのことを克服しようと出来る限りの努力をしている。

翻って、前の歯医者がヤブなのは、その歯医者自身の問題。
私がどうこうしてあげられないし、その事について悩んであげる義理も無い。

そして12月。
治療もほぼ終了し、歯も安定した状態になった。
抜歯が危ぶまれた前歯もなんとか助かり、本当に救われた。

この騒動は悪いことばかりでも無かった。
虫歯への恐怖で、ほとんど間食を取らなくなった自分は体重が5kgも減った(笑)
今まではだらだらと食べ続けていることが多かったからね。
オーラル・ケアについてもさらに真剣に取り組むようになった。

とはいえ、この年齢で2本の歯を抜くというのは心に堪えた。
自分の体のパーツが失われるという喪失感は大きかった。

ただ、歯を含めボディそのものが期間限定ということを実感する良い機会となった。
つまりは人生の時間は有限ということ。
本当に当たり前のことなんだけど、今まで深く考えたことは無かった。

大げさかも知れないけれど、常に「メメント・モリ (汝の死を忘れることなかれ) 」という言葉が頭から離れなくなった。
この体を使っていられる、大切な人生の時間。
無駄にしたくないと心から思う。

歯を含めた体のメンテンナンスに気を遣いながら、今後はさらに有意義に過ごしたい。
今回の騒動では、友人知人、家族から大変励まされた。
来年は、まずその恩返しから出来ればと願っている。


こんな翻訳ミュージカルは嫌だ!! (Priscilla編)

2011年12月24日 | 国内エンタメ

観劇に一度出かけると、山のようなチラシをいただく。
今回はスパマロットの翻訳公演が入っていた。

  
クリックしたら大きいサイズで見られるよ♪

戸次重幸さんが出演されているので観てみたいと思いつつ、NY帰りのお財布にはちょいきついかなと、今回は見送り。

しかしスパマロットの翻訳公演は意外だったな~。
あるとすれば、来日公演かと思ってた。

メガヒヨがきっとあると思ってた『Legally Bronde』はなかなか実現しそうもないし。
(まぁ無くてもいいけど(笑))

ところで現在進行形でメガヒヨがドはまりしている『Priscilla』だけど、これは絶っっっ対に翻訳公演はやってほしくない。
理由は以下の危険性があるから。

・ベンジーを演じるのが子役ではなく、小柄な女優。

・バーナデットを演じるのもなぜか女優。

・シンシアどころか、ミッチやフェリシアの日本語も何かあやしい。

・プリシラ号がただの背景画。

・衣装がティム・チャペル&リジー・ガーディナー名義ではなく、オリジナルのものになっている。
(しかし所々パクっている)

・ボブ役に劇団重鎮を配するも、常に舞台袖からセリフ誘導があったりする(苦笑)。

・何てこった! ディーバでさえも口パクで歌ってる!!

 

これって…翻訳がどうこうのより、日本ミュージカル界の根深い問題そのもののような気がしてならないんだけど

あ、それでもねー。メガヒヨにもこの配役ならってのはあるよ。

ミッチ: 岡幸二郎

バーナデット: 10年後の下村尊則

フェリシア: 10年前の坂元健児(ガイ・ピアースのイメージで)

…。タイムマシンでも無いと無理な配役だなぁ(笑)


ロッキーホラーショーについて語ってみる

2011年12月23日 | 国外・舶来エンタメ

秋のNY旅行記を書き終えたので、スペイン旅行記に戻るところなんだけど、もうちょっと雑事を書いたりするね。

年の瀬もせまった12月22日、メガヒヨは勤務先近くにある神奈川芸術劇場に行った。
劇団新感線版『ロッキー・ホラー・ショー』を観に行くためである。

神奈川芸術劇場に行くのは、「太平洋序曲」に続いて2度目。
職場から歩いて行けるし、夜の開演は19時からというのが多いので大変助かる。
ベル・ダッシュどころか、中華街で食事まで済ませても余裕で間に合うよ。

 

劇場に入ると、ポップコーン売りの女の子たちに甲高い声で迎えられた。
メイドさん的な可愛いコスチューム。
そのときは悪い気はせず。

その売り子さん達はポップコーンが売れると、「こちらのお客様お買い上げでーす」と会場中に向かってアナウンスする。
それに対して拍手する観客の方々。
メガヒヨは2,3回は付き合ってたけど、途中で面倒になった(笑)

開演近くになってポップコーン売りの一人(最初から売り子はしていなかったかも?)が舞台に上がり、【♪SCIENCE FICTION DOBLE FEATURE】を歌い出した。
この人がマジェンタを演じるグリフィスちかさん。
歌は…上手いとは思うけど、歌詞があまり聞き取れない。音響がよろしくないのかな?
すごくキンキンに聞こえる。
それもあってか、残念ながらあまり色気が感じられない。
2000年BW版のDaphne Rubin-Vegaと比べちゃいけないってのは分かるけど…。

続いては【♪DAMN IT, JANET】のナンバー。
ブラッド役の中村倫也さん、あまり声量を感じられず。
それをカバーするためかスピーカーの音量が上げられ、苦痛の域に。
せめて笹本玲奈さんはと思ったが、なぜか彼女もキンキン声で歌っている(!!)
他の作品では常に美しい声でいて、こんな耳障りな声で歌った事はないのに。

【♪TIME WARP】はもう絶望って感じ。
ファントムは女性だけで、中和する男性が圧倒的に不足…。
一人ひとりの役者さんの技量に問題はないのだろうけれど、演出が最悪すぎる。
あ、コロンビア役のニーコさんはキャラが立っていて面白かった。
でもアニメ声の枠は彼女一人だけにしておいてほしかったかも。
マジェンタもジャネットもキイキイ歌ったり話したり、何なの?コレ?

てな訳でもうメガヒヨは席を立って帰ることを検討し始めた。
入場料を払ってなんでこんな辛い目に遭わなきゃいけないのかとさえ思ったよ。

でも古田新太さんが出てきて雰囲気は変わった。
面白いじゃん、この人。
デブでブチャだけど、自分の世界を持って堂々と生きているフランケン・フルター博士を演じていた。
というか映画版のティム・カーリーのパロディなんだろね。
ボンテージからはみ出る贅肉も笑いを誘っていた。

ロッキー役の辛源さんも良かった。
この役のオーディション告知での条件が「身長180センチ以上・古田新太をお姫様抱っこ出来ること」とあったので、どんな人がキャスティングされるのか気になってたけど。
生まれたてのピュアな感じがよく出てて、いい感じだった。
しかし日本じゃあの程度でマッチョとされるのね。
(辛源さんは日本育ちの英・韓ハーフだけど。)
アメリカじゃまだまだ「SKINNY」と呼ばれちゃうレベルだと思う。

といった次第で、この二人のおかげで何とか終幕まで椅子に座り続け、劇場を後にしたのだった。
でももう新感線の舞台はいいかなー。全般的に自分にはあまり合わない感じだし。
演出上、女優を甲高い声でセリフを言わせる傾向があるよね。
グリフィスちかさんも元々落ち着いた素敵な声なのに、とても勿体無かったわ。

 

終演後は口直し…もとい耳直しに、2000年版TRHSのアルバムを聴きながら帰った。

Rocky Horror Show / New Broadway Cast Recordings
 
RCA Victor Broadway

Tom Hewitt最高!!
またB'wayの舞台で拝みたいな。


YOU TUBEでトニー賞でのパフォーマンスを発見。
画質は悪いけれど、あの興奮がよみがえってくる。
やっぱTRHSはこうじゃなくっちゃね!!


Jonathan Sharpの美しいロッキーも良かった。
最近は講師として活動されているみたいだけど。
あれからもう10年以上経つんだな~。
時は経ってもDaphne Rubin-Vegaの色っぽいハスキーボイスは耳に焼きついているし、
エレベーターを降りてきたTomを観たときの衝撃、Alice Ripleyの澄んだ歌声も忘れられない。

いい舞台を観た思い出は色あせない。
一生の宝物だよね。ホント。


メガヒヨ in NY 2011秋その8《帰国編そしてSOMETHING INCREDIBLEへ》

2011年12月18日 | NEWYORK

楽しかったニューヨーク秋の観劇旅行も、もう帰りの飛行機に乗るのみ。
はう。帰りたくないよう。
最終日に観た作品に一番ハマっちゃったというのが最大の不幸。
今までのNY旅行では、心から気に入った作品は他の作品のチケットを売りさばいてでも2回観たものだが、今回ばかりは帰国しなきゃいけないものね。
本日の飛行機が欠航になんないかな~と空を仰ぎつつ、空港に向かう。


JFK空港にはあまり食べ物屋がなかったな~と思ったので、ホテル近くでラップロールを買っていった。
で、空港で食べたのだけど、チーズがきつくて全く口に合わなかった。
食べ物を粗末にするのは良くないけれど、一本食べきれずにギブアップ。


機内食その1。
鳥のからあげを頼んだけれど…マズかった。
水っぽい衣に硬い肉。抑揚のない味付け。
カレーにしておけば良かった。


途中パンの配給を経て、機内食その2。
行きのモスバーガーが懐かしくなるような味。


機内食は外れだったけど、すごく良く眠れて楽なフライトだった。
成田エクスプレスもいいタイミングで乗れて、途中からは一車両貸切御用列車状態で帰宅出来た。

今回の旅行は、とにかくエネルギーをチャージ出来た。
正直、BroadWay通いももう潮時かなぁと思った時期もあったのだけどね。
でも今回初めて見る俳優さんたちに素晴らしい方が多かったので、まだまだ劇場通いはやめられなさそう♪

てな感じでメガヒヨはリフレッシュし、「昭和の会社」に勤務する日常に戻っていった。
お土産のハーシーのチョコレートを配り、たまった回覧書類を回し、時差ぼけも無く業務をこなしていた。

しかしB'wayの魔力はそんな甘いものではなかった。
帰国後一週間ほどたった12月から、強烈な禁断症状に襲われてしまったのである。
動悸が起こり、口からはため息がもれるばかり。

どハマリした『Priscilla Queen of the desert』を、あのキャストでもう一度観たいとの思いで頭がいっぱいになったのだ。
とはいえ、2012年のゴールデンウィークでは手遅れの様な気がする。
メインの三人はみんな売れっ子。他のショーにいつ移ってしまうか分からない。
なるべく急いだほうがいい。

しかしながら、メガヒヨが勤務する会社は良くも悪くも昭和的な体質。
そうそう簡単に連続した有給休暇はいただけない。
何より、周囲にもあまり迷惑掛けたくないものね。
何とか"SOMETHING INCREDIBLE"的な作戦で、近日のNY旅行を実現できないものだろうか。

最初に思いついたのは、有給休暇1日でニューヨーク2泊4日の旅。
オープン1年後までならオリジナルキャストも残っているのではないだろうかと、春分の日周囲で行ってしまおうとの魂胆。
やってやれないことはない。
しかし業界柄、3月というのは多忙な時期。一日の休みでも難しいかも…。

2月というのはどうかな?
誕生日をだしにして2日間休みを取れば、土日合わせて4日間休める。
しかし大雪で飛行機が欠航したらどうなるのか、それにその時期は俳優さん達もバケーションを取る可能性が高い。
いざ13時間掛けて海を渡り劇場にたどりついても、舞台に立っているのが代役さんだったら泣くに泣けない。

そんな感じで悩みに悩み、ツイッタでも悶々とつぶやいていたメガヒヨ。
そうしたらある方からとっても素敵な提案があった。
メガヒヨが考えもしなかったそのNY行きのプランは、休暇の問題も、旅費の問題もクリアできるものだった。

差しのべられたその方の手をありがたく握り返し、頭の中では『GO WEST』のナンバーが展開された。

そんな訳で、来年あたりまたB'wayの記事を公開する所存。
題して、『メガヒヨ in NY 2011冬』!!(笑)


メガヒヨ in NY 2011秋その7《Priscilla Queen of the Desert編》

2011年12月13日 | NEWYORK

最後を飾る作品は1994年に公開された映画『THE ADVENTURE OF PRISILLA』のミュージカル版。

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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

映画と同じくオーストラリア発の作品。
70~80年代のヒット曲を中心に構成される、いわゆるジュークボックス・ミュージカル。
でもそのジャンルの中でもこれはずば抜けて良く出来ている。
5月にご覧になったうつぼさんの感想はコチラ


 
パレス劇場らしいゴージャスな作品♪



当日の席はコチラ。
二列目、センター端。
衣装をよく見てみたかったので、端でも前の方にしたのだ。
端による見切れは無かったものの、あまりに舞台が高すぎて、登場人物の足元がよく見えなかった。
これはちょい失敗!!

では使用される楽曲を軸に作品をご案内。映画とほぼ話の筋は同じだけど、ネタバレご注意!!

第一幕

【♪THE OVERTURE】
舞台の上にはでっかい口紅の模型。
幕にはその口紅で描かれたオーストラリア大陸の絵。
シドニー、アリス・スプリングの位置が示されている。

【♪IT'S RAINING MEN】
ディーバたちがシドニー上空に舞い降りる。
ドラッグクイーンは録音された歌に口パクする芸をふるまうが、その歌を担当するのが彼女たち。
中堅ドラッグのミッチの本日の演目がこの歌。

しょっぱなからこのディーバ3人の歌唱力に圧倒される。
しかしワイヤーで吊るされながら、よくあんなに声が出るものだなぁ。
ところでこのディーバのドレス、スカートの中にボリュームいっぱいのフリルが入ってて素敵。着てみたいなぁ。
ミッチ演じるWILL SWENSONは190センチ近い長身で、ヒールを履いたドレス姿はかなりの迫力。
でも顔がとても小さいので絵になっている。

【♪WHAT'S LOVE GOT TO DO WITH IT?】
お笑い担当らしき、ミス・アンダースタンディングの持ち歌。
会場のみなさんもご一緒にどうぞ♪となる。

【♪I SAY A LITTLE PRAYER】
ミッチ(本名ティック)に6年間音信不通となっていた「妻」から突然電話が入る。
保養地アリススプリングのホテルのショー担当となっていた彼女から、地方公演の依頼があったのだ。
実は二人の間には子供がおり、彼は思いを馳せる。


ドラッグ姿からメイクを落としたミッチ。
超男前!!非の打ちどころが全くない顔立ち!!
映画版のHUGO WEVINGとは違ったイメージ。
ちなみに舞台では、つけまつげ付きのアイマスクで一瞬にして変身出来てるよ。
自分もそのアイマスク、欲しいなぁ。

【♪DON'T LEAVE ME THIS WAY】
ミッチは旧知のバーナデットに、その地方公演に参加してくれる様連絡をする。
「彼女」は性転換者。昔、シドニーの歓楽街での名レビュー「レ・ガールズ」のトップスターだった。
ベテランではあるが、現在は引退状態。
様子がおかしいバーナデット。実は彼女の若い恋人、トランペットが不慮の死をとげてしまっていた。
ドハデな衣装に身を包んだ参列者が集まった葬儀が、しめやか(?)に執り行われる。
悲しみから立ち直るためにもアリススプリングへの旅を決意するバーナデット。
「二人で旅をするわけね…。」
「いいえ、三人よ。」
「三人!?」



このお葬式のシーン、かなり笑える。
もう衣装がすごくて、オペラ座の怪人のマスカレードの場面のよう。
TONY SHELDON演じるバーナデットとバレリーナ(♂)の棺の奪い合いも面白かったな。
葬儀の席にてクラッチバッグでビンタって、日本の土ワイのお家芸と思ってたけど世界共通なのね。

【♪MATERIAL GIRL】
その"三人目"が出演するショーに来た二人。
前半はごく普通の口パクショーだったけれど、後半になると一変。
ボーイズを従え、ストリップ、SMまがいと若いフェリシアはやりたい放題。
「今時のコ」の感性についていけず、唖然とするバーナデット。

このシーン。事前に聞いていたCDではフェリシア役のNICK ADAMS君の爽やかな歌声しか分からなかった。
まさかこんな愉快すぎることを舞台でやらかしていたとは思わなかった。
元祖であるマドンナのビデオ・クリップのパロディなんだけど、ボーイズの従順さが面白い。

【♪GO WEST】
フェリシア(本名アダム)はアリススプリング行きの話に乗り気。
聖地キングスキャニオンの岩にハデなドラッグクイーンの姿で登り、マドンナの名曲を歌うという子供のころからの夢が叶うのだ。
問題は足なのだが、フェリシアはスウェーデン観光客から古いスクールバスを買い取っていた。
「この旅でノンケに変われるかも♪」と、母親をたぶらかして得たお金で。
彼が考えたバスの名前はプリシラ号!!
支度を整えて、三人はシドニーの人達に見送られて旅立つ。

このナンバーはとにかく景気がいい。
紙吹雪は舞うわ、ショートパンツ一丁のイケメンが踊るわ。
観ていてとても元気になる。

【♪HOLIDAY/LIKE A VIRGIN】
一行はアルコール運転しながらオーストラリアの大地を西に行く。
様々な生き物の尊い犠牲を以て(笑)

ミッチは突然スイッチが切り替わるように、男になったり女になったりしている。
どう見ても性同一性障害のバーナデットやフェリシアとは違う感じだし。
難しそうな役どころだなぁ。

【♪I SAY A LITTLE PRAYER (REPRISE)】
なんでわざわざ田舎のホテルから公演の依頼があったのかと、フェリシアはミッチに疑問を投げかける。
そこで女性の妻がいることを白状する彼。
「まさか子供がいるわけじゃないわよね。」との言葉に、本当のことを言い出せない。

【♪I LOVE THE NIGHT LIFE】
田舎街ブロークンヒルに到着した三人。パブに繰り出す。
バーナデットはおしゃれな中年女性の格好なのだが、ミッチとフェリシアはドラッグクイーンの姿で場から浮きまくっている。
静まり返る田舎の人達を前にバーナデットは毅然とふるまう。
街の女ボス・シャーリーが難癖をつけて追い出そうとするけれど、それを機転を利かせて軽くあしらう。
どっと盛り上がるブロークンヒルの人々。
三人を受け入れて、踊りまくる。

ミッチとフェリシアは、あの映画そのまんまの格好で登場するよ♪
ところでバーナデットは本当に上品。
映画みたいにミニバーのボトルをパクるなんて真似、しなさそう。

【♪TRUE COLORS】
楽しさの余韻を味わいながらバスに戻った三人を迎えたのは、とんでもない仕打ちだった。
バスの車体に、ペンキで「うせろ オカマ野郎」と落書きがされていたのだ。
表向きはいい顔をしていても、裏では差別の感情がうずまいている。
彼らは励まし合い、ブロークンヒルを後にする。

映画でもこのシーンを観た時はショックだったけど、舞台ではなおさらだったな。
街の人、全てがそういうことをする訳ではないのだろうけれどね。
どんな事でも全ての人に理解をされるというのは、相当難しいものではないかと。

【♪SEMPRE LIBERA】
つらい目に遭ったけれど、フェリシアの立ち直りは早いようだ。
走行中のバスの屋根の上で、キラキラ光る全身タイツを着てオペラの口パクを気取っている。
そこをバスが急停車。どうやら故障したようだ。

NICK君の体の柔らかさに注目!!
このシーンはフロントメザニンの観客は勝ち組だよね(笑)

【♪COLOUR MY WORLD】
砂漠にて立ち往生したバス。
修理を頼もうとしても、位置さえ説明出来ない場所だ。
フェリシアは、この間にも落書きされたバスをペンキで塗装することを提案する。

メガヒヨはこのシーンにて、本格的にNICK君にはまってしまった。
何て愛くるしい役者さんなんだろうかって。
大きい青い目をくりくりっとさせて、口元は笑みが浮かび、常に表情豊か。
しぐさも愛嬌いっぱいで、彼をこの役に抜擢した人GOOD JOB!と心の中で叫んだ。

【♪I WILL SURVIVE】
今度はショーのリハーサルをすることにした三人。
派手な衣装を着て砂漠で踊っていると、ネイティブ・オーストラリアンのジミーが声を掛けてきた。
屈託なく近寄るジミー。彼は観光ガイドで、世界中からのお客さんを連れてきていた。
観光客達はドラッグクイーンに会えて大喜び。楽しく盛り上がる。
そんな内に自動車修理工のボブも到着。
つまづいても先が見えてきた。

世界の観光客の中に、明らかに日本人を揶揄している人達がいたり(苦笑)
メガネを掛け、カメラを構え、常に猫背でおじぎばかりしている…。
一瞬むっとしたけど、否定は出来ないなぁ。
メガネはいいとして、猫背は気をつけようっと

第二幕

【♪THANK GOD I'M A COUNTRY BOY】
幕が上がると、キャストが会場のお客さんを舞台に上げて踊らせる。
我こそは!と思う方はアピールしてみたら?

【♪A FINE ROMANCE】
話は戻り、ボブの家。
若いころにシドニーでレ・ガールズのショーを観た彼は、バーナデットがそのスターだと知り感激する。
幻想シーンで若き日のバーナデットが華麗に舞う。

この若き日のバーナデットがとても美しかった。TONYともよく似ている。
一瞬、女の人?と思っちゃった位。
演じるのはSTEVE SCHEPIS。
フェリシアのアンダーに入ってるけど、少々タッパがありすぎるかな?

【♪SHAKE YOUR  GROOVE THING】
ボブの提案で地元パブにてショーを行うことになった三人。
だけど田舎の人達には受けが今一つ。

映画と同じく、チアガール姿。
TONY先生、大奮闘。

【♪POP MUZIK】
そこに割り込んできたのが、ボブのフィリピン人妻のシンシア。
ピンポン玉を過激な方法で飛ばすという彼女の芸は、地元の男達に大受け。
ため息をつくボブ。

メガヒヨはこのピンポン玉を拾っちゃった♪
近くの席の人にあげちゃったけどね。

【♪A FINE ROMANCE (REPRISE)】
シンシアはボブの元を去り、バスが何とか運転出来る状態になった三人も出発することに。
バーナデットは彼に感謝し、「あなたは本当の紳士」といい残していく。
思いにふけるボブ。
ところがバスが急停車し、バーナデットが彼に一緒に行かないかと持ちかける。

【♪GIRLS JUST WANNA HAVE FUN】
オジサンだけどストレートの男性がバスの一員に加わったことで、フェリシアは色めき立っている。
バーナデットは悠然としつつも、いらだちを隠せないようだ。

【♪HOT STUFF】
鉱山の町、クーバーピディに到着した一行。
バーナデットとミッチが目を離した隙に、フェリシアは女装をして盛り場に出かけて行ってしまう。
最初はうまくだませてはいたが、正体を見破られて追われる羽目に。
屈強なフェリシアちゃんは、逃げながら荒くれ男を何人もなぎ倒してはいたけれど、多勢に無勢。
顔をグーで殴られ、地面に倒れ込んでしまう。
「レディに乱暴はやめて!」と抗議するが、「この化け物が!!」とさらに蹴りを入れられる。
ぐったりした彼は押さえつけられ、レイプされる危機に。
旧友と会っていてその場に居合わせたボブはフェリシアを庇うが、男達の怒りは収まらない。

そこに駆け付けたバーナデット。
卑猥な言葉を投げつける男達に対し、呆れかえるそぶりを見せ、スキを狙い一発かます。
一行の中でもっとも非力に見えた彼女が、実は最強だった。

人間以下の扱いを受けたことによるショックに震えるフェリシア。
ミッチは「殺されるところだったのよ!」と泣きながら叱り飛ばす。
バーナデットは「都会は恐ろしい場所というけれど、私たちはその壁に守られている。ここに私達の住む場所はないわね。」と慰める。

フェリシアちゃんのおめかしシーン。
冷静に考えれば、マッチョの青年がピンクのブラとパンティを身につけて網タイツ履いているところなんて
とんでもない絵なんだろうけど、感覚が麻痺してしまって「楽しそうだな~」としか感じない(笑)
ベビードールを着たところで、ディーバのお姉さん達にハイヒールを履かせてもらっている。
メガヒヨはそのお役目引き受けたいっっ!!とさえ思ったよ。

それにしても、あまりにもこのシーンが無邪気に見えたから
、その後の悲惨な展開が辛かった。
ただ夜の街に遊びに行ってみたかっただけなのにね。映画と違ってケンカ売ってないし。
最初は反目していたバーナデットの胸に顔をうずめて泣くところは、じーんときたなぁ。

【♪MacARTHUR PARK】
いよいよアリススプリングも間近となった。
ミッチとフェリシアは気を利かせて、ボブとバーナデットを二人きりにするように仕立て上げる。
いい雰囲気になっていく中年の二人。
翌朝、ミッチは外で寝入ってしまった彼らを見つける。

このシーン。A列では夜が明けたところのボブとバーナデットが死角に入ってて、全く見えなかった。
後ろの方に気兼ねしつつ、列の人ほとんどが一瞬立ち上がり、どんな感じか確認していた(笑)
映画と同じだったけどね。

【♪BOOGIE WONDERLAND】
アリススプリングのホテルでは従業員が忙しそうに働いている。
その中到着したドラッグクイーン達とボブ。
ミッチとその妻マリオンは6年ぶりの再会を果たす。
バーナデットはミッチに子供がいることを知り、卒倒する。

マリオン役のJESSICA PHILLIPSさんも美しい方なので、ミッチと並ぶとノーマルに美男美女のカップル。
実はバイでもなくノンケで、ただの営業オカマではないかの疑惑浮上(笑)

【♪THE FLOOR SHOW】
アリススプリングでのショーは大盛況。
影武者さん達も駆使し、ナンバーが早回しで展開される。

だって映画と違い、観客はパレス劇場にいる人達だものね(笑)

【♪ALWAYS ON MY MIND】
8歳の息子ベンジーに、自分がドラッグクイーンであることを隠していたミッチ。
しかしマリオンはショーに連れてきており、全てをオープンにしていた。
ミッチはとまどいつつ息子に向かい合う。
ベンジーは父の仕事・ライフスタイルに理解を示す。
だって母親だって別離後はボーイフレンドを作らず、ガールフレンドしかいなかったのだから。

【♪LIKE A PRAYER】
場面は変わり、盛装したフェリシア。
キングスキャニオンの岩に登り、マドンナの名曲を歌って踊るという夢が叶ったのだ。

このダンスはすごい。ピンクの羽根に包まれたグラディエーターみたいな衣装も大変なことになってるけれど。
本当、NICK君のダンスは見ていて中毒性があるなぁ。
力強いけど、なまめかしくて。
この子の正体って何なの? 本当、一体!?
この世でこんなに美しいものが見られるなんて思わなかったよ。
あ。しっぽの中から顔を出しているバービー人形にもご注目を!!

しかし、こんなに素晴らしいパフォーマンスを披露したNICK君が、TONY賞にノミネートさえもされなかったなんてどうなってるの?
2011年度の助演男優のカテゴリーはどんだけ激戦区だったんだか。

【♪WE BELONG】
若いフェリシアに遅れること、やっとミッチとバーナデットが山頂に到着。
この二人も盛装をしている。
三人は長かった旅路を振り返り、絆を確認する。


映画ではみんなで協力して登ってたのに、フェリシア一人でさっさ先に行って歌って踊ってたのが笑える。

【♪FINALE】
キャスト全員によるレビュー。
オーストラリア名物が盛りだくさん。
映画で見たあの衣装もたくさん登場。

カーテンコールは、NICK君、TONY先生、最後にWILL氏の順番。
えっっ?
これってTONY SHELDON座長公演じゃなかったの!?
でもまぁ、物語を引っ張ってるのはフェリシア、まとめあげているのはバーナデット、でもコアになっているのはミッチと息子の再会だからな~。

とにかく、フェリシアは聖地でマドンナの名曲を歌って踊れたし、バーナデットは新しい恋を見つけたし、ミッチは息子と会えたしで、それぞれ夢を叶えて何よりだった。
これこそミュージカルの王道を行っている作品だよね
色々びっくりするシーンはあったけど


さて、この作品。かなりあちこちにアピール動画を配信している。
是非ご覧いただきたい。

70,80年代の名曲を軸にしている動画はコチラ。

映画のあのシーン、このシーンが見られる動画はコチラ。

これはすごい太っ腹。リハーサルでいくつかのシーンをフルで公開。
映画でおなじみ、"ミッチの口パクショー"と"トランペットのお葬式"、"PRISCILLA号の出発"と"実は妻がいる告白"の場面。

そしてそして。メガヒヨは迷うことなく出待ちをした。
2ショット写真、三人制覇したよ!やったぁ!!


舞台では有り余るほどの可愛ゆさを撒き散らしているNICK君。
素顔は観客を大切にする、爽やかな好青年。

twitterも頻度に発信しているよ。
突然「誰もが自分の人生の主人公なんだよ。」と、ガチャピンさん並みに清らかな言葉をつぶやいてたりもする。
その天使のような心根に触れ、メガヒヨは自分の身を振り返ってしまったり

あ、NICK君の青い目だけど、中にはキラキラとひまわりの花が咲いている。
OFFICIAL SITEの写真集はファン垂涎!!
FACEBOOKでは、女子だけではなくお兄さん方からも黄色い悲鳴が飛び交ってる(笑)


あまりに男前すぎるWILL SWENSON氏。
以前モルモン教徒だった時には、エクアドルでミッション活動を行っていたとのこと。
日本担当じゃなくて良かったよ。こんな素敵なエルダーに訪問されたら、即改宗してしまいそうだ(笑)

メガヒヨはこの方のtwitterもフォローしているけれど、簡潔なれど重みがかった言葉がなかなかのもの。
「ウ○コに化粧のラメが混じってた」って!!
こんなに美しい顔なのに、さらりと自虐的下ネタをかましてくる。こういう人、大好きだなぁ!!


素顔もエレガントでジェントルなTONY SHELDON先生。
立ち居振る舞いも美しく、オーストラリアの坂東玉三郎といったところ。
本当、舞台では女性にしか見えないよ。
あの格好をしていたら、仮に街中ですれ違っても上品なマダムとしか思わないだろな。

サインをいっぱい書いてもらったプログラムを手にし、うきうきとホテルまで戻る途中、メガヒヨに見せつけるようにイケメン同士がキスなどしおりおった。
一昔前だったら動揺しちゃってたけど、もうそんなもん見慣れた。
現在、このNEW YORKではどんなカップルでも結婚できるからね~。
でもこういうマイノリティの方々って、今までの歴史の中は大層大変だったんだろうな。
そんな訳で、世の中大変だけど着実にひとつひとつ夢を叶えて行くのが大事と、この作品を観て思った。
それにメガヒヨはとっても元気をもらえたし。

今回一番気に入った作品はこれだった。
本当、今すぐB'wayに戻って何度でも観たいと思う。 


メガヒヨ in NY 2011秋その6《ANYTHING GOES編》

2011年12月12日 | NEWYORK

3日目にして最終日の日曜日。
マチネの観劇は『ANYTHING GOES』。
2011年度のトニー賞リバイバル作品賞、主演女優賞を獲った作品である。
同じ作品をご覧になったうつぼさんの感想はコチラ


街のサインも「SUTTON FOSTER主演」ということをイチオシ!


上演はソンドハイム。
最近リノベーションされて名前も変わった新しい劇場。
ウインドウでもサットンをプッシュ!!

メガヒヨもサットンのファン。
『THOUGHLY MODERN MILLIE』、『YOUNG WOMEN』、『YOUNG FRANKENSTEIN』も観ている。
トニー賞でのパフォーマンスも最高だったので期待が高まる。

ちなみに席はココ。
通路から役者さんが舞台に上がるハシゴのすぐ横だった。
すごい臨場感!!

 

席は良けれど、気になるのがキャスト。
入場したときにもらったプレイビルには代役の紙も入っていない。
やったと思いつつも、何か違和感。
よく見て見れば、主要キャストにはサットンの名前も写真も無かった。

実はサットンはテレビの撮影のためにこの時期のみ降板していたのだ。
代わりに主役リノを演じたのは、『PIRATE QUEEN』主演のこの方、STEPHANIE J BLOCK。


すごい!! 代役にこんな主役クラスの方を持ってくるなんて豪華!!
もともと姉御属性が強い女優さんなので、リノ役にはぴったり。
文句なく歌って踊れるしね。

Anything Goes: The New Broadway Cast Recording (1987 Broadway Revival)
 
RCA Victor Broadway

メガヒヨは87年のPATTI LU PONE盤を持っているのだけど、サットンよりステファニーの方がイメージが近いかも。 

ところで物語なんだけど、メガヒヨはよく分からなかった(笑)
単純な話と決めつけて、ちゃんとあらすじを調べていかなかったんだよね。

まぁアメリカからイギリスに向かう豪華客船でのドタバタ劇といったらそれまでなんだけど。
二幕半ばに集中力が途切れ、【♪Goodbye, Little Dream, Goodbye】でホープ嬢の優しい歌声を聴いているうちに睡魔に襲われちゃったり
そうそう。ホープ・ハーコートを演じていたのはERIN MACKEY。

昨年の『SONDHEIM on SONDHEIM』で注目していた彼女。
鈴をころがしたような歌声にぴったりの役どころだった。

後はアメリカの人間国宝、JOEL GREYを拝めたのが良かった。
御歳79歳でいらっしゃるのに、こうしてロングランに出て歌って踊ってるのは素晴らしいなぁ。

しかしプリンシパルに『WICKED』関係者の多いこと。
あ、ビリー役の人もフィエロ出身だ(笑)

後は、イブリン卿を演じたADAM GODLEYもキャラが立ってて面白かった。
枯れたおっさんみたいに見えていたのが、【♪THE GYPSY IN ME】のナンバーでは豹変!!
リノのガウンの帯をつかみ、「あ~れ~」方式で脱がす振付があったりして。
あれって日本独自の技だと思っていたけど。
それともKATHLEEN MARSHALLが時代劇を見て参考にしたのかな(笑)
劇場のお客さん達は明治座かと思うほどの年齢層の高さだったんだけど、
すごく受けていたよ。
メガヒヨもこのシーンでは、目を覚まして大いに楽しんだ次第。 

少々の中だるみはあれど、ステージ狭しと繰り広げられた古き良きソングアンドダンスを堪能して劇場を後にしたのであった。
(でもやっぱりサットンが観たかったな)

おまけ: ソンドハイム劇場の横にある小道。
常に拍手の音が聞こえる。
シューバート小道に対抗する新しい名所なのかな?
ちなみに劇場に入場するときにはここに並ぶことになってるよ。
 


メガヒヨ in NY 2011秋その5 《War Horse編》

2011年12月11日 | NEWYORK

NY二日目の夜は、トニー賞中継で注目した『WAR HORSE』。
馬のパペットがあまりにも見事だったのでチケットを取った。


リンカーンセンター。


メトロポリタン・オペラの向かって右側に、半円形劇場のビビアン・ビューモントセンターはある。


ホールに飾られている、馬のジョーイのパペットの設計図。


今回の座席はコチラ。舞台に近くて、まるでその場に居合わせたような感じになれた。

初めてストレートプレイというわけで、事前に内容をつかんでおこうと思ったメガヒヨ。
原作本があると聞いたので、さっそくアマゾンさんから取り寄せて見た。

War Horse
クリエーター情報なし
Egmont Books Ltd

パラパラと読んでみた結果、玉砕。
児童文学の割には知らない単語がいっぱい…。

てな訳で「WAR HORSE あらすじ」で、ぐぐってみた。
そうしたら親切な方々が、しっかりしたあらすじをネタバレ線まで張って公開して下さっていた。
ありがたや…。
おかげ様で内容にもついていくことが出来た。

もちろん細かいセリフなどは分からないんだけど、物語が伝えようとする核心には触れられた。
馬のパペットが息遣いなど細かい動作まで表現していて、嬉しいこと、悲しいこと、達成感などが伝わってくる。

もちろん人間の演技も素晴らしかった。
ジョーイの飼い主であるアルバート少年を演じたのはSETH NUMRICH。
馬と人とを超える絆、純真さを表現し、観客の心を惹きつけていた。
とにかくアルバートに感情移入してしまい、別れと再会のシーンでは涙が止まらなくて困った。

百聞は一目にしかずという訳で、舞台の一部分を是非観ていただきたい。


ブロードウェイ版のハイライト。せつないアルバートとジョーイの別れ。

コチラはロンドン版の1シーン。緊張感伝わる戦場の場面。

このクリスマスシーズンに、スピルバーグ監督の映画版がアメリカで公開されているとのこと。
そちらのトレーラーも見てみたら、なかなか期待できそう。
舞台版が素晴らしかったので、映画版にも頑張っていただきたい。


メガヒヨ in NY 2011秋その4 《SISTER ACT編》

2011年12月10日 | NEWYORK

映画『ドリームガールズ』で、主役の一人エフィー役のオーディションでファイナリスト3人のうちの一人である、PATINA MILLER。
その評判がすごいので、チケットを取った。
原作になった映画も有名だしね。
この作品がお気に入りのうつぼさんの感想はコチラ


取れた席は左サイド、通路側6列目。
メガヒヨはこれ位の席が好き。
購入したのは、観劇日のちょうど一週間前。
これくらいのタイミングだと、良い席が放出されている可能性が高いのである。

【あらすじ】
クラブ歌手デロリスは、マフィアのボスである愛人が自分の運転手を射殺するところを目撃してしまったため、追われる身となった。
駆けこんだ警察では、裁判まで姿を隠して過ごすよう勧められる。
高校の同級生のエディ刑事に案内された場所は、なんと修道院。
厳格な修道院長マザー・スーペリアはしぶしぶデロリスを受け入れる。
シスターの集団に突然放り込まれた彼女は次々と騒ぎを起こしてしまう。
ところがひょんな事で聖歌隊の指導をしたところ、めきめきとそのレベルは上がり、マスコミに注目される迄になった。
なんとローマ法王までその歌を聴きに来るという。
喜ぶシスター達、革新的なスタイルに眉をひそめる修道院長、テレビでデロリスの居場所をつかんだマフィア達、
果たしてどうなるのか?

話の大まかな流れは、あの有名な映画版とほぼ一緒。

天使にラブ・ソングを… [DVD]
クリエーター情報なし
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

デロリス役者の年齢は違えど、下町の気のいいお姉ちゃんぶりは健在。
ずば抜けた歌唱力も伴い、余すところなくカリスマを発揮していた。

それにしても脇を固める役者さん達が豪華だった。
オハラ神父役にはFRED APPLEGATE、マフィアの手下にJOHN TREACY EGAN。
二人とも『THE PRODUCERS』でマックス役を務めた俳優さん。
同作品の"HOLD ME TOUCH ME"のオリジナルであるMADELEINE DOHERTYも歳年長修道女の役で出ていた。
JOHN TREACY EGANがただの手下役なんて勿体ないと思ったけど、ちゃんと見せ場はあった。
「ちょっとだけよ~ん」的なソング&ダンスを披露するのだけど、観客を大いに盛り上げていた。

しかしCAROLEE CARMELLOが院長役というのは意外だった。
映画のMAGGIE SMITHのイメージが強くて、ちょっと若すぎるんじゃない?とか思ったので。
でも威厳たっぷりで、まじめ一筋のシスターぶりははまっていた。
昨年の『ADDAMS FAMILY』よりずっといいと思う。

歌は映画とは違ってオリジナル曲目になっているのだけど、ノリのいい曲が多く、一緒に口ずさみたくなる感じ。
この【♪RAISE YOUR VOICE】のシーンは良かった。
舞台ではシスターがどんどん歌がうまくなる様子が、時系列で分かりやすく表現されていたよ。

この作品はかなり日本人好みかもね。
すぐどこかで上演権取って、翻訳公演されそう。
メガヒヨも一般受けするならコレだなぁと思うなぁ。
会社の人にお薦めを聞かれたら、まずこの『SISTERS ACT』を推しちゃうかも。
チケットも入手しやすいしね!


メガヒヨ in NY 2011秋その3 《NYでのいつも編》

2011年12月06日 | NEWYORK

『The Book of Mormon』の興奮が醒めなかったメガヒヨ。
その夜はなかなか眠りにつくことが出来なかった。
これじゃまずいという訳でドリエルを服用。
そしたら起きたのは翌朝10時すぎだった。
14:00からマチネがあるというのに、危ない、危ない(笑)

地下鉄に乗ってSarabeth Kichenのウエストアッパー店へ。
イーストサイド、セントラルパークサウスにもお店はあるけれど、いつも行くのはココ。

土曜日の昼近くにのこのこ行ったものだから、もちろん席待ち。
指定されたのは30分後。なので周りを散歩することに。


自然史博物館近辺。
秋の光景に間に合った感じ。


約束の時間にお店にもどり、もうちょい待ってから席につけた。
注文はいつものバターミルクパンケーキ♪


次の日、日曜日の朝食もサラベスにて。
待つのはイヤなので8:00の開店と同時に入った。
観察してみると、8:30までに入店すれば待たないで座れる感じ。


日曜日は、朝ごはんを食べ終わったのが9:00くらい。
そのままジャック・トレス・チョコレートのアッパーウエスト店に行こうとおもったのだけど、営業は10:00からとのこと。
そんな訳で周囲をまたもやお散歩。
ここ周辺にはSATCのキャリーの家みたいなアパートメントがいっぱい建っている。


セントラル・パークに行ってみたら、「走れ走れ大会」をやっていた。


もうすぐ冬がやってくるパークを散策。


THE LAKEにて。


THE RAMBLE(かなり山道)に突入。


落ち葉がいっぱい。人目がなければダイブしたい位。
ここの葉っぱは日本と違って安全なのだろうし(涙)


舗装されている所に戻ったら、まだ「走れ走れ大会」開催中。


散策中見つけた可愛い子。
マンハッタンは都会だけど、小鳥が住む環境も整っているね。


場所は変わり、34丁目界隈。
Macy'sを覗いては見たけれど、特に欲しいものも無かったな。
日本と売っているものも値段もそう変わらないし。

ここら辺に来たらたいていは32丁目の韓国街に行ったりするかな。
体が温まるし、栄養バランス取れるしね。
今回はソウルガーデンでチゲ、ガムミーオックでテールスープ付ビビンパをいただいたよ。
たまには何か新しい味を…と思いつつ、いつも同じものばかり注文してしまう


時間は変わり、夜の光景。
クリスマス市をやっていた。
今年のトレンドは動物耳付きの帽子みたい。
でもあちこちで売ってはいたけれど、かぶっている人は子供も含めいなかった(笑)
ホリデイのイベント用なんだろうね。


これは怖いっっ!!
サンクスギビングに向けてのかぼちゃ。
これって受け狙いなのか、マジで芸術作品なのか…謎。


メガヒヨは観なかったけれど、"ハリポタ"ダニエル・ラドクリフくんの『H2$』。
45丁目のTHE AL HIRSCHFELD劇場にて上演中。


なんと8番街を挟んで同じ45丁目のJOHN GOLDEN劇場にて、
"スネイプ先生"アラン・リックマンもストレートプレイのSEMINARを上演中。
どちらも時間枠に余裕があったら観て見たかったな。  


メガヒヨ in NY 2011秋その2-4 《THE BOOK OF MORMON感想編》

2011年12月03日 | NEWYORK

いや~。面白かった!!「THE BOOK OF MORMON」。
トニー賞で観たANDREW RANNELSのパフォーマンスに衝撃を受けたのが6月。
でも今年はスペインに行っちゃったので、旅行資金は底尽き状態。
せめて脚本とCDで我慢するかとアマゾンで取り寄せたのだけど、作品に触れたらさらにはまっちゃって。

「これはオリジナルのキャストが残っているうちに行くしかない!お金は働いてればまた貯められるし。」
ってなわけでチケットを手配しようとしたのが8月始めだったっけな。
本当なら10月にも行きたかったのだけど、その時点で取れる日が11月中旬以降しか無くて。
そんな訳でこの旅行の日程も決まったという次第。

ちなみに取れた席はココ!

レギュラープライス155ドルの中でも一番後ろ、一番端っこの席の模様。
でも劇場が狭いおかげか、それなりによく見えた。
まぁしいて言えば、前に座った客のマナーが悪く、落着きなく動いていたのが難だった。
でも芝居の面白さでそんなの気にならなくなったけどね!
ところでこのH列。来年4月からは69ドルに値下げするとのこと。


さて。あらすじだけど、頑張って要約するつもりが長々となっちゃった。
意訳になったところもあったりして。
よく出てくるフレーズ、「SOMETHING INCREDIBLE」は偉業と訳しちゃいました。
ちょっと宗教っぽくしてみたかったので。

あとどう訳していいのか分からなかったのが「LATTERDAY SAINTS」。
直訳すれば現代の聖人って意味なんだろうけれど、モルモン教徒が自称として使っている宗教用語みたい。
LATTERDAYは現世の次の世界、神様が治める世界とプライスも作品中で語っているしね。
キリスト教分派ということになっているモルモン教は、その死後の世界を重視している模様。
ところがカニングハムは、LATTERをそのままLATE+ERとし「明日」の意味で使ってて、プライスに注意されるんだけどね。
でもフィナーレではみんなで楽しく「TOMORROW IS A LATTER DAY」と歌っていたり(笑)

それからSTUCKって言葉もしばしば出てきたな。
STICKの過去・過去分詞形だけど、支えるとかお荷物とか、くっつけるとか色々意味があるよ。
印象的なのが、カニングハムは親にSTUCK(お荷物)扱いと思われているんじゃないかと気にしていて、ケンカする前のプライスがそんなことないよとフォローする場面。
それを伏線とし、一幕終わりにプライスが「研修センターでSTUCKされただけだよ。」と言い放って、あわてて「今のはお荷物って意味じゃないから」と取りなす所に展開していくんだけどね。
うっとおしいカニングハムに少々キレても、本当に傷つけちゃいけないって思うプライスの人の良さが出ていたなぁ。

そんなエルダー・ケビン・プライスを綿密な役作りで演じたのは、ANDREW RANNELLS。
ミュージカル俳優としてでなく、声優としても活躍されている方。
日本のアニメもよく吹き替えているよ。
ミュージカル俳優としてのキャリアは2006年に「Hairspray」のLINK役からとWIKIではあるけれどそうではないみたい。
2000年初演のファミリーミュージカル、ポケモン・ライブにコジロー(James)役で出演している。
これメガヒヨがNYに行き始めた頃にオーディションが告知されたから、よく覚えているんだよね(笑)
その後にLINK、「Jersey Boys」のBob Gaudioとキャリアを重ねていくんだけど、何年も頑張った人が成果を出しているのを見るのはいいものだね。

Pokemon Live- Double Trouble/Double Trouble Reprise/Best at Being the Worst

もう一人の主役、エルダー・アーノルド・カニングハムを演じるのはJOSH GAD。
テレビ、映画でも活躍する俳優さん。
この方はとにかく芸達者!!
歌も色んなスタイルをこなすし、あの体型なのに身のこなしが素早い。
【♪MAN UP】では観客に動体視力を要求してくるので、ご覚悟のほどを。
ブロードウェイのキャリアを調べて見ると、やっぱり演じていた。「SPELLING BEE」のBarfeé役(笑)
そうそう。今日本公開中のアン・ハサウェイ主演の「ラブ&ドラッグ」にも出演しているね。
バイアグラのセールスマンの映画だって。面白そうだから観にいこうかな。

このミュージカルではナバルンギ役のNIKKI M.JAMESがトニー助演女優賞を勝ち取っているけれど、メガヒヨが観た日は残念ながらお休みだった。
でも代役のMELANIE BREZILLも良かったよ。
純真な女の子って感じで。

他のキャストでは、ジョセフ・スミス、プライスのパパ、モルモン教幹部を演じたLEWIS CLEALEが良かったな。
金属的な硬さを感じる声質がメガヒヨ好みだったので。
この方、昨年の「SONDHEIM on SONDHEIM」にもご出演されていたとのこと。
B'wayの中でもさらに歌唱力を問われるショーだから、かなりの実力派なんだろうな。


カニングハムがでっち上げをしているとき、背後で全否定しているのが面白かった(笑)

そうそうこのLEWISさんは、カーテンコールにジョセフ・スミスの格好で登場してらした。
作者の人たちもトニー賞受賞のときに、天国のジョセフにキミが獲った賞だよと呼びかけていたっけ。
これも一つの制作者によるオマージュなのかも(笑)
作中、「VERY ACTIVE IMAGINATION」という言葉が出てくるけれど、これってきっとジョセフ・スミスのことを指しているよね。
19世紀において、古代アメリカにユダヤ人が渡って来ただの、エデンの園はミズーリ州ジャクソン群にあっただの、信徒のみなさんには惑星をプレゼントなんて発想、凡人には絶対浮かばないもの。
まぁそんなことを言ったら、2000年前に水をワインに変えたとか、3000年前に海が二つに割れたなんてのも、「VERY ACTIVE IMAGINATION」の産物だなんて思ってしまう訳なんだけど!

てなわけで作品を思う存分楽しんだメガヒヨ。
もちろん出待ちをしたよ!
ミッショナリーやウガンダの皆さんはにこやかにサインをしてくれた。

ANDREWに写真をおねだりしたら、「もちろん♪」って気さくに応じてくれた。
JOSHにもお願いしたかったのだけどタイミングを逃しちゃったので、これはまたの機会のお楽しみに。

それにしてもANDREWは背が高いなぁ。
でもってすごくキャラクターが可愛らしいので、母性本能がくすぐられるんだよね。
今後仕事が殺到しそうだけど、いいものを選んで是非次の活躍につなげてほしいと心から思った。
もちろんプライス役もまだまだ続けてほしいけどね♪


メガヒヨ in NY 2011秋その2-3 《THE BOOK OF MORMONあらすじ第二幕編》

2011年12月03日 | NEWYORK

ほんっとにこれはネタバレ満載。
警告しとくね。
これから観る方は十分ご注意を

第二幕

幕が上がると、またもやモルモン教に関する解説が始まる。

古代アメリカにおいて、ユダヤ人の中でも善良なニーファイ族と邪悪なレーマン族との間に戦争があった。
その壮絶な戦いの最中、ゴルゴダでの磔刑後に復活したイエス・キリストがニーファイ族のモルモンの元に現れる。
その時のイエス・キリストによる数々の教えを、モルモンは「GOLDEN PLATE」に書き留めた。
その内容が今日のモルモン書となり、世界中で読まれているという次第なのである…。

ウガンダの人々の前で、モルモン書のその様な内容を語るカニングハム。
みんな退屈そうにし、居眠りをしている人までいる。
「で、それってどんな意味があんの?」

カニングハムは、邪悪なレーマン人が神の天罰を受け肌を黒くされた部分をうっかり読んでしまう。
ぴくっと反応する黒人の面々。モルモン書はこのグローバル時代において数々の地雷を秘めている(笑)
彼はあわててそこを飛ばして取りつくろうとするが、問題はそこではなかった。
「こんな3時間も、地球の裏側に起きた何千年前のことについて聞いてどんな意味があるというんだ?」
「そうよ。ニーファイ族なんてエイズにはちっとも関係無さそうだし。」
退屈さに耐えかね、みんなの不満は爆発寸前。

カニングハムはつい、モルモン書にはエイズについて書かれていると出まかせを言ってしまう。
そしたら空気が一変!
打って変わって興味をあらわしたウガンダの人々。
「どう? やっぱりこの本は私達を助けてくれるのよ!」
得意気なナバルンギを囲み、住民たちは盛り上がっている。

彼らを背に、カニングハムは良心の呵責に苦しんでいた。【♪MAKING THING UP AGAIN】
「つい、嘘をついちゃった。待てよ。これは嘘じゃない…。
ただ想像力が働いちゃっただけなんだ!」

カニングハムの心中イメージには、彼の父、モルモン、モロナイ、ジョセフ・スミスが現れ、嘘をついたことを叱責する。
「聖なる言葉に勝手に付けたしをするな。嘘は嘘。
いつかは代償を払うことになるぞ。」

そんな葛藤が繰り広げられている最中、彼の前にハードルが立ちふさがる。
村のろくでなしマツンボがエイズを治す迷信のために、赤ん坊を襲いに行こうとしているのだ。
「神様の教えに背く」と必死に止めるカニングハムだが、「そんなのどこに書いてある?」とマツンボは開き直る。
どうしようもない状況に、とっさにまた嘘をついてしまった。

こうなると止まらない。
お次は医者のゴツワナによる娘への割礼を阻止しようとして、再び嘘を重ねてしまう。
モルモンの教祖どころか、ホビット、スターウォーズやスタートレックの登場人物まで動員しての良心の呵責むなしく、でっち上げは止まらず。

一方、カニングハムのフィクションはウガンダの人々のニーズに合った模様。
「聖なる預言者」「救世主」として崇め奉られる。
その様に当の本人もまんざらでもない様子だ。

 

場面は変わってエルダー・プライス。
彼の目の前にはオーランドの光景が広がる。憧れの場所に来られて大はしゃぎ!
しかしなんか様子が変。雰囲気が暗くなり、おどろおどろしい音楽が流れる。
「お前は規則を破った。エルダー。
お前の魂は今となってはわしのものだ!」
「…ミッキー?」

もちろんミッキーなんかではなく、その正体はサタン。
オーランドが一変して地獄と化し、雷鳴が轟く。【♪SPOOKY MORMON HELL DREAM】

プライスは子供の頃の罪の記憶を蘇らせていた。
夜、台所でドーナツを盗み食いし、弟に罪を着せたこと。

その罪の意識とともに5歳から19歳の現在まで生きてきた彼。
更に今回は規則第72条に違反し、宣教師の相方をおいてけぼりにしてしまった。
その罪悪感は図り知れず、地獄の悪夢の中で恐れおののく。
そこにはイエス・キリストまで現れて、彼を叱責する。
(ここは場内大爆笑。キリストがまず使わないような言葉が出てくるからと思われる。)

キリストが愛想をつかして去った後、プライスはサタンに許しを乞うがスルーされ、舞台には地獄の住民達が登場。
第二次世界大戦を起こしたヒットラー。
中国人を大虐殺したチンギス・ハーン。
男性を刺殺してその遺体を蹂躙したジェフリー・ダーマン。
OJシンプソンを無罪に仕立て上げた弁護士、ジョニー・コックラン。

プライスは天に向かい、神に「もう規則を破りません。」とひたすら懇願するも叶わず。
悪魔たちに、モルモン教で禁止されているコーヒーを飲むよう強要される始末。
恐ろしい地獄の夢は最高潮に達するのだった。……


心配する先輩ミッショナリーに囲まれ、やっと目を覚ましたのはバス停。
彼はオーランドどころか、村から出てさえもなかったのだ。
そこにやってきたカニングハム。やたらご機嫌。
モルモン教に興味を持つ住民を大勢勧誘できたというのだ。
プライスはそのことを聞いてほめるが、カニングハムの態度はそっけない。

プライスがつまはじきになっている一方、先輩ミッショナリーはカニングハムを囲んで盛り上がっている。
わいわいと洗礼へのプランを立てつつも、住民を恐怖支配している「将軍」への不安もちらつく。
「人々を自由にしてあげられるように、誰かが将軍のところへ説得に行く必要があるな。」
「あんな狂った軍人の考えなんて変えられないよ。それこそ偉業だ。」

「偉業…偉業…」
プライスは突如何かに目覚め、一人決心していた。

【♪I BELIEVE】

彼は一瞬でも迷いが生じたことを後悔し、信仰への思いを一層熱くしていた。
そしてモルモンの教義を噛みしめる。

「神がこの世界を創造した。」
「古代のユダヤ人は船でアメリカ大陸まで渡った。」
「神の計画によれば、ボクは自身の惑星を持つことが出来る。」
「今の大管長トーマス・モンソンは直接神と対話している。」

決意をさらに固めたプライスは、将軍のアジトに突入する。
銃を突きつける軍人たち。それでも彼はひるまずラスボスにさしで向かい合う。

「ボクは信じるぞ!」
「悪魔があなたに取りついている!」 (コーラス) サタン ハズァ ホールド~♪
「神がボクをここに遣わした!」 ゴッド ハズ センミー ヒヤ~♪
「1978年より神は黒人も認めて下さっている!」 ブラック ピーポ~♪

「あなたもモルモン教徒になれる。さぁ一緒に魂を成長させよう!!」

…ここまでやらかして無事では済まない。
軍人たちに取り押さえられたプライスは、シバかれることに。
悲鳴とともに場面転換。

村ではカニングハムが、相変わらずいい加減な解釈でモルモン書を読んでいた。
しかし、スターウォーズとごった混ぜになったそれは住民の受けがいいようだ。
神によるラーマン人への肌の色を変える罰も、本日は黄色ということで大好評。
「それって中国人みたいな感じ? やっぱりモルモン書は正しいね。彼らって厄介者だもの。」

本日の説法が終わり、楽しそうに帰っていくウガンダの人々。
一人そこに残ったナバルンギは、カニングハムに礼をいう。
「みんながあんなに幸せそうなのってみたことないわ。パパでさえ…。アナタってすごい。」

彼女はカニングハムに正式なモルモン教徒になりたいことを告げる。
そして今すぐ洗礼してほしいと。
今までに経験が無いと戸惑うカニングハムだが、彼女の熱心さに押されてこの場で行うことにする。
【♪BAPTIZE ME】

ザブン、ザバーンと騒がしい洗礼だったが、とりあえず完了。
水から上がった彼らは、80年代のラブコメのような雰囲気で盛り上がっている。

いよいよ村の人々の洗礼の日がやってきた。
川のほとりでミッショナリーたちは白い正装に着替えて、村の住民を迎えている。
まずマファラがマッキンリーによって洗礼され、その後ぞくぞくと新しい信者が誕生してゆく。
マッキンリーは幹部に20人もの信者獲得に成功したことを報告し、お誉めの言葉をいただく。

ミッショナリーたちは喜びの頂点へ。アフリカへの愛着も湧いている。【♪I AM AFRICA】
ナバルンギと一緒にいるカニングハムも誇らしげだ。
「もうボクはわき役なんかじゃない。」

幸せそうな他のミッショナリーと対照的なのがプライス。
将軍のアジトでエラい目に遭い、病院に運ばれている。
そのダメージは大きく、レントゲン映像が大きく映し出される。
「とてつもないことをやらかしたな。こんな患者見たことがない。こりゃ偉業だ。」
医者のゴツワナにも驚かれる。

メダルがもらえると喜んでいるカニングハム、偉業ねと祝福するナバルンギ、
アフリカへの思い入れを歌う先輩ミッショナリー。
その脇を、ビニール袋に入れたモルモン書を下げてカクカクと歩いて行くプライス。

モルモン教への大規模入信に湧きかえる村だが、将軍がそれを見逃すわけは無かった。
カルト宗教に入り、自分への反旗を翻す住民など皆殺しだ!と憤っている。

場面は展開し、場末のカフェ。
そこでプライスは酔っ払いのごとく、コーヒーを大量飲みしている。
心配して声を掛けたカニングハムに対し、
「これはこれはスーパーモルモン教徒様ではないですか。宣教して洗脳ゾンビを作り続けているってか。」
と返す。完全にやさぐれている。

続けてプライスは、何故カニングハムばかり願いが全て叶い、自分はそうでないのかと憤りの言葉をこぼす。
そして、子供の頃に行ったオーランドが素晴らしかったこと、ここでずっと暮らしたいと思ったこと、
両親から神様に尽くせば願いが叶うと言われて、オーランド星を手に入れるために必死に頑張ったことを独白する。
それに付け加えこうつぶやく。
「だからって今何を手に出来ているんだ? 家に戻る航空券さえ持ってないのに…。」

カニングハムは、メダル授与式に相方がいないと困ることを告げる。
そして帰国の航空券を手に入れられることを条件に、同席してもらうことをプライスへ持ちかける。
このやり取りは成立した。険悪な雰囲気の中で。
その後、一人カフェに残ったプライスは、オーランドへもう訪れることさえ出来ないと根から悲観的になっていた。【♪ORLAND】

メダル授与式の日。
幹部とその部下達がウガンダを訪れていた。
カニングハムとプライスのペアが称賛を受けているさなか、ナバルンギが村人を率いて式に割り込んできた。
数々の学んだことを劇にしたので、"モルモン幹部先生"の歓迎として披露したいという。
カニングハムはひとり大慌て。
必死に阻止しようとするけれど、何も知らないマッキンリーや幹部は「ぜひ見てみたい。」と乗り気の様子。

さて。ここからすんごく面白くなるので、ネタバレ警報を発するね。
結末を知りたくなかったらこの下は見ない方がいいと思う。
それでも読みたい方はドラッグしてね!

【♪JOSEPH SMITH AMEICAN MOSES】

アナログな舞台の上でアフリカンリズムに乗り、ジョセフ・スミット~アメリカのモーゼ~が語られる。
ナレーターはナバルンギ。
(おそらく「王様と私」のアンクル・トムの場面のパロディ)

この劇の主役、ジョセフ・スミットを演じるのはマツンボ。顔を白く塗って白人を意識している。
「オッス。オイラはジョセフ・スミット!
これからこの赤ん坊を犯ス!」
「何だって?」
しょっぱなから幹部は凍りつく。

突如雲が割れ、現れたのはマファラ演じる神様。
「ジョセフ・スミット。赤ん坊を犯すべからず。
このカエルをファックしたらエイズを治してやろう。」

その通りにしたらたちまちエイズが治ったジョセフ・スミット。
今度は宇宙船エンタープライズ号に乗った大魔法使いモロナイが現れた。
汚い言葉と金色の皿「GOLDENPLATE」を残して去っていく。

金色の皿には地図が書いてあったので、ジョセフ・スミットは村人を率いて新天地ソル・トレイ・カ・シティに向かう。
山あり川ありの道のりを「助け合おう♪」「支えあおう♪」とリズミカルに乗り越えて、一行は西に進んでいく。

ところが突然行く手を阻んだのは、医者のゴツワナ演じるアメリカの軍人ブリカム・ヤング!
「オレは娘のク××××を切り取った! それが神を怒らせ、罰として鼻をク××××に変えられてしまった!」
♪どうするの? ジョセフ・スミット。このク××××男と戦うの?
盛り上がるコーラス。

「戦うのではない。彼を助けよ。」
ジョセフ・スミットは股につけたままだった魔法のカエルを取り外し、それでブリカム・ヤングの顔をこすった。
するとあら不思議。彼は元どおりに治っていた。
喜んですぐさま旅の仲間に加わる。

それから長い旅の中、やっと水をみつけて喜び駈け寄る旅の一行。
しかし上水と下水をごっちゃにしてしまったおかげで、ジョセフ・スミットは赤痢にかかってしまう。
道半ばにしてあの世に旅立った彼。
後をブリカム・ヤングに託して。

悲嘆にくれたのもつかの間。ブリカム・ヤングとその一行は金の皿を携え西に進み続けていく。相変わらずリズミカルに。

とうとうソル・トレイ・カ・シティにたどり着き、そこで待ち構えていたイエス・キリストの歓迎を受ける。
「ようこそ、モルモン教徒たち! これから出来るだけ多くの子供を作り、大家族を作り上げよう!」

舞台ではにぎやかな家族計画が繰り広げられ、ドン引きしている幹部をよそに「神様ありがとう!」と締めくくられる。
以上、カニングハムのでっち上げ布教の集大成だ。
衝撃を受けたままの幹部と、唖然とするミッショナリー達。プライスだけが一人大笑いしている。

ようやく立ち直った幹部はミッショナリーを別室に連れて行き、怒りをあらわにする。
弁解しようとしても取りつくしまが無い。
そこをたまたま訪れてしまったナバルンギ。
今まで教わったことが真っ赤な嘘だったこと、自分はソルトレイクシティに行けないことを悟り、愕然とする。
今更こんなことになり、責任は取ってくれるのか? 恵まれた場所からわざわざ、貧しい人々におもしろ話をするためだけに来たのか?とカニングハムに詰め寄る。
そして悲しみのままそこから飛び出していく。
それをよそに幹部は、「荷物をまとめて帰宅の用意をするように。」とミッショナリー達に告げる。

舞台にはプライスとカニングハムが二人。
泣きそうになっているカニングハムに対し、プライスは意外な反応を見せる。
「ジョセフ・スミスが赤痢で死んで、モロナイがエンタープライズ号で現れる? 今まで観たことが無い奇跡的な芝居だよ!
嘘か本当かなんてのは大した問題ではない。
ボクは全てを変えるという自信をもってこの地にやって来たが、結局自分のことしか考えていなかった。
そんな自分が信仰を離れている間に、キミは偉業をやりとげてしまった。
ボクはここの人たちを発展途上と思っていたけれど、どうだ。
今では彼らは幸せと希望に満ちて、コスチュームまで着ている。
まるでこれってオーランドみたいじゃないか。」

何を誉められたのかよく理解出来ていないカニングハム。
そんなことよりナバルンギを心配する。
絶望した彼女が、将軍の言うとおりに女性割礼してしまうのではないかと。全ては自分の過失だ。
プライスは「諦めちゃだめだ。事態を収拾しよう。」と、カニングハムを連れていく。


村では盛り上がっていた。
「幹部はどんな感想をもってくれたかな?」
「エルダー・カニングハムは気に入ってくれただろうか?」

そこに将軍がやって来た。
だけどみんな恐れる様子はない。毅然と立ち向かう。
しかしナバルンギは抵抗をやめるように言う。
「ナバルンギ、どうしたんだよ?オレらの預言者はたがいに支えあって抑圧と戦えといってたじゃないか!」
「エルダー・カニングハムのことは忘れて。彼はライオンに食べられてしまったの。」

それを聞き喜ぶ将軍。
しかし住民たちも負けてはいない。
約束の地も救いも無いと嘆いているナバルンギに、ジョセフ・スミットが亡くなったときもモルモン教徒は諦めなかったじゃないかと諭す。
それにこう付け加える。
「ソル トレイカ シティという場所は実在しないよ。あれは例え話、メタファーなんだよ。」
「預言者は常にメタファーを用いるしね。」
「マジで人間がカエルをファックしたと思ってたの? バカげているわ。」
全て作り話と納得した上で、彼らは信仰を続けていたのだ。
オーランド星を本気で欲しがっていた宣教師より、ウガンダの人々の方が数枚上の様だ。

そこにカニングハムとプライスが登場。
驚く一同。
自分達の預言者がみごと蘇ったと大喜びする。
将軍もカニングハムが死から舞い戻ったと思いこみ、腰が引けている。
プライスは恨みをつのらせ、
「アンデッドには銃など意味無いぞ。もし村から出ていなければ、デス・スターにいる天使モロナイに指令を下してクラーケンを解き放つぞ…。」
とまくしたてるが、カニングハムには及ばない。
「さもないと、ジョセフ・スミスがキリストの口から魚雷を発射させ、お前をレズビアンに変えてくれるぞ。」

将軍とその部下はカニングハムの発言におびえ、股を押さえて逃げ去っていく。
喜び盛り上がる村の住民たち。
ナバルンギとカニングハムも和解し、ハグし合う。

そこを帰国の荷物をまとめた先輩ミッショナリーたちが通りかかる。
プライスは「予定通り、2年間人々に奉仕をしよう。」と説得し、幹部のことを「ファック」と毒づく。
優等生のプライスの変貌ぶりにショックを受けている先輩に対して更に、
「ボク達は今でもモルモン教徒だよ。
多少何かを変えたり、規則を破ったり、神の存在に疑いを持ったとしても。
協力してここを楽園の星にしていこう。」

カニングハムはプライスが残ってくれることに驚く。
プライスは「どんなことでもキミのためにするよ。ボクらは親友じゃないか。」
二人は大きく抱擁し、いよいよ終盤へ。

【♪TOMORROW IA A LATTER DAY】
先輩ミッショナリーたちもウガンダに残り、布教活動をしている。
プライスは「死んだ後のことなんて関係ない。そんな先のことまで考えない。」とモルモン教徒らしからぬ発言をしている。
【♪HELLO (REPRISE)】
そこに白いシャツ、黒いネクタイを締めた、宣教師姿のウガンダの人々が登場。
赤い表紙の本を携えてエルダー、シスターと名乗り、勧誘の言葉を歌っていく。
その中にはあの将軍の姿も!
照れながらも誇らしげにカニングハムがやってくる。讃えあげる一同。

「アーノルド・カニングハムの話を聞いたことがありますか?
私達の教会は強く成長しています。
仲間に入って魂を解き放ちましょう。
あなたの人生を変えると強く保証します。
この本、BOOK OF ARNOLDによって!」

三冊目の聖書を広めるつもりが、はからずも四冊目を作ってしまった彼ら。
こうして新しい宗教がさらに一つ増えたのだった。


メガヒヨ in NY 2011秋その2-2 《THE BOOK OF MORMONあらすじ第一幕編》

2011年12月03日 | NEWYORK

さて。これからはあらすじを解説。
メガヒヨは辞書と格闘しながら脚本まで読み込んだから、この作品に関しては気合が入ってるよ!!
入りすぎちゃって、かなり語りすぎ。
これってメガヒヨみたいに現地でセリフの聞き取りが難しい人向けだな~。
もちろんネタバレもあるから気をつけてね。
(といいつつも合ってるかどうか不安。間違えていたら教えてね(笑))

The Book of Mormon: The Complete Book and Lyrics of the Broadway Musical
 
Newmarket Press

第一幕

劇場の緞帳は宇宙に広がる惑星の模様。新興宗教的な雰囲気に満たされている。

幕が上がり、プロローグではモルモン教の由来が解説される。
時は西暦326年。
「GOLDEN PLATE」に導かれるまま、アメリカ大陸のニューヨークとなる場所にたどりついたユダヤ人ニーファイ族のモルモンは、そこでイエス・キリストと出会う。
キリストからは一族の終焉が告知され、モルモンの息子モロナイは丘の上にその「GOLDEN PLATE」を埋めることとなる。
それから時は流れ19世紀。
ジョセフ・スミスによって掘り起こされたそれは、かつてないほどの急成長を遂げる宗教の誕生のきっかけとなるのであった。
全世界中に宣教師を送り出している、あの宗教に。

そして現在。
ソルトレイクシティのモルモン教研修センターでは、間もなく世界中に宣教師として2年間派遣される若者の最終訓練が取り行われていた。
布教のための訪問シミュレーションである。
みんな笑顔で礼儀正しく名を名乗り、「この本は人生を変えます。」と自信をもって歌いあげる。【♪HELLO】
特にその中でもエルダー・プライスは優等生だ。
もちろん劣等生もいる訳で、彼の名はエルダー・カニングハム。
「こんちは! 宗教変えてみませんか? ボクはジーザスが書いた無料の本を持ってます!」
…即、天の声によりダメだしが入る。

さて。エルダー達が不安に思いつつも心待ちにしている、派遣先の発表の時となった。
次々とペアの組合せ、行き先の国が告げられ、彼らは喜びと期待をこめて歌う。【♪TWO BY TWO】
中には派遣先の国に悪魔が取りついていると、勇みすぎている面々もいる。
我らがプライスはそわそわと落ち着かない。
彼はどこに行くのも神のご意思と建前しつつも、本心はアメリカ国内のオーランドに行きたがっているのだ。
しかしながら告げられた行き先はアフリカのウガンダ。しかも相方になったのはあのカニングハムだった。

出発の日、空港で彼ら二人はそれぞれの家族に見送られていた。
カニングハムの両親はかなり過保護な様子。心配そうに息子に助言する。
「プライス君は立派なモルモン教徒だから、お前はちゃんと付いて行きなさい。そして…自分のささいな問題を忘れるな。」
プライスは敏感にその「ささいな問題」の部分を聞き逃さなかった。何かと質問する。
「それは…うちのアーノルドは活発的な想像力を持っているんだ。」
「ボク、いっぱい嘘をつくってこと!!」
不安をのぞかすプライスと、「親友」が出来たと喜ぶカニングハム。
プライスの父親が雇ったライオンキング風の扮装をした役者に門出を祝われ、機上の人となった。

二人きりとなった彼ら。
「キミはスター・ウォーズ派? それともスター・トレック派?」とはしゃぐカニングハムを尻目に、プライスは新天地での使命感に燃えていた。
「世界をキミとボクで変えてみせる。偉業をなして、全人類を変えてみせる。(だけどほとんどボクが。)」
【♪YOU AND ME (BUT MOSTLY ME)】

ウガンダに到着するも、そこはライオンキングの世界とはかけ離れた貧しい街並み。
しかもいきなり怖い人たちに銃をつきつけられ、彼らは荷物を取りあげられてしまう。
そこに遅れてやって来た世話役のマファラ。
警察に行きたいと訴える二人に、車で二日かかるぞと告げ、こう語る。
「ここは北ウガンダ。どうしようもなく悪いことが起こっても、天を仰ぎこういうしかない。ハーサ ディーガ イーボワイ」
たちまち現地住民が集まり、充分な食べ物がないこと、住民の80%がエイズに罹っているなど自分たちの不幸をぶちまける大合唱となる。【♪HASA DIGA EEBOWAI】
カニングハムは調子よくその歌の輪に加わる。プライスは恐る恐るその言葉の意味をマファラに聞く。
「んっとな…EEBOWAIの意味は神様。そしてHASA DIGAはF××K YOU。」
「何だって!?」
プライスは即、カニングハムを阻止にかかる(笑)

そしてその後。二人はマファラの娘・ナバルンギに案内されて、モルモン教支部についた。
カニングハムは彼女の名前をどうしても正しく覚えられないようだ。

支部では先輩ミッショナリーが待ち構えていた。
歓迎される二人。
リーダーのマッキンリーによると、ここウガンダで3か月間布教活動をしてみたけれど、まだ一人も洗礼に至ってないとの話。
なるほど、壁にはゼロの数字が並んでいる。

ウガンダでの布教の厳しい現状と、空気を読めないカニングハムにドン引きするプライス。
「少し混乱しちゃって…」

「混乱」という言葉に反応する先輩たち。
マッキンリー達は「混乱しているのなら、電気のスイッチを押すみたいに頭の中を切り替えちゃいなよ。」とアドバイスをする。
それぞれ自分たちの抱えている問題を例に挙げて、この方法で解決出来たと自負する。
中にはモルモン教で禁止されている同性愛の傾向をもつ人物も!
【♪TURN IT OFF】

消灯時間の10時が近づいたので、二人は寝室に案内される。
マッキンリーは優等生プライスの噂を聞いていたので、ここの状況を好転させてくれると期待の言葉を掛ける。
しかし、洗礼者ゼロというショックから脱しきれないプライス。
一方、カニングハムは楽観的。
「既に大勢の洗礼者を出していたら、今更ボクとキミで結果を出しても大したことにならないじゃん。
これから大勢のアフリカ人を教会に連れてこようよ。」
【♪I AM HERE FOR YOU】

翌朝、村ではナバルンギがはしゃいでいた。
市場で古いタイプライターを見つけて、これで友達にメールが出来ると喜んでいるのだ。
父親のマファラは娘が「将軍」につかまるのを危惧し、二度と市場に行ってはいけないとたしなめる。

モルモン・ミッショナリーの二人は布教の打ち合わせ。
プライスが売り込み、カニングハムはサクラに徹するという段取りだ。

アフリカの人々は既にキリスト教の布教はされているとのこと。
だけど彼らはあんなものは全く役に立たないと訴える。
そこでプライスはキリスト教とモルモン教の違いを説明する。
「聖書には旧・新約二冊あるけれど、実は三冊目があるのを知ってますか?」。
ノリのいい音楽でモルモン教の成り立ちを歌い、通販番組のサクラのごとくカニングハムが合いの手を入れる。
バックにはイメージ映像として、19世紀の人々も登場する。」【♪ALL-AMERICAN PROPHET】
以下、歌の内容。(このシーンが第二幕での伏線となる。重要!!)

神の啓示を受けた純アメリカ産預言者ジョセフ・スミス。
示されるがままにニューヨークの丘の上を掘ると、三冊目の聖書である「GOLDEN PLATE」を発見した。
その場に現れた純アメリカ産天使・モロナイ。
彼は「頼まれてもそれを人に見せてはならない。紙に書き写したので十分だから。」と告げる。

早速、プレートの内容を紙に写したジョセフ・スミス。
三冊目の聖書として出版し、街の人々に配りまくった。
人々は、全て彼のでっち上げと決めつけ「嘘つき」とののしる。
そんな逆境でもジョセフは至って強気。
「私はいつでも神と対話出来る。西にある"約束された土地"に行けとお告げがあった。付いてくるのは自由だぞ。」
「約束された土地!?」
「楽園だ! 果実と平原が果てしなく広がる未開の地!」
人々は彼についていくことに決めた。

約束された土地に向かう一行。
道中人々は「GOLDEN PLATE」を見たがったが、ジョセフは決して見せなかった。
そんな内に怒りの群衆に彼は射撃されてしまう。
心半ばながら、友人ブリカム・ヤングに後を託して息を引き取る。

ジョセフ亡き後も一行は西へと進み、ついにユタ州のソルトレイク・シティにたどり着いた。
そこにモルモン教の一団は定住し、世代を重ね巨大集団として成立する。
その末にエルダー・プライスは誕生。
かつての開拓者たちのことを語るのがボクの仕事と締めくくる。

歌の終わりにはイメージ映像の19世紀の人々が飛び出し、プライスを讃えあげる。
「純アメリカ産預言者って聞いたことある?」
「ケビン・プライス!」
「次に神の声を伝えるのは?」
「ボクの親友!」
「彼は偉業をなす、ジョセフ・スミスの再来! 彼こそ純アメリカ産預言者!」
「今入信するとステーキナイフセットを差し上げます!!」

盛り上がるモルモン・ミッショナリーの二人とイメージ映像の人々。
しかしアフリカの人々はしらけ気味。
プライスは悪ノリしすぎたカニングハムを責める。
カニングハムは「つまらなかったから」と、実はモルモン書を読んでいないことを白状する。
呆気にとられるプライス。

そこに「将軍」の一団が闖入する。
悲鳴をあげるウガンダの人々。
「将軍」は女性割礼(ク××××を切り落とすこと)推進者で、人々から大変恐れられている。
ちなみに彼の名は「GENERAL BUTT FU×KING NAKED」という。とてもじゃないけど和訳できない

騒ぎの中、「将軍」は歯向かったアフリカ男性をいともたやすく銃殺する。
銃弾は顔を直撃し、被害者の血液・脳の破片がプライスに降りかかってしまう。
蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う人々。

自宅に逃げ戻ったマファラ・ナバルンギ父娘。
自分の住む世界を悲観するナバルンギに対して、マファラはここで生きていくしか道はないと諭す。
彼女はこの悲惨さに対して、モルモン・ミッショナリーの二人が救いの答えをくれるのではないかと考えるようになる。
かつて母親がおとぎ話として語っていた楽園の正体が、実はソルトレイク・シティなのではないかと。
そこは滝が流れ落ち、ユニコーンが飛び、街中に赤十字が建ち並び食料配給してくれる場所…。【♪SAL TLAY KA SITI】

一方、モルモン教支部では先輩ミッショナリーが慌てふためいていた。
幹部から進捗状況のレポートを提出を迫られていたのだ。
とはいえいまだに洗礼件数はゼロ。
ごまかしの数字を出しちゃえば?という意見も出たが、全員が大反対。
モルモン教徒は一切嘘をつけない。
一人のミッショナリーは「子供の頃に嘘をついたら地獄行きの夢をみた。」と訴える。
別の一人も「ちょっとした事故でプレイボーイ誌を読んでしまったら、自分も同じく地獄行きの夢をみた。」と同意する。
彼らは罪の意識というものが極端に深い模様。

そこに血まみれのシャツで支部に戻ったプライスと、カニングハム。
プライスは相当なショックを受けており、もうウガンダから出て行きたがっていた。
支部から飛び出した彼。
カニングハムはプライスを追おうとしたが、先輩から夜9時以降の外出は規則第23条により禁止されていると忠告される。
しかし規則第72条ではパートナーを一人にしておいてはいけないともされている。
規則第23条と第72条の間で揺れまくる。
「すみません! 彼はボクは親友なんです!!」
規則第72条を優先し、カニングハムは外に駆けだした。

バス停でプライスに追いついたカニングハム。
異動を希望するのなら自分も、と申し出る。
しかしプライスは単身での異動を希望していた。「キミとボクじゃ上手くやっていけそうもないし…」
「そうだね。ボクたち二、三日前に親友になったばかりだし。」
「親友なんかじゃないよ! 研修センターで組まされただけだよ。」

カニングハムは大変深く傷ついた様子。
空気が読めない彼も、今度ばかりは現状をよく把握したようだ。
プライスの方は言い過ぎたと思いつつも、「大丈夫だから」と繰り返すカニングハムに別れを告げる。

プライスが去った後、カニングハムの前に現れたのはナバルンギだった。
彼女はプライスにもう一度布教のチャンスを上げようとしていたのだ。
彼はもう異動したと告げるカニングハムに、ナバルンギはこう提案する。
「それじゃあアナタは?」

半ば強引に布教の約束を取り付けられたカニングハム。
ひたすら自分に問いかける。【♪MAN UP】
「イエス・キリストは死に面したときにどうした?
逃亡しようとしたか? 泣き崩れようとしたか?
いや。時が来たとき、彼は男を上げたんだ。」
「今こそボクが男を上げる時。
ヒーローになってモンスターを倒す時!
闇との戦いで「父さんなんかじゃない!」と叫ぶ時!!」
なぜかこの場面ではSF映画の某有名悪役が特別出演(笑)

舞台の一方では、ナバルンギが人を集めていた。
「ソル トレイ カ シティは希望の楽園よ。
もしそこに行きたれば、あの白人の男の子達にに付いていきましょう。」
「あの白人デブの話を聞いてみるか。だけどハーサ ディーガ イーボワイ!」

またもう一方ではプライスが神への不満を訴え、オーランド行きをひたすら祈願していた。
「神様、何でこんなに悪いことばかり起こすんです?」
「ボクのことをおかしな奴なんて思ってないですよね!?」
「きっと明らかにミスっちゃっただけですよね?」
「神様がボクを必要としている場所に行きます。それはきっとオーランド!!!」

各々が思いを叫ぶ中、将軍の一団も不気味に顔を出して第一幕は締められるのであった。

第二幕に続く!


メガヒヨ in NY 2011秋その2-1 《THE BOOK OF MORMON プロローグ編》

2011年12月03日 | NEWYORK

それはメガヒヨ若かりし日のこと。

ちょうどその頃は、今は亡きサイババがマスコミに取りあげられ始めた時期で、テレビで見かけることも多かった。
面白いことが好きなメガヒヨは、会社での雑談でつい話題に出してしまった。

「あのインドのアフロのおじさん、超怪しいですよねー。
宝飾品を空中から取り出すって話ですけど、どう見ても袖から出しているじゃないですかー(笑)」
何気ない一言だったけど、それを聞いていた先輩が顔色を変えた。

その後、化粧室でその先輩と二人きりになったときにこう聞かれた。
「メガヒヨちゃんはどうしてサイババ様のことをそう思っちゃうのかなぁ?」

普段通りの優しい口調だけど、目は明らかに笑ってなかった。
そう、先輩はサイババ信者だったのだ。
地雷を踏んでしまったと、顔面蒼白になる。

メガヒヨはうかつな発言を心から悔いた。
別に必要性もない話題をわざわざ持ち出し、人の心を傷つけてしまったのだ。

宗教の話題というのは一般的にタブーである。(まぁサイババが宗教かはさておき(笑))
信じるものは人によって様々だし、信仰に関してはプライバシーを守るべきと考えている。

だけど「そのことについて口にしてはいけません。」となると、余計話したくなってしまうのが人の性。

昔は同じく「タブー」である性の話題で盛り上がったけど、そんなもの今さら話し尽くした。
現在において熱いのは宗教である。特に新興宗教!
突っ込みどころ満載の教義について、思いっきりちゃちゃを入れたい!!

そんなメガヒヨの欲求に応えてくれるのがこの『THE BOOK OF MORMON』。
サウスパークの作者が、『AVENUE Q』のコンポーザーの一人とタッグを組み、ミュージカルを作り上げた。
オープンするやいなや爆発的な人気を呼び、トニー賞で作品賞をはじめ9つの賞を勝ち取っている。
チケットは入手困難で、メガヒヨは観劇四か月前にトッププライスの中で一番後ろ、一番端っこの席をようやく買うことが出来た。
旅行日程はこの買えた日に合わせて組んだ位!

そんなミュージカルを見られるというビッグイベント。
心してその時を迎えた。

  
劇場はユージン・オニール。
昨年は「FELA!」が上演されていた。


上演2時間半前からロタリーの受付が始まる。
抽選で当たった人は、なんと最前列とボックス席が32ドルで買えるのだ。
通常なら155ドル(2011年秋現在)の席である。
チケット自体入手困難だから、もちろんその価値はお値段以上。


すごい人数が集まっていた。200人以上いたのではなかろうか。
メガヒヨもいい席を求めて参加してみた。
しかしながら上演2時間前に行われる抽選ではあっけなく外れ。10人くらいしか当たらないから無理もない。
もちろん当選者は狂喜乱舞。他の人たちは拍手で温かくお祝いしていた。
抽選会自体が楽しいイベントなので、ダメ元でも参加をお薦めしたい。