今までにも満州からの引き揚げについて
幼い3人の子をつれて日本を目指したひとりの女性の
手記やドラマなどを見たことがあります。
壮絶な経験を想像するだけで
胸が締めつけられました。
今回、藤原ていさんの
「流れる星は生きている」を読みました。
幼い3人の子をつれて日本を目指したひとりの女性の
引き揚げの記録。
壮絶ではあるけれど
解説者が書いているように
「引き揚げの苦労話で終わるのではなく
集団のなかであらわれた人間の弱さや醜さを直視し
追いつめられた人間の本性をあぶりだすとともに
生きようとする人間の意志の大切さと
尊さをうったえた文学作品になっている」
平和なときでさえ子育ては大変なのに…
いや子どもたちがいたから
自分が死ぬわけにはいかないと
がんばれたのだろうか?
私だったら日本に辿り着けただろうか?
ひとたび何かが起きたら
私たち人間の生活はあっけなく
日常を失ってしまう。
読みながらいろんな感情がわきあがってきました。
あたりまえの日常はあたりまえじゃない。
病気や天災は仕方ないけれど
人災は回避することができるはず。
今このときも
戦争や紛争で
苦しんだり悲しんでいる人がいます。
歴史から学んで
世界中の人が他人事ではなく
自分のこととして考えることができますように。