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探究学習における省察(reflection)と協同(collaboration)-第8回学校図書館自主講座のご案内

2016年01月12日 | 「学び」を考える

 

 1月10日に行われた「学校図書館自主講座特別セミナーin神奈川」は、横浜の神奈川学園中高等学校図書館をお借りして、30名を超える参加者のみなさんとともに有意義で楽しいひとときをすごすことができました。休日にもかかわらず、朝早くから会場の準備をして私たちを迎えてくださった図書館スタッフの皆さんと、学校図書館とのコラボレーションによって組み立ててこられた教育実践について丁寧にお話しくださった先生方に心から感謝いたします。次回の自主講座では、この日のセミナーを振り返り、良かった点だけでなく、なぜ良かったのかを掘り下げ、さらなる疑問点や今後の課題についても考えたいと思います。
 ということで、盛りだくさんの第8回学校図書館自主講座(神戸)は下記のとおり行います。関心のある方は、おいでください。

日時:2016年1月31日(日)午後1時-4時30分

場所神戸市勤労会館 407号室

参加費:会場費その他の必要経費(参加者数によって異なりますが、一人300~500円程度)

問い合わせと参加申し込み:はじめて参加される方は下記までメールでお知らせください。

  学校図書館自主講座事務局 holisticslinfo#gmail.com (#を@に変更して送信してください)

プログラム:

はじめに:「省察とは何か」 足立 正治

 近年、ジョン・デューイの省察的(反省的)思考(reflective thinking)やドナルド・ショーンの省察的実践(reflective practice)が注目を集めています。古くは、ルネ・デカルトのMeditations on First Philosophyにも『省察』という訳語が充てられています。一方でreflectionには、反省、内省、熟考などといった訳語が充てられることもあります。いったい「省察(reflection)」とは何か。どうして、いま注目されているのか。家城先生のご発表に先立って、さまざまな活動分野で基本となる「省察」という概念を、クリティカル・シンキング(批判的思考)とも絡めながら整理したいと思います。

1.「探究学習に見られた反省的思考について-10年間の実践活動より」 家城 清美(同志社大学嘱託講師)

   -発表の概要と内容は下記をご覧ください-

(休憩)

2.「学校図書館自主講座特別セミナーin神奈川」を振り返る 参加メンバー

問題提起:「探究学習の成果をどのように評価するか」 足立 正治

 観察やポートフォリオによって探究のプロセスを評価するだけでなく、パフォーマンスや作品として発表された探究の成果をとおして、探究の目的やプロセス、取り組みの姿勢、学びの質などを評価し、今後の探究活動に活かす方法について、今後、皆さんの経験を持ち寄ってご一緒に考えたいと思います。(この問題提起は、時間の都合で次回に回すこともあります)


「探究学習に見られた反省的思考について-10年間の実践活動より」

Ⅰ 発表概要

 1998年の学習指導要領改訂により、同志社女子中学校・高等学校でも総合的な学習の時間が導入された。同志社女子中学・高等学校では図書・情報センターを活用した学習であった。高校3年を中心に以前より、探究学習には取り組んでいたが、中学1年から全校で、探究学習に長期期間取り組むのは初めてだった。2002年から2011年の10年間、全学年の総合的な学習の時間に司書教諭として参画し、担当教員と協働作業をしてきた中で、教員の想像を超えるような生徒の言動に巡り合うことがあり、印象深く今も記憶に残るものがある。当時どのように表現すればよいか戸惑ったものが、この自主講座の番外編としての読書会でJ・デューイの著書を読み進める中で、生徒たちの行動を言い表す言葉を見つけた。
 つまり、生徒の言動は反省的思考による結果だったと思い当たったのである。今回、10年にわたる総合的な学習の時間で、特に生徒の情報探索行動での反省的思考に焦点を当て、発表を試みる。

Ⅱ 発表内容

  1. はじめに 反省的思考と省察的思考―新たな訳語
  2. 同志社女子中学校・高等学校の総合的な学習の時間の概要
  3. 事例 中学2年
  4. 探究課題
  5. 授業計画―基礎から発展へ
  6. 担当教師と司書教諭の支援内容
  7. 生徒の授業中の様子
  8. 司書教諭のAssessmentに見られた問題となる生徒の情報探索行動と司書教諭による注意喚起
  9. 生徒の反省的思考による言動
  10. 他の学年に見られる反省的思考による言動
  11. 反省的注意を生み出す環境づくりとその要因
  12. まとめ

 

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