Life in San Francisco

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サンフランシスコ在住のフローラルデザイナーです。
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ウェディング・プロジェクト

2006-12-11 00:40:49 | フローラルデザイン
このLiSF内のいくつかのエントリーでもすでに触れましたが、先週の水曜日に、ウェディング関係のイベントを一つ手掛けました。

毎年この時期、The Bay Area Wedding Network(通称、THE BAWN EVENT)がウェディング関係のプロフェッショナルを招いて、ここベイエリアで人気のあるウェディング会場でイベントを開きます。今年は、オークランドにある人気のウェディング・スポットであるDunsmuirで開催されたのですが、当日は、僕のようなフローリストのほかに、ケータリング業者、フォトグラファー、照明などを手掛ける会場装飾のプロフェッショナル、ウェディング・コーディネーター/パーティ・プランナーなどなど、ここベイエリアで活躍するウェディング関係に携わるプロフェッショナルが200人近く集まりました。イベント会場では、情報交換や、新しいビジネス・パートナーの発掘などを目的としたイベントが繰り広げられるのですが、特筆すべきことは、本番さながらに会場が装飾されることです。商談の最中、実際にテーブルについてケータリング業者が提供するウェディング・パーティ用の食事に舌鼓を打ちながら、商談は進んで行きます。ほかにもウェディング関係のイベントは数多くありますが、ここまでゴージャスな内容のイベントは珍しいですね。


本番前の会場の様子。最後の点検を済ませ、あとは、ゲストを待つのみです。


ちなみに、パーティ会場ですが、今回は来年のトレンドを占う「スプリング」「イタリアのトスカーナ地方」「アジアン・フージョン」の三つのセクションで構成されました。セクションごとに異なる装飾が施されるほか、そのセクションごとに食事の内容も異なると言う程の力の入れようです。

そして今回、僕ですが、「スプリング」のセクションのテーブル・アレンジメントを担当しました。各セクションには、7つの円卓が用意されるのですが、僕のスタイルを多くの人に認知してもらう良い機会ということもあり、7つのテーブルそれぞれに異なるデザインを提案しました。(ちなみに、「アジアン・フュージョン」を手掛けたフローリストは一種類だけ、「トスカーナ地方」を手掛けたフローリストは2種類のデザインを提案)

イベントの2週間ほど前に、テーブル・クロスを専門に取り扱う業者の方と一緒に、「スプリング・セクション」に使うテーブル・クロスの選定を行ったのですが、その際に選んだ色は、「セージ・グリーン」と「桜色」。今回僕が手掛けたテーブルアレンジメント用のデザインも、テーブルと一体化したトータル・デザインを目指しました。そして、結果ですが、大成功!やはりテーブルごとに異なるデザインを提案したのが大正解だったようで、多くのお褒めのお言葉を戴きました。ちなみに、当日、商談もいくつか成立。嬉しい限りです。


というわけで、僕の手掛けた7つのテーブルを一挙に大公開! ガーデン・スタイルのものから、コンテンポラリーなデザインまで、かなりいろいろなバリエーションが出せたと思います。みなさんは、どれを一番気に入ってくださるかな。




一つ目。

ボリュームのあるマッスが特徴のフレンチ・スタイルの作品。中世のヨーロッパの静物画などに描かれる花のイメージです。花材は、芍薬をメインに、アジサイ、バラ、葡萄。メインのアレンジメントの周りに、ガーデンローズで作った小さなアレンジメントを6つ並べました。ちなみに、今回作ったデザインでは、このアレンジメントが一番高価。と言うのも、この時期の芍薬はニュージーランドから空輸されるものなので、一本あたりの小売り価格は日本円で2000円ほどするのです。高いな!

二つ目。

グリーンと白でまとめたテーブル用の作品。背の高い花器を使い、スタイリッシュなトピアリータイプのデザインに仕上げました。使った花材は、デンファレ、バラ、カサブランカなど。花器の中は、グリーンアップルを入れて作品にアクセントを加えてあります。


三つ目。

僕の好きなパヴェ・スタイルの作品。このパヴェ・スタイルですが、そもそもは、ジュエリー・デザインの用語。いろいろな宝石を平に敷き詰めて絵柄を構成するデザインの方法を意味するのですが、フローラル・デザインでは、当然宝石の代わりに花を使ってデザインします。今回は、4つの花器に同じデザインを施し、それを一つのデザインとして構成しました。花材は、デンファレ、モルセラ、ミニ・バラ、アジサイ、アラビカム、ボタン・マム。思わず覗き込みたくなるようなデザインが出来上がったと思います。


四つ目。

ウェディングと言うことで、思いっきりロマンティックなものを意識して作った作品。巨大なカクテルグラスのような形をしたガラス花器からインスパイアされて作ったデザインなのですが、花器の淵に花を活け、リースを作成。ちなみに、このリースの部分ですが、オアシス社から出ている、リース型のオアシス(花を活ける時に使うウォーター・スポンジ)を使っています。花材は、バラ数種、トルコ桔梗、ダリア。花器の中にもバラの花びらを飾ってアクセントとしました。


五つ目。

今回の中では、一番シンプルでコンテンポラリーな作品。ちなみに、この作品が一番人の目を惹いていたようです。
1メートル25センチほどもある背の高いガラスの花器に、白いアンスリウムとフラックスのみでデザイン。ちなみに、これらの花材は水中花のように、水に浸かった状態です。水に浸かることで、花の姿がデフォルメされ、視覚的にも面白い効果を醸し出しています。


六つ目。

ガーデン・スライルをイメージしたデザイン。
本体は、観葉植物用のアイビーのトピアリーです。この手のトピアリーは、太い針金で作られた骨格に、アイビーなどの蔓性の植物を絡ませたものが多いのですが、そこに注目しました。と言うのは、上部の球体の部分は、中が空洞なのです。スイートピーを小さなウォーターチューブに挿し、それを球体の中に挿してあります。最後に数種類のオーガンザ・リボンでデコレーションして完成。ちなみに、今回使った花器(テラコッタ製の植木鉢)ですが、テーブルに合わせて、アイボリー、ペール・ピンク、シルバー三色でカラーペイントし、その上に、ひとつずつ、同色のビーズをグルーで貼付けました。こういう気の遠くなるような作業、好きなんです、あはは。



そして、最後の七つ目。

円錐形と球体を取り入れたデザイン。高低2種類の円錐形のものですが、背の高いものは、モルセラのみで作成。低い方は、ストック、ダリア、ミニ・バラ、ガーベラ、スイートピーでデザインしました。そして、球体ですが、大きなものは、アラリア・ジャポニカと言う手のような形をした大葉一枚と、ユーカリの葉多数で構成。小さなものは、白と緑のボタン・マムで作りました。

大きい球体。



以上、一挙にデザインを並べてみましたが、皆さんにも気に入ってもらえたでしょうか。日頃はスタイリッシュでシンプルなデザインを作ることの多い僕ですが、上で紹介したようなロマンティックなものも得意です。何しろ、引き出しの多さが僕のセールス・ポイントですから! 今後ウェディングを控えていらっしゃるそこの皆さん、僕に出来ることがありましたら、是非ご連絡ください。例え遠くで行われるウェディングだとしても、僕の持っているノウハウやアイデアをメールでお知らせするくらいのお手伝いは出来ると思いますので!


最後に、今年のクリスマス・シーズンは、例年以上の忙しさです・・・。1月のハワイ旅行を生き甲斐に、頑張って乗り切って行きたいと思ってます。(なんだか、これじゃ、人参を目の前に吊るされて走っている馬の心境に近いなぁ・・・)

では、皆さんも素敵なクリスマス・シーズンをお過ごしくださいね!


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47 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶりです。 (megumi)
2006-12-11 22:33:33
こんにちはマシューさん。今回のお花、驚きました。なんですか、初めて見ましたよ、こういう個性的な形。円錐も驚きですが、あの球体のは初めて見ました、すごいですね マシューさん!まさにマシューさんの成せる技ですね! 今日は楽しいもの見ちゃったって感じです♪ ありがとうございました!
惚れ惚れ~ (suzu)
2006-12-11 23:11:18
こんにちは。
素敵!ステキすぎますよ!マシューさん
どのテーブルのアレンジも素晴らしい!
どれがいいかは選べませんね~。
だって、全部それぞれに違うんですもの。
いいな~。こんなウエディング会場。新郎新婦はもちろん、ゲストも嬉しいだろうな~。
相当お金もかけてるんだろうな(って、いやらしい話(笑))
式が終わったら、このお花たちはどうするんですか
ゴージャス! (えりぼの)
2006-12-12 07:59:32
豪華ですね~、素敵すぎます!
3,4のグリーン×白の組み合わせが好きです。目に優しく自然な感じ。
ピンクもゴージャスな感じがするし、どれを選んだとしても、心に残る式になるでしょうね。
私はカーメルの海岸で式をしたので、テーブルセッティングも何もなかったですが、もっと早く知っていれば、マシューさんにせめてブーケだけでもお願いしたかったです。
素敵すぎです! (E-Daly)
2006-12-12 08:43:36
Matthewさん、こんにちは。
今回の”ウエディングプロジェクト”、もう本当に素敵!!!こんなの見ちゃうと、もう一度披露宴したい~と思っちゃいますよ。”引き出しが多い”と書かれてますが、すごく納得です。それぞれが、まったく違うデザインなので、7人のフローリストがそれぞれ一作品ずつ作成したみたいですね。個人的にはパヴェスタイルが一番好みかな。白と緑の組み合わせと、シンプルでフラットな花器が好きなので。
例の観葉植物は元気ですよ。我家の猫ちゃん、最初の2日間ぐらいはとても興味があったみたいで、土の部分を少しさわってましたが、その後は興味を失ったみたいでまったくさわらなくなったので、私も観葉植物も安心しました(笑)。
ご無沙汰しております。 (あゆ)
2006-12-12 11:49:51
7個目が好きよ。
日本ではテーブルの上の花をお客さんが
持って帰るのが主流のようですが、
外国でも持って帰るんですか!?
relax time! (kelee)
2006-12-12 14:39:35
こんにちは、今回もまたすごい大変なことしてらっしゃいますねえ。でも、人がやらないことをやってしまうところがマシューさんのすごいところ。今回も、他のテーマの人たちが1・2種類で納めたところ全部のテーブル違うデザインで飾ったと言うことで、お疲れ様です。と、商談成功おめでとうございます。すごく大変だったと思いますがいつもにもまして美しい。たくさんのアレンジを見せてもらえてまたまた癒されております。今日は、比較的宿題。宿題って懐かしい響きでしょ。たくさんあったので疲れてたのでなんともタイムリーです。でも、家ではしたくないので頑張って休み時間とかに終われました。
続き (kelee)
2006-12-12 14:41:40
いつも綺麗なはなを見せてくれてかりがとーーー
わんだほー! (水樹)
2006-12-12 20:15:31
4つ目のが一番気に入りました。綺麗!豪華!素晴らしい!マシュウさんが手がけてくれるなら私も結婚式やったかもしれないなぁ。って思っちゃいました。実は私はやらなかったんですよ。結婚式やる金あるなら他に使おう派だったもので。
でもマシュウさんの作品を見ているとやってみたくなりますねぇ。でもやるとしたらサンフランシスコまで行かなくちゃ(笑)
すでに子供たちがいっぱいいるのでそれは無理な話ですがね(涙)この子たちを人に任せてどこかに行くのはとてもじゃありませんが出来ないですしねぇ。何しろ、個々で食べるものが違うのでそれを把握できる人じゃないと任せられない…。
藤なら訓練所に預けるという手があるのですが…猫たちは…(汗)ペットホテルなんて考えたくもないし。

話がそれまくりましたが…
それぞれ、本当に素晴らしい作品ですね。これからも楽しみにしています。マシュウさんは本当に花を良く知り尽くしているという作品ばかり作りますね。花の良い所をこれでもか!ってくらいに見せてくれます。いつもありがとうございます♪
素敵♪ (GIE)
2006-12-12 20:54:25
うっしっしー♪
matthewさんの作品がいっぱい~♪
で、私は、円錐状のと球体の組み合わせのテーブルが好きです!
ユーカリの葉っぱの球体のも、マムのお花の球体のもとってもラブリーですねえ~。ゴージャスなバラのバージョンの写真の時に既に後ろのテーブルのツリー状のものに目が吸い付けられ・・。
やっぱり、これもmatthewさんのだあ~と(笑)

お忙しいようですが、頑張って気力で乗り切ってください~。
私はこの二日、子供の胃腸風邪がうつって点滴打ってなお全身関節痛と頭痛で倒れてました~。
やっと、回復したばかり(^^;)
鎮痛剤って効くわ~・・。(オイオイ)
Wow! Wow! WOW! (Kevin)
2006-12-13 12:11:55
Wow! Every time I see these photos of Matthew's latest masterpiece they take my breath away!!! I saw them last week when he posted them on the flower site and couldn't believe my eyes. Some of these flowers, I even saw in person! But I still can't get enough of them. These flowers are true genius -- I love them. They are like one of those albums that you get aqnd then never want to stop listening to. In the case of Matthew's flowers, this is a whole orchestra!!!