【新風舎、未出版の著者１０００人から前受け金１０億円】
民事再生を断念した自費出版大手、新風舎（本社・東京都）は１９日、港区の本社で記者会見を開き、契約を交わしながら本が出来ていない未出版の著者は約１０００人で、受け取った前受け金は計約１０億円に上ることを明らかにした。
既に出版された本についても、約６００万冊（著者約１万５０００人）が流通経路に乗らずに在庫のままになっており、「全国の書店で販売される」などの宣伝文句とはかけ離れた実態が浮き彫りになった。
在庫の約６００万冊を、著者１人あたりに換算すると約４００冊。会見で同社側は「売れる見通しが全くなくなったので、定価の４割で著者に買い取りを要請している」と明かした。買い取りの期限は今月末に設定しているという。
未出版の約１０００人については、松崎義行社長が「本を作りあげるよう努力したい」と述べ、事業譲渡先を探していく考えを示した。
松崎社長は「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝し、近く自己破産を申請する意向を示す一方、「自費出版は人類にとって絶対に必要なこと」「表現者が夢を持ち続けられるよう支援してほしい」などと述べた。
新風舎に対しては昨年７月、出版契約を結んだ３人と１法人が契約が履行されなかったとして損害賠償請求訴訟を起こしており、原告の一人のアルバイト男性（３１）は「未出版の１０００人分の書籍を完成させたいというが、できるか疑わしい。著作権だけは返してほしい」と憤っていた。
自費出版を巡っては近年、トラブルが多発。退職者の「第二の人生」に関する情報を提供しているＮＰＯ法人「リタイアメント情報センター」（東京都港区）には、昨年１年間で、自費出版の被害相談が約２００件寄せられた。「全国で売れる」などと持ちかけられたのに一部の書店にしか置かれていないなど、契約不履行の訴えが多いという。
こうした状況を受け、中小の自費出版社でつくる「日本自費出版ネットワーク」が作成したトラブル防止のためのガイドライン案には、著者に対し、〈１〉収益は得にくいことを説明する〈２〉費用を明確に示す――などが盛り込まれた。
（2008年1月20日1時42分 読売新聞）
>既に出版された本についても、約６００万冊（著者約１万５０００人）が流通経路に乗らずに在庫のまま
>「全国の書店で販売される」などの宣伝文句とはかけ離れた実態が浮き彫りに
>「全国で売れる」などと持ちかけられたのに一部の書店にしか置かれていない
う～ん、そもそも自費出版の本って、市中にそんなに出回ってますかね？
現役離れてから長いので、最近の状況はよく知りませんが。
まず100%近く売れないのが確実であろう「ど素人の書いた本」・・・
短期間でも並べてられる余裕のある書店は、そう多くないと思う。
そんな部分にスペース使うなら、売れ筋の本を余分に陳列するでしょうよ。
>在庫の約６００万冊を、著者１人あたりに換算すると約４００冊。
>会見で同社側は「売れる見通しが全くなくなったので、定価の４割で著者に買い取りを要請している」と明かした。
先日、出版社にお勤めの知り合いの方と、この話題について話す機会がありました。
その方が言うには、「自費出版は年賀状を出す枚数と同じ冊数くらい作るのが無難」との事。
収益なんてまず出ないのが普通なんだから、記念品として知り合いに配るくらいにしておいた方が良いんだって。（苦笑）
昨今の出版不況もありますけど、普通の人が普通に出した本なんて、常識的に考えて儲かるほど売れる訳がないですからね・・・
現実としてそんなに簡単に本が売れるもんなら、自分だって何か書きますよ。（笑）
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