Life in San Francisco

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サンフランシスコ在住のフローラルデザイナーです。
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ウェディングをレポート!

2006-08-09 03:58:19 | フローラルデザイン
ただいまウェディング・シーズンの真っ只中。先週末、その中でも特に大規模なウェディングをひとつ手掛けました。今回のエントリーは、その模様をドキュメンタリー・タッチでお送りしたいと思います。

まず、簡単に新婦と新郎についてですが、彼らは20代後半のカリフォルニア生まれ、インド系2世のアメリカ人です。共に裕福の上に「超」が10個くらいつくような家庭の出身で、今は二人ともNYに住んでいるものの、彼らの家族や親戚がここサンフランシスコ周辺に在住のため、ウェディングもサンフランシスコ市内で執り行われることになりました。

この手の大きなウェディングの場合、十中八九、ウェディング・コーディネーターーが付き、彼らが花、ケータリング、フォトグラファー、ミュージシャン、そして会場の手配までをコーディネートします。今回も当然、サンフランシスコで大きなウェディングを数多く手掛けるコーディネーターのダンカン・レイズが彼らのウェディングのすべての手配をしたのですが、彼には直属のフローラル・デザイナーがいるのです。なのに、なぜに今回僕の出番となったのか? それは、新郎のお母さんが僕のクライアントの一人で、彼女の鶴の一声で、花は僕が担当することとなったのです。(thank you, Rubina)

初めての打ち合わせは去年の秋。コーディネーターのダンカンと、NYから打ち合わせに来た新婦のプージャ、彼女の母親、そして僕のクライアントである新郎の母、ルビーナと僕の5人で行われました。通常は新婦の意見が一番に通ることが多いのですが、今回は「資金元」であるルビーナが大きな権限を持っています。とは言え、彼らは花に関しては所詮は素人。この日はみんなの意見をとりあえず聞き、全体のイメージをつかむことに。そして後日、いろいろなオプション(たとえば、テーブル・アレンジメントにしても、5つくらいのアイデアを提示)を企画書にして彼らに送付しました。

こんな感じで、その後も先週に行われたウェディングの1週間前(!)まで、変更に変更が繰り返され、何百という電話とメールの交換が行われたのですが、どうにか無事になんの滞りもなく、素敵なウェディングを開催することができました。

以下は、当日までの流れを書きますが、まずは、式の一ヶ月前に、ウェディングで使う花の手配を開始。


花をオーダーする場合、僕は必ず、上のようなリストを作成します。横がアイテム(ブーケやテーブル・アレンジメントなどですね)、縦が花の種類。こうすることで、たとえば、ブーケにはどの花を何本使うか、ということが簡単に把握でき、オーダーだけではなく、実際にアレンジメントを作る際にも、このリストを見ればすべてがわかる仕組みになっています。

式の3日前である水曜日に、市場に花をピックアップ。


今回使われた色の組み合わせは、今年の流行色であるジュエル・トーン。オレンジ、フューシア、バーガンディなどの組み合わせですね。花材は、各種蘭、バラ、ダリア、カラー、などなど。

そして、式当日までの3日間は、地獄のような忙しさ。連日14~15時間労働が続きました。

当日の土曜日の早朝。ショップで最後の点検。この日は大きなバン2台に花を積み、いざ、会場へ出発です。



式が行われたJulia Morgan Ballroomに10時に到着。2時までにすべてのセットアップを完了することになっているのですが、このビルは古い作りで、搬入は歩道にある簡易式のエレベータ一台のみ。僕たちだけではなく、ケータリング業者などとも共用のため、混雑はかなりのものでした。


このエレベータで一旦地下に降り、そこから搬入用の大きなエレベータで15階にある会場へ。面倒クサイのなんのって・・・・。顔は笑ってますが、実は連日の重労働で疲労感はすでにマックス状態・・・。

今回のボールルームは、とても大きな会場で、花の装飾も当然多くなります。会場内には大きな暖炉も3つあり(中でも、式とディナーが行われる会場内のものは、そうだな、3人くらいまとめて火葬できるくらい巨大!)、それらも花とキャンドルでデコレーションしました。


エレベータ・ホールにある暖炉。招待客を暖かい暖炉が迎えます。(え?8月なのに暖炉?って思われた方も多いとは思いますが、サンフランシスコの夏の晩は冷え込むんですよね)


こちらは、バー・ラウンジのテーブル・アレンジメントと暖炉。なかなかロマンティックに仕上がりました。



3時に招待客が式が行われるボールルームに到着。式の開始は4時です。


セレモニーの準備が完了。ちなみに、正面に見えるのは、マンダップと呼ばれる、インドの伝統的なウェディングに使われるもの。このマンダップだけは、地元の業者が用意しました。それ以外の花の装飾は僕が手掛けました。


ヴァージン・ロード用の装花。花で作ったくすだま状のものを椅子に装飾。そして、アクセントとして、ヴァージン・ロードの両脇に、バラの花びらをセットしました。




新婦・新婦の付添い人も、インドの民族衣装を纏っています。


目を見張るほどの美男美女たち。

この日のフラワー・ガールは二人。ヴァージン・ロードに花びらをまいて、新婦の登場を待ちます。

フラワー・ガール用に用意したバラの花びらが入ったバスケットと、髪に飾るリース。


可愛いフラワー・ガールのひとり。

そして、いよいよ新婦が登場です。


伝統的なインドの結婚式では、ブーケは持ちません。その代わりに、ヴァルマーラと呼ばれる、長い花の首飾りが使われます。式の途中に、その首飾りを新郎と新婦が交換するのです。


新郎新婦のアップ写真。美男美女のカップル誕生!


式が終了する4時45分と同時に、招待客は全員、一旦、会場の隣にある大きなバー・ラウンジへと移されます。そして、6時半にこの同じボールルーム内でディナーが始まるため、その間に僕たちで、式からディナーへと大改造をするのです。


ケータリング業者と僕たちで、一斉に、式の会場からディナールームへ大改造。



セット・アップが完了。あとは招待客を待つのみです。

テーブルの数は全部で33個。テーブル・アレンジメントのアップはこんな感じです。


トピアリー・タイプのデザイン


結局、すべてのセットアップを終えて会場を後にしたのは午後の7時。疲れもピークに達していたのですが、いろいろな方からお褒めのお言葉をいただき、大きな仕事をひとつ終えた後の充実感もいっぱいでした。

今まで数え切れないほどのウェディングを手掛けてきましたが、今回は僕にとって初めての体験となったインド式の結婚式。いろいろなことを多く学んだ仕事でもありました。きっとこの先、思い出に残るであろうウェディングのひとつになるのは間違いなしですね。

新郎新婦のイサックとプージャ、これからも末永くお幸せに!



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50 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
kevin (Wow!!!)
2006-08-09 04:05:30
It\'s great to see all the similarities and also the differences between Indian and American weddings. If I had my choice though, that Indian bride and groom sure look happy. With flowers like that, it would be hard to be anything BUT happy. How delightful to have a culture that has such respect and love for flowers.



And I know Matthew tried so hard to make this wedding perfect. He was always online researching details of an Indian wedding to get it just perfect. I got to hear all about it, and it sounded truly harrowing. Now that all the pictures are laid out here, it just makes me so proud of Matthew! Way to go -- it was definately worth all the hard work.
すっごい素敵!!! (雅子)
2006-08-09 08:45:05
インドの結婚式って、どこかすっごいド派手!なイメージだったのですが、きらびやかな中にも、とってもシックで上品な結婚式ですね~! 新郎新婦もホント、美男美女!! 素敵~~~。 お花のアレンジメント、色といい、デザインといい、めっちゃ私好みです~。 さすがマシューさん! 先日テレビでウェディングのリアリティ番組やってたんですが、お花屋さんが会場に遅れて到着、その上お花が足りなくて…(笑)。 いやぁ、マシューさんの注文表、そのフラワーデザイナーに教えてあげたかったですわ(笑)。 マシューさんはデザインの才能の素晴らしさだけでなく、こうやってちゃんと仕事が出来るって、ホント、稀有な存在だと思います。 いやぁ、感動しました。 
Unknown (shizushizu)
2006-08-09 08:54:01
matthewさん、色もバランスよく混じり合っていて全体にもとけ込みとてもセンスや細かい気遣いや配慮が在るアレンジだととても感心しました、さすがmatthewさんお花だけが浮かず、お花の美しさも光りとっても上品です。素晴らしい~。

お疲れさまでした~。御自分を誇れますね!そんな仕事っpりだし結果のように思います。

ほんとお花の色合いが混じりとけ込んでいるのには驚きました全て計算してあるその配慮美しさも倍増です。それでこそ良きフラワーリストだと思いましたヨ~。

素敵なお式ですね~、美男美女いっぱいです。新郎新婦は超可愛い

こんな美しいハートフルなお式憧れます

インド式のお式の話も興味深く読めました。お写真も見せて下さりありがとう
すばらしい!! (Lee)
2006-08-09 09:15:16
matthewさんこんにちは。

『すばらしい!!』この一言につきます。

しかも初めてインド式の結婚式をみることができてなんだか嬉しい。

いろんな国の人が集まるアメリカだからこそかも。

他にはどんな国の人達の結婚式を手がけたことがあるのか

とても気になるぅ~。のは、私だけかしらん

とりあえず健康だけには気をつけてお仕事頑張ってくださいね~。

充実感! (claudia)
2006-08-09 09:22:11
これだけの会場のお仕事はさぞ大変だったでしょうね! 疲れがピークに達していても搬入エレベーターの所で満面の笑み(^_^)のmatthew。この笑顔で一緒に働く人もホッとするのでは?

疲れた顔してたら花たちも生き生きしないものね。

それにしても、完璧な美男美女カップルですね!

ディズニーのお姫様と王子様みたいだわ~

みんなを幸せな気分にしてくれるお仕事、やりがい&充実感があって素敵な仕事ですね^^
お疲れ様です (yori)
2006-08-09 10:12:00
今回もすごい仕事人っぷりっですね。体力的にも相当きつかったでしょうね。写真では層は見えませんが。インド人のお金持ちって凄そうですもんね。新郎のお母様が指名してくださったなんて、よほど信頼されていますね。バージンロードに花びらを置いてるあたりが細やかな演出で素敵です。私だったら下まで目が行かないかも。ディナーテーブルの上のお花の飾りつけ、花も良いですが、足長のガラスの花台が涼しげだし繊細で私は好きです。今度からインド人のクライアントにも対応できて仕事の幅がさらに広がりそうですね。

9月のシスコですが、気が付いたらもう8月でした。ツアーを見たのですが、同じ都市に7連泊とかいうのが無くてですね(これがスケッチ旅行の難しいところなんです)、延泊&一人だと追加料金に継ぐ追加料金で、ものすごいボッタクリ料金になってしまって、どうしようかと思案中なのです。最悪行けないかも~(涙!)って思ってみたり。マシュウさんのブログ見てるとやっぱ行きたいな~って思うんですけど。そうこうしているうちに、エアの空席がなくなってしまうかもしれないのですが、もうちょっと色々検討してみます。

FABULOUS!! (モモねこ)
2006-08-09 11:21:27
何もかも、すべてが美しい!!

この色合い・ジュエルトーンはステキですね。

私は、なんとなく白っぽいものや、淡い色目を好んで活けてましたが、もう少し季節が深くなったら、挑戦してみたいなぁ、と思います!

バーラウンジのアレンジ、アレを真似してみたいなぁ♪



新郎新婦はもちろん、ゲストの方々も美しい方ばかりですね。

学生時代にインドを訪れましたが、とにかく、女性の美しさと、子供たちの瞳のきれいさに驚きました。

フワフワと生きてきた私の根性をたたき直された旅で、インドはとても思い出深いです。

このパーティーの様子で、こんなインドスタイルもあるのかぁ、と。

可能性は無限ですね~、マシューさん!!

なだか、ワクワクしてきました。

世の中は、美しいものがいっぱいあるんですね~♪
素敵! (j_mcrorie)
2006-08-09 11:46:44
はじめまして。

素敵なフラワーアレンジに思わずうっとり見とれてしまいました。まるで絵画のような美しさですね。いつかMatthewさんのアレンジを実際に見てみたいです。
すっごーい! (マルコ)
2006-08-09 12:39:33
私もインド式のウェディング、初めて見ました。それも超お金持ちだけあって、とっても豪華ですね。民族衣装の色とフラワーアレンジの色がマッチしていて、華やかななかにも品があって素敵です。

そして、ものすごく忙しくてお疲れのはずなのにいつもニコニコしているmatthewさん、そのmatthewさんの笑顔は、何よりも周りの人々を癒していることでしょうね。
感動! (cibifigaro)
2006-08-09 13:44:36
こんにちは!

すごい、すご過ぎます!!

前からわかっているはずなのにmatthewさんの作品には毎度毎度また驚きます。たまげます!

細かい計画表から仕上がりまでどんだけ大変なことか。。

インドに行った事も無く、お花の知識が無い私でも何故かインドっぽさが伝わるところがまたすごい。

すごいすごいすごい。何度言っても足りない!

上の方も書いてらっしゃいますがこんなに忙しいのに通常の業務もこなしてなおかつ笑顔。

またmatthewさんファン度アップ♪



*matthewさんメール、前のもその後も届いてません(TT)

ただお忙しいだけなら気にしないでくださいね♪もしまた何かのエラーならと思って一応ご報告までです。