鬼塚さんの「トヨタが消える日」を読んでいたら、スズキ自動車の社長の話が出てきた。中小企業のおっさんというイメージが未だに残り、非常に謙虚で好ましいひとだ。GMに対し、非常に恩義を感じており、GMが保有していたスズキ株を自己資金で買い取り、「少しは恩に報いれたと思う。」と語ったという。
自動車と言う産業が日本に渡来し、それを世界の有力メーカーまで成長させたのは確かに日本人の不屈の努力だったことは認めよう。しかし、最新技術を惜しみなく公開し、指導し、一人前に育て上げた恩義を忘れてはならない。鬼塚氏は、トヨタがGMから資金提供を要請されたにもかかわらず黙殺したことを指摘し、暗に「トヨタは恩知らず」と言っている。
私が大学を卒業する年、研究室の推薦で、出来たばかりのアイシンワーナーという会社の入社試験を受けたことがある。最新の工場で、当時、まだトヨタはトヨグライドという自動変速機を使っていたが、将来を見据え、世界のボルグワーナー社と合弁会社を作ったのだ。
「当社に入社を希望した理由は?」と聞かれたので、「今後の車はすべてがオートマティックになると思い、この会社が将来有望だと思いました。」
なんと私は先見の明があったのだろう。ビンゴーである。ただし、とてつもなく田舎で、名古屋から朝の8時に通うすべがないので、結局入社することはなかった。仮に入社し、今も勤めていたら、きっとアメリカにでも赴任しているかもしれない。でも、続かなかっただろうなー。
まあ、それは良いとして。結局、その会社が今はアイシンAWとなり、世界の大手自動車メーカーに変速機を輸出している。ノウハウも会社もすべて自分のものにしてしまった。
私は思うのだが、ハゲタカファンドというのは確かに醜い商売のようだ。しかし、大多数の外資系企業(金融関係は別にして。)はとても紳士的で、日本人の商習慣を尊重しているように思う。むしろ日本人の外国嫌いの風潮で、泣く泣く撤退してゆくほうが多いのではないだろうか。っていうか、日本の官僚制度に驚いてかな?
トヨタを始め、いくつかの日本企業がアメリカへ進出し、アメリカ人に対し「ここまで来れたのはアメリカさんのおかげです。少しばかり恩返しがしたくてやってきました。」、そんな心意気があるだろうか。人にやられていやなことはしてはいけない。日本人が外国の企業を嫌う理由は多分に感情的なもので、おそらく、日本に来た企業は日本の市場の異常さに気づき早々と逃げ去るに違いない。アメリカはそうではない、度量が広いのだ。受け入れてくれるじゃないか。だったら、アメリカ人に日本人ってとてもいい奴なんだと教えてやって欲しい。
トヨタは自分も苦しくなるだろうから、GMへの投資を断ったのかもしれない、しかし、敵に塩を送ることなど出来ないと考えたとしたら、トヨタは将来、大変なしっぺ返しを食らうに違いない。
トヨタはアメリカへ戦争をしに行ったのだろうか、ビジネスとして行ったなら、勝負があった時点で相手に哀れみを与えるのがアメリカ流のビジネスではないか。手元の流動性は今のところ潤沢なのだから、その何分の一でも相手に送ることで、名誉あるアメリカ国民は将来必ず日本のために恩返しをするに違いない。戦争をしてはいけないのだ。アメリカの誇りであるGMをつぶすことはあってはならないし、ましてやその原因がトヨタだとするなら、日本は大変なことをしてしまった事になる。将来のためにも、GMが救済されることを願ってやまない。
「トヨタが消える日」注文しました。
明日届くようですので楽しみ?にしております。
トヨタってあっち側かとおもっていましたが、違うのかな?
ところで、ファウストもう少しで読み終えます。(遅いです。)
朝鮮戦争についても鋭い考察ですね。
ひろひとさんは、mayoさんに言わせるともっとコアな人では無かったでしょうか。
私は三重県伊勢のほうの出身です(現在は大阪在住です)。あの伊勢神宮のあるところです。私の友人の家は、先祖代々、伊勢神宮の建物の管理をしています。天皇家ゆかりの地で先祖代々、当然のことと考えられ行われてきたこと、日本を一歩外に出て諸外国の天皇家や日本への認識、そして日本社会一般の認識の仕方に大きな乖離があるとの認識を子供の頃からもって育ってきました。ゆえに、マヨさまのぼやきの立脚点が、私たち伊勢の生まれの者(ごく一部だけなのかもしれませんが)とかなり近いところにあることに驚き、マヨさまの歴史観を興味深く読ませていただいておりました。
引っ越しされたようで、マヨさまの最近のブログを閲覧することができず、さびしく思っております。
今後もマヨさまのブログを読んで勉強させていただきたく、引越先、教えていただければ幸いです。
大阪府吹田市*:*****
*****
川島**
引越し先は後でメールします。
コメントありがとうございました。