メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

2011年・歯科治療を通して気付いたこと

2011年12月25日 | メガヒヨの日々つれづれ

丈夫に出来ている私だけど、歯は弱点である。
体質的に虫歯になりやすく、子供の頃から歯医者に通う日々が続いている。

そのおかげでかなり銀歯が目立つようになってしまっていた。
なので2年ほど前から昨年にかけて、職場近くの審美歯科でそれらを保険外治療の白いクラウンに替える治療を受けていた。
その頃の様子がコレ
今から思えば、その時の自分の頭を叩いてやりたい。

後から分かったのだが、その歯医者はとんでもないヤブで、歯にずさんな治療を行い、かぶせものをして誤魔化していた。
ぱっと見の出来栄えさえ良ければいいとする、手抜きそのものの治療方針だった。
あげくの果てに私が遭った災難はこんな感じ
かみ合わせを考慮しない前歯の差し歯は装着してたった4か月ほどで、土台の歯も巻き込み折れてしまった。
歯医者は破損したコアのみ取り換え、セラミック部分はそのまま継続してつけ直した。

浅はかな私は当時、その修復代が無料だったことで、その歯医者を「良心的」と誤解してしまった。
本来なら、セラミック部分も作りなおさなくてはいけない程の過失なのに。

一度崩壊してしまった差し歯は作り変えないと歯肉部分に大変なダメージを与える。
しかもかみ合わせも全く見直していないのだから、再び折れてしまうのは時間の問題だった。

つけ直して半年後、普通に食事をしていた際にまたその差し歯は折れてしまった。
その際も再度コアを取り換え、セラミックをそのままつけ直すという修復が行われた。
この二度目の治療代は、こちらの負担となった。

さすがに呑気だった自分も異常さに気付く。
二度あるということは、三度目も必ずある。
このままその歯医者に通っていたらとんでもないことになると、今までの治療代を捨てる覚悟で転院を決めた。
信頼している同僚に相談したら、腕のいい歯医者さんを紹介してくれた。
それが今年の8月の終わり頃の話。

新しく通うことになったその歯医者さんは、職場からは電車に乗って数駅の場所。
衛生士さん達もきびきびと動き、前の歯医者みたいにだらしなくおしゃべりしている人なんていない。
そして治療はその院長先生一人で責任をもって行われていた。
前のところは雇われ医師が何人もいたのに。

初診の際、私は前歯だけ治すつもりで行ったのだが、とんでもない告知を受けた。
とにかく今までの治療があまりにも杜撰すぎるので、全面的にやりなおすことが必要だと。
結論からいうと、私は2本の歯を抜歯し、3連ブリッジを作成、5本の差し歯を作りなおすこととなった。

特に抜歯したのうち一本は、前の歯医者で神経を取る治療を失敗したものだった。
歯根には穴が空き、あと少しで上顎洞にまで影響が達するところまで来ていた。
残念ながら、その第二臼歯は欠損となってしまった。

これらの治療のピークが9月位のこと。
歯を失う恐怖で、お酒どころか食事もろくに喉を通らなかった。

前の歯医者に対する感情をコントロールするのも大変だった。
ずさんな治療方針の院長、神経の治療を失敗した女性歯科医師、この二人に会ったら自分は何をしでかすか分からない。
なのでその歯科医院の前はなるべく通らないことにした。
その代わりひたすら心の中で祈った。
「どうかあの歯科医院の上に隕石が落ちますように!」

でもその歯医者は某ビジネスホテルの2F部分にある。
隕石なんて落ちたら、関係ない人たちまで巻き添えになる。
しかも私は自慢ではないけれど、人並み外れて念が深いところがある。
ここまで恨みが強いと小惑星まで落としかねない(笑)
それはまずい、自分の身も危なくなる。穴二つとはこのことだ!

そんなこんなで悶々としていたのだが、ある日を境にストンと吹っ切れてしまった。

私が怒りを感じていたのは、前の歯医者の稚拙さではない。
何故なら、それは私自身の人生の問題ではないから。
質問しても投げやりな態度をしてくる歯科医師、おしゃべりばかりしている衛生士、会計間違いばかりしている受付…。
これだけではない、今までにいくつものマイナス要因を目にしていたはずだった。
なのに職場に近くて通院が楽だけの理由で、こんな歯医者に通い続けていた自分。
うすうす気付いていたのに、歯という再生しない大切な組織をそんな医療機関にゆだねてしまった己の危機意識の無さに憤っていたのだ。

このことに気づいてから、気分も落ち着いてきた。
現在の私は反省も含めて、するべきことはしている。
大変な目には遭ったけど、自分はそのことを克服しようと出来る限りの努力をしている。

翻って、前の歯医者がヤブなのは、その歯医者自身の問題。
私がどうこうしてあげられないし、その事について悩んであげる義理も無い。

そして12月。
治療もほぼ終了し、歯も安定した状態になった。
抜歯が危ぶまれた前歯もなんとか助かり、本当に救われた。

この騒動は悪いことばかりでも無かった。
虫歯への恐怖で、ほとんど間食を取らなくなった自分は体重が5kgも減った(笑)
今まではだらだらと食べ続けていることが多かったからね。
オーラル・ケアについてもさらに真剣に取り組むようになった。

とはいえ、この年齢で2本の歯を抜くというのは心に堪えた。
自分の体のパーツが失われるという喪失感は大きかった。

ただ、歯を含めボディそのものが期間限定ということを実感する良い機会となった。
つまりは人生の時間は有限ということ。
本当に当たり前のことなんだけど、今まで深く考えたことは無かった。

大げさかも知れないけれど、常に「メメント・モリ (汝の死を忘れることなかれ) 」という言葉が頭から離れなくなった。
この体を使っていられる、大切な人生の時間。
無駄にしたくないと心から思う。

歯を含めた体のメンテンナンスに気を遣いながら、今後はさらに有意義に過ごしたい。
今回の騒動では、友人知人、家族から大変励まされた。
来年は、まずその恩返しから出来ればと願っている。



2 コメント

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Unknown (ねこ)
2013-07-18 15:05:41
検索でお邪魔しました。
私も杜撰な歯科治療で被害をうけ、
30代で一本欠損してしまいました。

しかも…大学病院です…

セカンドオピニオンにいったときはすでに遅し。
上顎洞までぽっかり骨がなくなり、
いまは蓄膿で苦しんでいます。

杜撰な歯科医院が多く、訴えたいですし、
大学病院の前すら通りたくないです。
喪失感、悔しさ、怒り、悲しみ…。

隣の歯まで、骨がなくなり、
まったく問題なかった5番の歯までば
グラついています。。。

これまで抜けたらどうしようと、いまだに怒りが
おさまりません。

でも、ヒヨコさんは前向きですごいなと思います。
人生は有限。その言葉に、元気をいただきました。
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お察しします。すべて快方に向かう様に。 (メガネヒヨコ)
2013-07-22 22:28:21
ねこさん、はじめまして。
コメントをありがとうございます。
(旅行に行っていたので、返信が遅くてすみません。)

大学病院でそんな目に遭うなんて、とても理不尽な思いをされたとお察しします。
しかも蓄膿という症状まで…。
私も幼少から25歳で手術するまで蓄膿に苦しんでいたのでよく分かります。
入院した際に隣のベッドの方が、歯を由来とする蓄膿をお持ちの方でした。
私の持っている情報は古いですが、蓄膿の治療で何か聞きたいことがあれば遠慮なくどうぞ。
お力になれれば嬉しいです。

傷つけられた体に対する喪失感は余りあるものがありますよね。
ただ今は無事に残ったものを以下に大切にするかが課題だと思います。
私も現主治医のアドバイスに従い、歯肉のケアに努める毎日です。
ねこさんもお大事になさって下さいね!
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