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カタログハウスのCMはなぜ放映を拒否されたのか(天野祐吉さんのコラムから)

2011年11月25日 | メディア

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毎週水曜日の朝日新聞朝刊に掲載されている天野祐吉さんのコラム「CM天気図」を楽しみにしている。CMに反映された現代社会の諸相を軽妙な語り口で読み解いてみせてくれる天野さんのコラムは、ユーモアが効いているだけでなく、批評精神がつらぬかれていることで、読んだ後に考えさせる何かが残る。ときには辛辣な批判が自分に突き刺さってくることもあれば、洒脱なことばの裏に感じ取れる筆者の憤りに強い共感を覚えることもある。20111123日に掲載された「異見広告」もそのうちのひとつだ。

 

 黒い画面に白い文字の文章があらわれ、それを読む大滝秀治さんの声が流れる。

 「原発、いつ、やめるのか、それともいつ、再開するのか。それを決めるのは、電力会社でも役所でも政治家でもなくて、私たち国民一人一人。通販生活秋冬号の巻頭特集は、『原発国民投票』」

 

 実際のCMは、以下のYouTubeで見られる。

 ・通販生活 2011年秋冬号 巻頭特集「原発国民投票」
 ・
天野祐吉のあんころじい

 

 そんなカタログハウスのCMがテレビ局に放送を断られたという。内容が公序良俗に反するわけでもなく、偏った意見を主張しているわけでもない。原発の問題を特集した雑誌の広告がどうして放映を断られるのか、その理由がわからない。

明確な根拠が示されないまま「やはり、それはまずいだろう」という、得体のしれない判断(規制)をマスコミが行っているとしたら、なんだか背筋が寒くなる。ふと、学校現場にもそんな風土がないだろうか、という思いがよぎる。「何を放映すべきか(放映してはならないか)」とか「何を教えるべきか(教えてはならないか)」ということにばかりうつつをぬかしていると、肝心の私たちが「知るべきこと」や子どもたちが「学ぶべきこと」といった視点がぬけおちてしまうことになりかねない。

天野さんがこのコラムで取り上げた出来事には、たかがCMといって見過ごしてしまうことのできない問題がひそんでいるように思えてならない。

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