音次郎の夏炉冬扇

思ふこと考えること感じることを、徒然なるままに綴ります。

先生が危ない!

2008-03-22 09:22:39 | 事件
最近は教育関係者のハレンチ犯罪が立て続けに報じられています。昔から温泉宿のコンパニオンの間では先生と銀行員の評判がすこぶる悪く、旅先でえげつない振る舞いをする代表選手として知られています。常に身を律していなければならないという抑圧感がそうさせるのか、本性を現すと品のない人が結構棲息しているようです。

そうはいっても埼玉県の市立川口高校校長だった市川和夫容疑者の犯罪には驚きました。教頭時代から交際した女子生徒を未練たらたらで追いかけ回し、挙句にストーカー・脅迫行為におよんだというのですから・・・。被害者の女性は誠にお気の毒ですが、末端の不良教員ではなく、校長ですよ! 主事を経て校長に就任し、地域でオピニオンリーダー的な提言をしていたともいいますから、まずはこの世界の成功者といえるわけで、だからこそ薄ら寒いものを感じるのです。

以前に読んだ雑誌記事では、昨今のモンスターペアレンツの増殖は、教員の事なかれ主義が一つの要因と指摘していました。今は教育委員会に保護者からの告発があると、学校はその正当性を抜きにしてまず謝らなければならないそうです。(これもおかしな話ですが)それを拒否した教員は僻地へ異動させられてしまうのが必定で、これをされるとたまらないので、不条理に耐え首をすくめて嵐をやり過ごすか、問題のあるバカ親を新任の教師に押し付けたりしているという現場の惨状があるようです。こういう減点主義の世界では、必ずしも優秀な人がトップになるわけではないので、校長というのは、うまく立ち回ったという意味の「成功者」にすぎないのかもしれません。ゆえに「立派な人がなぜ???」というのはたぶん見当違いなのでしょう。一方で、横浜市の公立小に2人目の民間校長として、旺文社の社員が招聘されることになったというニュースもありました。こちらは健闘を祈りたいと思います。

千葉大准教授の院生へのセクハラ事件も、案件としては古典的ながら、首をかしげてしまいます。この准教授(31日付で依願退職予定)は自宅で女子大学院生に「半年間恋人になってほしい」「自分の援助がなければ卒業できない」などと迫ったというのですが、この女性のために自らが出題を担当する大学院入試英語で不正を行った疑いもあるようです。聞いたこともない学校の「総長」とやらがセクハラを行っても、チンピラは何処にでもいるので驚きませんが、千葉大学という旧二期校の星にして(注:千葉大は一期校だったそうです。。)、首都圏の有力な国立総合大学の大学院において、せっかく准教授という椅子を得ていながら、なぜこんなことをしでかしたのでしょうか。オーバーポスドクが社会問題化している昨今、望んでも大学に定職を得ることが叶わない研究者が1万5千人もあふれているというのに・・・。この准教授は40代で事実上のクビとなり、残りの半生を彷徨うことになってしまいました。こういう学者崩れはつぶしが利かないので、野に放つと却って危ないのですが大丈夫でしょうか。

最後は極めつけで、教員ではありませんが「先生」です。慶応大学卒業後、民主党参議院議員秘書を経て、26歳で西宮市議に上位(4位)当選した坂野成志容疑者が何をしたのかというと、

 「アスベストの検査」と言って訪れた家で応対に出た少女(16)の胸を触ったとして、兵庫県警は21日、強制わいせつと住居侵入の容疑で、同県西宮市議で学習塾経営坂野成志容疑者(27)=同県西宮市天道町=を逮捕した。「知人宅を訪れただけ」と容疑を否認しているという。
 調べによると、坂野容疑者は21日午前11時半ごろ、同県尼崎市の電気工事士(36)宅を「アスベストの検査」と言って訪問。玄関に入り、応対に出た高校1年の長女の服の中に手を入れて胸を触った疑い。
 女子生徒が「何でそんなことをするんですか」と聞くと、坂野容疑者は「これで検査が終わりました」と言って立ち去ろうとしたという。帰宅した電気工事士と鉢合わせし、女子生徒からの電話を受けた母親(35)が110番した。
(3月21日 時事通信)



後援会ブログは本人のホームページ同様、やがて閉鎖されるでしょうから顔写真だけでも晒しておきます。



全国の地方議員の方々、それこそピンキリでしょうが、西宮市は人口が50万人近い規模というだけでなく有力者や著名人も多く住む屈指の文教都市であり、政治的にはあの土井たか子の地盤だったことで知られる土地柄です。容疑者は昨年の市議選までは学習塾を経営していたらしく、そのためか公約に「教育問題」を掲げ、昨秋の議会でも、公立高校の入試制度や中学の内申点公正化などのテーマで質問を行っています。学習塾講師の体験を基に、今後の政治活動も「教育」を武器にしていこうと考えていたことが窺えます。若さは大きなアドバンテージですから、弱冠26歳で初当選というのは、今後のキャリアも期待されるところだったでしょうが、こんな意味不明のハレンチ罪で、すべてが水泡に帰した感があります。魔がさしたのでしょうか?

もちろん上記の一連の事例は、聖職者であるがゆえにニュースになってしまうということはあるでしょう。ただ、結構高い地位にいることと罪状のギャップが理解しがたく、行動経済学的には説明がつかないなあと思ったのです。心理学の領域になるんでしょうね。

 

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6 コメント

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旧一期校です (マルセル)
2008-03-22 09:57:33
> 千葉大学という旧二期校の星

まがりなりにも旧一期校ですw。
まあ先生に限らず凡人男は、美しい女性をみると愚息が反応するわけですが、実力行使に出るのはアキマヘンナ、小銭を出せば済む話しなのですが...
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すんません (音次郎)
2008-03-22 10:46:35
>マルセルさん、ご指摘ありがとうございます。
最後の共通一次世代なので、知識があやふやなのに思い込みで書いてしまいました。千葉大学の卒業生の皆様にお詫び(?)申し上げます。
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冤罪 (通りすがり)
2008-03-22 12:42:25
冤罪事件も多いですからね。。。
そして裁判も公正とはいいがたい。

ブログで例にあげていらしゃった事件は、おそらく本当に「黒」なんでしょうが、はめられてしまうこともあるらいしいですよ。世間へのみせしめとか、権力にとって都合の悪い言動を行う人物に対して。
おそろしや~。
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たしかに (音次郎)
2008-03-22 13:27:39
>通りすがりさん、ありがとうございます。
たしかに植草先生の例を見るまでもなく、教える人にとっては破廉恥罪は致命的な痛撃になりうるわけで、もし謀略であるのなら怖いことです。本人でできることがあるとすれば、周囲の10人が10人とも「彼はそんなことをしない」と言ってくれるような評価を確立しておくことくらいでしょうか。
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Unknown (すみれ)
2008-03-25 23:25:22
こんばんは。
唐突ですが、「植草さん」と言う方の、かつて世間を騒がせた事件は、冤罪の可能性が高いのですか?すみません、調べもせずに。
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「植草さん」 (音次郎)
2008-03-29 22:11:03
本人は頑強に否認しています。状況や目撃証言にも不自然なところがないとはいえず、真偽のほどは藪の中です。
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