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Sparkring Life

旧・京都Sparkring Life
通って住んだ足掛け10年の京都生活を終え、横浜に住まい中。
書く人:maiky

【祗園祭】鉾建て

2008年07月10日 | 【京都】祗園祭


目の前で繰り広げられる伝統の技術。



7月10日、鉾建て。
都大路に山鉾の輪郭が見え始めます。






長年の経験と知識こそ、かけがえのない財産。



シュッ・・・!!

縄がしまる音が粉塵となり、出来栄えは建方士の表情に表れます。



いま、古く美しい手は・・・



傷ついた若き手に、伝統の技術を託していきます。



長刀鉾の鉾建てで、私は素晴らしい建方さんと出会うことが出来ました。
その手の美しさに目を奪われ、刻まれた深い皺に多くの知識を感じました。

華麗で優美な鉾は、ひとつひとつの部品が人の手によって組み立てられています。
機械でシステム化された工程では決してなく・・・



本来の人間の美しさによって技が継承されてゆくのです。



それは、鉾を成す木材にも表れています。
年月の風を含んだ古い木材に、これからを生きていく新しい木材が合わさる。

鉾建ては、様々な角度から人生の色々を学ぶことが出来ると思いました。



人の「知恵」と「経験」から生み出された技術は揺るぎのない芸術を生み出します。
そしてこれはいつまでも受け継がなければいけない貴重なもの。

ずっと見ていたら、時間の経過など忘れてしまっていました。



縄の先に金具が取り付けられ、まるで編み物をするように絡めていきます。
片方から渡された縄を引き出し、同じように戻します。



1本1本の縄が、鉾の柔軟性に関わります。
丁寧に確実に縄を絡めていきます。



ひたすらこの動きを繰り返し・・・



美しい芸術が、目の前で生まれます。



しかし、この縄がらみは懸装品に隠れ、完成時には全く見えなくなるのです。
この見えないものが、あの豪華な山鉾を支えている。
だけどもう私はこの大事なものの存在を知っている。
それだけでいいんだ、きっと。



ここまで読んで下さった皆さま、お気づきでしょうか?



一眼レフの高速シャッターで切り取ったその一瞬一瞬でさえ。
建方さんの手が美しいということを。

ブログへ載せる際に写真をトリミングしたりするのですが、
その作業中にふと気がつきました。
まるで時が止まったかのように、全ての手が美しかったのです。
何だかとても感動してしまいました。


長刀鉾の作業中に、地元の小学生の集団が見学に訪れました。
先生が「金具を使って縄を編んでいるよ」と教えると、生徒達は感嘆の声!
必死にメモをとり、出発時には元気な声で建方さん達にお礼を言っていました。

作業の邪魔にならないように気をつけていれば、間近で見ることが出来る鉾建て。
これも祗園祭のワンシーン。


鉾建ての様子を動画にしました。
建方さんたちの丁寧な作業やその技術をご覧いただければと思います。

<!-- 0710 鉾建て -->





今日は、実に12時間フル稼働で動いておりました^^;
この記事を更新したら今日はパソコンを閉じます。
皆さま、引き続きどうぞよろしくお願いします!!!


続けていること

2008年07月09日 | 【京都】祗園祭


7月になり、ようやく10日が経とうとしています。
もう来週には、山鉾が都大路を進みます。
あっという間に過ぎていく日々の中、実は継続していることがあります。

八坂神社と、境内摂社の疫神社へのお参り。



6/30の夏越の祓から、毎日お参りするように努めています。
何があっても必ず、31日までは続けようと決めました。
最近は暑いので、仕事がお昼で終わった日も夕方になってから出かけます。
夕方の神社って静かで、何だか懐かしいような雰囲気がいいんですよね。
とはいえここは八坂神社なので、夕方でも賑わっていますが…



境内の隅では少しずつ、静寂を取り戻しているのです。
そんな片隅へちょっとお邪魔して、暑かった日中を振り返る。
すると、この場の落ち着いた空気にホッと出来るのでした



毎日通うわけなので、手を合わせるのは自分の願い事ばかりではありません。
お稚児さんやご家族の健康であったり、無事に神事が済むことを祈願したり…。
そんなことを願ううち、どんどん神社が身近に感じられてきました。
きちんとした参拝のマナーでお参りすることも、自分を律することが出来るし。
「敬う心」は失ってはいけませんね。
たとえ相手が何も語らないものであっても。

万物に神が宿る、と八百万の神を信仰してきたのは古来からの慣わし。
私は別に宗教に関わっているわけではないけど。
教わるものは多いです。



さぁ、明日からにわかに街が騒がしくなります。
早朝から大工方さんによる鉾建てが始まります!!
伝統の技術が目の前で拝見出来るので、勉強させてもらいに出かけます。

明日は朝から晩までフル稼働の予定。
どこかで誰かが干からびてたら、それは私だと思ってお水を下さいませ(笑)

いやいや、ちゃんと暑さ&日焼け対策は万全にしていきます。
祭が終わった8月には真っ黒じゃなくて、真っ白に燃え尽きたいものです。


ちなみに最後の提灯の写真、左下にご注目
「珈琲工房 てらまち」の提灯がありますでしょ。
この提灯の写真を撮って、お店で見せたら、特典ありだそうですよ~
私もちゃっかりあやからせていただきました。
京都にお住まいの皆様、てらまちに行きそびれているあなた、
八坂神社で何気なく撮った写真に提灯が写っていたという天才的なあなた、
ぜひこの機会に、三条大宮西入の「珈琲工房てらまち」さんへどうぞ~!


【祗園祭】綾傘鉾稚児社参

2008年07月07日 | 【京都】祗園祭


今日もうだるような暑さとまとわりつく湿気の海・・・むんむんの京都です。
14時まで仕事して、急いでご飯食べて移動して、14時半八坂神社入り(笑)
着いたときは汗だらっだら
首に手ぬぐいが基本スタイルになっている27歳maiky、独身です。

さ、さて!
今日は綾傘鉾のお稚児さんが八坂神社に社参され、お千度参りをされる日です。

到着した時はすでに社殿内で「宣状の儀」真っ最中。
お稚児さんは宮司さんから「宣状書」を授与されて、八坂の神様の使いとなるのです。



続いて、本殿を3周する「御千度の儀」へ。
関係者の皆様が列をなし、ぐるりと本殿を周ります。



沿道の家族に手を振ったり、緊張して下向いたままだったり。
小さな小さな、愛らしい神様です。



左の子はお衣装もお化粧も凄く似合って、凛としたたたずまいでした。
右の子は終始にこやか めちゃくちゃ可愛かったです



1周周るごとに、拝礼。
「礼!」の号令を受けて、どぎまぎしながら一生懸命お辞儀をするお稚児さんたち。
暑いし、同じことの繰り返しで飽きてきちゃいます。
そこに「はいあと1回~!」と役員の方の激励が(笑)
神聖な儀式ですが、とても和やかな雰囲気で進められていきます。
お稚児さんたちもリラックス。



雅やかな水干・烏帽子スタイルのお稚児さんたち。
実は長刀鉾のお稚児さんたちよりさらに幼いのです。
今年の子は、5歳と6歳の男の子たち。
みんなまだ幼稚園生なのです。



ね、暑かったね。疲れちゃったね

御千度周りが終わったとたん「はぁ~!」となってしまった天真爛漫な神様たちに、
周囲にいた私たちもにっこり。 境内は笑顔でいっぱいでした。

17日の山鉾巡行ではかなりの長距離を歩くことになります。
去年も疲れて泣きそうな子が・・・。
頑張れ。


では、御千度周りの様子を動画でお楽しみくださいね。

<!-- 綾傘鉾稚児社参 -->



そして去年の巡行時の綾傘鉾です。




綾傘鉾は応仁の乱以前から存在していましたが、元治元年のどんど焼きで消失。
幾度か復活と休止を繰り返し、ようやく復興したのは太平洋戦争後のことでした。

豪華絢爛な山鉾よりもさらに古い形を現している貴重な鉾で、
巡行では生稚児の後に棒振り囃子が続きます。
稚児と舞とお囃子と鉾が一体となっていて、とても見ごたえのある綾傘鉾です。

ちょっとお疲れ気味のお稚児さんの表情や、棒振り踊りの様子、
他の山鉾とは少し異なった調子のお囃子などを、去年の動画で見てみてくださいね。

<!-- 2007年巡行 綾傘鉾 -->


 


【祗園祭】長刀鉾吉符入 稚児舞披露

2008年07月05日 | 【京都】祗園祭


7月5日は長刀鉾の神事始め=吉符入りです。
唯一の生稚児を戴く長刀鉾では、お稚児さんが初めて町内の人に紹介されます。

吉符入りは15時から。
仕事は14時までだったので、お昼を食べた後でも間に合う!と踏んでいたのですが。
思いのほか忙しくて14時半まで延長…。
急いでまかないを食べて、慌しく四条烏丸の長刀鉾町会所へ向かいました。

既に凄い人だかりでしたが、望遠レンズが大活躍ぅ




役員の方に手をひかれて、今年のお稚児さん・岡澤一規くんが町会所へ向かいます。
会所の2階で吉符入りの神事が行われたあと、いよいよ町内へのお披露目です。



ゆったりした調子のお囃子に合わせて披露するのは「太平の舞」というもの。
17日の巡行時に鉾上で舞われる厄除けの舞だそうです。



指先にまで神経を集中させて・・・



ぐるっと宙を旋回します。
補佐をするのは禿(かむろ)の乾くん。



そして中央に戻ると両手を広げ・・・



胸前の鼓をとんとん。

この所作がとても可愛いのです。
最後に動画載せてますので、見てみてくださいね。



そして今度は逆方向へ、ずばっ。



同じような所作を繰り返します。



真ん中でとんとん。




緊張しているのが手に取るように分かるくらい、この子たちはまだ幼いのです。
お稚児さんの岡澤くんは9歳。
禿(かむろ)の乾くん(左)は10歳、植村くん(右)は8歳です。

でもね、君たちはお祭のヒーローだから!
いっぱい大変なことはあるけど、きっと素敵な夏になるよ

昨晩、船鉾の町会所の前で遭遇した植村くんの無邪気な素顔が忘れられなくて。
今日、立派におつとめを果たしていた姿がたまらなく感動的でした。
私の心の中のヒーローは、キミだ


では、動画です。
巡行の時はきっと見られない稚児舞を目の前で見られて、本当に感動しました。
炎天下に約1時間さらされて気持ち悪くなったけど、会えて良かった。

<!-- 7月5日 稚児舞披露 -->



そして京都新聞のwebサイトでは、会所内の神事の様子も見られます。
一瞬私がいる場所も映るんだけど、陽射しのおかげで白飛びしてました(笑)
ラッキー。

京都新聞webサイトの動画はこちら


【祗園祭】守り継ぐもの

2008年07月04日 | 【京都】祗園祭


夜の新町通は非常に良い雰囲気です
セピア色の通りを歩いていると、北・南観音山に放下鉾のお囃子が響きます。
町に反射して響くお囃子は、何とも良きかな。

ご近所の方々も、ウォーキングがてらお囃子に耳を傾けていました。




個人的に鉦の音が丸みをおびているように聞こえる、月鉾のお囃子も始まりました。
昨日も聞きに行ったら、雨が降ってきたので5分で退散(笑)
今日はしっかり聞いてきましたよ。
丁寧にお囃子を奏でる様子が、どんな写真にも表れてきます。。。

町の人が受け継いできたもの。



新町仏光寺上る、船鉾でもお囃子が始まりました。
立派な町会所の二階から響いてきた音色。

鉦の音がはねません。
スローなお囃子を奏でていました。

山鉾巡行の際、四条河原町の辻回しで北向き進行に変わるまでは、
「奉納囃子」といってゆったりした曲調のお囃子が奏でられます。
(ほかに「渡り囃子」や「イキシ」と呼ぶところもあるようです)

動画で確認してみてくださいね↓
<!-- 船鉾 二階囃子 -->



先日載せた放下鉾のお囃子が対照的にスピード感のあるものとなってます。
これが「戻り囃子」。

いろいろ勉強しながら聞くお囃子も楽しいです!



町会所に下がる木製の名札。
太鼓方、笛方、鉦方・・・。
昔から、掛け替えられ、掛け替えられてきた伝統。


そんな一場面に出会いました。
船鉾のある新町仏光寺から、四条へ向けて走っていたところ。
火災で鉾を失い、今は「休み山」となっている「大船鉾」のお囃子が…。
巡行には参加出来なくとも、伝わり続けるお囃子を奏でる保存会の皆さん。

何だかすごく胸を打たれて、涙が出そうになりました。

そのお囃子の音色は月鉾のそれに似てよく響き、美しいものでした。
かなうものなら、いつの日か巡行でその姿を見たい。
出航の「船鉾」に対して凱旋の「大船鉾」。

今は旅に出かけたきりの船が、いつか京都に凱旋することを夢見て。。。



さらに、もうひとつの出会い。
何と、船鉾の町会所の前で禿の植村くんに出会いました。
ご両親とお散歩されてたようです。
お父さんに肩車されて嬉しそうな植村くん。
「17日までに怪我でもしたらあかんし…」と心配されるお母さん。

がんばれ…とその姿を見送りました



あぁーそれにしても暑いですね
昨日も今日も、まとわりつくような湿気!!!
もう日が沈まないと動けません。
今は夜の二階囃子だけ聞かせてもらっているので大丈夫ですが。
これから日中での動きが増えてくる・・・。


ワタクシ本当に燃えそうです。


その前に明日は三条会商店街の七夕夜市!
浴衣解禁じゃ~^^