鳥とパイプと日本酒のおっさんメモ

おっさんの日々の散歩における鳥たちの写真と、好きなパイプタバコの感想
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G. L. Pease - Cumberland (20th Anniversary Limited Edition)

2021年01月05日 | パイプタバコ
2021年 1月

明けましておめでとうございます
新年早々のレビューは G. L. Pease - Cumberland (20th Anniversary Limited Edition)

GLP 20周年記念ブレンドの2作品目となります
前回の Samarra に関してはすこぶるうまい絶妙のブレンドであると感じました
オリジナルよりも数段素晴らしさのある今回のブレンドと感じたのですが
この Cumberland についてはどうなのよ ということになります。


もうすでにかなり喫いこんでいるのですが
こちらのブレンドに関しては その素晴らしさがはっきりしないな…というところが実感となります
しかし オリジナルと比べたり 似たようなブレンドと比べた時に感じるその僅かな違いを
ここで考えてみたいと思います


オリジナルもそうですが このブレンドも VaPerKey ということになります
そういった意味で このブレンドの比較対象として考えられるのは
近いところで
Savinelli - 140th Anniversary
Cornell & Diehl - Sansepolcro (Small Batch)

このほかにも C&D においては VaKey もしくはVaPerKey のブレンドは数えきれないほどあるのですが ペリクがさほど印象的でないことと ケンタッキーに強い特性があることを考えると
上記の 2ブレンドを その比較対象にしてみたくなります

ここで問題となるのは ペリクではなく ケンタッキーの質なのですが
バージニアに関しては それぞれに違いはあるようですし
サビネリのブレンドにおいては オリエントが入っていますので その辺りも全く違うブレンド
ということになりますね しかし相対的味わいに関しては いずれも似た部分があって
その原因は やはり ケンタッキーの特性が 似ていることに因る味わいの相似点なのかと思いました


それほど このブレンドも含め これらのブレンドにおけるケンタッキーは 
いろんなほかのブレンドにおけるケンタッキーとは違う部分があり
これらのブレンドが このケンタッキーによって支配されているブレンドであると言ってもよいブレンドになるのかと思います。


当ブレンドの特徴としては

こちらに書いてある通り
オリジナルのブレンドに 2019年産の限られたクロップでしかとれない Semi-fired によるケンタッキーを使用していることを明記してあるのですが


オリジナルのブレンドにおいては バーレィ-ケンタッキー の特性でもあるスパイシーで独特の強さは控えめな もっと穏やかで 柔らかくコクのある ナッティーな味わいを持った
派手さも甘さも控えめではあるが 不思議な旨味を持った地味なブレンドになっていると
以前の喫煙でこの私感じました。
それがこのブレンドにおいては どのように変化しているのかが大きく気になるところになります。



ふたを開けると
 


やはりリボンというか コースカットというか 比較的柔らかな乾燥状態の良い葉っぱが出てきますが



これを

軽くそのまま詰めるのですが
湿気もほとんどないので 強く詰めることは出来ないようです
最後に少しねじりこむように詰めるとうまく収まるようです



これを点火するのですが
簡単にまろやかでシルキーな煙を味わうことになります


その際 パイプとしては あまり小さな口径のパイプは NGかと思います
このブレンドのケンタッキーをしっかりと味わうためには
ある程度広い口径の 20~22㎜くらいのパイプで喫った方が ケンタッキーの刺激も程よく
甘さもやんわりとやってきますのでよいのかと思いました

小さな口径のパイプに詰めた場合は 味が濃くなりますが
バージニアの甘さよりも ケンタッキーの独特のキツさとシガーライクなテイストが強まる感じになり
少し癖のある強いタバコになるようです
そうではなく柔らかい甘さと独特のこのケンタッキーの味わいは広めのパイプが良いと感じたわけです
その方が本来のこのブレンドの意図する味わいを得られるかと思います

一般的に ケンタッキーとかバーレィタイプのブレンドは 小さいパイプでない方がまろやかになり
味がマイルドになりますから 日本人にはその方が馴染みがあって旨いのだと思います。



感想

点火と伴のまずやってくるのは ケンタッキーの明るい独特の香りに乗った やはり明るくやわらかな
バージニアの甘さとなります 少しシトラスの香りも感じるようですが
癖のない軽いバージニアとなります
ケンタッキーというか バーレィの効いたポップなアメリカンというにふさわしいような甘さで
予想以上に重くはないのだけれど甘いのかな…という感じの甘さになります

ペリクも入っているのですが そのペリクの酸味とスパイシーなところはほぼ感じないのですが
このブレンドのケンタッキーがすぐに存在を主張してきますね
一般的な ダークファイヤードケンタッキー というのではなくもっとマイルドで柔らかいケンタッキーとなるのですが バーレィのような酸味があって塩味も感じ 
ウッディな木の味わいを基調に ピーナッツのような香ばしさを感じることになります

その際に酸味と塩味を感じるので まるで 塩ピーナッツのような味わいを感じることになります
オリジナルに比べ この塩味とナッティーさをより強く感じるようです
その辺りがこのブレンドの素晴らしいところであり オリジナルに比べ ビビッドさを感じることになります。

味にメリハリがついたような気がします


ダークなケンタッキーあるいはバーレィにも感じるような シガーライクなテイストも感じるのですが
その強さは弱いところが他の一般的ブレンドとは違うところになります

しかし ナッティさだけを感じるのならばよいのですが
バーレィ-ケンタッキー につきものの風味がやはりあります
この部分が なんというか 青臭さとでもいうか 独特の風味となります

野草の茎をかじったときに感じる酸味を含んだ苦みもあるような独特の風味でしょうか
なんともいわれない独特のあじわいが これらのケンタッキーブレンドにはあるようです
その辺りが 好き嫌いを分ける原因になる一つのファクターかと思われます


その辺りの味わいが 甘さも十分で 香ばしさも満載なポップなアメリカンの当ブレンドで
とても美味いと思うのですが もう一つホッとするところを感じない部分となります

バーレィ・ケンタッキーを味わうときに感じるのは そういった部分に対する感性となるのでしょうか

ラタキア バージニアとも全く違う オリエントとも全く違うこの葉っぱは 常にそういった問題点を含んでいるようにも思えます
(もちろん好きな方にはこれが良いのでしょうが)

Burley ⇒ semi-fired-Kentucky ⇒ dark-fired-Kentucky


この様な流れを考えてみるのですが
原料葉はバーレィなのですが 
ラタキアのように この葉を火にかけていぶしたときに 味が変わってきますね


もともと糖分はほとんどありませんが 火にあぶる時間によりその味わいは変わってゆきます
ニコチンはもともと強いのですが 色が黒くなるにつれ味は濃くなってゆき タバコの強さも
きつくなってゆくのだと思います

色が黒くなってゆくにつれウッディなアコースティックな風合いから 金属的ななんとも硬い
硬質の味わいを感じシガーの様な強さも感じるようです
酸味であるとか ナッティな味わいや香ばしさは どうなるのでしょうか…?

相対的に味が濃くなってしまうので それにより感じ方に変化が出るかと思います
ですから この真ん中の セミーファイヤード というところが 
酸味もナッティさもちょうどよく感じる部分になるのかな…と思います
当然少し生のバーレィよりは香ばしくなるのだと思いますね

Greg Pease さんはこの部分に目を付けたのだと思いますが そこが素晴らしいところでしょうか
これほどケンタッキーの旨さとバージニアの甘さを両方味わえるブレンドは他にはなさそうです
そこがこのブレンドの独特の味わいになり 素晴らしいところになります

(しかし今は サビネリの140周年記念ブレンド C&D のSansepolcro なども同じような目的のブレンドであり ケンタッキーに独自のものを使っておりますね ただブレンド自体の人気はあまりないようで 先に述べた理由が原因かと思うところです……味わいが微妙なんですねこういったケンタッキーのブレンドはね…。)



ダークファイヤードケンタッキーのブレンドとして すぐに思い出すのは
オーリックの ダークストロングケンタッキー と
ピーターハインリッヒの ダークストロング になりますが

どちらもオーリック製であり 真っ黒なケンタッキー部分と バージニアの2層フレイクです
その際どちらのブレンドにも 甘さを強めるためにリコリスを使っているのは皆さんよくご存じのところになります

そうしなければ ケンタッキーの強さに負けてバージニアの甘さを感じないのだと思われます
どうしても ケンタッキーはストロングですから 使う量が多いと甘さが負けてしまいそうです



しかるに当ブレンドはオリジナルも含め がっつりケンタッキーを味わうがためのバージニアブレンドとなっており リコリスが入っていなくとも甘いバージニアと ナッティなケンタッキーの
香ばしいアメリカンなそれでいて深みのあるブレンドとなっており よく出来たブレンドかと思います

今回の周年ブレンドとオリジナルの違いは
塩味とナッティさの違いでしょうか 当ブレンドの方が味がしっかり出ているような気がします
甘さ的にはどちらも甘いのですが オリジナルの方が少し甘いかもしれませんね
ただ シガーライクなところは当ブレンドになりその辺が逆に難しいところになります
あまり小さなパイプで喫わなければとても美味いブレンドだと思います
味が少しビビッドな分だけ 当ブレンドの方が美味いと思うのですが

それほどの違いは感じられません  というのが正味な話です


サビネリの140周記念ブレンドは イタリアンシガーリーフでもあるケンタッキーを使っていますが
イズミルのオリエントを使っているのが違うところです 
サンセポルクロもイタリアンシガーリーフを使っていますが ノースキャロライナのレッドバージニアを使っているところがミソ

サビネリの方は味がマイルドですが サンセの方は もっとビビッドですね
ケンタッキーも当ブレンドに比べるともう少し強めですが少し風味が違うようです
ただしバージニアのフルーティさはあちらの方が上でしょうか

当ブレンドはさすがによくできていると思いますがもう少しバージニアに濃さが欲しいところです
比較するとそうなりますが

Samarra に比べると期待外れ というところが結論になります
でも美味いんだけどね 私にとってはね


そんな感想となります
それでは また
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