ごろっと、えほんをひろげよう

子供と一緒に絵本、本を読んで早や10年。今は学校図書館司書をしています。読んできた本読みたい本を綴りたいと思ってます。

最後のオオカミ

2018-08-12 14:14:02 | 児童書
 読書感想文コンクールの中学年課題図書となっている
「最後のオオカミ」は残念ながら貸し出しされなかったので
借りて読んでみました。

 イギリスの作者、マイケル・モーパーゴの作品は
課題図書などよく選ばれているような気がします。
私は数年前に「戦火の馬」を読み、映画や舞台化したものまで
観て人と動物のつながりに感心したものです。

 さて本作品もイギリスで最後のオオカミであろうチャーリーと
ひとりぼっちの少年ロビーの出会い、渡米、そしてアメリカでの
別れを描いたものです。
 はじまりはその子孫であるマイケルが自分のルーツを探ろう
としたことです。1700年代のイギリスの歴史をまぜながら一人の
少年とオオカミの危険な冒険が続いていきます。

 フィクションとはいえ、子ども向けによく練られた歴史物語に
なっています。日本の子ども達にとっては(大人にとっても)
時代の背景を理解しにくい部分はありますが、冒険物語と捉えれば
面白いと感じました。
 中学年には難しいかもしれませんが、挿絵も多く想像をかきたて
られるので頑張って読んでほしいと思います。



コンビニたそがれ堂

2018-08-11 15:34:49 | 児童書
 勤務校では本購入の前に、児童からリクエストを
募っています。児童の読みたい本の参考に公共図書館から
いろいろな本をお借りしてきて並べておきます。
「コンビニたそがれ堂」はそうした本の中から読んでみたいと
いう声があり入れました。

 物語が六つ入っています。「コンビニたそがれ堂」は不思議な
お店でこの世で売っているものも、世の中に売っていないものも
揃っています。そして大事な探しものがある人は必ずここで
見つけられます。
 物語はその探しものを求めてやってきた人の心の苦しさを
救うホッとさせたり、ほこっとさせてくれます。
「手をつないで」は精神的に不安定な母親が自身の
幼少期の厳しい環境をリカちゃん人形に投影している
秀作だと思いました。

 いくつもシリーズが出ています。続編を入れるかは、
みんなが読んでくれて決めていきたいと思いますが
どう感じてくれるかな?




髪がつなぐ物語

2018-08-10 11:01:15 | 児童書
 新しく入った本の中でノンフィクションの本
「髪がつなぐ物語」があり読んでみました。

 もともと選書した際にどのタイミングでこの本を
選んだのかはっきりしないのですが(リクエストだったかな?)
入れて良かったと思う一冊です。

 長くのばした髪を寄付する「ヘアドネーション」という活動が
あることは何となく知っていましたが、その活動を日本で立ち
上げた渡辺貴一さんの姿を追っている本です。と同時にその活動に
賛同する方々、そして様々な協力で出来上がった「医療用ウィッグ」
を受け取る子ども達の様子を取材しています。

 この活動の広がりがとてもすばらしいと感心しました。
子どもから大人まで協力できるところが素敵です。
またウィッグを必要としている子ども達がこんなにたくさん
いることも初めて知ることができました。
中には、出来上がったウィッグが間に合わず最後の思い出と
なってしまった方もいて、息を呑む思いになりました。

 本の中には様々な小学生が出てきます。その子ども達の
髪に対する想いを感じながら、勤務校の子ども達も
この本を手にとって読んで欲しいです。





びりっかすの神さま

2018-08-09 13:54:27 | 児童書
 公共図書館から春と秋に各学年ごとのイチオシ本を
紹介するポスターが届きます。
「びりっかすの神さま」もその一冊だったのですが
学校には無い本でした。岡田淳さんの本はたくさん
揃っているのですが、「あら~」と思い今回購入
して読んでみました。

 4年1組に転校してきた始がクラスであいさつを
しようとした時、ふわふわと飛んでいる透きとおった
小さな男が現れた。そしてその男はテストでビリだった
子どものまわりにやって来るのがわかり、やがて
始やとなりの席のみゆきと会話が出来るようになっていく。

 担任の市田先生の考え、クラスメートとのつながり、
「頑張る、人に勝つ」ということは何かをみんなで考えた
すてきな作品でした。
 
 1988年が初版ですが、作品は色褪せること無く
巻末に赤木かん子さんが解説しているのも驚きでした。
(辛口批評の赤木さんが岡田さんの子どもの皮膚感覚を
評価しているところ)
 こういう本を中学年のクラスで読み聞かせしてくれたら
おもしろいのにと思う一冊です。





下町ロケット ゴースト

2018-08-07 20:33:44 | 一般書
 いやはや、随分ご無沙汰してしまいました。
どうもパソコンに向かう時間が減って、さらに以前に
比べてブログを更新しようとする意欲が減退しています。
 そして本を読む時間も減っているのかなと思います。
日々、活動して夜はバタンキューで寝てしまいます。
残念ですが、このブログを始めてからだと
「年取った・・・」と実感です。

 さてさて図書室にも入っている「下町ロケット」シリーズ。
その新刊が出ました。佃製作所の佃社長の物語という
だけでなく今作品は経理の殿村、帝国重工を辞めて
ギアゴーストという会社を作った伊丹の話になります。
企業の経営の難しさも佃社長の心意気に救われる気が
します。10月に出る後編?「ヤタガラス」も楽しみに
しています。