Life in San Francisco

Welcome!
サンフランシスコ在住のフローラルデザイナーです。
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チューリップ三昧!

2007-04-03 13:30:24 | フローラルデザイン
前々回のエントリーでも告知しましたが、先週末、恒例のチューリップ・ショーが、オークランドにあるセメタリーのチャペルで開催されました。今年も、地元のフローリストを中心に、26組の作品が並んだのですが、僕も大きめの作品をひとつ展示したので、今回はその報告を兼ねてエントリーをアップしたいと思います。

このショーの開催期間は金曜日から日曜日の三日間だったのですが、作品のセットアップは前日の木曜日。午後4時から200人ほどのゲストを招いてのリセプションが開催されるので、遅くとも3時半までには作品を仕上げなくてはなりません。

今回も開催者の好意で、僕のために会場内で一番大きなスポットを確保してくれたので、それに見合う大きな作品を作成したのですが、さすがに大きなものは、ショップで予め作ってから会場へ持ち込むことは不可能・・・。と言う訳で、今回も、花器やら花材やらを現場へ持ち込み、そこで作品を生け込みました。

当日の予定としては、昼過ぎくらいに会場へ行く予定だったのですが、先週はこのイベントのほかにも、大きなパーティの仕事やウェディングの打ち合わせなど、自分でも信じられないくらいの過密スケジュール。結局午前中の仕事が午後にまでずれ込み、会場に到着したのは午後2時半・・・。そう、一時間で仕上げなくてはならない事態に。

いままでにも時間に追われながらの生け込みを数多くして来ましたし、一時間もあれば今までの経験と持ち前の集中力を発揮して作成することは十分に可能なのですが、やはり何事も時間に余裕を持って臨みたいですよね。その上、この日はちょっとした予想外の出来事があったのです。

会場に着き、いざ生け込みを始めたとき、僕の視界の端の方に、このチャペルの管理人のオジさんが僕の方へ歩いて来るのが見えました。このオジさんは話し好きで、話しだしたらどーにもこーにも止まらないタイプ。しかも、民主党やグリーン党支持者の多い、リベラルな土地柄のベイエリアでは珍しい、バリバリの共和党支持者。ブッシュ万歳、同性婚?そんなものは認められん! 中絶するオンナはみんな牢屋へぶち込んじまえ、っていうタイプ・・・ 決して根は悪い人ではないのですが、リベラルな僕には面倒な相手・・・。そんなこんなで、去年も僕をひたすら悩ませたのです。そのオジさんが僕をめがけて歩いてくるではありませんか! ヤバ過ぎ・・・。

心の中で、どうか僕に話しかけませんように、通り過ぎてくれますように、と祈るのも空しく、僕の予感はビンゴ。

オジさん(以下、オ)「よ、にーちゃんじゃねーか。去年もこの一番いいスポットを陣取っていたよな? どういうコネがあるんだい、え?」
M「あ、どーも。ドリーン(このショーの責任者)が好意で取っておいてくれたんですよ」
オ「ゲージツみたいなもんは、俺にはちっともわかりゃしねーけどよぉ、こんな俺にも、にーちゃんの作るものは、ほかのやつより格段上を行っていることくらいはわかるわけよ」

オジさん、僕の周りでも生け込みをしている人がたくさんいるので、声のボリュームをもう少し下げた方が・・・。

僕としても、のんきにオジさん相手に話をしている余裕もないので、さっきからしきりに、「あと一時間で仕上げなくちゃいけないので、集中しないと」なんてさりげなくオジさんに「あっちへ行ってくれー」とヒントを送りまくっているにもかかわらず、当然のことながら、僕のことなんてお構い無しに一方的に話かけてきます。ここは持ち前の集中力で乗り切れ、マシュウ。がんばれ。

オ「この大きな花瓶の中には、後で金魚を入れるんだろ、にーちゃん?」

本当にどーでもいいようなことを次から次へと話し掛けて来やがります・・・

オ「にーちゃんは、この仕事に就いてどれくらいになる?」
M「10年くらいっすかねー」
オ「俺は、ここで働いて今年で26年目だ。今はひたすら定年を指折り数えて待つのみよ。こんな仕事クソくらえだ。月曜日も早朝から二人焼きゃなきゃいけないっしよぉ。やってられねぇ」

え?二人焼く? 何それ?

話を聞いていると(・・・って聞いている場合じゃないんだけど)、てっきりこのチャペルの管理人だと思っていたこのオジさん、実は、このチャペルの裏にある火葬室で、遺体を火葬するのを仕事にしていることが判明。

オ「つい最近まで、旧型のオーブン(そっかぁ、オーブンって呼ぶんですね)を使っていたんだけどよぉ、昔のやつは小さな窓が付いていて、中でちゃんと焼けているかどうか確認しなくちゃいけなかったのよ。でも、今は最新式でコンピュータ制御。時間も短縮されるし、楽なことは楽なんだけどよ、それでも途中に一回ドアを開けて、ボディを裏返しにしなくちゃいけねーわけよ。そうすりゃ、骨になるまで一時間くらい短縮できる。民主党のやつらは、なに、地球温暖化だなんだとほざいているけど、俺様だって、こんなところでちゃんと協力してるってのに、ゴアの野郎、テネシーの豪邸の月々の電気代が1000ドルを超えるって言うじゃなねぇか。民主党は信用できん! ふざけるんじゃねぇよな?」

さっきから話半分に聞きながら、作品の生け込みに集中していた僕ですが、火葬の話にちょっぴりだけ興味津々(異常?)。ヤバい、集中力が途切れる! 集中、集中!

オ「あ、そうだ、さっきも言ったけど、月曜日に焼くときに、見に来るかい、にーちゃん?」
M「いや、結構です・・・。焼けている遺体見るの、怖いし」
オ「焼けている遺体? そんなもん、ただの焼けた肉の塊よ。そんなものを怖がってどーする、にーちゃん」



そんなこんなで、せっかくの招待は丁重にお断りし、集中力を駆使して作品を無事作り上げました。


そして、出来上がりはこちら。

僕の作品の後ろにもほかのデザイナーの方の作品が陳列されているので、作品同士が重なりあい、写真だと少々見づらいかもしれませんが、雰囲気だけでも。


一応、分かりやすいように、斜め前から撮ったショットも載せておきます。



今回は、背の高いガラスの花器を5つ左右比対称に配置し、その上に、リバーケーンで編んだフレームをセット。そのフレームに、コーラルがかったオレンジ色のチューリップとビバーナムをデザインし、最後に、葉の部分を全部取り除いたプルモサを絡め、その蔓の部分に、アジサイをグルーで留めました。アジサイが、チューリップの周りをふわふわ飛んでいる蝶々みたいで奇麗でしょう? 訪れた見物客からも、多くのお褒めの言葉をいただき、今年も大成功に終わりました。


ケヴィンも僕の作品の前で記念に一枚。

ところで、土曜日の午前中に、ショップでウェディングの打ち合わせがあったのですが、この日の打ち合わせにいらしたブライドは、なんとベイエリアに在住の日本人の方。実は、このLiSFを読んで下っていたらしく、先日メールをいただいたのです。そんなわけで、彼女(まきこさん)のウェディングを僕が手掛けることになったのですが、ブログを通してこんな素敵な出会いがまたひとつありました。嬉しいですね。まきこさんも、打ち合わせのあと、このショーに立ち寄って下さいました。

そして、最終日の日曜日には、やはりこのブログを通して知り合ったひろくんと彼の友人、及び、先日メールをくださったノックスターさんたち御一行様もお見えになり、とても楽しい時間を過ごすことができました。みんな、どうもありがとう!!

ケヴィンは僕がいろいろな方と話している間、チャペルの外に咲き乱れるチューリップを写生。



この日は、4枚を描きました。


キレイなチューリップの水彩画。一番右側の一枚は、僕のもの!



最後に、ノックスターさんのお友達のkazumiさんがご自身のブログ内で、このショーのことを取り上げて下さいました。リンクを貼っておきます。みなさんも、是非、ご覧になってみてください。

こちら


kazumiさんが撮って下さった、僕の写真。今年の目標は、「シブいオトナのオトコになる! なってみせる!」だったのですが、童顔が祟って、その目標を達成するのはどうやら無理そうです・・・(泣


聞いたところによると、地元の新聞が取り上げてくれたこともあり、大盛況に終わった今年のチューリップ・ショー。連日、700人近い来客があったそうです。めでたし、めでたし。




みなさんも、素敵な春をお過ごしくださいね。

ウェディング 2007

2007-03-26 07:51:56 | フローラルデザイン
ここサンフランシスコでは毎年、ヴァレンタイン・デーが過ぎると同時に本格的なウェディング・シーズンが到来します。僕もその例に漏れること無く、ブライドやウェディング・コーディネーターとの打ち合わせやら、それらの企画書や見積書の作成に追われる日々を送っている訳ですが、今回のエントリーは、ずばり、今年のウェディングのトレンドについて。ウェディングを近々控えていらっしゃる方も、いらっしゃらないけれども「せめて夢ぐらい見させてよ!」lという方も、必見のエントリーですよ~。

もちろん、新婦が10人いれば、彼女たちの好みはまさに十人十色なわけですが、それでもその時その時に、全体の流れ(トレンド)があるのは確かです。ウェディングに於いてのトレンドを左右するのは、やはり、星の数ほどあるウェディング関係の雑誌やムック本、そして、ウェディング・ドレスやアクセサリーに大きく影響を及ぼすファッション界での流行です。結婚式を控えている女性はみんな実に研究熱心で、トレンドにも敏感。僕のコンサルテーションに現れる将来の新婦たちの多くも、大抵の場合、雑誌の切り抜きなどを集めたスクラップ・ブックを持ってやって来ます。ぼくとしても、彼女達が求めているものを視覚的に把握しやすいので、これらのスクラップ・ブックは、打ち合わせを進める上でとても助かります。

ブライドが自分のウェディングを計画する場合、真っ先に決めるのはウェディング・ドレスというパターンが一般的で、花のデザインは、ドレスのテイストを基にイメージを膨らませてアイデアを絞って行くのが一般的です。なので、ウェディング・ドレスのイメージは、ウェディング全体の「テーマ」を決定する重要な要素となるわけです。そんな訳で、僕も毎年ウェディング・ドレスのトレンドをチェックしているのですが、今年のトレンドは二極化の傾向にあるようです。ひとつ目は、「ブラック」のアクセント。純白なドレスに黒い刺繍やビーズでデコレーションを施し、シックでフォーマルなテイストを全面に打ち出したもの。そして、二つ目は、「ボタニカル・モチーフ」。花や葉などのパターンを白や柔らかいパステル系の生地に取り入れたものです。ちなみに、この二つのトレンドに共通しているのは、「ストラップレス」と「リボン」です。

もっとも、ブラックを取り入れたウェディング・ドレスは、ここ北カリフォルニアでの人気は今ひとつのようですね。カリフォルニアでは、フォーマルな中にもどこかカジュアルなテイストを残したものの方が人気が高いので、あまり「カチッ」とし過ぎたものは敬遠される傾向があるようです。

と、前置きが少々長くなりましたが、ここからがウェディングに於けるフローラル・デザインについての話です。去年はブラウンの人気が高く、その影響で、花のアレンジメントも、茶色/オレンジ/ワイン・カラー/フューシアと言った、所謂「ジュエル・トーン」と呼ばれるシックでゴージャスな色合いを求める人が多かったのですが、その人気も、今年に入った途端に減速。今年は、ドレスの「ボタニカル・モチーフ」に代表されるように、「ナチュラル」「ロマンティック」「オーガニック」の三つがキーワードです。

今年に入りコンサルテーションをしたブライドのほとんどが、ロマンティックなものを求めていて、花の色目も純白ではなく、白やクリームをベースに、パステル系の色を加えたものが人気です。デザイン的には、ここずっと主流のラウンドのハンド・タイド・タイプのものに加え、キャスケードの人気が復活する兆しがあります。そしてブーケに使う花材ですが、アジサイなどの他に、野草的なもの(スカビオサ、ニゲラなど)を使って、ナチュラルかつオーガニックなテイストを全面に押し出したものをリクエストするブライドが多いですね。

というわけで、お待ちかね。

今年のウェディングのテイストをざっと写真にまとめてみました。(ちなみに、全部僕のデザインです)

今年人気の花材のコラージュ。









野原で摘んだような野草をイメージするものや実ものがトレンド。





ブーケは、白をベースに、パステル系の色を取り入れたものや、


バラや蘭のようなフォーマルなイメージの花ではなく、このような野原に咲いているようなカジュアルな花材を集めたものが人気。

*僕のブーケ・コレクションも是非ご覧になってみてください。



そして、リセプション・パーティのテーブルの上を飾るアレンジメントですが、

あまりカチッと作り込まれたものよりも、この手のナチュラルなテイストのものや、


淡い同系色でまとめてロマンティックな感じなもの、


或いは、このように、果物や野菜などを使って、オーガニックな印象を持たせたものが今年の傾向です。

この他のテーブル用のアレンジメントのサンプル画像は、こちらからどうぞ。



ちなみに、セレモニーは、牧師や神父を招いて、屋外でガーデン・スタイル風に執り行うのも今年の流行です。カリフォルニアの青い空の下、緑に囲まれてのセレモニーは、やはりフォーマルに演出されたものよりも、カジュアルでロマンティックなものの方が似合いますね。冒頭で使った写真も、先日手掛けたウェディングのセレモニー用の装花です。アーチを色とりどりの花でデコレーションをし、芝生のヴァージン・ロードには、300本のバラの花びらを敷き詰めました。



以上、今年のウェディングの傾向を簡単にまとめてみましたが、楽しんでいただけたでしょうか。

もし、もっと詳しく突っ込んだことが知りたい! というような方がいらっしゃいましたら、お気軽にメールをください。僕の出来る範囲内で、お手伝いさせていただきますので!


最後に、今年のウェディング・ドレスのトレンドである「ブラックの装飾」にちなんで、久々に真っ黒け~なこの方に登場願いましょう。







「ここんとこ、僕の出番が少な過ぎですから、マシュウさん」

chipが副会長を勤める「黒猫振興会」はこちらから!




インスピレーションのアンテナ

2007-02-20 07:24:01 | フローラルデザイン
地獄のヴァレンタイン・デーは無事に終わったものの、その後もいくつかの大きな仕事が入っていたので、結局、昨日の日曜日まで休みがありませんでした。特に、今年のヴァレンタイン・デーは例年以上に忙しく、連日連夜16時間近い労働が続いたために、疲労もマックス状態に・・・。なので昨日の日曜日が待ち遠しく、それこそ先週は、遠足の日を指切り数える小学生のような心境で過ごしていました。

そして、待ちに待った日曜日! 当日は簡単な朝食を済ませ、サンフランシスコにあるアジア博物館(asian art museum)へ行って来ました。



このアジア博物館ですが、サンフランシスコにある数ある美術館/博物館の中でも、特に僕とケヴィンのお気に入りです。恒久コレクションの展示もすばらしいのですが、それ以上に楽しみにしているのが、定期的に催される特別展示。今回は、日本の竹細工とインドの宮殿をテーマにした美術展の二本立てだったのですが、もちろん僕たちが目当てにして出かけたのは、竹細工の展示と、それに伴うデモンストレーション。日本から招かれた竹細工のアーティストによる実演だけではなく、実際に竹を使って籠などを作るための体験コーナーなども設けられて、日曜日ということもあり、この日の博物館は満員御礼の入り。楽しいひと時を過ごして来ました。


このイベントのために、別府からいらしたKibe Seiho氏によるデモンストレーション。とても興味深い話を聞くことができました。


会場に設けられた「体験コーナー」


ところで、少々話しが外れますが、よく、いろいろな方から、「マシュウは他のフローラル・デザイナーの作品も参考にしているのか?」と尋ねられることが多いのですが、その答えは「NO」。おそらく、フローラル・デザイン業界で活躍している数多いデザイナーの中でも、僕ほど、他人の作品を見ない人もいないんじゃないか、と思うくらい、滅多に他のデザイナーの方の作品は見ません。もちろん、大学でフロリストリーを専攻した際には、フローラル・デザインの基礎を徹底的に勉強しましたし、有名なデザイナーの方の作品もたくさん見て研究をしました。(強いて挙げるなら、オブジェのような作品が美しいダニエル・オスト氏のセンスが好きです)。とは言え、今現在は、自分のスタイル(草月流いけばなとヨーロピアン・デザインのミックス)もある程度確立されていますし、僕の場合、他のデザイナーの方の作品を見ると、逆に混乱してしまうって言うのでしょうか、いろいろなものを見過ぎると、自分のクリエイティブな部分をニュートラルな状態に保てなくなってしまうのです。まあ、それが主な理由なのですが、それはあくまでもフローラル・デザインの世界に限ったことで、自分の創作意欲をインスパイアするために、他分野の芸術を鑑賞するのは大好です。例えば、絵画や写真からは、色の組み合わせや構図などをインスパイアされることが多いですし、彫刻からはバランスを、音楽からはハーモニーやリズム感などをインスパイアされ、それらが、僕の作り出すフローラル・デザインのインスピレーションの源になっていると言っても過言ではありません。特に、日本の伝統芸術に於ける、余分なものを一切取り除き、核の部分に焦点を絞り込んだミニマリズムからの影響は、かなり強く受けていると思います。

そんな訳で、日本の竹細工の伝統をテーマにした今回の展覧会を、とても楽しみにしていたのです。

会場に着き、早速、ところ狭しと展示された美しい竹細工の作品を見て回ったのですが、一言に竹細工とっていも、バリエーションも豊富。花器や籠という比較的実用的なものもあれば、抽象的なオブジェのような作品まで、実に様々です。そして僕はと言えば、これらを見ている間、ずっとインスパイアされっぱなしでした。僕の頭のてっぺんからニョキッと伸びた見えないアンテナに、実にいろいろなものが引っかかってくるのです。

例えば、左右対称に美を見いだすヨーロッパのデザインと比べ、日本の伝統芸術には、微妙なバランス感や緊張感を左右比対称な造形の中に巧みに作り上げる独特の美的センスがあると思うのですが、今回、展示された多くの竹細工の作品も、左右比対称のものが数多く見られ、この絶妙なバランス感覚が、僕の創作意欲をこれでもか~、って言うくらいに刺激し、この日だけでも、いろいろなアイデアが湧いて来ましたし、例えば、いろいろな種類の竹の編み方。ここからも、日頃、枝ものを編んだものを自分のデザインの中に取り入れることが多い僕としては、たくさんのヒントを得ることができました。


数ある竹を編むテクニックを紹介したパネルの中の一枚。





僕のアンテナへインスピレーションを飛ばしまくりの美しい竹の作品たち。

そんなこんなで、僕にとってはとても実り多い体験だったわけですが、ケヴィンもいろいろなインスピレーションを得たようです。この先、僕たちの作り出す作品に、この日の貴重な体験がどんなふうに影響していくのか、ぼくとしても非常に楽しみです。




そして、先日、友人のchirstine doughrtyの水彩画の個展へ出向いて来ました。彼女の別名は、「布の魔術師」。本職はオフ・ブロードウェイなどの舞台衣装を数多く手掛けるデザイナーで、かのクリストの筆頭アシスタントでもあります。彼女の手に掛かった布は、たちまちに美しい芸術へと姿を変えるのですが、彼女は、舞台衣装デザイナーという本職の他に、水彩画を描くアーティストとしての顔も持っています。



今回の個展も、彼女の描いた水彩画を展示したものだったのですが、今回の個展のテーマは「雲」。色合いは、彼女の好きなブルーからピンクにかけてのグラデーションで描かれたものが中心。というわけで、初日の晩に行われたリセプション・パーティのお祝い用の花を贈る際に、「雲」と「ブルーからピンクにかけてのグラデーション」からヒントを得て、こんなものをつくってみました。


花器にこれらの色合いの花をパヴェ状に配置し、その上にコットンとかすみ草で作った雲を浮かんでいるかのような作品を作ってみました。

雲部分。



そ、し、て!(そう、まだあるんです。スミマセン!!)

今回のエントリーの締めを括るのは、「今回のフローラル・コーナー」。

今回の作品ですが、僕がデザインをする際に取り入れるテクニックのひとつに「コントラスト」というものがあります。この「コントラスト」ですが、それは色(淡い色 VS 濃い色)であったり、テクスチャー(柔らかいもの VS 固いもの)であったり、平面と立体感の対比だったり、それは実にいろいろです。

このコントラストをひとつの作品の中に取り入れることで、作品の奥行きを深めたり、緊張感を高めたりする効果があります。

そして、今回の作品を作るにあたってイメージしたのが、直線 VS 曲線」。そして、ピンクと赤以外の色合い(・・・だって、ヴァレンタインでさんざん使った色合いなので、今週はこの2色だけは使いたくなかったのです)。

リバーケーンで編んだ直線群と、オーニソガラムで描いた曲線の対比が、作品全体に動きを与えてると思いますが、いかがでしょう? (ちなみに、フォーカル・ポイントに使った花は、黄色のシンビジウムです)

オブジェっぽい、スタイリッシュで無機的な感じの、僕らしい作品に仕上がったと思います。


全体像


クローズアップ1


クローズアップ2

every day is valentine's day!

2007-02-13 00:23:51 | フローラルデザイン
ヴァレンタイン・デーまで残すところあと三日。忙しさもいよいよ佳境に入ってきました。

本来なら、ヴァレンタイン・デー当日にエントリーをタイムリーにアップするのがベストなのでしょうが、きっと当日の夜はヘトヘトにくたばっているのは目に見えているので、今夜、頑張ってエントリーをアップしたいと思います。

毎年のヴァレンタイン・デーの仕事におけるおおまかな流れは、こちらを参照していただくとして、今年は特に、公私共に例年以上にイベントフルな日々を過ごしています。

まずは、仕事関係ですが、2月に入り、今夏から今秋にかけてのウェディングの打ち合わせがすでに5件ほど。各ブライドやウェディング・コーディネータとの打ち合わせは済んでいるのですが、ヴァレンタイン・デーの終了と共に僕を待っているのが、これらのウェディングの見積書/企画書の作成。・・・これが結構手間なのです。特に僕の場合、結構細かいところまで気を使う方なので、ブーケひとつとっても、いくつかのオプションを提案しますし、ウェディングでの装花のイメージをスケッチにして添付したりすることも多々あるのです。なので、企画書の作成は、かなり時間の掛かる作業なんですよね・・・。

そして、来月に控えているのが、新しく就任したオークランド市長のオフィスの装花のプレゼンテーション。実は先月、オークランド市庁舎のオフィスの装花を手掛けたのですが、こちらが好評だったため、市の方から、市長のオフィスの装花もして欲しいというオファーがあったのです。と言う訳で、プレゼンテーションの作成にあたり、先週、市長のオフィスの下見に出向いたのですが、市長関係のオフィスだけでも20近くもの部屋があるのです。今の段階で決定しているのは、市長室と受付カウンターの装花ですが、まだまだ増えそうな気配です。頑張らなくては・・・。

そして、ウィークリーで手掛けているホテルやオフィス関係の生け込みですが、今週はヴァレンタイン・デーをテーマにしたものを中心に仕上げました。今回も、その中のひとつを紹介したいと思います。

ヴァレンタイン・デーに関わらず、こういった季節もののようなテーマがはっきりしているものをデザインする場合に、僕が必ず行うのがブレイン・ストーミング。つまりは、そのテーマに沿ったキーワードやイメージをリストアップし、そこから最終的なデザインのイメージを決定して行くのです。そして、今回は「ヴァレンタイン・デー」。当初から、「ハート」をモチーフにしたデザインを作ろうとは考えていたのですが、「ハート」からさらにイメージを絞って行き、辿り着いたのが「天使」でした。もっとも、天使そのものをデザインの中に取り入れるのは、可愛すぎる上に直球過ぎて、僕のテイストから外れます。そこで思案した結果が、「ハートを射抜く、キューピッドの矢」。これなら僕好みの抽象的な作風に仕上げることも可能ですし、そうと決まったら、いざ、作成開始!です。

当初は巨大なハートに大きな矢が一本射抜いているものを作ろうと思ったのですが、スケッチをしている段階で、小さめなハートを五つ作ることに変更しました。

発泡スチロールで作った大きさが微妙に異なる個々のハートにモスを貼り、さらにその上から、ヴァレンタイン・デーのイメージカラーのピンクと赤を中心としたビーズでデコレーション。そこに、シルバーにペイントしたリバーケーンとスケルトン・リーフで作成した矢を四方八方から貫通させ、それを五つの花器に高さと間隔のバランスを見ながらセットします。そして次に、花器に、ハート型のピンクと赤いアンスリウムを活けます。ちなみに少々専門的な話になりますと、モスで作ったハートと、ハート型のアンスリウムが、デザインの中で呼応しているのですが、これは、フローラル・デザインの中で「レペティション」と呼ばれるデザイン・テクニックです。似た形のものをひとつのデザインの中に取り入れることで、作品全体にリズムを与えることができるのです。

・・・と、難しい話はそのくらいにして、出来上がりはこちらです。




立体感があり、リズミカルな作品に仕上がりました。もっとも、残念なことに、平面的な写真だと今ひとつ立体感に欠けますが・・・。とは言え、甘くなり過ぎず、遊び心いっぱいの、僕らしい作品に仕上がったと思います。皆さんにも気に入っていただけると嬉しいのだけれど。



・・・と、以上が仕事関係の近況でしたが、プライベートの近況についても少々・・・。

2月10日は、僕とケヴィンの記念日なのです。今年が2周年だったのですが、この晩には、二人のアニバーサリーを祝って、バレエの鑑賞に出掛けました。

この晩に鑑賞したのは、san francisco balletの2007年シーズンの中の「プログラム1」と呼ばれるもの。このプログラムは三つの作品で構成されているのですが、それぞれに異なるテイストの作品で構成されており、とても満足のいく楽しい内容でした。ひとつ目は、モーツアルトの「ディベルティメント第15楽章」。これぞ、クラシカルのバレエと言えるような、清楚で上品な作品でした。そして、二つ目の作品は、フランスの労働者の日常をテーマに、サンフランシスコ・バレエを代表する3人の男性プリンシパル・ダンサーが時にユーモラスに、時に情緒豊かに、アコーデオンが奏でるノスタルジックな調べに合わせて、広いステージをエネルギッシュに踊ります。そして最後は、バッハ作品。こちらは打って変わって前衛的な演出が成された作品で、最初から最後まで、緊張感のある、かなりダークな仕上がりでした。客席までをも効果的に作品の一部として取り入れた照明の演出も粋で、そのアバンギャルドな内容は、今後のバレエのさらなる可能性を示したような気がします。


と、そんなこんなの僕の近況をエントリーにまとめてみましたが、何枚か写真もアップしておきます。




ケヴィンから届いた、記念日のカード。僕が彼に贈ったカサブランカの花束を早速水彩画にして、僕へ贈ってくれました。世界に一枚しか無い、僕にとってはかけがえの無い大切なカードです。



そして、ヴァレンタインを記念して、僕が愛するこのふたりのツーショットを。






最後になりましたが、皆さんも素敵なバレンタイン・デーをお過ごしくださいね。

では、地獄のヴァレンタインにいざ出陣して参ります・・・。

happy valentine's day to everyone!

from matthew xoxo









追記


僕の大好きなmikanskyさんが、彼女ご自身のブログ内で、ヴァレンタインを記念して、僕についてのエントリーをアップしてくださいました。ちょっと照れちゃうような内容なのですが、ぜひ、ここで紹介させていただきたいと思います。

mikaさん、どうもありがとう。




一通目の恋文・海の向こうの人へ

ウェディング・プロジェクト

2006-12-11 00:40:49 | フローラルデザイン
このLiSF内のいくつかのエントリーでもすでに触れましたが、先週の水曜日に、ウェディング関係のイベントを一つ手掛けました。

毎年この時期、The Bay Area Wedding Network(通称、THE BAWN EVENT)がウェディング関係のプロフェッショナルを招いて、ここベイエリアで人気のあるウェディング会場でイベントを開きます。今年は、オークランドにある人気のウェディング・スポットであるDunsmuirで開催されたのですが、当日は、僕のようなフローリストのほかに、ケータリング業者、フォトグラファー、照明などを手掛ける会場装飾のプロフェッショナル、ウェディング・コーディネーター/パーティ・プランナーなどなど、ここベイエリアで活躍するウェディング関係に携わるプロフェッショナルが200人近く集まりました。イベント会場では、情報交換や、新しいビジネス・パートナーの発掘などを目的としたイベントが繰り広げられるのですが、特筆すべきことは、本番さながらに会場が装飾されることです。商談の最中、実際にテーブルについてケータリング業者が提供するウェディング・パーティ用の食事に舌鼓を打ちながら、商談は進んで行きます。ほかにもウェディング関係のイベントは数多くありますが、ここまでゴージャスな内容のイベントは珍しいですね。


本番前の会場の様子。最後の点検を済ませ、あとは、ゲストを待つのみです。


ちなみに、パーティ会場ですが、今回は来年のトレンドを占う「スプリング」「イタリアのトスカーナ地方」「アジアン・フージョン」の三つのセクションで構成されました。セクションごとに異なる装飾が施されるほか、そのセクションごとに食事の内容も異なると言う程の力の入れようです。

そして今回、僕ですが、「スプリング」のセクションのテーブル・アレンジメントを担当しました。各セクションには、7つの円卓が用意されるのですが、僕のスタイルを多くの人に認知してもらう良い機会ということもあり、7つのテーブルそれぞれに異なるデザインを提案しました。(ちなみに、「アジアン・フュージョン」を手掛けたフローリストは一種類だけ、「トスカーナ地方」を手掛けたフローリストは2種類のデザインを提案)

イベントの2週間ほど前に、テーブル・クロスを専門に取り扱う業者の方と一緒に、「スプリング・セクション」に使うテーブル・クロスの選定を行ったのですが、その際に選んだ色は、「セージ・グリーン」と「桜色」。今回僕が手掛けたテーブルアレンジメント用のデザインも、テーブルと一体化したトータル・デザインを目指しました。そして、結果ですが、大成功!やはりテーブルごとに異なるデザインを提案したのが大正解だったようで、多くのお褒めのお言葉を戴きました。ちなみに、当日、商談もいくつか成立。嬉しい限りです。


というわけで、僕の手掛けた7つのテーブルを一挙に大公開! ガーデン・スタイルのものから、コンテンポラリーなデザインまで、かなりいろいろなバリエーションが出せたと思います。みなさんは、どれを一番気に入ってくださるかな。




一つ目。

ボリュームのあるマッスが特徴のフレンチ・スタイルの作品。中世のヨーロッパの静物画などに描かれる花のイメージです。花材は、芍薬をメインに、アジサイ、バラ、葡萄。メインのアレンジメントの周りに、ガーデンローズで作った小さなアレンジメントを6つ並べました。ちなみに、今回作ったデザインでは、このアレンジメントが一番高価。と言うのも、この時期の芍薬はニュージーランドから空輸されるものなので、一本あたりの小売り価格は日本円で2000円ほどするのです。高いな!

二つ目。

グリーンと白でまとめたテーブル用の作品。背の高い花器を使い、スタイリッシュなトピアリータイプのデザインに仕上げました。使った花材は、デンファレ、バラ、カサブランカなど。花器の中は、グリーンアップルを入れて作品にアクセントを加えてあります。


三つ目。

僕の好きなパヴェ・スタイルの作品。このパヴェ・スタイルですが、そもそもは、ジュエリー・デザインの用語。いろいろな宝石を平に敷き詰めて絵柄を構成するデザインの方法を意味するのですが、フローラル・デザインでは、当然宝石の代わりに花を使ってデザインします。今回は、4つの花器に同じデザインを施し、それを一つのデザインとして構成しました。花材は、デンファレ、モルセラ、ミニ・バラ、アジサイ、アラビカム、ボタン・マム。思わず覗き込みたくなるようなデザインが出来上がったと思います。


四つ目。

ウェディングと言うことで、思いっきりロマンティックなものを意識して作った作品。巨大なカクテルグラスのような形をしたガラス花器からインスパイアされて作ったデザインなのですが、花器の淵に花を活け、リースを作成。ちなみに、このリースの部分ですが、オアシス社から出ている、リース型のオアシス(花を活ける時に使うウォーター・スポンジ)を使っています。花材は、バラ数種、トルコ桔梗、ダリア。花器の中にもバラの花びらを飾ってアクセントとしました。


五つ目。

今回の中では、一番シンプルでコンテンポラリーな作品。ちなみに、この作品が一番人の目を惹いていたようです。
1メートル25センチほどもある背の高いガラスの花器に、白いアンスリウムとフラックスのみでデザイン。ちなみに、これらの花材は水中花のように、水に浸かった状態です。水に浸かることで、花の姿がデフォルメされ、視覚的にも面白い効果を醸し出しています。


六つ目。

ガーデン・スライルをイメージしたデザイン。
本体は、観葉植物用のアイビーのトピアリーです。この手のトピアリーは、太い針金で作られた骨格に、アイビーなどの蔓性の植物を絡ませたものが多いのですが、そこに注目しました。と言うのは、上部の球体の部分は、中が空洞なのです。スイートピーを小さなウォーターチューブに挿し、それを球体の中に挿してあります。最後に数種類のオーガンザ・リボンでデコレーションして完成。ちなみに、今回使った花器(テラコッタ製の植木鉢)ですが、テーブルに合わせて、アイボリー、ペール・ピンク、シルバー三色でカラーペイントし、その上に、ひとつずつ、同色のビーズをグルーで貼付けました。こういう気の遠くなるような作業、好きなんです、あはは。



そして、最後の七つ目。

円錐形と球体を取り入れたデザイン。高低2種類の円錐形のものですが、背の高いものは、モルセラのみで作成。低い方は、ストック、ダリア、ミニ・バラ、ガーベラ、スイートピーでデザインしました。そして、球体ですが、大きなものは、アラリア・ジャポニカと言う手のような形をした大葉一枚と、ユーカリの葉多数で構成。小さなものは、白と緑のボタン・マムで作りました。

大きい球体。



以上、一挙にデザインを並べてみましたが、皆さんにも気に入ってもらえたでしょうか。日頃はスタイリッシュでシンプルなデザインを作ることの多い僕ですが、上で紹介したようなロマンティックなものも得意です。何しろ、引き出しの多さが僕のセールス・ポイントですから! 今後ウェディングを控えていらっしゃるそこの皆さん、僕に出来ることがありましたら、是非ご連絡ください。例え遠くで行われるウェディングだとしても、僕の持っているノウハウやアイデアをメールでお知らせするくらいのお手伝いは出来ると思いますので!


最後に、今年のクリスマス・シーズンは、例年以上の忙しさです・・・。1月のハワイ旅行を生き甲斐に、頑張って乗り切って行きたいと思ってます。(なんだか、これじゃ、人参を目の前に吊るされて走っている馬の心境に近いなぁ・・・)

では、皆さんも素敵なクリスマス・シーズンをお過ごしくださいね!


今年も無事生還 感謝祭報告

2006-11-27 11:54:45 | フローラルデザイン
前回のエントリーから、なんと2週間も経ってしまいました・・・。マックのスイッチをONに出来ない日もあるくらい、超多忙な毎日を送っていました。

アメリカでは、毎年11月の第4週目の木曜日は、Thanksgiving Day(感謝祭)と定められています。この感謝祭では、家族や友人などを招いて七面鳥を食べる習慣があるのですが、テーブルの上にセンターピース(テーブルアレンジメント)を飾ることも多いのです。なので、この時期のアメリカの花屋は大忙し。次から次へと入ってくるオーダーにてんてこ舞いな日が続きます。

という訳で、今回は、今年の感謝祭の出来事(主に仕事関係)について報告したいと思いますが、その前に、簡単な「感謝祭レクチャー」を・・・。

感謝祭と言う言葉は、皆さんもきっと耳にしたことがあるとは思いますが、何せ、アメリカの祭事。アメリカに住んででもしない限り、日本人にはあまり馴染みがないかもしれません。

感謝際と言う名前の通り、感謝をする日なのですが、元々は、アメリカ大陸の先住民であるインディアンに感謝することから始まった祭事でした。新大陸を求めてやって来たイギリス人ですが、新大陸での生活は思った以上に厳しく、食べるものさえままならない状態が続きました。当初は「侵入者」に良い感情を抱いていなかったインディアンたちですが、イギリス人のあまりにも悲惨な生活ぶりを哀れに思い、彼らにトウモロコシやジャガイモなどの栽培方法を伝授したのです。その後、ある秋の日、イギリス人達が感謝の気持ちを込めて、インディアンたちを夕食に招きました。これが「感謝祭」の始まりだと言われています。

現在では、若干意味合いが当初とは変わり、感謝する相手はインディアンに限らず、家族や友人、自分の信仰する神様、大切な先祖などなど、自分が感謝したい人すべてが対象となっています。

以上、マシュウの感謝祭一口講座でしたー。


上でも述べた通り、毎年この時期は、それこそ「死ぬほど」忙しいのですが、実は今年は、「死ぬほど」ではありませんでした。「気絶寸前」くらいですか。まあ、忙しいには違いなかったのですが、ほかのフローリストや花市場の関係者も口を揃えて同じことを言っていましたし、後で聞いた話では、感謝祭後の大バーゲンも、昨年より3割はど減少したそうです。

とは言え、通常の業務のほかに、来月手掛けるウェディング関係のイベント(後ほど詳細を書きます)の打ち合わせがあったりと、なにかとバタバタしていたのは事実です。

せっかくなので、感謝祭をイメージした作品を紹介したいと思います。以前にもこれと似た作品を作ったことがあったのですが、この生け込み先のクライアントから、「あれに似たものを作ってほしい」という要望があったため、当初予定していたデザインを急遽変更して作ったのが下の作品です。


巨大なバスケットを枝ものを編んで作り、そこに感謝祭をイメージした花材でデコレーションしました。
楓や樫などを枝ものを使い、インディアン・コーンやザクロなどの実ものを中心に仕上げて行きました。使ってある花材は、茶色の向日葵、秋色アジサイなど。感謝祭では通常、黄色やオレンジ色などといった秋をイメージしやすい色の組み合わせを使うことが多いのですが、高級なクライアントのイメージに合わせ、ワインカラーやブラウンといった落ち着いた色合いを敢えて取り入れました。


ショップ関係では、ひたすらテーブル用のアレンジメントのオーダーが多かったのですが、去年作ったキャンドル・ホルダーが好評だったので、今年もそれに似たものを何種類か作りました。

ここで今回紹介するのは、そんななかでも小さなデザイン。キャンドル一本用なので、値段も手頃ですし、テーブルの上でも料理の間に飾りやすいので、まとめていくつか購入するお客さんも多かったです。




手のりサイズのカボチャに穴を開け、そこにキャンドルをセット。そして、プリザーブドのアマランサスやアジサイなどを使ってデコレーションしたら完成です。


ところで、上でも少し触れましたが、来月ウェディング関係のイベントに参加します。BAWN EVENT(ベイエリア・ウェディング・ネットワーク)と呼ばれるこのイベントですが、毎年、ウェディング業界の関係者が一堂に会し、来年のウェディングのトレンドなどについて情報交換をするほかに、新たな仕事上でのパートナーの開拓などを目的に開催されます。参加するのは、フローリストのほかに、ケータリング業者、ウェディング・コーディネター/パーティ・プランナー、フォトフラファー、会場装飾関係の業者、ウェディング・ケーキを手掛けるベーカリーなどなど。今年は、12月の上旬に、ここベイエリアでもウェディングの会場をして人気の高いDunsmuirで開催されるのですが、当日は、本番のウェディングさながらに装飾され、ランチをしながらのイベントをなります。ちなみに、会場は来年のトレンドを占う三つのセクション(スプリング、地中海、アジアン・フュージョン)で構成されるのですが、僕が手掛けるのは、スプリング・セクションの7つのテーブルです。予定では春をイメージしたテーブルの装飾を3種類作る予定なのですが、先日行われた打ち合わせでは、テーブル・クロスを専門とする業者の人と、僕のテーブルに使うテーブル・クロスを3種類選びました。セージ・グリーン、桜色、そして、シャンペン・カラーの三色。実際のものを皆さんにご覧に入れられないのが残念なほど、どれも高級感溢れる素敵なクロスです。イベント当日に写真をたくさん撮りますので、また、ここの報告したいと思っています。かなり豪華絢爛なイベントになると思いますので、どうぞご期待ください!


テーブル・クロスの選定中の様子。厚手のものの上に刺繍の入ったオーガンザを被せるなど、組み合わせも自由。組み合わせ次第で、イメージも大きく変わります。僕が選んだ三種類のうちのふたつが、このように違う生地を組み合わせたものです。



プライベート関係ですが、感謝祭の晩には、kevinの友人に招待され、彼らの家へ感謝祭ディナーへ行ってきました。大きな七面鳥に舌鼓。楽しい晩を過ごしました。  あ、そうそう、余談ですが。七面鳥って、食べると眠くなるって、みなさん知ってました? 七面鳥に含まれるとある物質が、眠気を誘うのだそうです。




最後になりますが、実は、感謝祭の前に、今回の記事をは異なるエントリーをアップしようと計画していたのですが、多忙な毎日に追われ実現には至りませんでした・・・。なので、そちらは次回へ持ち越し。この人の登場です。お楽しみに!

happy halloween!

2006-10-29 17:18:35 | フローラルデザイン
今年も、気がつけばハロウィンがすぐそこに・・・。歳を取る毎に、時間が経つのが加速しているように感じるのは、・・・やっぱり歳を取ったからでしょうかねぇ。子供の時の一年って、もっと長かったような気がします。

と、それはさておき、この時期のアメリカは、街中がハロウィン一色。玄関先にはかぼちゃが飾られ、それぞれにアイデアの凝ったコスチュームを身に着けた人が街中を行き交います。特にハロウィーン当日の10月31日などは、コスチュームを着て会社に行く人も多いんですよ!このあたり、さすがアメリカ!です。だって、日本では考えられないですものね。もしも、フランケンシュタインやバニーガールの格好で仕事になど行ったものなら、即上司に呼び出されて大目玉を食らうこと間違いなし、ですよね。


というわけで、今回のエントリーはハロウィンに関するものをUPしようと思います。前回のエントリーの最後に、次回(つまりは、今回、ですね)のエントリーは「ウェディング」について書くので楽しみにして待つように!などと豪語したにも関わらず、ここ最近はなにかと仕事が忙しく、気がつけばハロウィンになってしまったのでした・・・。スミマセン・・・。なので、ウェディングは近日中に、ということで、お許しを。

それでは、気を取り戻しまして、今回のエントリーにGO!



今年も活け込み先のデザインは、ハロウィンに因んだものを中心に仕上げました。

ハロウィンのようなホリデー向けのデザインは、当然テーマが定めやすいのですが、その反面、下手をすると安っぽいイメージになってしまうことも多いのです。「洗練されたデザイン」が僕のデザインに対するコンセプトなので、今回もソフィスティケートされたものを作るように心掛けました。

テーマがはっきりしたものを基にデザインする場合、まずはそのテーマに沿ったキーワードをブレインストームして、ノートに書き出すところから始めます。たとえば、ハロウィンなら、「かぼちゃ、黒猫、蜘蛛、蜘蛛の巣、墓場、墓石、おばけ、ガイコツ」などですね。一昨年は蜘蛛の巣とかぼちゃをメインに大人っぽくソフィストケートされたものを、そして、去年は一昨年のものをベースに黒猫と墓石を加えて、もう少し遊び心に溢れたものにしあげたのですが、今年のハロウィン用のデザインに選んだキーワードは、以下の三つ。



まずは、こちら。キャンディ・コーン。とうもろこしの粒々を模ったお菓子なのですが、ここアメリカでは、ハロウィンにはなくてはならない存在です。味の方は・・・・、全然美味しくありませんっ!!テクスチャーもワックスや蝋のようですし・・・。でも、これが大好きだというアメリカ人が多いんですよ。アメリカ人の味覚って一体・・・


そして、こちらのいびつな形のかぼちゃ。JACK-O-LANTERNにはでっかいオレンジ色のかぼちゃが使われますが、こういった変形したものも、不気味でハロウィンにはぴったり!


三つ目に選んだキーワードが「こうもり」。厚紙を切り、それに黒いフェルト生地を貼って作った、お手製のこうもりです。


この三つをメインに、日本から取り寄せた銀色の水引を編んで作った大きな蜘蛛の巣と、オレンジがかった色のアンセリウムを使って、今回のデザインを仕上げました。

背の高いスリムなガラスの花器に、キャンディ・コーンを入れ、その上に柳を編んだものをセットします。そして、柳に、黒くペイントした枯葉をグルーで付け、ウォーター・チューブに挿したアンセリウムをワイヤを使ってセットします。次に、お手製のこうもりを3匹ほど柳から吊るし、スパニッシュモスと水引で編んだ蜘蛛の巣を飾ります。最後に、テーブルの上に枯葉と変形かぼちゃをデコレーションして完成。


ディテールはこちらを参照。

壁面に映った影も、ちょっとおどろおどろしていてムードを醸し出していますよね。クライアントからの評判も上々でした。


ところで、今年のハロウィンのトレンドですが、ここ数年人気だった、オレンジと黒というハロウィンの定番カラーに蛍光グリーン(フランケンシュタインの顔の色、ですね)とパープルを加えたコンビネーションが一気に失速、それに変わって台頭してきたのが、GOTHIC CHICと呼ばれるスタイルです。黒魔術のような雰囲気と言えば伝わりやすいかな。色で言うと、限りなく黒に近い紫や、真紅といった組み合わせが人気です。先週末にはハロウィン・パーティが多く開かれ、僕もそれ用のオーダーをたくさん受けました。流行に敏感な、ゲイのカップルなどから受けたオーダーは、このGOTHIC CHICをイメージしたものが多かったですね。



そして、ハロウィンと言えば、やはり黒猫! 実は、ここアメリカでは、いまだに「黒猫=不吉」という古い迷信じみた考えを持つ人も多く、アニマル・シェルターなどでも、養子として引き取られる率が一番低いのが黒猫なのだそうです。ところが、このハロウィンの時期にだけ、「飾り用」として黒猫の人気が高く、ハロウィンが終わったと同時に返しに来るという、なんとも身勝手な人間が多いのです。こうしたことから、ここ最近では、この時期の黒猫の養子縁組を禁止するアニマル・シェルターも増えてきているのですが、黒猫を愛する一人としては、本当に腹立たしい限りです。「黒猫は不吉でもなんでもなく、ほかの猫同様に可愛い!」と声を大にして言いたいですね。

と言うわけで、我が家のチップの登場です。題して、「2006年版、ハロウィーン仕様」。

じゃじゃーん!





"trick or treat"


CHIPも参加している黒猫振興会はこちらから。





ところで、少しだけ、僕の近況を。
先週、ここサンフランシスコへ、東京から お客様がいらっしゃいました。このYORIさんとは、以前からお会いしたいと思っていたのですが、まさかこんなに早くに実現するとは思っても見ませんでした。サンフランシスコの市内のホテルに滞在されたのですが、火曜日の夜には、KEIVN宅へ連行! その晩は、無理をお願いして、結局KEVIN宅で一晩を過ごすこととなりました。年頃の女性を無理やりに・・・、これで僕たちがストレートだったら、思いっきり問題ありですよね、あはは。スミマセンでした!!>YORIさん。 KEVINはYORIさんのことをえらく気に入ったようで、はしゃぎぶりも絶頂に・・・。彼のハイパーぶりに、驚いてしまったのではないでしょうか?

YORIさんはイラストレーションを描くこともあり、KEVINとは共通の話題も多く、話も盛り上がったようです。良かった良かった。



イラストレーションなどについて語り合い、すっかり意気投合するお二方の図。

彼女のブログを読んだ限りでは、ちゃきちゃきの江戸っ子みたいな活発な女性をイメージしていたのですが、実際にお会いしたYORIさんは、しっとり落ち着いた、素敵な大人の女性でした。次回は東京でお会いできたらいいですね。またひとつ素敵な出会いに恵まれ、とてもうれしく思っています。ありがとう。






ところで、業務連絡です。

絵本をオーダーされた方(ケヴィン宅へ郵送先を指定された方)の中で、お二人ほど購入者が不明の方がいらっしゃいます。お手数ですが、オーダーをされた方は、僕の方へメールでお知らせください。

そして、先週あたりから、オーダーしてくださった絵本が、ファクトリーのほうから僕たちの元へ届き始めています。サインとお名前を入れたものは、今週以降に皆さんのもとへ郵送する予定でいます。大変お待たせしておりますが、今しばらくお待ちくださいね。では!!

ひまわり、向日葵、ヒマワリ!

2006-09-18 15:18:29 | フローラルデザイン
よくいろいろな方から、「一番好きな花は何ですか」という質問を受けるのですが、う~ん、これって、簡単なようで難しい・・・。どの花にもそれぞれに思い入れがあり、そう簡単には絞り込めないのですが、強いて言うなら、季節を感じる花が好きですか。最近では年間を通して手に入る花が増えてきましたが(例えば、バラやゆりなど。今では、春の訪れを象徴していたチューリップですら年間通して手に入ります)、毎年その季節にしか出会えない花は、風情もあって良いですね。毎年再会する度に、「一年が過ぎたんだなぁ」なんて感慨に耽ったり。

そこで、今回紹介するのが、「ひまわり」。夏から秋へかけてがひまわりの季節ですが、実はこのひわまりも、最近ではグリーンハウスなどでの栽培が盛んになり、季節以外での入手も徐々に可能になってきています。欲しいときに手に入るというのは、まあ、便利には便利なのでしょうが、その反面、ちょっと寂しい気もしますね・・・。




ところで、「ひまわり」と聞いて、みなさんが真っ先に頭に思い浮かべる姿は、きっとこんな感じですよね?


こんな感じ。

ところが、ここ数年、市場にでまわるひまわりにもいろいろな種類が増えてきました。デザインをする側から言わせてもらうと、種類が豊富なのはデザインに「幅」が増えてうれしい限りです。

ここ数年人気の、ツートーン・カラー。黄色一色だと「能天気」で「子供っぽい」印象にも成りかねないひまわりですが、ブラウンが加わるだけで、グーンとオトナっぽい感じになりますね。


そして、こちらは、「テディ・ベア」と呼ばれる品種。中央の種の部分が小さく、フワフワとした花びらが特徴です。「テディ・ベア」のぬいぐるみさながらの風貌。


今年のトレンドカラーである「茶色」人気に乗って人気上昇の「黒いひまわり」。その名も「ココア」。黒に限りなく近い深い茶色のひまわりです。ここまでくると、かなりシックな印象ですね。



ちなみにひまわりですが、通常、ひとつの茎に複数のつぼみがつきます。そのまま全部を咲かせても綺麗ですが、この場合、比較的小さな花に育ちます。大きな花を咲かせたい場合、真ん中のもののみを残し、ほかのつぼみを摘んでしまうと、大輪のひまわりを咲かせることが出来ます。花が咲くまでは、太陽に向かって茎が伸びていく傾向がありますが、一旦花が咲いてしまうと顔を東に向けて固定します。ひまわり畑などで見るひまわりが、みんな同じ方向に顔を向けているのはそのためですね。

ひまわりの原産地は、僕の住むアメリカ。コロンブスが新大陸を発見した後、ヨーロッパへ持ち込まれました。そこで、観賞用だけではなく食用としても改良され、その後17世紀に入り、中国を経て日本へ伝来。元禄時代に、ひまわりという名前が生まれたようです。





と、こ、ろ、で!

最後に僕の「ひまわり・コンビ」を。









ひまわり一号。


ひまわり2号。


・・・って、思いっきりベタじゃんっ!! スミマセン








業務報告。

近日中に、ケヴィンの絵本が購入できるオンラインストアが開店する予定です。詳細が決まり次第、ここで発表させていただきます。乞う、ご期待!

ウェディングをレポート!

2006-08-09 03:58:19 | フローラルデザイン
ただいまウェディング・シーズンの真っ只中。先週末、その中でも特に大規模なウェディングをひとつ手掛けました。今回のエントリーは、その模様をドキュメンタリー・タッチでお送りしたいと思います。

まず、簡単に新婦と新郎についてですが、彼らは20代後半のカリフォルニア生まれ、インド系2世のアメリカ人です。共に裕福の上に「超」が10個くらいつくような家庭の出身で、今は二人ともNYに住んでいるものの、彼らの家族や親戚がここサンフランシスコ周辺に在住のため、ウェディングもサンフランシスコ市内で執り行われることになりました。

この手の大きなウェディングの場合、十中八九、ウェディング・コーディネーターーが付き、彼らが花、ケータリング、フォトグラファー、ミュージシャン、そして会場の手配までをコーディネートします。今回も当然、サンフランシスコで大きなウェディングを数多く手掛けるコーディネーターのダンカン・レイズが彼らのウェディングのすべての手配をしたのですが、彼には直属のフローラル・デザイナーがいるのです。なのに、なぜに今回僕の出番となったのか? それは、新郎のお母さんが僕のクライアントの一人で、彼女の鶴の一声で、花は僕が担当することとなったのです。(thank you, Rubina)

初めての打ち合わせは去年の秋。コーディネーターのダンカンと、NYから打ち合わせに来た新婦のプージャ、彼女の母親、そして僕のクライアントである新郎の母、ルビーナと僕の5人で行われました。通常は新婦の意見が一番に通ることが多いのですが、今回は「資金元」であるルビーナが大きな権限を持っています。とは言え、彼らは花に関しては所詮は素人。この日はみんなの意見をとりあえず聞き、全体のイメージをつかむことに。そして後日、いろいろなオプション(たとえば、テーブル・アレンジメントにしても、5つくらいのアイデアを提示)を企画書にして彼らに送付しました。

こんな感じで、その後も先週に行われたウェディングの1週間前(!)まで、変更に変更が繰り返され、何百という電話とメールの交換が行われたのですが、どうにか無事になんの滞りもなく、素敵なウェディングを開催することができました。

以下は、当日までの流れを書きますが、まずは、式の一ヶ月前に、ウェディングで使う花の手配を開始。


花をオーダーする場合、僕は必ず、上のようなリストを作成します。横がアイテム(ブーケやテーブル・アレンジメントなどですね)、縦が花の種類。こうすることで、たとえば、ブーケにはどの花を何本使うか、ということが簡単に把握でき、オーダーだけではなく、実際にアレンジメントを作る際にも、このリストを見ればすべてがわかる仕組みになっています。

式の3日前である水曜日に、市場に花をピックアップ。


今回使われた色の組み合わせは、今年の流行色であるジュエル・トーン。オレンジ、フューシア、バーガンディなどの組み合わせですね。花材は、各種蘭、バラ、ダリア、カラー、などなど。

そして、式当日までの3日間は、地獄のような忙しさ。連日14~15時間労働が続きました。

当日の土曜日の早朝。ショップで最後の点検。この日は大きなバン2台に花を積み、いざ、会場へ出発です。



式が行われたJulia Morgan Ballroomに10時に到着。2時までにすべてのセットアップを完了することになっているのですが、このビルは古い作りで、搬入は歩道にある簡易式のエレベータ一台のみ。僕たちだけではなく、ケータリング業者などとも共用のため、混雑はかなりのものでした。


このエレベータで一旦地下に降り、そこから搬入用の大きなエレベータで15階にある会場へ。面倒クサイのなんのって・・・・。顔は笑ってますが、実は連日の重労働で疲労感はすでにマックス状態・・・。

今回のボールルームは、とても大きな会場で、花の装飾も当然多くなります。会場内には大きな暖炉も3つあり(中でも、式とディナーが行われる会場内のものは、そうだな、3人くらいまとめて火葬できるくらい巨大!)、それらも花とキャンドルでデコレーションしました。


エレベータ・ホールにある暖炉。招待客を暖かい暖炉が迎えます。(え?8月なのに暖炉?って思われた方も多いとは思いますが、サンフランシスコの夏の晩は冷え込むんですよね)


こちらは、バー・ラウンジのテーブル・アレンジメントと暖炉。なかなかロマンティックに仕上がりました。



3時に招待客が式が行われるボールルームに到着。式の開始は4時です。


セレモニーの準備が完了。ちなみに、正面に見えるのは、マンダップと呼ばれる、インドの伝統的なウェディングに使われるもの。このマンダップだけは、地元の業者が用意しました。それ以外の花の装飾は僕が手掛けました。


ヴァージン・ロード用の装花。花で作ったくすだま状のものを椅子に装飾。そして、アクセントとして、ヴァージン・ロードの両脇に、バラの花びらをセットしました。




新婦・新婦の付添い人も、インドの民族衣装を纏っています。


目を見張るほどの美男美女たち。

この日のフラワー・ガールは二人。ヴァージン・ロードに花びらをまいて、新婦の登場を待ちます。

フラワー・ガール用に用意したバラの花びらが入ったバスケットと、髪に飾るリース。


可愛いフラワー・ガールのひとり。

そして、いよいよ新婦が登場です。


伝統的なインドの結婚式では、ブーケは持ちません。その代わりに、ヴァルマーラと呼ばれる、長い花の首飾りが使われます。式の途中に、その首飾りを新郎と新婦が交換するのです。


新郎新婦のアップ写真。美男美女のカップル誕生!


式が終了する4時45分と同時に、招待客は全員、一旦、会場の隣にある大きなバー・ラウンジへと移されます。そして、6時半にこの同じボールルーム内でディナーが始まるため、その間に僕たちで、式からディナーへと大改造をするのです。


ケータリング業者と僕たちで、一斉に、式の会場からディナールームへ大改造。



セット・アップが完了。あとは招待客を待つのみです。

テーブルの数は全部で33個。テーブル・アレンジメントのアップはこんな感じです。


トピアリー・タイプのデザイン


結局、すべてのセットアップを終えて会場を後にしたのは午後の7時。疲れもピークに達していたのですが、いろいろな方からお褒めのお言葉をいただき、大きな仕事をひとつ終えた後の充実感もいっぱいでした。

今まで数え切れないほどのウェディングを手掛けてきましたが、今回は僕にとって初めての体験となったインド式の結婚式。いろいろなことを多く学んだ仕事でもありました。きっとこの先、思い出に残るであろうウェディングのひとつになるのは間違いなしですね。

新郎新婦のイサックとプージャ、これからも末永くお幸せに!



wedding rush!

2006-07-07 15:48:04 | フローラルデザイン
7月に入り、いよいよ本格的なウェディングのシーズン到来です。ここ最近は、週末ともなればウェディングを手掛けてるのですが、前回のこのエントリーでも書き記したとおり、今年の流行色はブラウンをメインとしたジュエル・トーン。バーガンディ、オレンジ、フューシアといったリッチで大人っぽい色を組み合わせたものが人気です。

アメリカの独立記念日の前日にもウェディングをひとつ手掛けたのですが、こちらも、この「ジュエル・トーン」が全体のカラー・スキーム。ブライドメイド(新婦の付添い人)のドレスもチョコレート・ブラウンでした。

ところで、このウェディングにはちょっとしたうれしい出来事がありました。

今から4ヶ月ほど遡ったある日、このウェディングの新婦から僕宛に、「ウェディングの打ち合わせをしたい」という旨の電話が掛かってきました。電話で聞いたところ、僕とKEVINがよく行く馴染みのフレンチ・レストランから紹介をされたとのこと。そして、その数日後にうちのショップで打ち合わせをしたのですが、彼女がショップに入ってきた途端、お互いの顔を見るなり二人揃って悲鳴を上げてしまいました。というのは、僕がサンフランシスコへ移住した11年前、当時のパートナーのDALEが通っていた法律の大学院の寮に一年間だけ住んでいたのですが、実はこの新婦であるCHANTALも同じ階に住んでいたのです。彼女はDALEと同じクラスも取っていたので、当時はことあるごとに一緒につるんでいた仲だったのです。そしてその後、DALEも彼女も大学院を卒業し、以前のようにつるむ機会も自然と少なくなって行き、それ以降はなんとなく会うこともなくなってしまったのですが、それから9年経っての偶然の再会。うれしい悲鳴を上げてしまったのには、そんなわけがあったのです。

というわけで、今回のウェディングは僕としてもひときわ力を入れたですが、その甲斐もあって、なかなか素敵なウェディングになりました。

ウェディングが行われたのは、バークレーの山沿いにある美しいTilden Park内に建つThe Brazilian Room。大きな庭に面したバルコニーのエリアに牧師を呼んでセレモニー(式)を挙げ、その後引き続いて、建物の中でリセプション(披露宴)が行われました。

セレモニーでは、アーチを作成。屋外で行われるセレモニーを意識して、ナチュラルな感じに仕上げました。(写真ですが・・・、リセプション会場のセットアップに追われて、僕としたことが、ついつい撮り忘れてしまいました・・・。今後フォトグラファーから送られてきたらアップします)

そして、リセプション会場での装花ですが、テーブルの数は15。ナチュラルなイメージは損なわずに、しかしながら、デザイン的に面白いものを。そこで考えたのが、デザイン的に違う3種類のものを5つずつ用意し、全体にバリエーションを与えるというもの。使う花材は、共通しています。使った花材ですが、バラ、ダリア、カンガルー・ポー、クロコスミア、サンダーソニア、オレガノ、スカビオサ、ヒペリカム、チョコレート・コスモスなど。

センターピース *タイプ1

3種類の中で、一番低いアレンジです。浅い円形のガラスの花器を使用。花器の淵に沿うように、花を挿しています。写真からはわかりづらいですが、真上から見ると、ドーナツ状に花がデザインされて、真ん中から水が覗いています。この水も大切なデザインの要素。

センターピース *タイプ2

こちらはトピアリー・タイプのもの。ちなみに、奥み見える小さなテーブルは、新郎新婦が座ります。

センターピース *タイプ3

一番背の高いタイプ。これはいわゆる「ベジテーティブ・デザイン」と呼ばれるスタイルなのです。一言で言えば、花器の中で植物が自然に生えているようなイメージ。花壇の一角を切り取った感じですね。


と、こ、と、で! 突然ですが、ここでクイズ。↑の3つの写真には「不自然なところ」があります。さあ、わっかるーかな、わっかるーかな♪


リセプションでは、このほかに、ケーキ、ウェルカム・テーブル、ビュッフェ・テーブル、ギフト・テーブルなどのアレンジを作成しました。

そして、ブーケですが、ナチュラルな感じのキャスケード・タイプのものを用意。




セット・アップのあと、一旦ショップに帰り、そしてパーティがお開きとなる11時頃に再び会場へアーチの解体などのために戻ったのですが、その際にはKEVINも一緒についてきました。パーティ会場を後にし家路に着く招待客たちから、花に関する多くのお褒めの言葉をいただき、KEVIN曰く、とても僕を誇りに思ったとのこと。僕の仕事をこうして「ライブ」で見るのは、初めてだったよね>KEVIN。僕もちょっとだけ鼻高々でした。


そんなこんなの、思い出に残る素敵なウェディングとなったのでした。


結婚おめでとう、Chantal and Adam!! 末永くお幸せに!



せっかくなので、最後に、独立記念日用に作った作品を載せておきます。
「お約束」の赤、青、白に、アクセントのシルバー。花火をイメージしました。


Happy July 4th!





答え) 椅子がありません。椅子はすべて、屋外で行われるセレモニーに出払っていたのです。セレモニーが終わり次第、テーブルのもとへセットアップされるのですが、この写真を撮ったときには椅子のない状態でした。

今夏のウェディングの傾向

2006-06-19 07:21:40 | フローラルデザイン
先週は、パーティやウェディングなど大きなイベントが続いた上に、卒業式や父の日も重なったため、なかなかハードな一週間でした。

今回は、昨日の土曜日に行われたウェディングの模様をレポートしたいと思います。

去年まで長く続いたラベンダー(色)の人気にも陰りが見えはじめ、今年に入ってからじわじわと人気を上げてきたのがブラウン系です。今月末から7月にかけて手がけることになっているウェディングのうちの4件も、ブラウンをメインにした配色。所謂「ジュエル・トーン」と呼ばれる配色なのですが、ブラウン、バーガンディ、オレンジ、ラスト、フューシアといった色目ですね。(例を挙げるなら、こんな感じこんな感じです。)今回のウェディングの全体のカラースキームは「ジュエル・トーン」ではなかったものの、ピンク、クリーム、アイボリーを中心に、アクセント色がカフェラッテ系のブラウンでした。

花材は、アイボリーからピンクにかけてのグラデーション。バラやトルコ桔梗をメインに使いました。そして、ブラウンが使われたのは、ブライドメイドのドレスや、テーブルクロスなどの生地類一式。

スタイルはフォーマルの部類です。ブーケはラウンドのハンドタイド。

ブライドのニコールとブライドメイド(新婦の付添人)。

ニコールのブーケはバラとカラリリー(ミニチュア系のハイブリッド種)のみを使用。ブライドメイド・ブーケはバラ(ヴァンデラとタイタニック)そしてトルコ桔梗を使ってあります。


フレンドリーなブライドメイドのふたり。

そして、フラワーガール用のブーケは、花で作った直径10センチほどのくす玉状のもの。取っ手となっている上のリボンのループを持つように作ってあります。バージンロードを歩く際に、下のリボンがひらひらと風でそよぐ仕掛け。


セレモニーは屋外で行われ、メインのアルター(通常、祭壇の両脇に飾る大きめの花のデコレーション)のほかに、アーチも作りました。

そして、その後に行われたリセプション(披露宴)ですが、テーブル用のアレンジメントは背の高いガラスの花器を使ったトピアリー状のものを作成。今回のように、天井の高い会場では、このような高さのあるデザインの方が、引き立って見えますね。そして、ケーキはクリームでドレープ状の生地をイメージしたものをフィーチャーしたデザインでした。

今回のウェディングはそれ自体の規模も大きかったというこをもありますが、会場となったホテルでは同じ日に5つのウェディングが重なり、それぞれのウェディングの搬入やセットアップに費やせる時間が最小限に設定されていました。とは言え、アーチなどの大きなデコレーションは予め作ってから持って行くわけにはいかず、会場で装花をしないわけにはいきませんし、それ故に、時間を気にしながらのセットアップにストレスを感じながらの作業となりました。こういうのは、精神衛生上、良くないですね・・・。

来月にかけて、大きなウェディングが立て続けに入っています。それぞれに個性のあるウェディングなので、またその模様をまとめてエントリーにアップしようと思っています。どうぞお楽しみに!



そして、最後に、今週の生け込み作品の一つを紹介。偶然にも、ブラウン系のグラデーションでまとめた作品です。



バード・ネスト(鳥の巣)をイメージして作った作品です。直径1メートル弱ある「巣」の部分は、白樺の小枝、ドライのエンジェルバインなどで作成。そこに、レインディア・モス、マニー・ツリー、そしてスモーク・ツリーといったドライのマテリアルをグルーガンで留めて行きます。そして最後に、卵に見立てた白いシャクヤクを巣の中にデザインして完成。オーガニックな仕上がりで、最近作った作品たちの中でも気に入っているものの一つです。皆さんにも気に入っていただけたらうれしいのだけれど。

Mother's Day is coming up soon...

2006-05-08 12:13:30 | フローラルデザイン
5月に突入した途端に急に仕事が忙しくなり、気が付けばこれが今月初めてのエントリー・・・。その間にここを訪れてくださった皆さん、ごめんなさい。

そして、いよいよ来週の日曜日は「母の日」。アメリカの花屋にとって、バレンタイン・デーやクリスマスと並ぶ、忙しいホリデーの一つです。考えるだけでオソロシイなぁ。でも、がんばります! エイ、エイ、オー!

「母の日」の模様は、近いうちにまたエントリーにUPする予定なので、どうぞそちらもお楽しみに。


以上。











で終わると思いました? 久々のエントリーでそんなわけにはいかないでしょう、やっぱり。ですよね?


というわけで、今回のエントリー。

ここ最近の僕の作品をいくつかピックアップしてみました。みなさんにも楽しんでいただけたら光栄です。



ひとつめ。

こちらは先日の活けこみ作品のひとつです。この活けこみ先で働くスタッフの女性の一人が、毎週僕が作る作品にタイトルをつけてくれるのです。それは「4月の雨」だったり、「夏の花火」だったり、まあ、その場の閃きでつけてくれるのですが、今週の作品は「ZEN」だそうで、周りにいたスタッフやゲスト達も「ぴったりなタイトル!」と言っていました。そうかぁ、アメリカンの目から見た「禅」はこういうイメージなのかぁ。なるほど。

ちなみに今回の作品のアイデアの元となったのが、先日見つけたこのアンスリウム。深い紅色にストライプの入った珍しいタイプのもので、これを見つけたときに絶対に次の活けこみに使おうを思っていたのです。

という訳で、まずは、この作品の解説をするにあたり、制作前のスケッチを大公開!



大きな作品を作る前には、必ず簡単なスケッチをするのですが、今回の作品を制作するにあたり考えたのが、上の二つのプラン。

イタリア製のテラコッタに竹を直角に固定し、その竹に細い白樺の枝を水平にセット。左右とも、竹の高さは同じですが、水平にセットする白樺の長さは異なるようにしています。そして、それらをテーブルの上に配置するのですが、その配置を考えたときに浮かんできたのが、上の「プランA」と「プランB」。「A」は、向かい会う白樺の間に空間を設けたもの。それに対して、「B」は白樺の枝の先端が後と前で重なるように配置したものです。

白樺の枝の先端にモスをグルーでつけ、左右からアンスリウムが出会うようなデザインにしました。

結局「プランB」に若干手を加えてできたのが、こちらです。


その名も「ZEN」。写真だと立体感に欠けてしまうのが残念です・・・。


そして、先週の活けこみで凄く反響があったのが、次のもの。大きな作品ではありませんが、問い合わせが多く寄せられました。


かなりポップな仕上がりですね。テーブル用のアレンジメントなので、360度、全角度から楽しめるように仕上げてあります。


そして、僕の好きなドライ・マテリアルを使った夏をイメージしたリースを二つ。ともに、「太陽」がモチーフになっているのですが、いかがでしょう?




こちらのリースに使った放射線状に伸びる枝ですが、実はこれは売れ残ったバラの枝をドライにしたものなのです。そう、リサイクル! 最後の最後まで使ってあげるのが僕の花に対する愛情です。


せっかくなので、最後にもう一点。先日手掛けたウェディングのブーケです。なんだかんだといっても、ハンド・タイドのラウンド・ブーケが主流の今日この頃ですが、たまに、こういうクラシカルでフォーマルな感じのキャスケードを作ると新鮮で良いですね。






と、今回は僕の作品をいくつかピックアップしてお送りしましたが、次回は、先日のエントリーでもちょこっと触れた「CHIPの大冒険編」をUPいたします。チッピー・ファンのみなさん(・・・って、いれば、の話ですけど)、どうぞお楽しみに~!

Happy Easter!

2006-04-15 15:09:01 | フローラルデザイン
ただ今のサンフランシスコの時刻は、4月14日(金曜日)の夜10時半です。イースター(復活祭)まであと二日。今年は花のオーダーも例年よりも多く、なにかとばたばたしています・・・。

ところで、みなさん、イースターについてどれくらいの知識をお持ちですか? イースターという言葉は耳にしたことがあっても、意外とその内容までは知らない、っていう方が多いのではないでしょうか?

というわけで、ここで「MATTHEWのイースター講座」。

簡単にかいつまんで説明しますが、聖書によると、金曜日にキリストが十字架に掛けられて処刑され、その三日後の日曜日にキリストが復活したとされています。このキリストの復活を祝うのがこのイースター(復活祭)なのです。そして、このイースターですが、クリスマスやヴァレンタイン・デーのように毎年同じ日という訳ではなく、その年によって日付けがまちまちなのが特徴です。イースターの暦の上での割り出し方ですが、「春分の日の後の初めての満月の後の初めての日曜日」、ということになっています。なので、毎年その年によって日付けが異なり、3月21日から4月25日までという大きな開きがあるわけです。



今年は4月16日がイースターなので、今週の活け込みは主に、このイースターにちなんだものを作成しました。

イースターと言えば、春をイメージするパステルな色合い、うさぎ、たまごあたりが有名ですよね。で、今朝作った出来立てホヤホヤの作品のひとつがこちらです。


花器はイタリア製のテラコッタを使用。表面はマスキング・テープを使って、カラースプレイでペイントしてみました。ひとつは水玉模様、もうひとつは変則な縦縞です。パンリードも同じくパステルにペイントし、それを使って円錐形のトピアリーを作成。頂点の部分を数種類のリボンでデコレーションしてあります。そして、花材ですが、今回使ったものは、エンジェル・ヴァイン、デフレクサス、スターゲイザー、ライラック、ビリーボール、ビバーナム、トルコ桔梗、アジサイ、そしてスプレー・バラです。ところどころに、タマゴをデコレーションして、イースターの気分を演出しています。

クローズ・アップするとこんな感じです。


そして、ショップで販売するために、こんなプチ・バージョンも作ってみました。値段も手ごろ(40ドル)なので、来店されたお客さんからも好評!


ちなみにこのプチ・バージョンでは、リサイクルのシュレッド・ペーパーで作ったバニーもデコレーションに使っています。日頃はどちらかと言うとスタイリッシュな作品をつくることが多い僕ですが、これらのイースター用のアレンジメントのようなカワイイ感じのものも結構得意なんですよ~!エッヘン!  (手作りバニーの画像はこちらからどうぞ)


最後に、先日手掛けたウェディングのブーケの画像を。
春をイメージした結婚式、というのがテーマだったので、こんな感じに作ってみました。最近では一年を通して手に入るチューリップですが、そうは言っても、やはりチューリップは春のイメージですよね。





それではみなさん、どうぞ素敵なイースターをお過ごしください!

甘~いお仕事 wedding cake project

2006-04-11 13:23:13 | フローラルデザイン
前回のエントリーでもちょこっと触れましたが、先日、地元の高級ホテルのパティシエと一緒に「ウェディング・ケーキ」のカタログ作成の仕事をしました。

題して「ウェディング・ケーキ・プロジェクト」。このプロジェクトに関わった担当者を記しておきますと、パティシエのClaus、そのアシスタント数名、ホテルのエグゼクティブ・シェフ(シェフ長)のCharles、コーディネーターのAnnie、ケータリング・マネージャーのKathy、フォトグラファーのKeith、そして僕、という構成。ホテル内のバンケット・ルーム内に即席スタジオを設置し、そこで2週間(3月の最終月曜日と4月の第一週月曜日)に渡って撮影が行われました。


全部で用意されたケーキ、その数25個。それぞれのケーキに合わせてテーブルクロスや小物も多数用意されました。僕の仕事は、それぞれのケーキを花でデコレーションする、というものですが、撮影をひとつ終えるたびに「次のケーキはこれ。イメージはこんな感じで・・・」とみんなで話し合い、その場でセット・アップが行われます。なので、前もってデザインを考える、というような余裕など当然あるわけも無く、その場の要求への柔軟な対応が求められます。 幸いにして僕の場合、何事においても「本番」に力を発揮するタイプなので、思いっきりテンションを上げて楽しみながら仕事をすることが出来ました。ちなみに、どんな花を使うかはその場になるまでわからないわけですから、ショップから多くの種類の花を多数持参して望みました。



撮影現場はこんな感じ。和気藹々とした楽しい現場でした。


実は、フォトグラファーから写真をカタログ用に加工したもの(色の修正、バックグランドのデジタル処理など)をディスクに入れて送ってもらうことになっているのですが、あと2週間ほど掛かるとのこと。というわけで、このエントリーでは、僕が現場で撮った素人写真を数枚アップしておきます。先週末のミーティングで見せてもらったサンプルの写真はぼくのものよりも十倍は綺麗(って、当然ですけどねー)まあ、雰囲気だけでも皆さんにお伝えできたらな、と思い僕の写真をアップすることにしました。ちなみに、全部のケーキの写真を撮る余裕がなかったので、あくまでもその一部です。

カタログが出来上がってきたら、またこのBLOG内で改めてエントリーをアップしたいと思っていますのでどうぞお楽しみに。


今回はあくまでも「ケーキ」が主役なので、花のデコレーションは実際のウェディングで使うものよりも若干控えめにデザインしてあります。

で、出来上がりはこんな感じ・・・




アジサイとステファノティス。このような四角いケーキが最近のトレンド。


パープルのキャスケード。


シャクヤクとオーガンザ・リボンでデコレートしたチョコレート・ケーキ。


クロカンムッシュ。ヴァンダとビリーボールでシンプルにデコレーション。



そして、こちらはNGになったもの。

というのは、運ぶ途中に形が崩れてしまったのです・・・。「一応、デコレーションをして写真は撮っておこう」ということにはなったのですが、どう見ても型崩れしている上に、傾いていますよねぇ・・・。


ベリー類満載のガーデン・ウェディング用のケーキ。 実はこの後みんなで食べたのですが、これが本当に美味! 粗めのスポンジはバターとアーモンド・パウダー風味。甘酸っぱいベリーとの相性が抜群でした。



と、そんなこんなの楽しい仕事でしたが、カタログが出来上がってきた段階で「第2弾」をお送りしたいと思っています。お楽しみに~!






最後に、今回のエントリーとはな~んの関係もないのですが、この方がどうしても「自分を載せろ!」と聞く耳を持たないもので・・・。











「あのさぁ、MATTHEWさん、最近僕の出番が少なすぎやしませんかね?ん?」




CHIPも参加している黒猫振興会はこちらから。

Flower Power!

2006-04-05 07:01:57 | フローラルデザイン
みなさん、お元気にお過ごしでしょうか? 気がつけば、前回のエントリーから一週間。とてもイベントの多い(主に仕事関係)一週間で、なかなか新しいエントリーをUP出来ませんでした。

と言うわけで、今回は、「先週のMATTHEWの仕事っぷりを徹底検証!」。さあ、用意はいいですか? Here we go!

まずは、僕が先週何をしていたかを簡単にまとめてみますと、

(1) ウェディング・ケーキ・プロジェクト
(2) チューリップ展覧会
(3) コンテスト用のブーケ作成
(4) 毎週の活けこみ
(5) 夏から秋へかけてのウェディングの打ち合わせ(3件)
(6) パーティ用の装花(3件)

どうです? 結構真面目に働いているでしょう? でも、さすがにこれだけのことを一週間でこなさなくてはいけないとなると、心身ともに疲れがたまりますね・・・。

(1)のウェディング・ケーキのプロジェクトですが、これは地元の高級ホテルのパティシエと一緒に、ウェディング・ケーキのパンフレットを作成することになったのです。。約25個ほどケーキを花でデコレーションしました。とても楽しい仕事だったのですが、こちらは後日フォトグラファーから写真が送られてきた段階で別のエントリーをアップしたいと思っています。美味しそうなケーキの写真満載ですョ! お楽しみに!


先日のエントリーでも告知しましたが、まずは「チューリップ展覧会」の模様から。



これは、オークランド・ヒルズにある墓地が企画したイベントなのですが、この墓地には毎年3万本のチューリップが咲き乱れ、毎年それを楽しみに訪れる人があとを絶たないのだそうです。(今年は記録的な雨続きで、残念なことに外に咲き乱れるチューリップは壊滅状態でした・・・。)

そこで持ち上がったのが、この企画。担当のDOREENによると、3年掛かりでようやく実現にこぎつけることができたそうで、記念すべき第一回目となる今年は、彼女も相当気合が入っています。地元ベイエリアのフローリスト、フローラル・デザイナー、そして、学校など、約30の個人・団体がチューリップをメインにフューチャーしたデザインが墓地内のチャペルに展示されました。開催するにあたって、新聞などのメディアなども積極的に取り上げてくれたこともあり、毎日5時間だけという展示にも関わらず、連日1000人を超える来客があったとのこと。今回展示をしなかったフローリストからもすでに来年の問い合わせがいくつも入っているそうで、こうなると来年はもっと大きな会場が必要ですね。


会場となったチャペル内の様子。
ウォリー、もとい、ケヴィンを探せ!
(答えは自分で探してくださいね~、って、簡単すぎるかー)




これが僕の作品。


展覧会なので、はじめから大きな作品を作ろうと決めていました。幅、1メートル75センチ、高さは2メートル50センチほどです。

大好きなリバーケーンを垂直に組み、それを背の高い6個の花器にセット。リバーケーンの垂直の直線的なラインと対照を成すように、花は曲線を持って左右へ流れながらこぼれ落ちるようにデザインをしました。ちなみに写真からだとわかりづらいですが、360度全方角から鑑賞できるように作ってあります。そして、リバーケーンで作られた大きな「面」の部分ですが、真ん中が膨らむように緩やかの曲面を描いています。


展覧会へお越しくださった方たちからたくさんの暖かいコメントをいただき、ちょっぴり鼻高々でした。 どうだ~っ!

今年は、第一回目のため、どんなものを作ったら良いのか戸惑い気味(のようにぼくの目には映ったのですが)なフローリストも多かったようですが、来年はもっと面白い作品が増えるんじゃないでしょうか。いまから楽しみです。

最終日の日曜日には、このBLOGへも頻繁にコメントを残してくださる、MIKAさんご夫妻とMAHARI1さんご一家も遊びに来てくださいました。とても楽しかったです。本当にありがとう!!  この日はひろくんも参加する予定だったのですが、この朝からサマータイムが始まったことをてっきりすっかりさっぱり忘れていたようで、待ち合わせの時間に間に合わずに断念。残念! なにが残念って、この後にみんなで食べに行ったブランチが美味しかったんだよ~。  



そして、もうひとつ。

「FLOWERS&」という業界紙があるのですが、毎年この時期になると誌面でコンテストが行われます。毎年違うテーマなのですが、今年は「today's bouquet」がテーマ。「少々歳のいったモダンでちょっぴりヒップなブライド用のウェディング・ブーケ」とのこと。残念ながら、この雑誌は書店では手に入らないのですが、フローリストだけではなく、花の業界に携わるいろいろな人たちが読むこの雑誌、部数はかなりの数で、業界ではかなり有名です。まずは写真応募をし、その中から10作品が選ばれます。そして、それが再来月号の誌面で発表され、読者が投票して一位から三位までが決定する仕組みです。

コンテストにはほとんどといっていいほど興味のない僕ですが(というのは、大体のコンテストの審査員を知っているので・・・。中にはですねぇ、「え? あなたが審査員を勤めるの・・・・・」みたいな、ね?)、今回は賞金目当てで頑張っちゃおうかなぁ、と。それに、投票は読者なので、審査自体にバイアスがないと言いますか。もっとも、毎年の優勝者の傾向を見ていると、必ずしもデザイン的に面白いものが選ばれるわけではないのです。都市部では目の肥えた読者も多く、当然そういった読者は面白いものを選ぶ傾向があるのですが、なんと言ってもこの雑誌は全国誌。地方の読者は、トラディショナルなものを選ぶきらいがあるのです。なので、今回僕が応募したブーケはどうかなぁ。ちょっと変わったものを作りましたので・・・。

みなさん、健闘を祈っていてください! (ちなみに、結果は発表は11月。かなり先です)




今年の流行色であるブラウンとグリーンをメインにパープルを加えました。ビデマイヤーを取り入れたデザインですが、ハンドル部分やリボンの配置など、細かいところで遊んでみました。 使った花材ですが、ビバーナム、トラキリアム、ラベンダー、スイートピー、アラビカム、そしてデンファレです。

厚紙をドーナツ型に切り、それをリボンで装飾。真ん中の穴にオアシス・ホルダーをグルーでセットし、花をビデマイヤー(ドーム状)にデザイン。ハンドルの部分もリボンで巻き、さらに同系色のビーズでデコレーションしてあります。そして、最後にハンドルの先端からリボンを垂らして完成です。アップ写真はこちら


どうです? 選ばれるかな?











最後に、お待ちかね、今回のKEVINさんのハイパー顔写真を。展覧会の前夜に行われたリセプションでのひとこま。当然、この写真を撮っているとき、何十人もの人が周囲にいたのは言うまでもありません。今回は特別ゲスト、友人のDONNYも一緒に参加です・・・。(どうして、僕の周りって、こんなヒトばっかりなんだろ・・・?)