佐藤研一郎氏という方で異色の経営者といわれていたそうです。
若い頃、ピアノコンクールで1位が取れなかったことを契機に
もう一つの才能である電子部品で特許を取られて「ローム」
という世界に通じる電子部品の会社を設立されたそうです。
あまり人付き合いやメディヤに出ることを好まれなかったようです。
以前、ご近所の奥様Kさんと気の合う3人でお付き合いをしていました。
Kさんの長女のNさんが音大でピアノを専攻されて、その頃、
ハンガリーのリスト音楽院に4~5年留学されていました。
その折、留学の学費や滞在費などの話がでたのですが、
Kさんが「「ローム」という会社の奨学金を受けて助かっているのよ。」
と言われたのを覚えています。
帰国後の演奏会でNさんはリストの超絶技法を見事にこなされた
絶妙なテクニックで聴衆を魅了されていました。
今は母校で後進の指導に当たっておられるようです。
ロームの佐藤研一郎氏が1991年に私財を投じて
「ロームミュウジックファウンデーション」という財団法人を
設立されて、若手音楽家の育成に情熱を注いでいらしたとの
ことを知り、今回、私の中で、二つの点が線でつながりました。
天与の才能を十分に世の中に生かされた方だと思いました。
ご冥福をお祈りいたします。