『いいかよく聞け、五郎左よ!』 -もう一つの信長公記-

『信長公記』と『源平盛衰記』の関連は?信長の忠臣“丹羽五郎左衛門長秀”と京童代表“細川藤孝”の働きは?

十柄剣(とつかのつるぎ)

2007-10-21 09:20:30 | 源平盛衰記の蔵:武具篇
十柄剣(とつかのつるぎ)

拳で十回握った長さの剣。

 一握(つか)=指4本の幅

で、矢の長さをあらわすときの

 一束(そく=約9cm)

と同じとすると、十握(とつか)は刀身約90cm

となる長剣。漢の高祖が天下を取った「三尺の剣」

を意識したものか。


日本書紀では素盞烏尊(すさのおのみこと)が

十柄剣で八岐大蛇(やまたのおろち)を切った時、

「十柄剣で八岐大蛇の尾を切ったとき天叢雲剣

(あめのむらくものつるぎ)にあたって少し欠けた」

とある。三尺の剣=漢(外国)と考えると、これは

「外来の剣(十柄剣)より国産の剣(天叢雲剣)の

ほうが硬く鍛えられている」ことを暗示しているよう

に見える。


十柄剣は、古代蛇のことを『はば』とも呼んだので、

 「天蝿斫剣(あめのはばきりのけん)」

とも呼ばれた。日本書紀では、

 「蛇の韓鋤の剣(をろちのからさひのつるぎ)」

 「蛇の麁正(をろちのあらまさ)」

 「天のはば切りの剣」

ともいう。源平盛衰記剣巻では、

 「のち石上布留社に奉納された」

日本書紀天武紀では

 「蛇の麁正と呼び今は石上宮にある」

とある。ただし源平盛衰記巻四十三では、

 「天十握剣・天叢雲剣・布留剣」と併記されており

齟齬が生じている。


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