それは小雪がちらつく寒い日のこと。
仕事を終え、自宅最寄り駅についたメガヒヨはバスに乗ろうと急ぎ足になっていた。
耳にはイヤホン。毎日持ち歩いているNickくんサイン入りのiPodで、その日は『THE BOOK OF MORMON』のキャストアルバムを聞いていた。
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The Book of Mormon (Original Broadway Cast Recording) |
Trey Parker,Robert Lopez,Matt Stone,Stephen Oremus,Josh Gad,Andrew Rannells,Nikki M. James,Cory O'Malley,Michael Potts,Lewis Cleale | |
Ghostlight |
ちょうどクライマックスの『I BELIEVE』にさしかかったとき、黒っぽい服装に身を包んだ、白人の青少年二人組が目に入った。
何やらチラシを配っている。
「この二人組はもしかして、昨年のトニー賞受賞ミュージカルのモデルになった人達…!?」
普段配布物は受け取らない主義だけど、この時ばかりは受け取ってみた。
だってあのミュージカルを見てしまうと、ちょっとだけ「THIS BOOK WILL CHANGE YOUR LIFE」を読みたくなってしまう。
本当にあんなこと書いてあるのかってね
ところが受け取ったチラシは英会話教室のもの。
「な~んだ。2000年前にアメリカ大陸にたどりついたユダヤ人の話とか、惑星コロブのこととか語っているあの団体じゃなかったのか。」
と、少々がっかり。
でも最近英会話の勉強をしたいと思っていたメガヒヨ。
どんな教室だかと興味を引かれて、そのチラシを捨てずに読んでみた。
そしたら何と、「無料」の文字が!!
「…はぁ!?」
それでもって、よ~く下の部分を見てみると、やっぱり。
純アメリカ産預言者ジョセフ・スミスによる、あの宗教団体のものだった。
メガヒヨはモルモンのミッショナリーを見かけたのは本当に久しぶり。
一昔前はよく自転車で走り回っているのを見かけたものなんだけどね。
やっぱり活動時間は昼間なのかな。
規則第23条によると夜9時以降の外出って禁止って話だし。
そうそう、駅でチラシを配っていた二人組。
とても幼く見えたので、きっと高校を出たばかりなんだろなぁ。(ミッショナリーになるのは18歳から22歳まで。)
新入りだと、まずこういう仕事からやらされると思うし。
日本に赴任が決まったのっていつ頃だったんだろね。
震災前だったらミュージカルみたいに、
「Oh boy, Japan!」
「Land of soy sauce」
「And Mothra!」
ってはしゃいだかも知れないけれど、今ではそんなことないだろうしな~
親御さんも相当心配しているのかもね。
本人の意思で布教活動をしているとはいえ、赴任先は選べないって話だし。
ところでこの無料英会話教室。
タダほど高いものはないってことで、もちろん行くつもりはない。
あんなに規律が厳しい宗教、メガヒヨなんか一日足りとも信者にはなれないってば。
酒、コーヒー、お茶などの嗜好品はダメ、献金の目安として収入の10%が推奨ラインって、何の罰ゲームですか?って感じだもの。
でもエルダー達と話す機会があれば、一度聞いてみたいことがある。
「ミズーリ州ジャクソン郡にエデンの園があったということですが、本当ですか?」ってね!
こんなこと冷やかしで聞く現地人、相当いやがられるだろうな~(笑)
The Book of Mormon (Broadway) - "I Believe" [LIVE @ The 2011 Tony Awards)