告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

丸山千里著 「丸山ワクチン」より

2010年03月02日 | Weblog
「丸山博士の集められた症例をみてみると、明らかにがんと判断される症例が、時には著明な改善を示している。一方、われわれが丸山博士の指示通りに、われわれの内科で行った35例についてみると、丸山ワクチンによって改善を示したものは一例もない。この臨床経験から、このものはガンに対して全く無効であるとの結論を出している」 これは1971年10月号「日本医事新報」に載せられた癌研付属病院内科部長の古江尚博士の一文である。

丸山ワクチンを、このため、ひとりよがりの、インチキな薬であるという印象で受け止められた人も多かったのではないだろうか。その後、1975年の「日本医事新報」に古江尚内科部長による学会の見聞録に関して、再び、丸山ワクチンについてがふれられていた。

「抗がん剤の開発が手詰まりになっている、というよりも癌化学療法が大きな困難に直面している現在、多くの人の目が免疫療法に向くのは当然である。ただそのなかにあって、丸山ワクチンに対する関心は意外に低かった。今回、丸山先生のところから2題の発表が行われた。発表から見る限りでは、やはり明らかに癌と思われる症例が明らかに改善しているといってもさしつかえないのではなかろうか。説得力が少なかったのは、基礎的研究の不足と今まで発表方式に問題があったわけだが、最近このようにしてわが国の癌の学会にすべてのデータをさらけ出して、広く学界の批判を受けられる先生の態度は相変わらず真摯であり、好感がもたれる。他の学者ももう少しこの丸山ワクチンに興味をもってもよいのではないだろうか」

意外であった。と同時に、古江博士のご好意に感銘した。前に一度発表した意見を、転換させるということは、なかなかできるものではない。その是々非々の姿勢は、学者として非常に尊いものであると思った。 

丸山千里著「丸山ワクチン・ガンを追いつめる」より(要約)



1944年以来、結核菌から抽出したワクチンは皮膚結核や肺結核、そしてハンセン氏病の治療に用いて効果をあげてきた。丸山先生は、1965年からは結核ワクチンをガン患者に対して使用した。1973年までのあいだの集計によると、丸山ワクチンによるガンの治療を受けたもの2474人中、著効386人、有効785人、無効1303人。丸山ワクチンを受ける患者のほとんどが、いわゆる末期患者であった。ガンの初期に丸山ワクチンを使用すればどのような結果になるかについての集計は、今でもまったくありません。